太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第14話「秋霧」。高氏と藤夜叉が7年ぶりの再会。藤夜叉は母親になってかなり落ち着いた。そして、正成と卯木の兄妹も云年ぶり?の再会。妹には手厳しい正成。太平記のあらすじと感想第14話

太平記(大河ドラマ)あらすじ第14話「秋霧」

高氏率いる足利軍は伊賀を通り、河内の赤坂城を目指す。地元の子供たちは田舎では珍しい関東者の武者行列を物珍し気に眺めている。



大河姫

不知哉丸だ。

そこには高氏と藤夜叉との間に生まれた不知哉丸もいた。不知哉丸はとりわけ煌びやかな甲冑に身を包んだ高氏を見て名のある侍大将軍なのだろうと想像する。勿論、それが自身の父であるとは夢にも思わない。

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太平記あらすじ第14話上巻「伊賀」

足利軍はゆるゆると河内へ向かって進軍の途上、赤坂城落城の知らせが届いていた。



「流石は大佛貞直殿、わずか1日で落とすとは」

「はは!ただ、楠木正成は赤坂城を脱したらしいとの事でございます」

「成程」

「足利様には伊賀方面で関を設け楠木一党の捕縛に尽力をと」

「承知した旨、大佛殿にもお伝え下され」

「はは!」



大河姫

そりゃ、二万だし、援軍の充てもないし、落ちるわな。

使者が戻ると高氏は全軍に休憩を命じる。昼寝でもして、今後の事を考えるのだ。



「殿、これで我が軍は一本の矢を撃つ事無く戦が終わりましたな」



大河姫

矢を一本も撃たなかったねw師直嬉しそう。

師直は少し嬉しそうに言上する。もっとも、高氏の心境は明るいものではなかった。休憩所としている寂れた近隣の寺に入り、一人寝っ転がり仏像を眺める高氏。



「赤坂城が落ちたぞ」



高氏が寺の仏像に向かい独り言ように話す。



「存じております」



応えたのは仏像ではなく、忍び姿の右馬介である。高氏は驚かない。



「いつからそこにおった?」

「先程から」



大河姫

介、完全に忍者だ。

高氏は伊賀方面での反乱の鎮圧と正成の捕縛を命じられていると話す。幸い、右馬介は伊賀の関氏など今回の乱に呼応して立った諸豪族に、



「手向かいせねばこちらからは何もしない」



と、説得工作を行って来た。このまま行けば、足利軍は掃討作戦も行うことは無い。



大河姫

成程、手向かいするなとはそういう事か。

「あとは、楠木殿が伊賀方面に来ないことを祈るだけじゃ」



しかし。



「殿、楠木殿はおそらく伊賀方面へ落ちて来ております」



高氏の表情が曇る。流石に楠木一党を目の前にして見逃すことは難しい。



大河姫

高氏と正成は会っていないからな・・・。そこまで「情」はないよね。日野俊基みたいなね。




右馬介はさらに、高氏を思い悩ます報告をする。



「この先に藤夜叉殿がおりますが・・・」



高氏は七年前に茅ヶ崎の夜の浜辺で藤夜叉と別れて以来会ってはいないが、右馬介を通じて藤夜叉と不知哉丸が伊賀で暮らしている事は度々報告を受けている。



「もう会わぬと誓ったのだが!近くにいるのであれば我が子にも・・・」

「お会いになりますか?」



高氏は迷いを吐露する。のまま会わなければ、今後自身に「何か事が起こっても」無事生きながらえる。しかし、一度対面し高氏の子と分かってしまえば戦に巻き込まれるかもしれない。



大河姫

さっき、いたけどな。。。わが子。

高氏の決断はつかなかった。




一方藤夜叉もまた、高氏が近くに来ている事に心を乱していた。しかし、それは昔のような「京の夢」の事ではない。



大河姫

ああ、焼け木杭には火が付いたかな・・・?いや、そういう感じでもない?

「石を助けたい」



という事である。もし、高氏の力にすがれば・・・。

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太平記あらすじ第14話中巻「再会」

藤夜叉の里は赤坂城が落ちた後も静かなままである。しかし、赤坂落城から数日後の夜。



「石!?」

「静かに!匿ってくれ・・・!」



大河姫

石!生きてた!

