鎌倉殿の13人あらすじと感想最終回「報いの時」。名作と言われる大河ドラマは父と子、母と子、兄弟姉妹「家族」が描かれている。義時と政子、政子と実衣、そして義時とのえ、義時と義村。それぞれのケジメが描かれた鎌倉殿の13人最終回第48話。

鎌倉殿の13人あらすじ最終回「報いの時」

上皇は全国に
義時追討を命じた。
鎌倉は徹底抗戦を選ぶ。
この国の成り立ちを、
根こそぎ変える戦乱が、
目の前に迫っている。

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鎌倉殿の13人あらすじ最終回上巻「承久の乱」




鎌倉方は上皇に対して徹底抗戦を決める。



しかし、政子の演説で士気が上がったとは言え、少なくない御家人達の本音は「様子見」である。義村は北条方にはそれほど兵は集まらないと睨んでいた。


「いいとこ、二千」


北条方に付くとみせかけ、土壇場で背後を襲うつもりでいる。



義時は義村の「裏切り」には気付いていないが、最初が正念場であるとは考えていた。北条が覚悟を示さなければ、御家人達はついてこない。


「太郎、先陣はお前に任せる」


義時は自身が先頭に立って出陣したいという意向であったが、流石にそれは大江広元に止められた。義時の代わりが出来るのは太郎しかいない。かつて、頼朝が挙兵し山木館を攻めた時はわずか24騎であったが、それが一月も経ずに万を超える軍勢となったのだ。



太郎は「名誉な事」だと勿論出陣を引き受けるが、頼朝のように自身に兵が集まるかは不安がある。


「十八人」

「私を入れて十九人・・・」

「いや、お前も含めて十八人だ」


太郎は不安を抱えながらも18人で鎌倉を出陣する。


「兵の数は?」

「既に一万を超えた」

「策が当たったな」


盛綱からの報告に太郎も笑みがこぼれる。義時の嫡男太郎が僅かな兵で先陣切って出陣したことは御家人達を大いに奮い立たせたようだ。



承久3年(1221年)6月5日



太郎の軍は木曾川周辺で藤原秀康率いる官軍と激突。数で勝る北条軍はこれをあっさり撃破し、さらに西進。





京の最終防衛線とも言える宇治川を挟んで両軍が対峙する。







北条軍は即席の筏を組み、これに矢盾を押し立て強硬渡河をはかる。少なくない兵が鎧を脱いで筏を押すというまさに「肉を切らせて骨を切る」策であったが、その甲斐もあり官軍は敗走する。



