麒麟がくるのあらすじと感想第35話「義昭、まよいの中で」。迷っているのは十兵衛も同じ。既に不惑を過ぎておりますが多分人生は迷い続けるものなのでしょうね。道を易に求める久秀の気持ちはよく分かります。晴門には・・・迷いはあったな?麒麟がくるのあらすじと感想第35話

麒麟がくるのあらすじ第35話「義昭、まよいの中で」

元亀2年(1571年)の比叡山焼討ち。




この戦いで信長から「一番手柄」と評価された十兵衛は近江国志賀群を与えられた。十兵衛はこの地「坂本」に新たな城を築こうとしていた。




先程から図面を引いては難しそうな表情である。



「うーむ・・・」

「これは坂本のお城ですか?」



熙子は図面からも分かる見事な天守を持つ城に驚く。また、越前のその日暮らしからわずか3年で城持ち大名に出世したことも喜ぶ。



「皆で坂本へ行く日を楽しみにしております!」



たまも新たに与えられた坂本から湖は見えるのかと尋ね興味津々である。



「じゃが、やはり気がすすまぬな・・・」



意外にも、十兵衛はこのまま京に住み続ければ良いと考えていると話す。熙子は十兵には何か考えがありそうだと感じるが、詮索はしなかった。




そこに、木下藤吉郎が訪ねてくる。



大河姫

「義昭、迷いの中」

迷ってるのは十兵衛も同じだね。

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麒麟がくるのあらすじ第35話上巻「覚悟」

京、明智亭


「流石は明智様!織田家中でも城持ち大名となった方はおりませぬ!(笑)」



藤吉郎は信長からの覚え目出度い十兵衛への称賛を惜しまない。




けっして、皮肉で言っているワケでは無さそうである。自身もあやかりたいものだとまくしたてている。




勿論、藤吉郎は「十兵衛を称賛するため」に訪ねて来たワケではない。




信長からの書状を預かってきていた。




その内容に目を通した十兵衛の表情が強張る。




藤吉郎の目は既に笑っていない。



「これは・・・」



信長からの書状には幕府が横領した公家公卿の領地を没収し朝廷へお返しすること、さらに関わった者は厳罰に処するようにとある。




信長は最近すっかり帝に入れ込んでいる事も影響があるのであろう。藤吉郎もそれを否定しない。




十兵衛はとてもではないが、これは幕府が受け容れられるような内容ではないと応じるが・・・。



「幕府はもう見限ってもよろしいのではありませんか?」



藤吉郎は十兵衛の心を見透かすかのようである。



大河姫

室町幕府はアンシャンレジーム。。

幕府政所


「明智十兵衛を除く」



一方、幕府では摂津晴門が策謀を巡らせていた。



大河姫

摂津晴門は信じている。武士は幕府無くして生きられないと。なので、自信満々なのだと思う。

近く、義昭の主宰で本圀寺にて茶会が催される。




その期に乗じて十兵衛の殺害を計画していた。




勿論、信長の覚えが目出度い十兵衛を謀殺すれば、信長と幕府との対立は決定的となりかねない。幕府の役人の中にはそれを心配する者あるが・・・、






「甲斐の武田信玄」



既に、手は打ってあると自信ありげに語るのであった。




あくる日、熙子はたまを伴い望月東庵亭を訪ねていた。




熙子自身がたまを伴い訪ねるのは初めてである。



「色々とお世話になったのに御礼が遅くなり・・・」



駒は気にすることは無いと笑う。



「ちょっとすいません!東庵先生はいるかい?」



そこにとても賑やかな女が入ってくる。田舎の肝っ玉母さんといった雰囲気ではあるが、着ている物は中々上等なように見える。



「東庵先生ならそろそろ戻ってくると思いますよ」

「そうかい?なら待たせてもらうよ!」



大河姫

藤吉郎は母似なんだねw

女は木下藤吉郎の母なかである。




なかは肩こりの治療のため東庵亭に通っており、本日はその予約日のようである。




そして、頼まれてもいないのに藤吉郎から聞いた話を色々と披露する。



「出世はほどほどが良いわね!」



大河姫

出世はほどほどね。。まだ、藤吉郎の出世はほどほど所か全然ですよww

藤吉郎は低い身分から頭角を現し織田家中では知らぬ者はいない「出世頭」である。




しかし、当然やっかみもあり色々と気苦労が絶えないと話す。もっとも、あまり「苦労」しているような雰囲気はない。



「近江坂本の城持ち大名となった明智様なんかはやっかみで大変」



なかによれば、坂本の地を与えられた十兵衛ではあるが、信長との関係が深まり幕府を裏切るのではと警戒されて、妻子は京に置いていくように命じられているのだと話す。