藤夜叉は無事の再会を喜ぶが、石は薄汚れた農夫のような男を共に連れていた。石は家にその男を入れると、藤夜叉には酒を用意するように頼む。勿論、酒など用意出来るワケがない。



大河姫

え?正成も藤夜叉の家に来た。

二人は表で口論となる。



「あのお方は楠木正成様じゃ!酒くらいないと儂のメンツが」

「何言っているの!?楠木様がどれ位偉いか知らないけど酒なんか」

「あ、花夜叉様!?」



大河姫

え?正成も一緒に来たのか。

騒ぎを聞きつけて・・・来たワケではなさそうである。花夜叉は楠木正成が家の中にいるのを確かめると緊張の面持ちで部屋へ入る。



「兄上、お久しぶりにございます」

「卯木にございます」

「今後はこの卯木がお力になります」



大河姫

こちらも、兄妹の再会か。

正成は少し驚く。



「正季から聞いたのか?」

「其方は楠木とはもはや関わりない!余計な事はするな」



「・・・やはり、猿楽舞と出て行った私の事が許せぬと・・・」



大河姫

猿楽舞と駆け落ちか。ええええ!厳しい・・・楠木正成、らしくない。

花夜叉(卯木)はかつて猿楽舞の男と駆け落ち同然に楠木の里を出て行って以来勘当の身なのである。兄、正成の言葉に瞳を濡らす。しかし、何かを決意すると言葉を続ける。



「私は花夜叉一座として服部様のご恩を受けております」

「その服部様より、楠木殿をお助けせよとの命!」

「それに従わないワケには参りませぬ」

「今後は花夜叉と一座が楠木様をお助けします」



同じ頃、鎌倉方も楠木正成がこの近くまで逃げてきているという情報を掴んでいた。正成捕縛の指揮を執る土肥佐渡前司は高氏に面会すると、探索の協力を依頼する。



「この辺りまで追い込んだのは間違いござらぬ!」

「では、関を設けて出入を・・・」

「それでは手ぬるい」

「では?」

「付近の民家もしらみつぶしに探索すべきと!」

「土肥殿が申されるなら間違いございますまい・・・」



高氏は土肥佐渡に協力を約束する。



大河姫

佐渡前司土肥、ああ、これが大塚明夫の親父だ。

翌朝。




ましらの石、そして楠木正成は「花夜叉一座の一員」として出発する。藤夜叉は正成と一緒に出ていこうとする石を必死で止める。



「石!一緒に行ってはダメ!石は残って!」



「楠木様は大事なお方じゃ、ここで死なせるワケにはいかん」

「この戦が終ればおれは帝から領地を頂ける!日野俊基様が約束しれくれた」



石は日野俊基からもらった書付を大事そうに広げて見せる。日野俊基からもらった田畑で一座の者と土を耕し平穏に生きるのだと未来を語る。その為にも楠木正成には生き抜いてもらわなければならない。



大河姫

日野俊基は・・・もうね。

「お前と俺は夫婦でもなんでもない、他人じゃ」

「・・・赤の他人の兄妹じゃ」



大河姫

夫婦でもない?兄妹だろ?赤の他人の兄妹とは・・・難しい言葉だな。でも、石の目はちょっと淋しそうだね。

石はそう言い残して花夜叉一座と出て行ってしまう。いつの間にか現れた右馬介(柳斎)もその後ろ姿を眺めていた。



「愚かな事じゃ・・・楠木殿と一緒に見つかっては命はあるまい」



「柳斎さん!高氏様なら!足利高氏様に会いたい!

