太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第31話「尊氏叛く」。後醍醐帝の人間宣言。尊氏は醍醐寺で初めて会って以来ずっと後醍醐帝に恋をしていたのだと思うのです。その10年に及ぶ「純愛」が醒めるのか・・・?太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第31話

太平記(大河ドラマ)あらすじ第31話「尊氏叛く」

建武2年(1335年)7月、信濃国に立ち上がった北条時行の軍勢はついに鎌倉を落とす。






世に言う中先代の乱である。




足利一門は東海道を三河へと落ち延びて行った。




一方その頃尊氏は。




後醍醐帝に拝謁し、自らが軍を率いて鎌倉へ下ることを奏上しようとしていた。

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太平記あらすじ第31話上巻「人間宣言」

内裏


尊氏は参内すると、さっそく自らが軍を率いて鎌倉へ下る事、そして、その時は「征夷大将軍として」東征したいと望む。



「征夷大将軍として鎌倉へ下りたいと望むこと分からぬではない」



後醍醐帝は尊氏の置かれている立場に理解を示す。




尊氏は実子千寿王、妻の登子、実弟直義をはじめ多くの身内を鎌倉に置いている。また、後醍醐帝自身も自身の子である成良親王を鎌倉へ預けている。




しかし。



「其方を征夷大将軍にするワケにはいかない」

「皆が其方を恐れておる」



大河姫

正直だな。後醍醐帝。

もし、尊氏を征夷大将軍に任じれば。




尊氏に鎌倉将軍の格式を与え、幕府再建の路を開くことになる。




尊氏は食い下がる。



「征夷大将軍に任じて頂かなければ、此度の乱を鎮める事はできませぬ」



既に乱は関東を飲み込み駿河遠江まで広がっている。既に、足利一門の力のみで対処できる規模ではない。



「この尊氏が帝に抗したて奉り、幕府を開くなど思いもよらぬこと!」

「尊氏は誰よりも、、、誰よりも帝を・・・!」



尊氏も必死である。



「分かっておる・・・故に許せと言うておるのじゃ」



「・・・?」



尊氏は一瞬何を言われたか分からない。



「良いか尊氏?余が見渡さねばならぬ国は六十六カ国」

「関東はそのうち八カ国じゃ」



「恐れながら!」

「今は八カ国ですがこれが二十、三十カ国に広がれば既に遅うございます!」



「その時は朕自らが出陣致す」



大河姫

二十ヵ国、三十カ国燃えたら朕が出陣。後醍醐帝なら出来るね。

「それは・・・それは余りに恐れがましゅうございます!」

「戦は手を血で汚すもの!かかる醜きものは武家にお任せ下さい!」

「尊氏は・・・帝は神の如く美しいお方と・・・今もそう信じております!」

「何卒!何卒醜きもので御手を御汚しなられますよう!!」



「ふふふ・・・ははははは!!」



後醍醐帝は笑う。




そして、優し気な眼差しで諭すように続ける。



「尊氏は愚かじゃのう・・・」

「朕は神でも鬼でもない人じゃ」

「人であるが故に腹もすく、おかしければ笑う、思うにならねば怒りもする」



大河姫

生娘だと思ったら阿婆擦れだった衝撃!でも、後醍醐帝は何一つ嘘をついてない。勝手に美化していただけ。そう言えば「人間の匂いがしてきたw」と隠岐に送られる前にも言っていた・・・。