藤原秀康は形勢不利を認め、後鳥羽院の出陣を願う。


「上皇様のご出陣を・・・!」


武芸にも優れている後鳥羽院は自ら出陣しようとするが、これを兼子が押しとどめる。


「後白河院のお言葉をお忘れか!?」


結局、後鳥羽院は御所から出る事は無かった。



程なく、北条方は都へと入城。



後鳥羽院は蹴鞠で仲良くなった五郎を頼り、自身は今回の戦とは関わりがないのだと、義時の間を取り持って欲しいと暗に伝えるが、義時はそれを認めなかった。


「逆輿を持って隠岐へ流罪」


後鳥羽院をはじめ3人の上皇が流される苛烈な処分となる。後鳥羽院は生涯、隠岐を出る事は無かった。

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鎌倉殿の13人あらすじ最終回下巻「義時の最期」

所謂「承久の乱」は鎌倉方の圧勝に終わる。



この先、日の本の舵取りは鎌倉、いや、北条一門の双肩に掛かっているとも言える。しかし、乱が終わってからというもの、義時は体調を崩すようになる。



その頃、運慶に依頼をしていた仏像がようやく出来上がる。しかし、希代の仏氏である運慶作とは思えないあまりに酷い出来であった。



義時は運慶を追放処分とし、その酷い出来の仏像は斬り捨てようと太刀を抜いたが、足元がふらつき倒れてしまう。薬師の見立てでは、「麻の毒」を盛られている症状だと言う。



義時は毒を盛ったのは妻ののえしかいないと考える。


「もっと早くお前の本性を見抜くべきであった」

「貴方には無理。私の事なんか見ていなかった」


義時は執権としての体面を考え離縁はしなかったが、二度と姿を見せるなと命じる。のえもそのつもりであると応じると同時に、毒を準備したのは、


「貴方の無二の友、平六」


であると教えてくれる。



義時は義村を呼び出し、酒を振る舞う。


「のえが用意してくれた薬を酒で割って呑むと美味い」

「呑めない訳でもあるのか?」


義村はもはや言い逃れは出来ないと、義時から出された酒を飲み干し、義時に対する積年の想いを吐き出す。


「頭、見映え、剣の腕も俺が上」


義時よりあらゆる点で優れているにも関わらず、執権として権力の頂点に立ったのは義時であることが気に食わない。


「グハッ・・・これだけ聞けば満足か・・・?」


断末魔の言葉を放った義村だが。


「・・・それはただの酒だ」

「あ、本当だ普通に喋れる」


義時は全てを許したのだ。


「太郎を支えてくれ。お前は今死んだのだ」

「任せろ。北条は三浦が支える」


結局、のえと義村の裏切りは義時の心の中だけに止め置かれる。



政子が義時の元を見舞いに訪れる。二人はこれまでの人生を振り返り、多くの血が流れたと語り合う。


「・・・梶原殿、比企殿、頼家様、畠山殿、和田殿、仲章殿」


「頼家がなんで入っているの?」

「ダメよ嘘つきは」

「自分のついた嘘を覚えていないと」


義時は頼家の最期を正直に伝える。その直後、義時は胸が苦しくなる。


「姉上、あそこにある薬を・・・」

「私はまだ死ぬ訳にはいかない」


義時は後鳥羽院の血を引く帝を殺そうと考えていたのだ。政子はこれ以上義時に罪を重ねて欲しくはなかった。


「あ、姉上・・・!?」

「小四郎、もう良いのです(涙)」


政子は薬を床に流し、義時には与えなかった。


「太郎は貴方によく似ている(涙)」


義時は政子の声を聞いて息を引き取るのであった。

鎌倉殿の13人感想最終回「報いの時」

鎌倉殿の13人感想最終回「報いの時」。義時が最期を迎えました。妻であるのえに毒を盛られて、無二の友であった義村にも裏切られ、政子に薬をブチ撒けられて最期を迎える。師匠である頼朝の最期とは好対照。でも、もう休ませてやらねぇとな。



さて、まずは政子の行動について。

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鎌倉殿の13人の感想最終回「悪魔になるしか無かった」

「自分のついた嘘を覚えていないと」


そう言えば、頼家の最期に関して義時が政子に報告している場面はありませんでした。病死と伝えていたんですね。



ただ、政子自身も、


「薄々は分かっていたのよ」

「怖くて聞けなかった」


と言っていた通り、都合良く病死と信じ切っていた訳ではないと思います。聞くのを避けていた、目を背けていた。しかし、目の前にその事実を出されてしまった以上は我が子の最期は聞かなければならない。



それは、政子自身への義務感であり、決して義時を責める、苦しめる為に聞いた訳ではないと思います。



度々、私は触れているんですけど、政子には少しズルい所(弱い所)がありますよね。



一幡を助けろ、時政を助けろ、頼家を助けろ、実衣を助けろ。そして、鎌倉を北条を守れ。


「なんとかなさい!」


義時はなんとかして来た。
前々回、


「姉上は闇を絶つために何をなされた?」


これは義時の魂の叫びであったと思う。いつも無理難題を押し付ける癖に、闇を絶つために手を汚しているのはいつも自分だと。



政子はその点は自覚的であったとも思うし、
義時に対して贖罪の気持ちすら持っていたと思う。



今回、まだ手を汚そうとする義時を見て楽にさせてやれるのは自分だけだと決断したのでしょう。頼家の復讐などといった気持ちは微塵もないと思います。


こいつを、許してやってくれないか?こいつは悪魔になるしかなかった。それを望んだのは俺達だ…。
~中略~だがもう…休ませてやらねぇと…。



義時を悪魔にしたのは政子自身でもある。太郎は昔の義時そのモノなのだから。

鎌倉殿の13人の感想最終回「なんたる20年、のえの本性」

「もっと早くお前の本性を見抜くべきであった」

「貴方には無理。私の事なんか見ていなかった」


のえの本性を義時は
結局知る事は無かった



のえはただ、義時に振り向いて欲しかっただけなんだと思う。政村に跡を継がせたいというのは目的ではなくて結果だと思うのです。



嫁に来た当初はともかくですよ?



