太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第15話「高氏と正成」。太平記で一番印象に残っているのはこの回と高時の円喜暗殺失敗のお話。武田鉄矢が演じる楠木正成が舞う「冠者は妻設けに来んけるは」の節は一度聞いたら忘れない。というか30年覚えておりました。と言う事で太平記のあらすじと感想第15話

太平記(大河ドラマ)あらすじ第15話「高氏と正成」

幕府軍は赤坂城を脱した楠木正成捕縛のため関所を設けて通行人を詮議していた。楠木正成を匿う花夜叉一座も関所に留めおかれている。花夜叉一座の中に「赤坂城で見た楠木正成に似ている者がいる」という者がいたのだ。

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太平記あらすじ第15話上巻「勝敗」

「よし!そこのお前たちは通ってよし!」

「はは!」



山伏の一団が関所の通行を許されている。次は自分達の詮議となる花夜叉一座は皆緊張に包まている。明らかに、鎌倉方の兵の雰囲気は他の旅人をみる視線と違っているのだ。




特に土肥佐渡前司。




彼の郎党が花夜叉一座の車引きの男を楠木正成に似ていると報告していた。



「次!花夜叉一座前へ!」



関所の兵の呼び出しでいよいよ花夜叉一座の詮議が始まる。そこに、足利高氏も到着し土肥佐渡の隣に座る。



「花夜叉一座はこの足利高氏が直々に詮議する」

「これから何処へ向かうのじゃ?」



花夜叉は熊野権現の祭りで舞を披露するために呼ばれているのだと答える。しかし、高氏はそれはおかしいと問い詰める。



「この戦の最中に祭りとは?!」

「いえ、この「戦の最中」だからこそにございます」



花夜叉一座はいつも平和を祈願して舞っているですと応じる。



「ならば、その太平の世を願う舞を所望する」

「それでお通し頂けますか?」



花夜叉はほっと胸をなでおろすと準備をはじめようとする。土肥佐渡前司は不満気な表情がありありと出ているが・・・。



「待て!その者の舞を所望じゃ」



高氏は立ち上がると正成の前までやってきて指名する。花夜叉は明らかに動揺する。



「な、この者は車引きで・・・お目汚しかと・・・」

「構わぬ。この者の舞を所望する」



大河姫

ああ、楠木正成・・・ピンチ!

高氏の強行な姿勢に土肥も嬉しそうである。




正成は立ち上がり扇を取ると高氏に一礼する。



大河姫

緊張・・・

そして。




冠者は妻設けに来んけるは♪


冠者は妻設けに来んけるは♪


冠者は妻設けに来んけるは♪



大河姫

太平記、最高の名場面が始まります!

