鎌倉殿の13人あらすじと感想第46話「将軍になった女」。実衣にとって政子は憧れであり目標であり、そして「ライバル」でもあったのだと思う。政子にとっての実衣はただ、可愛い妹というだけ。鎌倉殿の13人第46話

鎌倉殿の13人あらすじ第46話「将軍になった女」

実朝の突然の死。
鎌倉殿の不在が続いている。
政権崩壊の危機が迫る中、
義時と後鳥羽上皇の根比べは、
緊張を増して行く。


鎌倉御所


「時元殿を鎌倉殿に・・・ですか?」


実衣は息子時元を鎌倉殿にしようと動き始めていた。政に疎い実衣は鎌倉の長老の一角、三善信康にその手筈を尋ねていた。信康は実衣の様子に不信を感じながらも征夷大将軍就任には「宣旨が必要」であると伝える。





次に頼ったのは三浦義村。


「実朝様が亡くなった今なら宣旨は出る」

「手筈はこの三浦にお任せを」


義村は実衣の「時元鎌倉殿就任計画」に乗ったように見せる。


「息子が鎌倉殿になったら執権は三浦殿」


「小四郎には?」


「小四郎?誰?(冷笑)」


勿論、義村は義時と通じていた。時元に兵をあげさせ、それを謀反の咎で鎮圧する。全て義時が描いた筋書である。


「本当に殺して良いんだな?」


義時は眉一つ動かさず、禍の種は早めに刈り取るという。


「鎌倉は誰にも渡さない」


実朝暗殺から一月も経たぬ間に、時元は義時の差し向けた兵に囲まれ自害する。


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→鎌倉殿の13人キャスト表

鎌倉殿の13人あらすじ第46話上巻「謀反」

後鳥羽院
御所


「こうなったら化かし合いよ(笑)」





後鳥羽院の元には親王下向を急かすような鎌倉からの書状が届いていた。勿論、後鳥羽院もその知恵袋の慈円僧正も鎌倉の意図は見抜いている。鎌倉の思うようにはさせないと策をめぐらすことになる。


鎌倉御所


謀反が露見し時元を失った実衣は呆然としていた。


「何も言わなくて良い・・・」


政子は実衣の心中を想い抱きしめるが、実衣はこのような事になったのは、





「頼朝と政子が一緒になったから」


と、政子を詰る。しかし、今、政子にはこれ以上実衣の泣き言に付合っている余裕は無かった。実衣の身に命の危険が迫っている。


「貴女の詮議が始まります」


既に、時元は討たれたが、その背後に実母の実衣がいることは容易に想像が付く。実衣は時元だけを逝かせはしないと強がるが、政子がそれを止める。


「貴女に死んで欲しくない!」


詮議では何を聞かれても知らなかったと押し通すように言い聞かせるのであった。程なく、詮議が始まる。


「私は知りません」


実衣を取調べるのは大江広元。周囲には三善信康はじめ有力御家人がその様子を見ている。義時はその場にはいないが、太郎は近くに控えていた。当初、政子に言われた通りに、謀反との関わりを否定するが、ここで物証が提示される。