「朕の政を邪魔する者は誰であろうと打ち払ってみせる」

「案ずるな・・・鎌倉を捨て置きはせぬ」



後醍醐帝は既に北畠に鎌倉の背後を突くように命じてあると告げ、尊氏は都に留まるように命じる。



六波羅


尊氏は六波羅へ戻る。



「帝のお許しは出ずじゃ」



期待と不安が入り混じった面持ちで待っていた師直他一門衆の表情は一瞬曇り、続いて怒りに震える。




尊氏が参内中にさらに悪い知らせが届いていた。



「駿河手越河原で退路を塞がれ合戦中とのことじゃ」

「千寿王は逃げおおせたが直義殿、今川殿は危ない」



母清子の言葉に一門衆は自分たちだけでも出陣すると息巻く。



「沈まれ!!」



爺こと吉良義貞が怒鳴る。



「爺の申す通りじゃ!帝のご叡慮が下ったのじゃ!」



足利尊氏都に足止め。




この知らせは瞬く間に都に知れ渡る。




そして。



楠木正成邸


正成は難しい表情で書状に眼を落としていた。




久子が心配そうにみつめている。



「千種殿からの書状じゃ・・・」



千種忠顕からは足利尊氏の出陣は認められなかったこと、もし、尊氏が勝手に出陣するようであればこれを阻止するようにとあった。




公家や名和はこれを機に一気に足利の力を削ぎたい。




このままでは足利一門は見殺しとなる。



「殿なら見殺しになさいますか?」



正成は久子の問いに明確には応えない。



大河姫

尊氏は一門見殺し・・・にするタマではないぞ。

しかし。




この都には足利に同情する者が数多くいるであろう応じる。



「それらが従えば・・・ただでは済まぬ」



大河姫

この都には足利に同情する者が沢山。赤松とか赤松とか赤松とか。

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太平記あらすじ第31話中巻「足利決起」

足利尊氏都に足止め。




公家、そして宮方と懇意の名和長年などはこれで足利の力が弱まると大いに盛り上がっている。




しかし、彼らから「宮方の武門」と目されている新田義貞は複雑な胸中である。



「それにしても・・・征夷大将軍に任じよとはw」

「足利など帝の後ろ盾がなければ精々五、六百w」

「のう!新田殿ww」



大河姫

しかし、名和殿の小物感なんとかならんか?www

義貞は苛立ち気に立ち上がり名和の問いかけを無視して部屋を出て行った。



六波羅


「暑いの・・・!(イライラ)」



尊氏もまた、当然苛立っている。




都の夏は暑い。




しかし、苛立ちの原因はけっしてこの都の蒸し暑さではない。




尊氏は小姓の持つ水差しを奪うとやや乱暴に庭へ打ち水をする。




その様子を縁側から母清子が見ている。




二人の目が合う。




尊氏はやや気まずそうに目線を落とす。



「あははは!」



その時、この状況にまったく不釣合いな楽し気な宴の声が聞こえてくる。どうやら白拍子らしき者の声もする。




益々苛立つ尊氏。



「誰じゃ!騒いでいるのは!(怒怒)」



小姓たちは沈黙する。




騒いでいたのは師直を中心とした足利一門衆だった。皆で白拍子舞を愉しみながら昼から酒盛りである。



「師直!!!」



大河姫

師直は真面目だけど、めたくそ女好きなんだよね。

「おお!御殿じゃ!誰ぞ御殿にお盃をww」



師直は尊氏の怒りの声など何処吹く風である。



「これは何事ぞ!!!」



「・・・弔いにございます」



「何?」



「皆で弔いを致しております」

「岩松殿、渋川殿、今川範満殿・・・」

「此度討死した方々の弔いにございます」

「仇討をすることも、」

「我らは都の片隅でせめてお弔いをするしかございませぬ」

「かようにしている間も我らの兄弟縁者・・・」

「酒でも飲んで南無阿弥陀仏と謳っていなければ(笑笑)」




「やりきれませぬ!!」



大河姫

昔を思い出すな。

師直の言葉に尊氏は返す言葉がない。




追い打ちをかけるように。



「申し上げます!三河より早馬にて書状が!」



尊氏のは書状を読み終わると、師直に渡す。



「相模にて細川頼定殿、今川斯波殿名越殿も逃げきれず討死された」



師直は絶望的な戦況を一門衆に聞かせる。




苦悩する尊氏の目の前に右馬介がいた。




関東・東国から都へと戻ってきたのだ。早速、関東の状況を説明する。状況はさらに深刻さを増していた。



「・・・三河も猶予ならぬか・・・」


右馬介は既に三河の兵力は二千ほどで守れるかどうか危ういこと、また、帝は奥州北畠に鎌倉の背後を突くように命じているというが奥州には奥州の乱があり、北畠に動く気配はないこと、さらに、関東を結城に任せるという動きもあると告げる。



