太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第1話「父と子」。今を去る事七百有余前。鎌倉幕府を支える有力御家人に安達泰盛という大名がいた。弘安8年(1285年)11月17日。その安達泰盛の館に軍馬の足音が近づいていた。太平記のあらすじと感想第1話

太平記(大河ドラマ)のあらすじ第1話「父と子」

弘安8年(1285年)11月17日。鎌倉幕府第八代執権北条時宗を支え元寇を乗り切り、時宗の死後は幕政改革を陣頭指揮し動揺する得宗体制を支えた安達泰盛。しかし、内管領平頼綱の安達一族への警戒心は泰盛の想像を超えていた。



「霜月騒動」



後にそう呼ばれる事になるクーデターにより安達一族は滅ぼされる事になる。




太平記は足利尊氏が産まれる20年前の霜月騒動から始まる。

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太平記のあらすじ1話上巻「源氏」

乱の余波は冷めやらず、その後も北条による残党狩りは続く。




下野国(栃木県)の足利荘。




足利貞氏は側近で信頼も厚い高師重(もろしげ)と年貢の徴収状況などを打合せていた。元寇以来、足利に限らず何処の御家人も台所事情は苦しかった。



「上総、三河も年貢の出が悪い・・・また鎌倉からキツイお叱りがあろうな・・・」



足利家は「源氏の棟梁」として得宗からも一目置かれている。それは、取りも直さず「警戒されている」という意味でもある。




そこへ、塩屋一党と名乗る武者が主である貞氏に目通りを求めていると知らせが入る。師重の表情が曇る。



「・・・吉見の一族・・・」



霜月騒動で粛清された安達氏の他にも北条に弓引く御家人は後を絶たない。吉見の一族とは北条に弓引いた一族である。塩屋一党はその吉見の一族であり、小山の軍勢に追われ着の身着のまま足利荘にたどり着いたのだ。