「時元の元にあった書状がある」


そこには、近い将来時元に宣旨が下るので、兵を挙げるようにと記載されていた。実衣は自分が書いたものではないと言い張るが・・・。





実衣が太郎の叔母ということもあり、その書状はその場で太郎に回覧される。万事休すかと思われたが、


「・・・分かりかねます」


太郎は否定も肯定もしなかった。



しかし。


「実朝様の遺品に実衣殿からの書状もあるはず」


万事休す。



実衣は自身の関与を認める。





「厳罰に処すべきです」


実衣の処分を巡って鎌倉首脳部の意見は割れる。



義時は厳罰、死罪を主張するが、政子はそれを断固拒否。



三善信康も政子に同調する。


「古今東西女子の首を刎ねたなど聞いた事がありません」


義時は大江広元に尋ねる。


「(処分の)頃合いは?」

「耳と鼻を削ぎ流罪」


二人の冷静な会話に政子はもはやついていけない。また、今回は珍しく五郎も政子に同調する。


「兄上!せめて、耳たぶだけにして頂けませんか?」


大河姫

五郎・・・その通りなんだが、そうではないというか・・・。

「煩わしい、首を刎ねてしまえ」

「おかしな事を言っているのはお前たち」


義時の意思は変わらない。

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鎌倉殿の13人あらすじ第46話中巻「施餓鬼法要」

実衣は捕らえられ、かつて木曽義高、そして実衣の夫全成が捕えられていた部屋に幽閉される。政子がその実衣を見舞う。


「どんなにみすぼらしいか見に来たんでしょ?」

「いいのよ、私もりくさんの時そうだったから」


実衣はかつて、義母のりくが謀反の咎で捕えられえた時の話をする。


「私はどうなるの?女子は首を刎ねられたりしないらしいけど」


「今の小四郎は何をするか分からない」


「そう、殺されるの・・・」


「そうならないように手を打っています」


「早く殺して、時元に会って詫びたいの・・・」

「今すぐ殺して、首はどこに晒されるのかしら・・・」

「化粧はしてもらえるんでしょうね」


「・・・また来ます・・・」


政子が帰ろうとすると・・・。





「死にたくない・・・」


政子は実衣を抱きしめてやることしか出来ない。

鎌倉政所


「向こうも同じことを考えていたという訳か」


後鳥羽院から届いた返書に関して、義時、太郎父子と五郎、そして大江広元と三善信康が今後の対応を協議している。



鎌倉方としては敢えて「親王下向を急かす事」で相手から断わらせることを考えていたが、それは後鳥羽院側も同じであったようだ。親王下向は今ではない、誰を下向させるかを検討しているので待てと送ってきたのだ。



五郎は断わってしまえば良いと言うが、太郎はそれに反対する。


「待てと言うなら待ちましょう!」

「上皇様と争って何になりますか?」


「太郎!」

「お前の超えは頭に響く、行け」


義時は苛立ち気に太郎を部屋から追い出すのであった。


尼御所


政子は思うところがあり、もっと民と触れあってみたいと考えていた。大江広元にそのことを相談すると、「施餓鬼」をしてはどうかと提案を受ける。施餓鬼とは死者供養の儀式の事で法要の後は供え物が貧しい人に配られるのである。





丁度、義時に政所を追い出されていた太郎も加わり、施餓鬼が行われれる。



政子が現れると領民が集まってくる。


「尼御台!」

「尼御台!!」


政子は領民に慕われている。領民達は相次いで子供を亡くした政子を励まそうと労りの言葉をかける。政子はその心遣いが嬉しい。





「伊豆の小さな豪族の行き遅れが」

「こんなに立派になられて!」

「憧れなんです!皆言ってます!」


「ありがとう」


北条館


のえは義時に北条の跡取りに関して尋ねていた。義時の嫡男は太郎ではあるが、その不仲ぶりは既に周知の事実である。ところが、予想はしていたことではあるが、義時は太郎を高く評価している節がある。


「父親に歯向かう位が丁度良い」


「太郎では世間が納得しません」


「なら次郎が継げば良い」


「八重さんも比奈さんも北条には仇の血筋」


義時は箸を乱暴に置くと、何が言いたいのかとのえを問い詰める。


「貴方と私の子が継ぐべきです」


「私はまだ死なん」


「こういう事は元気な内に・・・」


義時はもうこれ以上話ても無駄だとばかりに無言で部屋から出て行く。



翌朝。



のえの祖父二階堂行政が今度はのえをしかり飛ばす。


「俺の見込みではあと数百年は北条の天下!」

「何故、もっと食い込まない!」


のえとしては頑張っているつもりであるし、また、嫡男太郎と義時は不仲である。のえと義時の間の事政村も齢15で充分立派な跡取りになれるのだ。


「不仲なに認め合っている節もありあの親子は気持ち悪い!」

「・・・あのお方に頼ってみろ」

「あのお方?」





行政は三浦義村に相談するようにと助言する。

鎌倉殿の13人あらすじ第46話下巻「東西蹴鞠対決」

鎌倉政所


「弔問のついでとは無礼にも程がある!」


義時はこの日はいつにも増して怒りを爆発させていた。



実朝弔問の使者が義時が地頭を務める国の地頭解任を申し入れてきたのだ。勿論、それは親王下向の件で鍔迫り合いをする対鎌倉への揺さぶりである。義時は強気一辺倒ではあるが、大江広元は、