「公家方は必ずしも帝の言う通りに動いてはおりませぬ」

「皆、既に帝の独り歩きに公家方は嫌気がさしております」

「もはや、我が身はわが手で守ほかございませぬ」



大河姫

既に嫌気がwww

「三河も猶予ならぬ、奥州もダメか・・・」



尊氏は決断に迫られる。




既に腹は決まった。




尊氏の覚悟を察したかのように師直を先頭に一門衆が紅と白粉のまま尊氏の前に跪いている。



「殿・・・」

「師直、明日三河へ立つ、明日出陣じゃ!」

「その前に軍議を致す!その前に顔を洗って参れ!」

「白粉や紅やらつけて軍議は出来ぬぞ!」



「出陣じゃ!」

「おお!出陣じゃ!!!」



師直たちは気勢を上げる。




そこに意外な来客が告げられる。



「殿、佐々木判官殿がお見えにございます」

「・・・判官殿が??」



広間に通されていた道誉は何故か戦装束で床几に腰をかけていた。






「これは足利殿!!」



いつも通りのご機嫌な道誉である。



「・・・そのお姿は・・・?」



「そろそろ足利殿がご出陣をされる頃と思いましてな」

「この判官がイの一番に参陣せねばとw」



「判官殿!」



「都のお公家に茶や花を教えるのも些か飽きてきたのじゃ」

「関東攻めの合戦にこの判官も加えて下され!」



大河姫

流石、忠犬w飼い主が何を考えているかめっちゃ分かっているwww

「それはこの足利からお願いを申し上げたいこと!」



「足利が立ち、この判官が立てば諸国の源氏が馳せ参じましょう!」

「この都にも公家の横暴に腹を据えかねている武家もあまたおりましょう!」



道誉は所領の伊吹へと向かい近江の兵を結集し足利を待つという。



「判官殿、帝は此度の出陣をお許しではない」

「それをご承知でにご参陣よの?」



「北条は朝敵!打ち破ってしまえば帝も後から文句は申すまい」

「足利殿が天下を獲る前に力を失っては元も子もない」



「元も子もない?」



「足利殿に天下を獲らせ、足利殿が疲れた頃にその天下を奪おうと思っておる」

「鎌倉を倒した頃からずっと思っておったのじゃ」

「それ故・・・助ける他ないw」



大河姫

くー!かっこい良い!

「ご辺は・・・ばさらじゃの!」



「ははは!」



「ははは!」



二人は心底楽し気に大笑いである。






建武2年(1335年)8月。




足利尊氏はついに京を出た。




この出陣に際し、鎌倉奪還のため共に戦うよう諸国の武家に参陣を促した。




公家中心の政治に不満を持つ都の武家が結集した。

太平記あらすじ第31話下巻「美濃国」

足利の出陣に宮方は大騒ぎである。




此度の出陣には帝の許しは無い。これを機に足利の追討を息巻くが・・・。



「み、都の主だった武将は皆足利ついて行ってしまっております!」

「誰に追討を・・・?」



千種忠顕は苛立ち気に応える。



「名和!その方しかあるまい!」



大河姫

公家大騒ぎww誰が追討ww名和wwwww

「え?あ?それがし独りで・・・?」



戸惑う名和長年。



「新田、楠木を加えればなんとかなろう!」



「それが・・・新田はあの暗い表情で行きたい奴は行けば良いと」

「楠木は帝のご意向のみを気にする有様で・・・」






「もう良い!帝のご裁可を得る!」



大河姫

名和長年の小物感なんとからんか(本日2回目)ww

後醍醐帝は足利追討の命は出さなかった。



「朕が認めない戦に恩賞はない」



尊氏は勝っても負けても結局は苦しい立場になるだろうと、寧ろ尊氏に同情的ですらあった。



大河姫

甘いぞ、後醍醐帝。

その頃美濃国。




藤夜叉は農作業の最中、旅の猿楽舞一座が舞の修業をしている様子を眺めていた。



「東よりー♪」



大河姫

懐かしいね・・・。来週死んじゃうんだよね。

まだ、この若い白拍子は駆け出しなのだろう。師匠か一座の主と思われる年配の女子に厳しく指導されて泣きそうである。藤夜叉はそっと扇の位置などを身振り手振りを見せて教える。



「ん?そなた、中々よい手をしておるな?一指し舞ってみぬか?」



一座の頭と思しき女子は藤夜叉の動きを見てすっかり気に入ったようだ。藤夜叉も懐かしさもあり都の夢を思い出しながら舞ってみることにする。




鎌倉での戦の動きは美濃で代官を務める石にも大いに影響があった。



「税を納めた上に人まで取られては生きては行けませぬ!」



石は都から派遣されてきた上役の横暴についに耐えきれなくなる。軍役に連行されそうになっていた村の者を力づくで解放した。




その気になれば赤坂城、千早城で北条相手に戦った石である。それなりに腕に覚えはある。




不知哉丸から渡された太刀を抜く。




都の役人も抜刀して襲い掛かってくるが何も知らない藤夜叉が猿楽舞の話をしようと・・・。



大河姫

まあ、石は歴戦の・・・馬鹿!!!!

