太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第8話「妖霊星」。高氏と登子が結婚。都のことは夢と諦めた・・・ワケではなさそうですが。新婚初夜から「北条と争う事になれば」と尋ねる高氏の問いに答える登子が愛おしい。鎌倉武士の娘の誉。理想の妻かな・・・。太平記のあらすじと感想第8話

太平記(大河ドラマ)あらすじ第8話「妖霊星」

藤夜叉との逃避行があった翌日の夜。高氏は一人屋敷を抜け出す。抜け出すが・・・。右馬介もまた高氏の後を追っていた。

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太平記あらすじ第8話上巻「夢から醒める」

高氏は右馬介がついて来ている事にすぐに気付く。



「何用じゃ?右馬介?」

「若殿こそどちらに・・・?」

「藤夜叉に会いに行く」

「会ってどうなさいます」

「一緒に都には行けぬ、北条の嫁を取ると伝える」



大河姫

高氏、都の夢から醒めたか?

それでも、藤夜叉は高氏の子供を身ごもっている。側室として迎えたいと手を付いて頼むつもりだと語る。



「若殿!藤夜叉殿は約束の場所にはおりませぬぞ!」

「!?」

「藤夜叉殿は昨夜の内に府内をお立ちにございます!」



信じられぬという表情で高氏は「約束の場所」まで馬を走らせる。昨晩、再会を約束した浜辺。



「高氏様と都へ戻りたい」



高氏にそう語ったはずの藤夜叉はいなかった。



「藤夜叉・・・儂を置いて行きおった・・・」



高氏は浜辺に跪き、すなをつかみ藤夜叉の名を絞り出すように唱えていた。
そして。



「右馬介・・・藤夜叉を見失ってはならぬ!」

「藤夜叉の子は高氏の子ぞ!」

「藤夜叉を見失ってはならぬ・・・!!!」



高氏が都の夢を語り再会を約した浜辺で苦悩しているころ、藤夜叉は石と二人小舟に乗っていた。



「あ~ずま~よ~り・・・♪」



藤夜叉は都で高氏に見せた舞の唄を唄っていた。



「本当に良いんだな?自分で決めたのだぞ?」



石は藤夜叉に念を押すように話しかける。



「あんな奴(高氏)の事で一生恨まれちゃかなわんからな」

「感謝しているもの・・・うるさく言われなかったら会っていたかも」



大河姫

藤夜叉は夢から醒めたのではなく、石に醒まされたのね。

藤夜叉は時さえ経てば忘れられると自分に言い聞かせるように話す。石は満足げに頷くと伊賀へと向かって行った。




鎌倉の足利屋敷では右馬介が貞氏に藤夜叉が向かった先は伊賀であると報告していた。



「伊賀か・・・伊賀と言えば河内の国と近いな」



藤夜叉の属する花夜叉一座は伊賀から出でた猿楽一座である。貞氏はまた、河内楠木正成が気になっていた。



「楠木党からは目が離せぬ」

「右馬介、伊賀へ向かってくれ、高氏には儂から話す」



大河姫

花夜叉一座は楠木党なんだろうね。

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太平記あらすじ第8話中巻「婚礼」

それから一カ月の後。




赤橋登子が足利家へ嫁入りした。




鎌倉随一の御家人である足利家、そして北条屈指の名門赤橋家の婚礼である。



「庭火をお持ちしました!」



赤橋家の庭竈(にわかまど)の火が足利家に移され館の灯りとなり登子を迎えた。



大河姫

登子綺麗・・・。私はどちらかと言えば登子(沢口靖子)派。ちな、湖衣姫(南野陽子)派か?三条(紺野美沙子)派?かと言えば三条派でもあります。

「常盤の陰に花の錦を加えたるとはこのことぞかし!」

「おめでとう存じ上げます!」



金沢貞顕はようやくこの日を迎えられたと心底から嬉しそうである。婚礼の宴は昼夜なく3日間続いた。赤橋家から移された竃(かまど)の火は三日三晩足利家を照らし続けた。




そして、ようやく婚礼の儀も終わった夜。




高氏と登子は初めて寝所でゆっくりと話す。



「登子よ・・・型通りの儀式は終わった」

「真の夫婦となる前に申しておきたい事がある」



登子の兄守時、そして高氏の父貞氏、皆思うところがあってこの婚礼を望んだ。しかし、弓矢を持つものは皆古来より修羅の道を生きている。