正成は舞い始める。




すると一座も囃子たてる。



冠者は妻設けに来んけるは♪




冠者は妻設けに来んけるは♪
冠者は妻設けに来んけるは♪




かまへて二夜は寝にけるは♪

かまへて二夜は寝にけるは♪




冠者は妻設けに来んけるは♪

冠者は妻設けに来んけるは♪




三夜といふ夜の夜半ばかりの暁に♪

三夜といふ夜の夜半ばかりの暁に♪




袴取りして逃げにけるは♪

三夜といふ夜の夜半ばかりの暁に♪

袴取りして逃げにけるは♪




正成は乙夜叉と見事に踊りきり、周囲の取り囲んでいた鎌倉方の兵も大爆笑である。



大河姫

この節は30年頭から離れなかった。武田鉄矢お見事。「冠者は妻設けに来んけるは」は夜這いを唄ったものなんだけど、現在で言えばちょっとしたラブコメかな。

「見事!車引きにしてこの腕前たいしたものじゃ!名前はなんと申す?」

「五平と申します・・・」



大河姫

多才な兄に花夜叉も驚愕w

高氏は花夜叉一座の芸を称賛し、この「五平」を戦の最中に見た楠木正成に似ているという者がいたため厳しく詮議したのだと説明する。



「しかし、戦の最中では中々見分けがつくまい」

「いや、しばらく!(汗)」



これに土肥は異を唱えるが・・・。



「この高氏、人を見る目に些かの自負がござる」



結局、花夜叉一座は関所を抜ける事を許される。高氏は「五平」に近づくと少し声を落として尋ねる。



「その方がもし、楠木正成であるなら・・・尋ねたいことあったのだが」

「楠木正成と言えば、名うての戦上手」

「何故、勝ち目のない戦に立ったのか・・・?」



「五平」は戸惑っている様子である。



「いや、詮無き事であった・・・」



師直はそのやり取りを興味深く眺めていた。




花夜叉一座が無事関所を抜けると師直は高氏に尋ねる。



「もし、あの者が舞を舞えねば如何するおつもりで」

「・・・師直、舞なら儂も一指しくらい舞えるぞ?」

「成程、そういう事ですか」



師直が感心していると一本の矢が高氏と師直の近くの木に刺さる。



「何者!?」



兵が周囲を警戒するが、誰の姿も見えなかった。そして、その矢には文が結ばれていた。



お尋ねにお答え申し候。


戦は大事なものの為に戦うものに存じおり候。


大事なものの為に死するは負けとは申さぬものと心得候。


それ故、勝ち目負け目の見境なく一心不乱に戦するのみに候。


どうかお笑い頂きたく候。



高氏は文を握りしめ、何事かを考え込む。



大河姫

高氏、恥を偲んでおるな。

無事に、関所を抜ける事が出来た花夜叉一座は大和へと落ちていく。



「足利高氏殿・・・」



楠木正成もまた、足利高氏に興味を持ったようである。

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太平記あらすじ第15話中巻「枯れた都」

元弘元年11月、高氏は都へと戻った。




既に持明院統の光厳天皇が即位し、笠置で立った後醍醐は「先帝」となっている。そして、都ではこれまで日陰にあった持明院統の公卿がようやく訪れた「我が世の春」を謳歌していた。その中の筆頭は西園寺公宗である。



「なんじゃ?そのようなむさくるしい姿で出仕とは」

「足利殿は先程、都へ戻られてばかりにて・・・」



高氏が鎧姿で出仕したことに皮肉を言う公宗。



「同じ関東武者でも北条殿と足利殿とでは人と犬じゃなww」



高氏は都が「鎌倉と同じ」になったように感じる。




上杉邸へ戻った高氏は久しぶりに直義と再会する。



「・・・西園寺公宗殿は長崎殿と近しい・・・挨拶に行かれた方がよいかと」

「まさか、直義からそのような言葉を聞くとはな」

「それがしももう齢二十七にございます」



大河姫

意外だ・・・強気強気の直義がw

高氏が西園寺公宗とのやり取りを話したところ、北条憎し、長崎憎しの直義らしからぬ冷静な意見に苦笑する。



「都も鎌倉と同じになってしまった・・・」

「美くしいものは消えてしまった」



高氏は先帝を初めてみた時のことを改めて思い出す。直義によれば、先帝は命こそ無事ではあるが、この寒空の中火桶もない環境で「幽閉」のような身の上だという。



「儂はやはり帝とは先帝であるような気がするのだ」



高氏ばかりではない。




持明院統公卿も、いや鎌倉と一心同体ともいえる西園寺公宗でさえも「分っている」のだ。先帝こそ「ただならぬお方」であったことを。




その頃、囚われの後醍醐天皇は叫んでいた。



「仲時!火桶を疾く!」



帝が「直接臣下」しかも武士風情に声をかけるなど本来あってはならない事である。近臣で共に幽閉されている千種忠顕は自分が代わりに伝えると止めるのだが、後醍醐は構わない。



「ははは、こうして叫べば身体も暖まる」

「あと二回で今日は仕舞じゃ(笑)」



ここ数週間の幽閉で後醍醐は髭が伸びていた。その姿を千種忠顕はおいたわしいと感じているが、後醍醐には何やら「気付き」もあったようである。



「宮中にいると気付かぬが・・・」

「生きていれば、髭も伸びれば、垢も付く」

「ようやく朕にも人間の匂いがしてきた(笑笑)」



そう豪快に笑う。



大河姫

流石、大帝。そして、お姿が後醍醐天皇っぽくなってきた。

そして。



「必ず生き抜いて見せるぞ」



そこに、後醍醐への給仕の役人が新しくなったと知らせが入り千種忠顕が対応する。現れたのは佐々木道誉である。



「それがしは新たに給仕を命じられた佐々木判官でございます」

「鎌倉殿の命で火桶をお持ち申し上げました」



大河姫

佐々木道誉w何処にでも現れるな。

「おお!火桶!」



道誉は「知らぬこととは言え」この寒空の下火桶も差し入れていなかったことを詫びる。




さらに。



「何か必要なものがあればなんなりとご命じ下さい」

「・・・ご寵愛の三位の局様も帝を暖めたいとご希望にございます」



幽閉中の後醍醐に三位の局を「差し入れる」とまで言うのである。



「佐々木か・・・忘れまいぞ」



大河姫

分かっているね。寒い夜の「火桶差し入れ」の威力は平時の何千貫にも匹敵。つまり、道誉からすれば「実入りの良い」お仕事というワケだね。もう、後醍醐天皇のお気に入りに昇格w