そりゃ、20年近くも一緒に暮らしていれば情も移る。もし、義時が自分を大事にしてくれているのであれば後継は必然的に政村になるはず。



大事にされたい、頼りにされたい。



のえはのえなりに頑張っていたと思う。


「りく殿、最後に秘訣を教えて下さいませんか?」


「秘訣?」


「北条と上手くやる秘訣」


「無理矢理馴染もうしないこと」

「そして誇りに思うこと」

「私は北条に嫁いだことを誇りに思ってますよ」



しかし、その想いは義時には全く届かない。



仲章の時だってそう。言い寄られたのは悪い気はしないものの、それでも義時への想いは揺ぎ無い。



のえは仲章がなんらかの魂胆がある事までは薄っすらと感じており、義時の為にそれには乗らないように振る舞っているつもり。寧ろ、義時に褒められる位の感覚でいた事でしょう。それはこの、


「妬いているのですか?」


という言葉にも表れている。これを可愛いと思えないとなると難しい・・・。



その二人の気持ちが凄い近づいた瞬間が今回あったと思う。



「言ったら反対したであろう?」


「嘘、忘れていただけでしょ?」

「悩んだ末に言わなかった物言いは止めて欲しいわ」


「すまぬ」



この時がお互いを理解する最後の機会であったかな。しかし、お互いそれ以上踏み込むことはなく、のえは義時殺害を決意したのだと思います。



なんたる20年。



武田信玄(大河ドラマ)の感想第39話「京の夢」





お互いを理解することは永遠に来ないのですね。

鎌倉殿の13人の感想最終回「政子と実衣」

「人にはそれぞれ身の程というモノがあるのだから」

「悪気がないのは分かるけど今のは言わなくて良い事」


デジャヴ。


「姉上に出来たのだから私も御台所に」

「貴方に御台所が勤まるワケない!馬鹿な事言わないで!」






実衣はこの時に、


「どうかしてしまった」


のではないかな。しかし、今は政子の言葉をスルッと受け容れる事が出来る。



同じ姉妹であっても政子は別物であることが今は良く分かっている。



では、才覚があったから天に導かれて偉くなったのか?



その答えが義時と義村の関係ではないかな。

鎌倉殿の13人の感想最終回「小四郎と平六」

あらゆる分野で平六義村の才覚は小四郎義時の上を行く。義時自身でさえそう感じていたのではないかと思う。平六自身は当然自身の才覚を自覚し、まず自身の天下を取りに向けての第一歩を梶原景時粛清で踏み出したのです。





そして、善哉、後の公暁を掌中に収めた時には自身がいずれ天下を取る事を確信していたように思います。



ずっとテッペンを見てきた。
その才覚は充分にある。
布石も打ってきた。
小四郎如きに負けるはずもない



にも関わらず、今回も結局勝者は北条義時であり、平六に出番は回って来なかった。



許せない



実衣は尼御台を目指すには才覚が足りなかった。しかし、平六は執権になれる才覚を充分に備えている。



そして、平六ももう歳である。



最後の機会



男なら天下を目指すべき。



珍しく危険な道を選択。



恨み言を言って死ぬのだと思ったら。


「あ、本当だ普通に喋れる」


平六は才覚ではなく、器の違いを見せつけられた。ようやく、平六自身も「歪んだ優越感」を消化できたのではないかな。

鎌倉殿の13人の感想最終回「運命と偶然」

鎌倉殿の13人を1年追いかけてきましたが、「運命の悪戯」としか言えないようなちょっとした「偶然」から、新たな歴史が創られると言う事を描きたかったのではないかなと感じております。



歴史は決して確信犯によって創られる訳ではない。



もし、時政が頼朝を匿わなかったら。


もし、梶原景時が頼朝を見逃さなかったら。


もし、義高が義時を信じていたら。


もし、歩き巫女があの日境内に入り込まなければ。



その後の歴史は大きく変わっていたかもしれない。



だからこそ、圧倒的不利な状況であっても一つの誤配から全てひっくり返る事もあり得るしその逆もまたしかり。



もしかしたら、私の人生も明日から好転してしまうかも!?



以上、鎌倉殿の13人のあらすじと感想でございます。
大河姫

この物語は此処までに致しとうございます。

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