「追い払えば良い」



事は、そう単純ではない。




塩屋一党は数十人でその中には女子供も多い。
彼らは、



「源氏の棟梁」



である足利を頼ってきたのである。今でこそ鎌倉幕府の御家人であり、北条の顔色を窺っているが、それは源氏の棟梁を自任する足利家の本意ではないのだ。



同じ源氏で苦境にあえいで助けを求める塩屋一党を見捨てて「源氏の棟梁」と言えようか。



「取り敢えず館内へ・・・」



塩屋一党は城門の中へと一端は通される事になる。




程なくして幕府の軍勢が匿っている塩屋一党を渡すように館を囲んでいた。



「断固、戦うべし!」



北条家への怒りもあり、家中の若い者は戦を叫ぶ。貞氏は皆の意見が出尽くすのを見守っている。



此処は足利荘であり、現在館を包囲している小山の軍勢程度なら討ち果たす事は出来よう。しかし、そうなれば幕府の大軍がこの足利家を踏み潰すであろう。



「たった十数名の残党の為に八幡太郎義家公以来の足利家を揺るがすおつもりか!」



そう叫んで立ち上がったのは師重の父であり足利家の執事高師氏である。



「今の足利家に北条と戦う力はございません・・・!」

「その事は先代の家時様が・・・身をもって・・・」



貞氏の父家時は安達泰盛の与党でもあった。泰盛失脚・横死した後、足利家を残すため自ら命を絶っていた。




貞氏は父が自害するのをこの眼で見ていた。



「ならば師氏・・・いつになったら我らは北条と戦える?」

「味方となるべき源氏の一党を見捨てていつになったら北条と戦える?」

「・・・無念とは思わぬか・・・?」



「・・・それは・・・」



貞氏は立ち上がる。




皆、戦支度を始める。




しかし。




結果的には貞氏は吉見の一族を門の外へ送りだすように命じる。門の外へ出れば命はない。




夜。



吉見の一族は足利に迷惑をかけた事を詫びると、自分達の最期の戦いをしっかり見届けて欲しいと頼む。



「いくぞ!!」

「おお!!」



貞氏達足利の者が見守る中で開け放たれた門の外へ切り込む男たち。そして、女子供も・・・。




子供も・・・。




吉見一党の一人の子供が門の外へと出ようとした時、手にしていた小鳥が逃げて貞氏の前に止まる。




子供は小鳥を手にそっと抱くと再び門の外へ向かうが・・・。



「行ってはならん!」



貞氏は子供を抱えると門を閉めさせた。

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太平記のあらすじ1話中巻「出会い」

吉見一件があった後貞氏は鎌倉へと戻り幕府へ出仕する。



「これは讃岐守(貞氏)殿!」

「おお、これは管領殿・・・」



貞氏に挨拶してきたのは内管領長崎円喜である。円喜は幕府の事実上の最高権力者である。



大河姫

将軍も傀儡、執権も傀儡・・・。これでは北条も先は長くないな・・・

貞氏は将軍に挨拶をと出仕したのだが、将軍も執権も風邪を得て臥せっており出仕してはいないと言う。



「ご挨拶ならこの内管領が執権殿に代わりお受け致す」

「・・・処で讃岐守殿・・・吉見の一族の件で子供を一人お助けでないかな?」



円喜は張り巡らした情報網で吉見の一族が討ち果たされた後、足利家中の者が子供を連れて何処へ旅立った事を把握していた。



「・・・これは取り調べか?」

「畏れ多い事を・・・足利殿は幕府を開かれた頼朝公のご縁戚!取り調べなど・・・」



これ以上は無駄とばかりに貞氏は立ち上がるが。



「待たれよ!まだ執権殿への挨拶受けておらぬぞ!」

「儂は執権殿名代!円喜に非ず!控えよ!!!!」

「ははは・・・お座り召され・・・」



大河姫

この迫力・・・な流石・・・フランキー堺

円喜は足利家は北条家に次ぐ御家人であり、共に幕府を支える中であり吉見の残党如きに情けをかけるとは思っていないが、



「間が差すと言う事もある・・・」

「子供を一人助けませんでしたか?」



「そのような者は存じませぬ」



結局、吉見の件はそれ以上詮索される事はなかった。


「先ほどはよく我慢されたの!」

「我ら北条一族も長崎殿には辟易しているのだ」



そう笑うのは金沢(北条)貞顕である。貞顕は貞氏の正室の兄である。




しかし、貞顕の妹との縁組は足利の力を怖れる北条家がらの無理な縁組であり、夫婦仲は良いとは・・・いや、朝から酒浸りである。



「・・・気になされるな・・・足利殿には上杉殿女房が既におられる・・・」



貞顕はそう言って笑う。




貞氏の「側室」である清子はこの年男子を出産する。又太郎と名付けられたこの子こそ後の足利尊氏である。




時は流れ元応元年(1319年)。




15歳となった又太郎は弟達と馬を走らせていた。




又太郎達は新田荘にある祠の御神体を確かめに、つまりは探検に、来ていただが、どうやら新田の者に見つかり、急ぎ逃げていたのだが・・・。




どうやら新田の方が馬の扱いには優れたいたようだ。




ついに包囲され殴り合いである。両方とも刀を抜いたが・・・



「小童相手に刀など抜くな」



そう命じたのは新田小太郎(義貞)である。



「足利の者か!」

「だったらなんだ!」

「ここは新田荘・・・!だがよい!足利トンボを我が家来としてやるわ」

「何を!?」

「新田は源氏の棟梁!足利トンボを家来として何が悪いか!?」

「貧乏御家人がえらそうに!」



大河姫

新田と足利。共に八幡太郎義家以来・・・ではあるが、遡ると足利家の祖は義家の四男源義国の次男義康がから出ており、一方の新田氏は義国の長男である義重を祖としております。源氏の棟梁は新田というのは故のない事ではない。