佐々木道誉の「志」は後醍醐天皇の記憶に刻まれる事になる。

太平記あらすじ第15話下巻「極楽談義」

「おや?これはし治部大輔殿・・・何用じゃ?」



高氏は鎌倉帰国の前に西園寺公宗へ暇乞いにやってきたのだ。



「西園寺様にはまずご挨拶をせねばと」



「その割には遅いのではないか?」

「明日、鎌倉へと戻りますれば暇乞いを・・・」

「北畠殿にでも挨拶すれば良かろうwww」



その頃、その西園寺公宗と「昵懇」の長崎円喜が珍しく鎌倉に出仕してきていた。息子の高資は年老いた父のわざわざの出仕を不思議がる。



「楠木正成も大塔宮も取り逃がしたそうじゃな」



「しかし、勝ち戦でございますぞ!(笑)」



大河姫

久しぶりの円喜。バカ息子の事はもうまともに相手してないね。

高資は戦勝気分で父円喜を出迎えたが、円喜はあまり機嫌が良くない。



「それにしても解せぬのは足利じゃ」

「六波羅の眼はごまかせてもこの円喜の眼はごまかせぬ・・・」



「父上は心配性でございますな!」

「既に先帝は囚われの身、隠岐へ流せばもう幕府は安泰にございます!」



大河姫

円喜だけが気付いている。いや、円喜と北畠親房が気付いている。高資は当然夢にも思わないね。

高資は明るく答える。




高氏と直義は鎌倉へと戻って来た。母の清子、そして妻の登子と嫡男千寿王が出迎える。



「母上・・・只今もどりました」

「・・・高氏殿・・・よう戻られました(涙)」

「母上!た、直義も無事戻りました!」

「直義殿も・・・よくぞご無事で・・・」



大河姫

直義も可愛いなw

約3カ月の戦。




高氏は約束通り無傷で帰還を果たす。




しかし、戻って早々高氏には難題が待ち構えていた。



「父上の葬儀をしてはならぬと北条殿が・・・?」



北条家からは過日亡くなった先代貞氏の葬儀をすれば、全国から足利の郎党が集まる。かからる世相でそれはいらぬ騒乱を招きかねないと言う事なのだ。



「申し訳ございませぬ・・・」

「登子殿が謝ることはない、これは北条殿の意向じゃ・・・」



清子は登子の立場を思いやる。高氏もまた、登子の兄守時も板挟みで辛いところであろうと応える。



「じゃが、葬儀をせねば益々北条殿へ反感が強まる」

「得宗殿(高時)に直接お頼みする」



高氏は高時の元を訪れる。「暗殺事件」以来鎌倉の事実上の最高権力者は長崎父子ではあるが、高時は紛うことなき得宗の出であり、その実母覚海尼もまた実力者ではある。



「久しいの、足利殿・・・都での活躍も聞き及んでおるぞ」

「はは、ありがたき幸せ」



座には、高時、そして最近の高時お気に入りの女童「顕子」と長崎高資がいる。高資は不愉快そうに高氏を見ている。



「此度は父貞氏の葬儀の件で得宗殿のお慈悲におすがりしたく」

「それをこちらの書状に」



「待たれよ!それは幕府で決したこと!」



高資は扇の先で高氏がしたためた書状を跳ね除ける。



「高資!足利殿に出過ぎた真似をするな!」

「(チッ・・・!)」



高資は叱責されると苛立ち気にその場を後にする。



「儂は最近いつもこのような絵を描いておる」



大河姫

仏の絵、上手い・・・。流石芸術家。

高時は見事な仏の絵を高氏に見せる。



「仏の絵を描けば極楽浄土へ行けると母御前が申すのじゃ・・・」



高氏は父貞氏の葬儀を許してもらえるように頼むのだが、高時は悩ましい表情で、



「円喜に逆らってはならぬと母御前がのう・・・」

「今の儂があるのは母御前のお陰じゃからのぉ」



と答える。



「・・・このような絵を描いておれば極楽浄土へ行けると思うか?」

「御仏など見たこともないというに」

「足利殿は目に見えぬものを信じられるか・・・?」



「はい、得宗殿のお慈悲の心を」


「慈悲の心は犬に喰わせてしまった・・・」

「長崎がそうせいと申すに・・・」



高時は頭痛がするようだ。



「極楽に行かねばならぬのに、円喜は先帝を隠岐に流し殺してしまえと言う・・・儂は忙しい・・・」