「高氏様なら石を助けられる・・・!?」



右馬介は藤夜叉の願いに応えることにする。




足利軍は丁度、藤夜叉の住む里の近くにまで来ていた。




右馬介は高氏の近くまで馬で駆け寄ってきた。



「殿、ここから先は人里も少なく休憩を取るがよろしいかと」

「湧水が美味しい里が近くにございますれば」



「そうか・・・案内せい!」



足利軍の進軍が止まる。高師直は、微妙な時間の休憩を訝る。



「なに?休憩??昼まではまだ早いが・・・?」



大河姫

事情通の師直も流石に藤夜叉ことは知らぬか。

右馬介は高氏をとある民家まで案内すると、一人奥へと入り中の女に声をかける。この民家の子供だろうか?戦の真似事している子供がいる。



「すまぬが、あちらにいらっしゃるはさる高貴なお方」

「湧水を所望できぬか?」



「!?」



女は藤夜叉であった。

太平記あらすじ第14話下巻「願い」

高氏と藤夜叉。



大河姫

親子対面、、、、母と父の再会。

二人は七年前に夜の茅ヶ崎の浜辺で京の夢と翌日の再会を約しながらも別れて以来である。



「あそこにおるはそこもとの子か?」



「はい・・・父は戦で死んだ侍大将と教えているのですが・・・」

「自分もいずれ武士になると言っており困り果てております」



大河姫

そうか、父は戦で亡くなった侍大将。困り果てているのは深いね…。

二人はお互いの「現在の立場」で話を続ける。



大河姫

しかし、粋な計らいするな。介。これぞ忠臣だわ。

高氏は水をもらった後、尋ねる。



「儂に何かできる事はないか?」

「貴重な水をもらった恩もある」



「石を・・・石を助けて下さい!」



藤夜叉は戦が大きくなると皆が変わってしまうと嘆く。石も藤夜叉一座も、



「世の中を良くする!」



と、戦いに出て行ってしまう。



大河姫

藤夜叉、深いな。親になって変わったかな。・・・以前の「藤夜叉は女の愚かしさの象徴」という発言は撤回しようと思います・・・。

そして、自分の大事な兄である石を救って欲しいと。



「楠木様がどれ程偉いかは存じませぬ!」

「でも、私にとっては石の方が大事です!」

「乱暴な処もありますが優しい人なんです(涙)」

「どうか!お願いします!石を助けて下さい!」



「・・・其方の大事な人なのだな?その者は楠木正成と一緒におるのだな?」



藤夜叉は頷く。




そこに、楠木正成らしい人物を捕らえたという知らせが届く。高氏にも詮議に参加してほしいというのである。藤夜叉の表情は蒼白である。



「願い、しかと承知した。大丈夫じゃ」

「お子を大事に・・・御身も身体を愛われよ」



大河姫

不知哉丸は・・・大戦の中心人物になってしまう・・・。

高氏はそう言い残して「楠木正成らしい」という人物が捕らえられている関へ向かう。




花夜叉一座は詮議の為に一か所に集められていた。勿論、そこには猿楽舞に扮した楠木正成もいた。



大河姫

ついに、正成と高氏対面。

以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじ第14話「秋霧」でございます。

太平記(大河ドラマ)感想第14話「秋霧」

太平記(大河ドラマ)感想第14話「秋霧」。題目は「秋霧」ですが「再会」といった感がある回でしたね。ましらの石と藤夜叉、正成と花夜叉(卯木)、そして・・・高氏と藤夜叉。正成は、、、、妹には厳しいんですね。高氏と藤夜叉・・・は・・・。焼け木杭には火が付いた感じには全くならなかった。七年の重みを感じる。

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太平記感想第14話「母の願い」

藤夜叉、七年で随分と変わりました。




登場した当初は「女の愚かしさの象徴」とか言ってゴメンナサイ。で、でも、あの時はそんな感じでしたよね・・・?




今の藤夜叉は「名も無き人々の嘆き」の象徴です。




藤夜叉が語る、



「戦があると皆が変わっていく」



というのは普遍的な真理だと思うのですよね。ましらの石も花夜叉も「世を良くするため」に戦う。




それは勿論「嘘」ではないのですけど、それだけの為ではないんですよね。




エネルギーの源泉はもっと「昏い」もの。




石はやはり幼い頃に「足利の郎党に家族を殺された」という怒りでしょうね。




戦がはじまるとその憎しみという感情に「正義」という理由を被せて戦う。




藤夜叉は大切なものを失うかもしれない痛みの前に何も出来ない。




ただ、嘆くのみ。




ただ、祈るのみ。




しかし、藤夜叉は「受け容れる」事は出来ない




それは不知哉丸の存在が大きいかな。




戦の世が続けば不知哉丸も巻き込まれるのではという「鋭い勘」。




その「勘」は大当たりで不知哉丸は乱の中心となってしまいますが。

太平記感想第14話「正成と卯木」

正成と卯木。




花夜叉(卯木)は猿楽舞と駆け落ちしてたんですね。中々ストロングスタイルで自説を押し通す感じ。正季よりも自己主張は強いタイプ。




意外にも?




正季は「威勢は良い」けど今回もほぼ最後まで兄正成のいう事を聞いておりましたからね。花夜叉が正成の居場所を聞いたのも正季というのもなんか三兄弟妹の関係性が現れている気がしました。




多分、正季は「兄と妹の関係修復」の機会を伺っていたのかも。連絡はずっと取っていたと思いますしね。




正成は妹に手厳しい対応でしたけど。




家臣領民には優しい楠木正成も身内には手厳しい。




まあ、分かりますけどね。家臣領民には優しく、身内には厳しく、自分自身には超厳しいのが楠木正成なのでしょう。




ただ「花夜叉一座の頭目」としての花夜叉の世話にはなる。視線を合わせる正成と卯木の様子は目と目で通じ合う兄妹って感じでしたね。




正成はなんだかんだ言って、卯木が心配で弟正季が連絡を取っていた事は知りつつ、見て見ぬふりをしていたではないかと思います。




さて、次回は日本史上最高の忠臣と日本史上最強の逆賊のご対面・・・。




太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第14話「秋霧」でございます。
大河姫

今宵は此処までに致します。

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