小太郎(義貞)は新田氏は源氏の棟梁として誇り高く生きており、北条に尻尾を振る足利とは違うのだと諭すように話す。



「お!あっちにまた足利トンボ!今度は大人のトンボだ!」



一人の武者が新田の小童たちを川に叩き込みながらこちらへと向かって来ている。小太郎は舌打ちするが、ここが潮時と思ったのだろう。又太郎に源氏の誇りを持てと怒鳴る。



「よいか!北条は平氏!我らは源氏!夢々平氏の犬に成り下がるな!!」



これが足利尊氏と新田義貞の出会いであった。




又太郎達の危機を救ったのは一色右馬介。




吉見の一族でかつて貞氏に助けられた少年であった。




貞氏から、



「これからは父とも兄とも思い諸事頼るように」



と、伝えられる。




暫く後に又太郎は元服を果たす。烏帽子親は執権北条高時。



「足利高氏」



と、名乗るようになる。




その頃、美濃では一人の少年が「悪党」に家を焼かれていた。悪党は食い詰めた御家人や百姓などだが中には北条家の者もあった。




少年は母の仇とに馬に乗った悪党に追いつくと、何処の手の者かを問い質す。



「言え!何処の者だ!」



その様子を旅芸人の「花夜叉一座」の者が見守っていた。



「素晴らしい脚力だな」



少年が走って馬に追いついた事に感心していた。振り落とされて刀で斬りつけられた時、その悪党を投石が見舞う。



「あっ!くそ!」



不利と見た悪党はそのまま去って行った。悪党が落とした弓には「三河国」との記載があった。



「三河は足利の領地」



花夜叉一座の者からそう教えられる。



「身よりもないのなら一緒に来るか?」



少年、石は花夜叉一座に加わる事になる。



「この子も親の無い子だよ」



石よりも少し年若い少女、藤夜叉と名乗っていた、と石は兄妹のように一緒に旅をする事になる。

太平記のあらすじ1話下巻「父と子」

元服した高氏は有力御家人の子弟の多くがそうするように、時の鎌倉幕府将軍守邦親王の近習として仕える事になる。




高氏は同僚の宍戸知家などととりあえずは楽しく過ごしていた。



「蹴鞠などつまらん!」



第三代源実朝公が亡くなった以来、将軍は朝廷から派遣される「宮将軍」であり、その志向は坂東武者とは異なる。宍戸知家は若さを持て余し鬱屈した日々を過ごしていたが、高氏はそれを宥めていた。