駒は居たたまれない熙子とたまの様子を見かねて、なかを別室へと案内しよとする。




丁度、その時東庵が戻って来た。




熙子は十兵衛が、



「気が進まない」



と、語っていた理由を知ってしまい俯くのであった。




一方、駒は幕府の、義昭のやり方に苛立ちを覚える。

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麒麟がくるのあらすじ第35話中巻「闘争」

二条城


「ええい!墨が薄い!もっと濃くなければならぬ!」

「公方様は何を苛立っておられるのですか!?」

「それは其方であろう!」



大河姫

あら、夫婦喧嘩。。

義昭と駒は先程から言い争っている。駒は「苛立ち」の核心を突く。



「公方様な何故、十兵衛様にあのような仕打ちをなさるのですか!」



義昭はかつて十兵衛を「大事な人材」であると話していた。このような扱いをすれば十兵衛の気持ちも義昭から離れる。




義昭のは苦しい胸の内を吐き出す。



「幕府を動かしているのは晴門たち・・・」

「晴門がそうせいと言えば、そうせざる得ない」

「晴門が・・・除けと言えば・・・」



「!?」



大河姫

摂津と長崎円喜。彼らも辛いのよ。多分。

もし、晴門が十兵衛の「暗殺」を言いだしたら認めるというのであろうか?



「駒、いっそ儂の首を絞めて殺してくれ・・・」



十兵衛に危機が迫る。




駒は居ても立っても居られず、伊呂波太夫の元を訪ねる。



「十兵衛様の命が危ないのです・・・」



駒は芳仁丸を売って稼いだ銭を持ち込み、十兵衛を助けて欲しいと懇願するのであった。



本圀寺


本圀寺茶会の日。




十兵衛も本圀寺へと来ていた。



「十兵衛殿!」

「おお、藤孝殿!」



今回の茶会に藤孝の名は無かったはずだが・・・?



「摂津晴門が貴殿を斬るつもりらしい」



藤孝は摂津晴門の暗殺計画がある事を伝え、今すぐに引き返すようにと耳打ちする。藤孝自身も手勢を引き連れやってきたのだが、晴門の家来衆が中へ入らせない。



「兄、藤英は摂津たちとは距離がある・・・」



藤英を味方につけ、この危機を乗りる提案をするが・・・。



「お心遣い痛み入る・・・じゃが」



十兵衛は本圀寺の奥、義昭の部屋向けて走り出す。



大河姫

虎穴に入らずんば命を得ず。後の三成みたいだ。。

「公方様!」


長い廊下。




既に、殺気が満ちている。



グサ


障子を破り次々と槍が十兵衛を襲うが、それを跳ね除け先へ、義昭の部屋と急ぐ。



「公方様!公方様!!」



十兵衛が最後の襖を開くとそこには義昭がいた。



「何事か!?」



十兵衛の後ろには槍を持った晴門の配下がいる。



「下がれ!」



義昭は十兵衛だけを残し他の者は下がらせる。



「公方様にお話がございます・・・うっ・・・」



十兵衛は脚を刺されていた。袴から血が滲んでいる。



「・・・ふふ・・・」



十兵衛は不敵に笑う。



「何がおかしいのじゃ?」

「いや、三年前にも同じ様なことがございました」



3年前。




義昭が上洛して間もないころ、三好勢がここ本圀寺を襲った。




義昭を地下に匿い本圀寺を守り切ったのだ。



「三年で全てが変わった」



「・・・古き者を捨て去る良き潮では?」



「その後!信長が勝手気ままに治めるのを黙って見ていよと申すか!」



「信長様が道を外れるようなら坂本城は直ちにお返しし」

「二条城で公方様をお守り致す所存」



大河姫

道を外れる、その予感が既にあるね。

十兵衛は義昭を説得する。




そこに藤英もやってくる。



「表に藤孝が手勢を揃えております」

「公方様の命があれば直ちに晴門を捕らえます」



「その傷で茶会に出るワケには参るまい」

「茶会は取りやめじゃ」

「其方(藤英)の口から摂津に申し伝えよ」



「御引き下がりになる様子はございませぬ」



「従わなければ捕らえよ!!」



この日、茶会は開催されなかった。




そして。




摂津晴門は。



「公方様の上意である!」

「何故じゃ!離せ!離せ!!」


幕府から晴門の息のかかった「古き者」は一掃されたのである。

麒麟がくるのあらすじ第35話下巻「柿本人麻呂」

十兵衛は今回の出来事には伊呂波太夫の尽力が大きかったと知り、礼を言うため単身太夫を訪れる。伊呂波太夫は駒から相談されたから動いたのであり、一番感謝すべきは駒だと笑う。




