太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第36話「湊川の決戦」。尊氏と正成、最期の戦い。今回の見所は戦そのものよりも後醍醐帝へ諫言する場面、そして息子、正行を河内へ帰す場面かな。不覚の戦、不覚の戦に連れて行くことは出来ない!嗚呼!!太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第36話

太平記(大河ドラマ)あらすじ第36話「湊川の決戦」

建武3年(1336年)5月。




瀬戸内海を覆うような足利の大船団が大挙して播磨方面へと向かっていた。




尊氏は九州で再び立ち上がり、都を目指していた。




一方、義貞は尊氏を迎え撃つべく出陣していたのだが・・・。



白旗城


「おのれ・・・赤松!!」



大河姫

赤松踏んばるね!赤坂、千早もかくやの戦い!円心は強そうだね。

義貞は六万と号する大軍で白旗城を攻めたが、赤松円心の硬軟織り交ぜた籠城戦術に翻弄され、50日以上に足止めをされる。




5月5日、備後福山に直義率いる1万が上陸。




尊氏の本軍はなおも海上を進む。




義貞は白旗城攻めを諦め撤退する。上陸した直義勢と尊氏の本軍に挟撃されることを警戒したのだ。




足利襲来の知らせは内裏にも衝撃を与える。



内裏


「新田はどうした!」

「赤松円心率いる白旗城にて苦戦・・・」



大河姫

後醍醐帝怒っているね。

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太平記あらすじ第36話上巻「種は撒かねばならぬ」

河内国


都から河内へと戻った正成は以前の農夫然とした姿で大根の種を撒いている。




都にいた時よりも表情は穏やかだ。妻の久子はそれが嬉しい。




そこに、また実弟の政季が屋敷を訪ねてきたという知らせがくる。正成は病と伝えるようにと命じる。




その様子を嫡男正行は怪訝そうに眺めている。



「都に戦が迫っておると、叔父上はその義では?」



大河姫

お、正行か。正行の運命を想うと泣く。そして、正成は農夫が似合う。

正成も勿論、概ね察しはついているが、今は種撒きである。



「カラスか・・・撒いても撒いても掘り返されてしまうの!」

「正行も一緒に撒いてくれ!」



「撒いてもカラスに喰われてしまうのでは無駄ではないですか?」



「カラスに喰われても十に一つは残るやもしれんぞ?」

「カラスに喰われてもその糞から別の処で大根の花を咲かせるかもしれん」

「じゃから、種は撒かねばならん(笑)」



大河姫

流石だ・・・。正成のように生きたい・・・。

二人は種を撒き続けるのであった。




その夜、楠木亭では珍しく猿楽舞の宴が催される。



大河姫

珍しいね。楠木亭で能とは。当然、花夜叉かな?