「この高氏が北条家に弓引く時が来たら・・・」

「其方はなんとするか?」



登子はゆっくりと顔を上げる。



大河姫

高氏、新婚初日から随分とストロングスタイルだな・・・。

「いつの日かそのようなお気持ちが高氏様にはおありなのですか?」



「あるとしたら?」



「あるとしてもないとしても、その日が来るとしても来ないとしても・・・」

「登子には同じことに思えます」

「高氏様の一生はそのまま登子の一生となるばかりのこと」



真っ直ぐ高氏を見て言い切る登子。
しかし。



「・・・でも・・・辛ろうございます」



大河姫

あー!泣かした!高氏よ、お前はいつも女を泣かせるな・・・。

高氏は、やや言い過ぎたと思ったのか、登子の覚悟と思いに感じ入ったのか急に蹴鞠の鞠を取り出すと話題を変える。



「其方、蹴鞠は好きか?」



小さく頷く登子。高氏は蹴鞠名人の大納言の話を聞かせる。




昔、蹴鞠の名人の大納言がいた。ある日、大納言が鞠を蹴ると鞠が雲の彼方に消えたという。その大納言には鞠の精霊が憑いており、鞠を蹴るときは鞠の事だけを考えておればよいと教えたらしい。高氏は庭先に出る。



「直義!直義はおるか!?蹴鞠じゃ!蹴鞠をするぞ!」

「嫁と閨入りしてたんじゃないのか??蹴鞠?兄上は何を考えているんじゃ!」



直義は飲み過ぎで覚束ない足取りだが、高氏のいる庭先に出てきた。騒ぎを聞いて屋敷の家人たちも出てくる。



「儂の嫁に足利家の蹴鞠を見せる!」



直義は嫁入りの日に蹴鞠を見せられる北条の嫁のなんと気の毒なことよと悪態をつくがやる気にはなったようだ。



「直義!いくぞ!ありや、ありや、ありやー!」



高氏が鞠を大きく蹴り上げると直義がふらつく。



「あ、あに、兄上!鞠が見えませぬ!!あれー」



大河姫

直義、ダメじゃん!

直義はすっころぶ。家人が松明を持ってきて周囲を照らす。



「ありやー、ありやー、ありや!!」



二人の、足利家の蹴鞠は中々見事なものだった。気付くと清子が登子の傍に来ていた。



「登子殿・・・高氏を頼みます」



登子は頷く。




外の騒ぎに貞氏も気付く。




赤橋家の嫁を迎えて北条とは縁戚となった。そして、高氏、直義の兄弟。足利家はこれでしばらくは安泰であろうか?



「うっ・・・?」



貞氏はこの日、初めて身体に病を感じた。




足利家が登子を迎えた翌日。




日野俊基が牢から出されていた。




「正中の変」に連座して捕縛された日野俊基であったが、同じく捕縛された「日野資朝」がすべての罪を被り、佐渡へと流されたことで、無罪放免となっていた。



大河姫

この2人の日野は親子兄弟ではない。2人は同時に鎌倉へ送られたが、どちらかだけが罪を被ることを示し合せ、若い俊基が折れる(二人とも自分が罪を被り相手を助けたいと願った)形で資朝だけが罪を認める事になった。

俊基は鎌倉に来ていた花夜叉一座に身を寄せる。そこに丁度、藤夜叉を伊賀まで送り届けた石が戻っていた。



「日野様!」

「おお!其方は確か・・・!」



石は日野俊基に頼まれていた短刀は楠木正成に渡したと誇らしげに語る。ただ、農夫然とした楠木正成よりも、弟の正季の方が優れた人物だと語る。




それには俊基は何も言わず苦笑いである。



大河姫

石には正成の器の大きさは図れぬよな。いや、これが普通かも。

俊基は石の気持ちが嬉しいのだろう、礼を言うと、もし都へ来ることがあれば自分を訪ねて欲しいと語る。



「これを持って来れば中に入れるはずだ」



俊基は牢で自身の領地の風景を描いていたのだが、その一枚を渡す。



「俺の住んでいたところに似ている」

「新しい世の中が来たらここを其方にあげよう」

「え?」

「畑を耕す暮らしがしたいのだろう?」

「はい!」



日野俊基は花夜叉一座と石に別れを告げ、京へと戻って行った。



大河姫

日野俊基良い人過ぎ。原作だと切れ者ではあるけど、優しい印象ではないね。

花夜叉一座にも新しい顔ぶれが入団?していた。木斎から紹介を受ける。



「石!こいつは吉次と言って矛の扱いがうまいのだ」



大河姫

吉次、え?あれか?トヨエツ?