「このまま鎌倉殿不在が続くのは危険」


だと意見する。



五郎もそれに同調する。


「兄上、意地の張り合いもこの辺りで」

「・・・」


義時は一瞬躊躇はあったが、、結局強気で対することにする。五朗に一千の兵を付けて上洛させることにしたのだ。義時は後鳥羽院は必ず折れると考えていた。


「摂関家から新たな鎌倉殿を出して頂く」


もっとも、上洛する五朗には内心そこまで上手く転ぶか自信がある訳ではなかった。そんな五朗の内心を察したのだろうか?太郎は事を穏便に進めるようにと頼み込んでいた。


「軍勢を率いる以上、一つ手を誤れば戦になります」

「蹴鞠なら自信があるのだがな・・・」

「鎌倉の行く末は叔父上にかかっています!」


後鳥羽院
御所


建保7年(1219年)3月15日、五郎が上洛する。


「いったい何人の兵を連れてきた?」

「一千にございます」

「脅しか?」

「滅相もございません」

「トキューサ・・・」

「・・・?」

「どちらも同じことを考えているようじゃ」


後鳥羽院は奥の御簾から五朗の目の前に進み出てくる。


「このままでは埒が空かない。勝負で決着を付けよう」

「勝負?」

「勝負と言えばアレじゃ」


五郎も会心の笑みを浮かべる。


「望む所でございます!」


蹴鞠で決着を付けることになる。


「九百十八、九百十九、九百二十・・・」


920回目を後鳥羽院が蹴った処で立会人の兼子が鞠を取って引き分けとしてしまう。


「勝っておりました!」


五郎は抗議するが、兼子は諭すように意図を伝える。


「上皇様を負かせてはあのお方は其方を許すまい」


五郎は後鳥羽院の前で頭を下げ負けを認める。


「私の負けにございます」





「儂を負かす事は出来なかったが其方の力は認める」


「ありがとうございます!」


「本音を言う、親王を鎌倉へやる気はない」

「代わりの者を出す、これで手を打て」


北条館


程なく、慈円僧正が極秘に鎌倉へ下向し、義時、政子と会談する。慈円僧正の一門、九条家道家の三男「三寅」を新たな鎌倉殿として下向させたいという朝廷側の意向を伝えに来たのだ。


「源源頼朝卿の妹君が一条能保卿に嫁がれ、その長女は月輪関白兼実公の子、後京極摂政良経公に、そのまた次女は大宮大納言公経(きんつね)卿に嫁ぎ、その姫君が後京極摂政の子である道家公に嫁がれ、その間に生まれたのが三寅様にござる」


慈円は出自を丁寧に説明するが、義時も政子も頭に入ってこない。


「後ほど紙に書いてお渡しいたす」

「摂関家の流れを汲み、なおかつ源氏の血を引くお方だ」

「もう、二歳になられる」


2歳。



2歳では政は無理である。つまり、鎌倉方としては理想的な「鎌倉殿」と言う事になる。


後鳥羽院
御所


「結局、鎌倉の思いのまま」

「腹の虫が収まらないの!」


「どう思う?秀康?」


「慈円僧正、いささか図に乗っておられる」

「これ以上、僧正の好きにさせて良いものか」

「この藤原秀康にお任せ下されば一月で鎌倉を落としてご覧に入れます」


「頼もしいの、秀康(笑)」


尼御所


実朝が殺害されて半年。



新たな鎌倉殿「三寅」が鎌倉へ下向してきた。義時は当面は自身で政を差配するつもりでいたが、それに政子が待ったをかける。


「貴方は自分を過信しています」

「では誰が(政を)?」





「私が鎌倉殿の代わりとなりましょう」

「呼び方は尼将軍にしましょう」





義時は政子の変わりようにいささか驚いている。


「姉上にしては珍しく随分と前に出るではないですか?」

「私への戒めですか?」


政子は苦笑する。


「自分を中心に物事を考えるのはおよしなさい」

「やっておきたいことがあります」

「尼将軍の言う事に逆らってはなりませんよ?」





「放免になりましたよ」

「皆、いなくなっちゃった」

「もう二人きり・・・」





政子が最初に行ったのは実衣の解放であった。

鎌倉殿の13人感想第46話「将軍になった女」

鎌倉殿の13人感想第46話「将軍になった女」。頼朝の生前は義時と政子の関係は協力関係だったと思う。頼朝のある意味では「暴走」を姉と弟が協力して牽制する。



頼朝亡き後は協力関係から少しずつヅレて行って今は競合関係。



お互いがお互いを必要としているものの、主導権はどちらが握るのか?



