太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第45話「政変」。判官殿はやっぱり尊氏が大好き。妙な気分になったと言っておりましたがその正体は「尊氏君の危機をめちゃくちゃ心配した」事なんじゃないかと思います。判官殿、それはきっと恋だよ。太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第45話

太平記(大河ドラマ)あらすじ第45話「政変」

貞和5年(1349年)8月14日。



「方々、此度の戦は我らの意地ぞ!命を惜しまず名を惜しめ!」



直義の号令に桃井直常以下皆頷くと、門を開く。



「暫し待たれよ!」



大河姫

判官殿ご登場!この登場の仕方はヒーローになる感じだ。

門を開くと丁度馬に跨った道誉が行く手を阻む。




道誉は下馬すると尊氏亭へと入ってくるが桃井直常はそれを許さない。



「この寝返り者が・・・」



大河姫

直常、一途や奴だな。

弓を引く。




ヒュッ!



バシッ!



直常が放った矢を太刀で叩き落す。



「待てというのが分からんのか!」



道誉は直常に怒鳴る。




そこに「戦を止める」決意をした尊氏もやってくるが・・・。



「将軍とご舎弟様に急ぎお耳に入れたい儀あり!」

「御人払いを」



三人は屋敷の中で密談をはじめる。

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太平記あらすじ第45話上巻「決着」

「師直殿の件にございます」

「師直殿はこの館へ火をかけようとされておる」



「師直め・・・!」



直義は怒りに震える。



「師直殿の兵は五万、ご舎弟様の兵は・・・千」

「勝負は見えておりましょう?」



館へ火をかける必要などはないはずである。



「ではいったい師直がどうしたのじゃ!」


大河姫

尊氏は気付いた。直義は・・・気付かない。直義もなんだかんだ言って坊ちゃんだからな・・・。

直義は道誉へ詰め寄る。



「ご舎弟殿を殺すなら将軍も一緒に害する」

「事と次第によっては足利兄弟を討つ」



「!!!」



道誉は昨晩の師直の様子を話す。



「ハッキリとそう申されたワケではない」

「しかし、この判官にはその匂いがするのじゃ」

「下手をすれば足利家は滅びますぞ」」



大河姫

判官殿の鼻は効くよ。

勿論、ここで足利兄弟を討ち果たしたとして、その後天下が師直の元に転がり込むほど甘くはない。未だ、吉野方との戦は続いており、鎌倉には義詮、そして西国には直冬もる。また、師直は朝廷寺社との関係も悪くとても協力などは期待出来ない。が。



「五万の兵が従っておるのじゃ」

「やれるのではと錯覚が起きてもおかしくはない」

「この判官も師直殿に付いて分け前に預かろうと思うが・・・そう上手くも行くまい」

「ここは上手く切り抜け頂かねばの」



尊氏は直義に向き合う。



「今すぐ師直の意を容れ退くのじゃ」

「それが嫌なら、儂はこの場で其方を斬って捨てる」



ここに至り直義も決断する。



「それがしを義詮殿の後見として残して頂きたい」

「げにも」

「上杉重能と畠山、命ばかりは助けて頂きたい」



足利直義は折れ、幕府の権力を義詮に譲り渡すと宣言した。




師直のクーデターが功を奏した。

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太平記あらすじ第45話中巻「呑気」

決着は着いた。




師直方は包囲を解き兵たちも皆弓を置き帰っていく。




そして、凱旋将軍の如く師直とその取り巻きが尊氏亭へと入る。丁度「敗軍の将」直義は尊氏亭を出て行くところであった。二人は遠目でお互いを眺めるが、無言で別れる。




師直は広間で尊氏に此度の件を詫び、尊氏は師直の行動を認め称賛する。



「これから其方らが頼りぞ!」

「はは!」

「では、師直は此処に残れ」



師泰以下の諸将が広間を去り尊氏と師直の二人になる。



「殿!此度は肝を冷やしました・・・!」



此度の「包囲」は尊氏が仕掛けた事である。しかし、それを知るのは尊氏と師直ほかごく少数である。二人はお互いの健闘を称える。



「しかし、大将が其方であるからあまり心配はしていなかったが」

「配下の者が良からぬ事を考えれば如何なる仕儀となったか」



「如何なる仕儀とは?」



「五万の兵が囲んでおるのじゃ」

「天下を狙えるやもしれん」



「あ!なーるほど」

「それは気付かぬ事でございました」



大河姫

wwww気付かぬこと!まあ、「気付いていたけど怖かった」という感じだよね。二条の君は機嫌直したかな?