「石!そこに猿楽舞の・・・」

「藤夜叉!来るな!」

「石!!」



藤夜叉は石を守り斬られる。



「おのれ!!」



石は太刀を振るって役人達を蹴散らすが・・・



「おっかあ・・・」



藤夜叉は意識が遠のいていくのを感じる。



大河姫

まじかよ、死ぬの来週じゃないのーーーーー(涙涙涙)嘘つき!!!

以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじ第31話「尊氏叛く」でございます。

太平記(大河ドラマ)感想第31話「尊氏叛く」

太平記(大河ドラマ)感想第31話「尊氏叛く」。前半は尊氏と後醍醐帝との緊迫の駆け引き、いや、駆け引きはしていないですね。想いの応酬か。ただ、惚れた弱み・・・尊氏は後醍醐帝の「本当の姿」を理解してはいなかったんですね。なんて、感慨に耽っていたら・・・藤夜叉が!!
聞いてないよ!

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太平記感想第31話「初恋の終わり」

のきっかけは勘違いから。




元亨4年(1324)、都の風雲児日野俊基の導きで醍醐寺に行幸された後醍醐帝を初めて見た時。



「美しい・・・」



尊氏は一目惚れ。




その後、憧れの想い人後醍醐帝のために足利一門を率いて北条を討伐。




武家と公家ということもあり、多少色々あったけど、気持ちは通じているはず。




確かに通じてい




過去形。




尊氏は後醍醐帝を少々美化しすぎていたんですよね。




後醍醐帝にはそれが滑稽に見えた。



「尊氏は愚かよの」



この言葉は決して嘲笑的ではなかったと思うのです。




憐れみとも違う・・・寧ろ、



「なんて可愛い奴だ」



と、微笑ましく思っていたとように感じました。片岡孝夫がその辺りの雰囲気を出すのがめちゃくちゃ上手。




しかし、後醍醐帝が考えている以上に、尊氏の器は大きい。後醍醐帝は「惚れられた立場」だから尊氏を多少低く見積もってしまっているのかも・・・。




個人的には「惚れた弱み」ではなく「惚れた強み・惚れられた弱み」といった事の方が正しいのではないかと感じております。

太平記感想第31話「見えていない」

都の足利兵力は七、八百。




なんだか昔を思い出しますね。




万を優に超える兵力を持つ鎌倉幕府最大級の御家人である足利家も鎌倉で動員できた兵力はわずか三百ほど。足利の力は既に鎌倉幕府時代の比ではない。兵力の話ではないのです。




武門からの人望、人気、期待。




武士であればやはり感じているんですよね。



「足利殿に同情的な武門も多い」



というのは、足利に自身の姿を重ねている部分もあるから。



大河姫

赤松とか赤松とか赤松とか

一方で宮方の者にはそれがまったくと言って良いほど見えていない。




坊門清忠や千種忠顕は勿論、武門であるはずの名和長年も。




そして、見えていないのは後醍醐帝もだと思うのですよね。



「朕が認めない戦に恩賞はない」



確かに尊氏は後醍醐に恋い焦がれていましたが果たして・・・?




まあ、結論としては恩賞を勝手に与えることになるんですけど。




泉下の大塔宮護良親王は何を思うかな。

太平記感想第31話「藤夜叉」

次の第32話が「藤夜叉の死」なんですよ。




だからすっかり油断しておりました。




まさかこんな処で斬られるなんて。




しかもめたくそベタな展開。




一番ダメなヒロインのパティーンじゃないですか(涙)




白拍子として登場した初期は「女の愚かしさの象徴」と揶揄してしまいましたが、その後母となってからはすっかり「愚かしさ」は影を潜め、庶民の逞しさと哀しさの象徴だと思っていたのに・・・(涙涙)




今時(太平記は1991年だけど、当時も珍しかったはず!)まったく流行らない初期時代劇のような無駄な斬られ方!




ああ!




次回、尊氏と再会するんだろうな・・・。メロドラマ風かな?




以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第31話「尊氏叛く」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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