高氏は思いがけず「先帝の弑逆」の話を聞いて衝撃を受ける。



大河姫

先帝を殺して、極楽見えるか・・・サラッと恐ろしいことを・・・

その時、愛人の顕子が赤色の絵の具を高時が描いた仏の顔にかける。みるみるうちに、仏の顔は朱に染まり、そして朱色で覆い隠される。



「はは、キャハハ!これ顕子w!」

「えへへ・・・」

「これ!顕子wwwww」



高氏は突然、目の前で絵の具と絡まり合いだす高時と顕子の様子に衝撃を受ける。高時は自身の「書状」も絵の具に染まっていくのを絶望的な気分で眺めていた。



大河姫

男女が芸術系で交わるこういう場面を見るとゴーストを思い出す人います??ゴーストニューヨークの幻は1990年公開。太平記(1991)の前年ね。ちな、顕子は小田茜。

そして、一礼後「狂った館」を後にする。




京では後醍醐天皇がいよいよ隠岐に流される。それを先導するのは佐々木道誉であった。




以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじ第15話「高氏と正成」でございます。

太平記(大河ドラマ)感想第15話「高氏と正成」

太平記(大河ドラマ)感想第15話「高氏と正成」。冒頭にも書きました通りこの第15話と長崎円喜暗殺に失敗する第8話「妖霊精」が一番印象に残っております。中でも節まで覚えていたのが、



冠者は妻設けに来んけるは♪


と、武田鉄矢が舞う場面。告白すると、リアルタイムで見ていた時は小学生だったもので、高氏の最期とかは殆ど記憶に残っていなかったりします。この場面は台詞まで鮮明に覚えているのでそれほど強烈なインパクトがあったという事ですね。




因みに、一緒に踊っている大柄の女性乙夜叉を演じているのは中島啓江。2014年に亡くなっていたんですね・・・。30年前の作品だと鬼籍に入っている人も当然多い。徹夜、鶴太郎、長生きしてや・・・。

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太平記感想第15話「勝ち負け」

「大事なものの為に死するは負けとは申さぬものと心得候」



高氏、その父貞氏も、ずっと悩んできたんですよね。



「決意は、難しい」



今、戦っても勝てない。勝てないから勝てる時まで待つ。




待つ??




いつまで??




いつになったら北条殿と戦える?




しかし、楠木正成は「勝ち目はなくても」立った。




車引きからの回答を読んでいる高氏は自分の「小ささ」に激しく恥じ入ったと思うのですよね。楠木正成とは見ている世界が違った。




佐々木道誉が同じこと言われたら、



「死んで花実が咲くものかwww」



と笑い飛ばしたと思いますけど。高氏殿はけっこう生真面目ですからね。それが魅力なんですけど。




もっとも、楠木正成には「負ける気」も「死ぬ気」もさらさら無いと思いますが。




勝利の為に高氏の奮起を促す矢文でもあったと思います。

太平記感想第15話「枯れた都」

「京の都も鎌倉と同じになってしまった」



かつて、日野俊基に案内された京の都はそうではなかった。



「美しいものが花のように咲き始めております」



多少は思い出補正もあったかもしれませんが(藤夜叉と寝たし)それでも、その花を照らす太陽は後醍醐天皇なのでしょうね。




日が沈んだ京の都は鎌倉と同じ。




そして、新たに「枯れた都の象徴」西園寺公宗のご登場。




この男は後々「後醍醐天皇暗殺未遂事件」で大活躍をすることになるんですけどw。




わざわざナレーション付きで紹介されていたので、風呂に仕掛けを造る場面も描かれるのかな??




以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第15話「高氏と正成」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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