「今頃気付くようでは師直は天下を狙えぬの」

「儂もたった今気付いたのじゃ」



「殿も呑気にございますな」



「師直も呑気じゃの」



「ははは」

「あはははは!」



二人は笑い合う。




しかし、部屋を後にした師直は冷や汗が止まらなかった。



大河姫

尊氏と師直、すきま風吹いたかな・・・?冷や汗だねぇ。

その様子を少し遠目から道誉が眺めていた。



「師直に謀反の心があったとは思えぬ」



大河姫

流石、師直を露ほども疑っていないねw

尊氏は道誉に話しかける。



「それがしもはっきりあったとは申しておりませぬ」

「あっては困る故、転ばぬ先に」

「ま、人には魔が差すということも」



「ごへんはどうじゃ?魔が差さなかった?」



「天下の征夷大将軍を五万の兵が取り囲んでおるのじゃ」

「妙な気にならぬ方が不思議」



大河姫

判官殿カッコつけちゃって可愛いw。尊氏が心配でしょうがなかった癖にww。判官殿の「妙な気分」の正体は天下への野心じゃなくて尊氏への「恋心」だよね。

「寂しいものじゃな・・・」



尊氏は道誉を友だと信じているのだ。



「この様な事に友も家臣も無い」

「とは言え、今後は五万の兵で己を囲ませるような事をせぬ事じゃ」



「それでも儂は御辺を信じておる」

「これからは御辺が頼りじゃ!」



「ははは!敵わぬなぁ・・・(笑)」



大河姫

流石、尊氏!