正成、妻の久子、そして恩地左近をはじめとする一族郎党皆その見事な舞を堪能している。



「あの二人息の合った舞でございますな」

「近々、夫婦となるのであろう?息が合って当たり前じゃ」

「あら、ご存知でしたか(笑)」



正成は花夜叉、いや卯木と服部元成の舞を嬉しそうに眺めていた。



大河姫

元成のお面は石が彫った藤夜叉かな・・・?石はもう出ないのだろうね。

そこに、恩地左近が急使の来訪を知らせる。




正成は静かに座を外すと使者と会う。



「勅命じゃ・・・足利尊氏と戦えと数日中に勅使が参られる」



来るべきものが来たのだ。




座に戻った正成は卯木と元成をねぎらう。




そして。



「卯木、其方が武士の道を捨て舞の道に入ったのは正しかったかもしれぬ・・・今そう思う」

「元成殿、妹をよろしくお願いします」



5月中旬、正成は正行を連れ都へ進軍する。




足利勢は山陽道を進軍、迎え撃つ義貞実弟脇屋義助を苦も無く破り福山から岡山へと流れ込んだ。

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太平記あらすじ第36話中巻「別れ」

内裏


5月21日早朝。




戦場に立つ前に正成は参内した。



「河内、よう参った!病と聞いたが・・・?」



後醍醐帝は正成の体調を気遣う。



「はは、気の病にございますれば大した事はございませぬ」



「気の病か・・・それなら儂もそうじゃ・・・(苦笑)」



大河姫

尊氏との「肩凝り談義」を思いだす。

思うに任せない政を振り返る。




正成は何か決意を秘めているように見える。



「願わくば、、、正成想うところをお聞届け頂ければ」



「なんぞ、望みでもあるのか?申してみよ(笑)」



「此度の戦でございますが・・・わが陣に勝ち目はございませぬ」



のっけから衝撃的な言葉に坊門清忠が叱責する。



「なんと弱気な!君の御前なるぞ!」



「君の御前なれば、絵空事は申せませぬ!」



「戦う前から勝てぬとは!」



「戦ってみなければ勝ち負け分からぬでは兵法の者とは申せませぬ!」



大河姫

そりゃ、そうだ。やってみなければ分からぬではね。

後醍醐帝は坊門や近臣と正成の応酬を苦しそうな表情でを黙って聞いている。



「3年前、千早では万を超える兵を寡兵で討破ったではないか!」



「あの頃は、諸国の民が北条の悪政に倦み新たな世を待ち望んでおりました」

「正成が千早で戦い得たのは時の味方、人の支えがあったからにございます!」



後醍醐帝が再び下問する。



「では尋ねる・・・今は時の味方、人の支えがないと申すか」



正成はひれ伏し続ける。



「一度は敗れた足利に僅か二カ月で多くの武家が参集したのです」

「河内和泉一帯に募兵をしました思いの外兵が集まりませぬ」

「人の心の移ろいはかくも恐ろしいものかと」

「正成の乏しい知力では人の流れに勝つことはできませぬ!それ故、勝ち目無き戦と」



後醍醐帝は正成の言葉に頷く。



「よくぞ申した・・・いちいち頷けぬ事ではない」

「朕の政も良かれと思っての事ではあるが・・・」

「民には却って苦労をかけたものもあったと聞く」

「されど、今はその論議の時であるまい?」

「如何にして足利に勝つ?それを聞かせよ」



大河姫

笠置山を思い出すね。。せめて万里小路藤房がいてくれれば・・・。新政に嫌気が差して出奔しちゃったんだよね。

正成はいよいよ自身の腹案を奏上する。



「新田義貞の器量では足利を兵庫で止めるは無理、この正成にも無理でございますが」

「兵庫を通し、都に入れればあるいは・・・帝には叡山にご動座頂きます」



またまた衝撃的な発言に坊門が我慢ならない。



「御旗を立てる軍が一戦も交えず山へ逃げるとは!」

「そも兵庫で陣を敷く新田が聞き入れようか!?」



「新田が聞き入れねば見捨てるまで!」



皆、正成の剣幕に驚く。



「そも!足利を今一歩まで追い詰めたにも関わらず!!」

「九州まで追撃せず都で無為に過ごしたこと!」

「武人として軽率のそしりまぬがれませぬ!」

「所詮新田は!足利の敵ではありませぬ!」

「足利の力を知らねば勝てませぬ!」



大河姫

無為に過ごした理由が勾当内侍だったとかいう噂も・・・。

そこ一気に発言し一呼吸置く。



「叶うことなら・・・足利と和睦し・・・」



「足利と和睦せよと申すか!」



大河姫