前回、義時が主導権を握ったかに見えましたが、政子が「尼将軍」となり取り返した。
でも・・・?

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鎌倉殿の13人の感想第46話「姉と弟」

「姉上にしては珍しく随分と前に出るではないですか?」


義時は自分が全て差配するつもりでいましたが、政子にそれを阻止された形になります。


「尼将軍に逆らってはなりませんよ?」


ただ、この時の義時は必ずしも悔しそうではなかった。いや、むしろ少し
嬉しそう?



本当は政子と一緒に政をしたかった?



いやいや、そんなことは無い。



義時にとって政子の存在はある意味では目の上のたん瘤であり、自身が政を行う上では障害にすらなりえるのですから。でもね、それでも
生き生きしている政子が好きなんだと思う。



政治的な対立や意見の相違を超えて義時が
本能的に大好きな姉の姿がそこにあった。義時は気付いていないかもしれませんけど、結局、義時は姉上に振り回されるのが好きなんだろうな。



この、シスコンめ。

鎌倉殿の13人の感想第46話「姉と妹」

政子が尼将軍となり最初に行ったのは妹の実衣の解放。



実衣にとって姉の政子はライバルだったんだろうね。政子に出来ることは自分にも出来るはず。



同性の姉妹だとありがちなのかな?



でも、実衣には政の才覚は絶望的に無い。そんなとは視聴者も良く分かっているけど、ダメを押すのが三谷脚本?



結局は今回も思い付きであり、場当たり的。
冒頭、三善信康に、


「時元が鎌倉殿になるには?」


なんて、聞いてしまう辺りは
クドイ位に才覚の無さを表現している。



そして、覚悟も無い。


「早く殺して、時元に会って詫びたいの・・・」


強がってみたものの・・・。


「死にたくない・・・」


結局泣き言を言ってしまうのです。全成様の時に気付いていて欲しかった。



でも、結局、優しい所もあるの。


「どんなにみすぼらしいか見に来たんでしょ?」

「いいのよ、私もりくさんの時そうだったから」


強がり時計。


大河姫

古い、というか読者誰も知らんよな。でも名曲。

りくが囚われた時に実衣は、


「あの人のみすぼらしい姿見たくない」


って言ってた。



勿論、りくさんは当然
みすぼらしくはありませんでしたが。政子は実衣の才覚の無さ、つよがり、そして本質は優しいところとか全部分かっていた。



政子にとって実衣はただ、
ちょっとお調子者の心根の優しい妹でしかなかった。最後、二人は伊豆の片田舎の姉妹に戻れたかな。

鎌倉殿の13人の感想第46話「仮面夫婦未満」

「八重さんも比奈さんも北条には仇の血筋」


義時にとって八重と比奈は特別な存在。確かに仇ではあったが、そんなことを義時は当然気にしてはいない。



のえは自身の子を後継にしたいと考えているのですが、その為に仇の血筋を持ち出すのは余りにも悪手で義時のことが見えていない。



一方で義時も。



のえが一途に自身との子である政村を後継にしたいと願っている事に全く配慮がない。



勿論、義時の中で後継は太郎を決めているからというのもあるのですが、のえの望み事態は決して的外れでも望外な望みというワケでもないのですから一定の配慮、あるいは気まずさがあっても良いと思うのです。


「何が言いたい?」


この言葉は逆切れですらなく



「本当に何が言いたいか分からない」


と言う事なんでしょうね。
義時であれば当然気付いて良さそうなものですが、それすら気付かない位に
無関心。この2人の関係は冷たい関係とか仮面夫婦を超えて、無関係夫婦と言えるかも。



義時にとってのえの存在は取るに足らない、そもそも眼中にすらない



義時のアキレス腱になるような・・・?



以上、鎌倉殿の13人あらすじと感想第46話「将軍になった女」でございます。
大河姫

今宵は此処までに致します。

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→鎌倉殿の13人キャスト表

→鎌倉殿の13人あらすじ感想第47話「ある朝敵、ある演説」