道誉は心底嬉しそうな表情を見せる。








2カ月後。




鎌倉から義詮が上洛してくる。




直義に代わり幕府の政を行う為である。




足利宗家の期待を一身に浴びての入京であった。




この日は、久しぶりに義詮を迎え、尊氏と登子、親子3人で夕餉となる。




登子は甲斐甲斐しく義詮の世話を焼くが、義詮は少々照れ臭そうでもある。



大河姫

登子すっかりママ。ちなみに、入れ替わりで次男の光王が鎌倉へ下向するはず。

「其方の鎌倉での精進は右馬介から伝え聞いておる」

「はは」



大河姫

闘鶏三昧であるということも知っているんだよね。

尊氏は幕政を預かる者の心構えを説くが、登子は今夜はそれくらいでと尊氏に小言を言う。



「そうじゃの(苦笑)」

「そうじゃ、直義にに幕政の事はなんでも相談するとよい」



「・・・はあ、しかし、叔父上は政を誤り退かれたのでは?」



「じゃが、叔父上は朝廷や寺社に深い繋がりがある」

「まずは会って見るとよい」



そこに、家人が火急の書状を持ってくる。



「備後の仁木殿より火急の要件と」



「・・・右馬介を呼べ・・・」



尊氏は家人にそう指示をすると、二人を残し部屋を後にする。




その書状には直冬の行方が知れないと書かれていたのだ。また、直義に近い西国諸将が直冬を担ぎ幕府転覆を謀っているという噂もあると右馬介は報告する。



「直冬は我が子、この舵取り難しいの・・・」

「上洛早々すまぬが、直冬の行方を探ってくれ」

「これは其方にしか頼めぬ」



「はは」



大河姫

まあ、尊氏よ、全てお前が撒いた種じゃ。

右馬介は早速動くが・・・。



「待て」

「?」

「義詮が長々と世話になった」

「何を仰せられます・・・」

「義詮をあれをなんとしても将軍に育てねばならぬ」

太平記あらすじ第45話下巻「父と子」

三条義詮亭


直義は三条の屋敷を義詮へと明け渡していた。




この日、初めて直義が義詮に挨拶に訪れる。



「この一年間、朝廷や寺社とした取決めの一覧にございます」

「有難き心遣い、義詮恐悦至極にございます」



直義が幕政を預かっていた間の約定などをまとめた文書を義詮へと献上するが、既に、義詮の周辺は師直一派により固められている。




直義が「後見」として入り込む余地は無かった。




直義は失意のまま元の自身の屋敷を後にしようとするが・・・。



「表門は師直殿の刺客が待ち受けております」

「裏門に牛車を準備しております」



大河姫

暗殺か。皮肉な話ですな。同じ屋敷でつい此間師直が暗殺されかかった。

右馬介は直義と牛車に乗り込む。




直義は今更何故自分の命を師直が狙うのかが解せない。



「斯波殿や桃井殿が御殿を担ぎ、再び師直殿の追い落としを企てているのではと」



「その様な話はない」

「あっても儂は乗らぬ」



「果たしてそうでしょうか?」



右馬介は直義が直冬と密かに会い幕府転覆を謀っているのではと尋ねる。それを尊氏が心配していると。



「この右馬介、足利家に仕えて以来、北条さえ倒せばよいよが来ると」

「しかし、未だ世は治まらず、あろうことか武家の棟梁足利家が割れようとしております」

「直冬殿謀反はなんとしても避けねばなりませぬ」



大河姫

耳が痛いね。

「直冬は淀におる」

「直冬は将軍に会いたいと申しておる」








それから二日後。




尊氏は都の南にある小さな寺を訪ねた。




直冬が尊氏の到着を待っていた。



「将軍におかせられては御変りもなく」



大河姫

もう、顔がめちゃくちゃ反抗的。

尊氏は上座に座り問いかける。



「何故都に戻らぬ、何故逃げる?」



直冬は自身が長門探題を外された事に不満をぶつける。



「其方に罪はないが、其方は直義の子」



「それはおかしゅうございます」

「直冬が将軍の子と知らぬものはおりますまい」

「鎌倉で闘鶏にうつつを抜かしていた義詮殿が政を行い、直冬が長門探題も任されぬとはあんまり」

「直冬を抹殺なされますか、御認め下さいますか?」



大河姫

ああ、それは、尊氏に「父」は禁句なのよ直冬。

尊氏は答える。


「其方は儂の子、それは紛れもない」



大河姫

あ「父」は禁句だったのに、流石に認めた。

そして。



「何故其方は武士になった?何故探題を望む!」

「儂は足利家を義詮の元に一つに束ねたいのじゃ」

「それが幕府をまとめる唯一の道」

「其方は必ず、義詮の敵となる!己が望むと望まんとに関わらず、其方の元には人が集まる」

「都に戻り、直義と共に穏やかに暮らして欲しい」



「それは将軍の身勝手」



「身勝手じゃ!それ故許せと申しておる」



「直冬は義詮殿の為に己を殺すことはできませぬ!」

「直冬は西国に行き独立独歩己の力を試してみたいのです!」



直冬は寺を出て行く。



「右馬介!直冬を追いかけるのじゃ!」



大河姫

力あるというのも必ずしも幸せではないな。

翌年、直冬は九州で謀反の兵を挙げる事になる。




以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじ第45話「政変」でございます。

太平記(大河ドラマ)感想第45話「政変」

太平記(大河ドラマ)感想第45話「政変」。尊氏はちょっと西郷先生を彷彿させるんですよね。器が大きいというか、茫洋としているというか。



「五万の兵で自身を囲ませる」



尊氏は師直を信じ切っており簡単に自分自身の命も預けてしまう。相手を信じ切ってしまうというのも才能。




判官殿に指摘をされた後も、



「師直に謀反の心があったとは思えない」



という人の良さ。

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太平記感想第45話「脚本」

尊氏は呑気なのです。




五万の兵で自身を囲ませるなど中々できることではない。




しかし、尊氏は師直に魔が差すことなど露程も疑っていない。




道誉に指摘されて初めて尊氏は気付く。




ちょっと面白いのが直義は道誉の指摘を受けても「気付いていない」といところですね。




さて、今回の「茶番劇」の脚本を練ったのは尊氏で、その脚本は「終幕」は決まっているものの、そこ至る道筋にはまだ脚本が足りてない。




そこを見事に尊氏の忠犬判官殿が埋めてくれました。




前回の感想で、



「道誉の野心に火が灯ったように見えた」



と書きましたが撤回します。




道誉は尊氏が生きている限り、ちゃんと表舞台にいる限りは最期までついていく忠犬でした。




足利兄弟自身よりも道誉(師直も)の方が二人を理解しているんですよね。




尊氏が「直義の命を奪う」事を許すとは思えない


直義が「退く」ことは無い




ではどうなる?




師直の様子を見て飼い主の危機を悟った。




妙な気分の正体は自分が驚くほど尊氏の身を案じたことじゃないですかね?




ならば「足利一門」を人質とする脚本を提供し、見事に終幕まで演じさせる。




道誉の加筆修正が無かったら、足利兄弟はココで終わっていたかもしれませんね。

太平記感想第45話「父と子」

「子というのは近くにいても離れていても親を刺す」
by貞氏




尊氏自身が「直冬は自分の子である」ということを口にしたのは初めてですね。




尊氏と直冬の間では「父」「息子」という言葉は禁句でしたからね。うっかり「父上」と発言しようものなら途端に尊氏の表情は苛立ち気になる。その度に直冬は気まずそうにしていまいした。




今回は、それを口にする程までに尊氏の危機感が強かったのでしょうね。




そして、このやり取り何処かで見たことがありませんか?



分かっておる・・・故に許せと言うておるのじゃ



後醍醐帝が亡くなった頃からですね。




過去が未来に復讐かのように尊氏に降りかかる難題はかつて後醍醐帝が思い悩んだことばかり。




あの時後醍醐帝から「許せ」と言われても、尊氏は許さなかった。勿論、その時は謀反を起こしたワケではありませんが、結果的には後に朝廷を二つに割ってしまった。



武家がそれを望めば帝に抗し幕府を開かんとする


そち(尊氏)にはそれだけの器量がある



既に、直義派は直義自身の意向に関わらず直冬を祭り上げ、師直、ひいては義詮にも対抗しようとしている。そして、直冬には「それだけの器量がある」ことを尊氏自身も認めている。




尊氏はこれから益々孤独な、しかも骨肉相食む戦いを続けなければならない。



「それでも儂は御辺(道誉)を信じておる」



この言葉は信じなければやってられない尊氏の心の叫びでもあったかな。



以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第45話「政変」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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→太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第46話「兄弟の絆」