そして。



「太夫は帝をいったいどのようなお方だと?」



伊呂波太夫はかつて十兵衛に、



「帝は美しいお方」



と、話した事がある。




最近、信長はすっかり帝に心酔し足繁く御所に通っている。



「帝にお褒め頂くのが何より嬉しいと」



十兵衛は信長の最近の様子に一抹の不安を覚えていた。



三条西家


伊呂波太夫は十兵衛を三条西実澄に紹介する。




実澄は帝の覚えも目出度く、帝の人となりを知りたいという十兵衛にとっては良い機会になると考えたのだ。




しかし、実澄は十兵衛に興味を示さずはぐらかすような話ばかりで栗を食べている。




伊呂波太夫は苦笑する。



「いつも、仰っておられるではないですか?」

「今の帝は古の帝にも比するお方と」



実澄は栗を食べながら十兵衛を値踏みするかのように尋ねる。



「万葉の歌詠みでは誰がお好きじゃ?」

「柿本人麻呂に尽きると」



実澄は初めて十兵衛の顔をまじまじと見つめるのであった。



大河姫

万葉集か。

武士と公家。
共通言語は教養。
そう。
教養なんだよね。

御所


「実澄の館に明智が参ったのか?」

「明智をご存知でございましたか?」

「最近、良くその名を耳にする」



実澄が明智の事を帝へ伝えたが、帝は既に十兵衛の名を知っていた。



「気に入ったのであろう?明智を?」



実澄は十兵衛と会った日のことを話す。



「万葉の歌詠みでは誰がお好きじゃ?」

「柿本人麻呂に尽きると存知ます」



そして、気に入っている歌を諳んじて見せたことを伝える。




帝も十兵衛に興味を持ったようである。




数日後。




伊呂波太夫は十兵衛を尋ね、実澄の計らいで帝と直接お会いする機会を設けることが出来たと伝える。



十兵衛は実澄の家人として参内することになる。




以上、麒麟がくるのあらすじ第35話「義昭、まよいの中で」でございます。

麒麟がくるの感想第35話「義昭、まよいの中で」

麒麟がくるの感想35話「義昭、まよいの中で」。迷っているのは十兵衛も同じですね。いや、藤英も藤孝も・・・皆迷いながら生きている。一方で迷いがないのは晴門。晴門の存在は長崎円喜と重なる。あと、気になるのが熙子なんですが、そろそろ寿命が心配でございます。

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麒麟がくるの感想第35話「熙子の存在」

熙子は昨今の通説では天正4年(1576年)位に病没という事なのであと5年弱で亡くなってしまうと思われます。




大河ドラマの醍醐味の一つに「家族」をどう描くかというのがあるのですがその部分は正直ちょっと物足りないかな。むしろ、出番は短いものの「信長と信勝」とか「正親町天皇と覚恕」の方が良かった。




今回、十兵衛の出世を無邪気に喜び、東庵先生の診療所で図らずも夫の気苦労を知るみたいな感じですたが・・・。




うーん!




ステレオタイプ



勿論、それを知った時の不安気な表情とかは最高なので、与えらえた役割をしっかり演じ切っているのですけど、もっと色々と見所作れたのではないかと感じてしまいます。




おそらく、亡くなる時にはそれなりの演出、夫婦の絆が描かれる、と思うのですど、生前の「フリ」が効いてないと上滑りしちゃうのですよね。




期待を裏切って十兵衛の首を抱きしめ琵琶湖に入水をしたりして・・・?

麒麟がくるの感想第35話「晴門と円喜」

室町体制の守護神は摂津晴門。




晴門は確かに公家公卿の領地の横領のような「不正」を働いてはおりましたが、それは「私利私欲」から出ていたものでは決してないと思うのですよね。




組織が機能するため、室町体制を維持し守る為に必要な事をする。




そこに直接影響が無いなら慈善事業でも能でもなんでも勝手にやればよい。




晴門が駒を「駒様!駒様!」と持ち上げていたのは、駒の趣味が義昭と同じ毒にも薬にもならない慈善事業であり、二人で乳繰り合いながらその「道楽」に没頭していれば余計な事をしないという算段もあったでしょうね。




そこで思い出すのが太平記の長崎円喜。




円喜もまた、その権勢故に主君である執権北条高時に警戒され、一時期は命まで狙われます。




※関連記事→太平記8話「妖霊精」



また、北条一門のの金沢貞顕や赤橋守時も円喜のやり方には反発を覚えておりましたが、結果的には最も鎌倉幕府の現状とその敵を理解していた。




晴門もまた同じ。




室町体制にとって何が必要で何が「危険」なのかをハッキリと認識していた。




そして、円喜と同じく、それを理解しない「自称忠義者」に脚を引っ張られて・・・。もっとも、円喜は幕府と運命を共にしましたが、晴門は命まで取られなかったのは幸いです。

麒麟がくるの感想第35話「教養という共通言語」

本日初登場の三条西実澄。




懇意にしている伊呂波太夫の紹介とは言え、十兵衛のことを胡散臭そうに眺めておりました。



「万葉の歌詠みでは誰がお好きじゃ?」

「柿本人麻呂に尽きると存知ます」



これで、実澄はすっかり十兵衛を気に入ってしまいます。




いつの時代も「共通の趣味」を持っていると一気に距離が縮まりますね。




因みに、最近都を追われている近衛前久。




彼は後に信長とすっかり意気投合するのですけど、前久は公卿にしては珍しく鷹狩や乗馬といった武士の嗜みに造詣が深く信長と気が合ったとか。




自分の世界はなるべく広げていた方が機会は広がりますね。




それは現在でも同じかな。




以上、麒麟がくるのあらすじと感想第35話「義昭、まよいの中で」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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