高氏は母の影響もあり、蹴鞠や和歌など京風文化にも馴染みがないわけではない。蹴鞠の由来などを宍戸知家に面白おかしく聞かせていた。




あくる日、将軍、そして執権北条高時も臨席する闘犬が行われ、高氏や宍戸知家を始め若い御家人も見物に参加する。




高時の闘犬好きは有名で、この当時鎌倉には数千頭の犬が暮らしていたと伝わる。



「おお!ほほほ!!よいのう・・・!行け!!」



高時は闘犬にご満悦で女房衆には景気づけに反物を放り投げるなどはしゃいでいる。最も、何事も宮風が好みの将軍家の好みではないようだ。




高時はふと、多くの若手御家人に混じってあまり盛り上がっていない一人の若武者に目を止める。



「あれはだれぞ?」

「ああ!足利殿の御曹司でございます」

「・・・横綱を曳かせよ(笑)」

「え!?」



高時は最近最も活躍している大きな、小さい馬位はあろうかという、犬を高氏に曳かせるよう命じる。高氏は執権殿の命とあればと従うが・・・。



「あ!こら!!おお、、やめよ!噛むな!」



高氏は犬を曳くどころか、闘犬場の大勢の観衆の前で犬に曳かれて悪戦苦闘する。



「あはは!もうよい!離してやれ・・・!(笑)」



高時は思いつきで行った見世物が殊の外聴衆に受けて大はしゃぎであった。高氏は屈辱を噛みしめながら闘犬場を後にするが・・・。



「(あれは・・・新田殿・・・?)」



外で右馬介から新しい着物を渡され着替える。



「今日のこと、家の者には言うな!」

「はは・・・」

「・・・右馬介・・・新田殿が来ていたか?」

「はい・・・新田殿も御出仕と聞いております」



高氏は昔新田義貞に言われて言葉を思い出していた。



「平氏の犬になるな」



高氏が屋敷に戻ると弟の直義が憮然とした表情で出迎える。



「兄上!いったいこれはどういう事ですか!」

「なんだ直義・・・何のことだ?」

「いやはや・・・兄上が此処まで何もお話しなさってくれぬとは・・・」

「じゃからなんじゃ?」

「嫁取りの事でございます!」

「儂は知らん」

「え・・・?北条の姫君と・・・父上と母上がお話しされているのを聞いて・・・」



後ろで右馬介が苦い表情をしている。



「父上は?」

「奥に・・・母上と・・・」



今度は憮然とした表情で父に食って掛かる。



「北条の姫などお断りにございます!!!」

「高氏・・・母の実家の上杉から菓子が届いてな・・・」

「父上!!」

「まあ、ほれ・・・食うか?お前は鎌倉が嫌いなのか?」

「父上はどうなのですか!?」

「儂も鎌倉は嫌いじゃ・・・嫌いと思って10年、20年・・・30年じゃ(笑)」



父義貞は飄々と高氏の怒りをいなすとお菓子を渡し部屋を出ていった。母と二人残される高氏。



「高氏殿がそれ程申すなら・・・この話はしまいにしましょう」

「母上・・・」

「それはそれとして、この古今和歌集を赤橋の家に帰しに行ってくれまいか?」



高氏は肩透かしを食らったように感じたが、取り敢えずは赤橋の家へその古今和歌集を持って向かう。




赤橋家(北条一門)の客間でまつこと暫し・・・いや大分・・・。



「お待たせいたしました・・・赤橋でございます・・・」



美しい娘が現れる。




以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじ第1話「父と子」でございます。

太平記(大河ドラマ)の感想第1話「父と子」

大河ドラマ太平記の感想第1話です。第1話は父貞氏(緒形拳)がとても素敵です。源氏の棟梁としての誇りと自覚、一方で家を守らねばならない責任感。貞氏の父は霜月騒動に連座していたんですねぇ。




余談ですが冒頭で描かれた「霜月騒動」は安達泰盛と平頼綱(長崎氏)の争いは10年後に大河ドラマ「北条時宗」で安達泰盛を演じたのが柳葉敏郎。太平記では「ましらの石」を演じております。

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太平記の感想第1話「義理と人情の狭間」

義理と人情こそが人生。




しかし、義理人情だけでは生きていけない。



味方となるべき源氏の一党を見捨てていつになったら北条と戦える?



この言葉は重い。




一方で「情に流されて」一戦交えれば、足利一族は北条に潰される。




ジリ貧を恐れてドカ貧になるか、ドカ貧を恐れてジリ貧になるか・・・。



大河姫

歴史はそれ自体は繰り返さないかもしれないが役者を変えて繰り返す。約650年後、大日本帝国は「ジリ貧」を恐れてアメリカ兄貴のド頭を殴りつけてドカ貧となったワケですけど。

貞氏は断腸の想いで「塩屋一党を見捨て」ます。




ささやかな抵抗、いや「贖罪」意識からか子供を一人助けるのがやっと。それすらも、長崎円喜には見抜かれていて詰問を受ける屈辱。




この頃の貞氏には「若さ」もあります。キレ気味ではあるもののギリギリ耐える。




この環境が貞氏の人格を思慮深く、一方で決してホンネを見せない一見飄々とした人格を形成していくのでしょうね。




高氏からすれば、それが気に食わないのかもしれませんが。

太平記の感想第1話「少年高氏」

この頃の高氏には自分が「源氏の一族である」という自己認識はあまり感ませんね。まだ、アイデンティティが確立されていない。




新田義貞から、



「よいか!北条は平氏!我らは源氏!夢々平氏の犬に成り下がるな!!」



と言われ自分が何者であるのかを初めておぼろげ考え・・・ていないなw




闘犬で高時から「屈辱的」な扱いを受けたこともあり、



「北条の姫などゴメン被る!」



と、その日はいっちょ前の口をきいていましたが、父貞氏には相手にされていませんでしたね。




完全に父と母に手玉に取られていました。




まあ、沢口靖子は可愛いからな・・・。




以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第1話でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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