正成よ、お上に「足利」は禁句。。

足利との和睦との言葉に後醍醐帝が色を為す。




正成、ひれ伏し、せめて叡山への動座を繰り返し奏上するが・・・



「せめて、叡山へご動座を!」



坊門清忠は後醍醐帝が色を為したのを機に、正成の提案をこき下ろす。



「察するに、そちは戦に行くを厭うておるな!」

「お上!このような策に乗ってはなりませぬ!」

「士気に関わりまする・・・!!!」



後醍醐帝はしばし沈黙する。



「正成、今の儀、朕は聞かなかったことにする」



正成はもう何も言う事は出来なかった。



楠木陣


楠木軍は一度、山崎桜井周辺に集結する。



「千百七十四名か」



正成は此度の出陣に集まった兵数を正季から伝えられていた。



「申し訳ございませぬ!思いの外兵の集まりが悪く・・・」



小さくなる正季だが正成は意に介してはいないようだ。寧ろこれでも兵数は多いという。



「集まるものは集まっておる!三年前の千草も千人ほどであった」

「明日、残る者行くもの沙汰する」



此度の出陣には嫡男正行も同行している。



「正行は河内へ帰れ」

「何故!?」

「この戦で儂は死ぬかもしれぬ」

「存じております」



正行は母久子から聞いていると話す。正成はさもありなんと納得の表情である。




正行は続ける。



「同じ死ぬなら父上と同じ陣で」

「初陣で死ぬるは誉にござます!何卒!」



息子の覚悟を優しく受け止め、正行は諭す。



「死ぬだけが武士の道ではないぞ」

「武士の一番の恥は無益な死」



そして、珍しく後悔も語る。



「戦ではない忠義の道をみつけるべきであった」

「心は砕いたが、力が足りなかった」

「この戦は不覚の戦、不覚の戦に其方を連れていくことは出来ない」



大河姫

わかる、これは不覚の戦。無駄な戦。ここで死ぬは自分の人生を生きていないということだね。

「父上!」



「世のなかは変わる!それを山の中から見ておれ」



正行は少数の従者を従え単騎、河内へ向かった。




何度も何度も正成たちを振り返りながら。




そして。



「目指すは湊川!いざ参る!!」



正成最期の戦場へと駆ける。

太平記あらすじ第36話下巻「湊川決戦」

5月24日夕方。




尊氏船団は兵庫に現れた。



「殿、兵庫にございますぞ!」


大河姫

あいしゃるりたーん

師直もまた感慨ひとしおである。




河野、細川定禅、土岐など二万五千を擁する兵船が神戸沖を覆いつくした。




今回は光厳上皇から下された綸旨もあり、錦の御旗も準備してある。



「この錦の御旗は明朝殿の御座船に掲げる」

「我らは光厳上皇の元に集う皇軍。その義全軍に伝えられたい」



御座船で上陸の軍議が開かれる。




尊氏は自軍の上陸地点を確認すると、まず楠木本陣の場所を尋ねる。



「会下山周辺に菊水の旗印が・・・」

「そこじゃ、そこが一番の難敵じゃ」



空けて5月25日早朝。




足利軍は上陸作戦を開始。




御座船には錦旗が翻る。




一方、陸上では既に上陸した直義勢が新田本陣に迫る。



新田本陣


錦の旗を立てた尊氏の舟が新田軍の待つ和田岬ではなく遥か東へ動くのが見えた。



「尊氏を追え!」



義貞は尊氏本軍が自軍の東つまり背後に回り込まれると予想し兵を動かすが・・・。



会下山楠木本陣


沖合の足利の船団、そして新田の陣の動きに爺こと恩地左近が驚愕する。



「新田勢が東へ?何事ならん!」



正成は地団駄を踏む。



「愚かな!錦の御旗は囮じゃ!それがなぜ分からん!!」



尊氏は既に御座舟から別の舟に移り、まんまと上陸した。




これで、新田軍と楠木軍は分断された。




楠木軍は敵中に取り残さる形になる。




もはや勝ち目はない。




しかし。



「敵は足利尊氏ただ一人!命を惜しむな!名を惜しめ」



正成わずか数百で万を超える足利勢突撃。




実に、6時間の長きに渡り戦い続けたが、衆寡敵せず。




楠木軍はついに足利勢に包囲される。




太平記(大河ドラマ)のあらすじ第36話「湊川の決戦」でございます。

太平記(大河ドラマ)感想第36話「湊川の決戦」

太平記(大河ドラマ)感想第36話「湊川の決戦」。前回は北畠親房のド正論がさく裂しておりましたが、今回は正成のド正論がさく裂。意を決して諫言する正成と、当初は多少聞く耳を持っていたものの「足利と和議」発言で完全にご破算。




後醍醐帝の顔色が変わった時、正成の「しまった!」という表情が印象的でしたね。その後はもう、坊門さんが(怒怒)。




そして、丁度、この回を見ていた日に・・・(涙)。






とても残念です・・・。

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太平記感想第36話「議論の流れ」

正成最期の戦いは湊川ではなくて、決戦前のこの後醍醐帝との挨拶だったと思います。




後醍醐帝への想いは尊氏にも勝るとも・・・いや、正成の方が深いかな。




破れはしましたが綿密に計算された「戦い」だったと思います。




冒頭、



「この戦は勝てない」



と、結論を投げる。




この展開何処かで見たことがありませんか?




そう。




元弘元年、初めて正成が後醍醐帝の勅命に応じて笠置へ参陣した時。



「関東を破る手立てはありませぬ」


この時、「勝てぬまでも負けぬ戦」を献策し、それが容れられました。




後醍醐帝なら必ず「笠置」を覚えている。



「如何にして足利に勝つ?それを聞かせよ」



後醍醐帝は正成がただ「負ける」ような武人ではないことをよく理解している。笠置のあの絶望的な状況下でも「勝利」を見ていたのだから。正成はこの時「この戦(献策)は勝てる」と踏んだのではないかな。



叡山への動座


これしかないという献策を披露。




新田が納得しないと異論を挟む坊門さんには、



「新田が聞き入れねば見捨てるまで!」



と、これまでの「不手際」をこき下ろす。




・・・ここで止めておけばあるいは正成の献策は容れられたかもしれません。




しかし。




正成は「完全勝利」を求めて禁断の一歩を進めてしまった。



「願わくば足利と和睦・・・」



この時、後醍醐帝の表情が変わった。




潮目も変わった。




この時の正成の「しまった!」という表情が全てを物語っていました。




坊門もまた後醍醐帝の雰囲気が変わったの察して正成の策を否定する。




議論も戦と同じ。




変わってしまった流れを変えるのは容易ではありません。




もし、この居並ぶ公卿の中に正成の同志がいたら・・・。




正成はきっとそんなことを考えたのではないかと思うのです。

太平記感想第36話「後悔」

私は内政と外交(軍事)は別々に存在しているわけではなく、表裏一体、連続性があるものだと思うんですよね。正成は軍略家としてはもはや「神域」にあるといって過言ではない域に達しておりますが「内政家」としての資質も非常に高い。




だから、尊氏が考えていることが分かるし、建武政権の問題点についても気が付くことが出来る。




そして、所謂「政局」にも通じておりました。




ところが「政局」には決して深入りしない、自分の領分ではないと遠慮している部分もあったと思うのです。勿論、そこには「官位(正成は地下人)」という問題もあったのでなかなかに難しい部分でもあると思うのですが・・・。



大河姫

尊氏は従三位でれっきとした公卿殿上人。正成は従五位、義貞は正四位で地下人(清涼殿に上がれない)である。

「戦ではない忠義の道をみつけるべきであった」



この正成の言葉は非常に重いですね。




義貞は「政局」にはまったく関心がない上に学ぶ気もなかった。正成には「政局」が見えてしまうのですが・・・。そこに積極的に影響力を行使しすることは避けてきた。



「戦ではない忠義の道をみつけるべきであった」

「心は砕いたが、力が足りなかった」



この「力」とは朝廷における「影響力」の事だと思うのですよね。




そして、自身「影響力」を強めることは恐らく出来であろうという自覚もある。




何故、それをしなかったか?




避けたんですよね。




魑魅魍魎渦巻く朝廷からは距離を置きたかった・・・。




その後悔。




こと、此処に至り意見具申をしても後の祭り。




正成の言葉を補完してくれる者は誰もいない。せめて、「笠置」で勅使であった万里小路藤房が・・・(涙)。




清廉孤高に生きてきたきた人のある意味では哀れな末路、そしてその末路が哀れであるほどにその人の魅力は増すのでしょうね。




以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第36話「湊川の決戦」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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