その男は中々の大男で目付きが悪い。確かに矛の扱いには長けているようだが「先輩」の石にも何ら遠慮する様子がない。石の印象は良くはないが、別段関わらなければ良いのだ。しかし、その吉次から話しかけてきた。



「おい?お前か?我らに協力すると約したのは?」



吉次は楠木正季の指示で鎌倉へとやってきたのだという。



「幕府内管領長崎円喜を殺る」



近く、足利家・赤橋家が縁組したが、そのお披露目の余興が高時主催で催される。そこで、長崎円喜を殺害するのだというが・・・。

太平記あらすじ第8話下巻「暗殺」

幕府柳営内の華雲殿には鎌倉の「顔役達」が揃っていた。執権、北条高時主催の「高氏・登子」披露宴のようなものだ。




高時は数百人はいそうな来客を前に満足気に盃を上げる。



「皆の者、今宵は心行くまで飲もうぞ」

「本日は高氏・登子のお披露目でもある」

「皆で祝おうてやれ」



「おめでとうございます」



大河姫

高時はパリピ。

相変わらず当の足利家や赤橋家より嬉しそうなのは金沢貞顕である。足利家が一門に加われば北条も安泰とご機嫌である。




これから義兄となる赤橋守時も高氏に杯を進める。




華雲殿は和やかな雰囲気だったが・・・。



「いや、まったく目出度き仕儀よ、祝着至極でござるな」



佐々木道誉である。




此処では藤夜叉のことは高氏と道誉しか知らない。



「かかる大輪(登子)を手に入れるまでには」

「さぞ野に咲く花を泣かせて、枯らせて、打ち捨てたこともござったであろうな?」



大河姫

道誉、ちょっとムカついてるね。まあ、藤夜叉攫われたからな。。

判官が動くときは「愉しみ」があるのだ。高時がさっそく興味を示す。



「判官、それは聞き捨てならぬ」

「野に咲く花とはなんの例えぞ?」



道誉は予想通り高時がかかったと薄ら笑いを浮かべ追い打ちをかける。



「それがしよりも、当の婿殿にお聞きになれば如何か?」



高時が尋ねる。



「婿殿、泣かせて枯らせた花とはなんじゃ??」



道誉はさらに詰める。



「婿殿、執権殿がお尋ねじゃ、お答えせねば無礼であろ?」



大河姫

この、サディストコンビめ・・・

ただならぬ気配を察知した登子が機転を働かせ、そろそろ疲れたので退出したという。高氏はこれ幸いと立ち上がるが、逃してくれる高時ではない。



「こら?虫食い瓜?なぜ動く??」



高氏は苦し紛れに答える。



「登子が疲れたと・・・」



「この男、虫食い瓜に似もやらず中身は甘いぞ・・・」

「さては閨急ぎか?判官、足利殿は閨急ぎだ!閨急ぎだwww」



道誉もここが潮時と思ったか、



「これはしたりww」



と高時と共に高氏を嘲笑するのであった。




高氏と登子はここを機に戻ろうするが、灯りが一部消え、天狗姿の男たちが舞台で見事な舞を見せ始める。皆、舞台に注目する。



大河姫

登子、笑い者にされて可哀想・・・。高氏は、まあ、笑われてオケ。

そこに長崎円喜が遅れて高時の席までやってくる。披露宴が始まって結構な時間が過ぎていた。



「円喜、この目出度い席に随分と遅れたのぉ・・・」

「面目次第もございませぬ、奇怪なる噂を耳に致しそれを調べておりました」

「ほう?奇怪な噂とは?」



円喜によれば、伊賀から円喜暗殺の為の刺客が招かれこの宴に紛れているのだという。それは奇怪ではあるが・・・。



「奇っ怪なるはそれだけではございませぬ」

「そう命じたるものは元を辿れば太守、貴方様であると」

「またまた不思議な沙汰にござりまするw」

「まことに故なき沙汰にて一笑に付し、参上仕りましてござりまする」



「・・・そりゃまた、不思議な沙汰よのう」



「ははは」



二人は笑い合う。



大河姫

緊迫の化かし合い・・・。

その時、




灯りが消え斬撃を打ち合う音が暗闇に響く。登子を庇う高氏の元にも正体不明の天狗のような者が斬りかかってきた。




華雲殿は騒然となる。



「太守様をお守りしろ!」

「な、長崎様が討たれた!」

「灯りを!!」



灯りが再び燈される。




金沢貞顕が悄然とした姿で長崎円喜がいた席に倒れている男を必死で起こそうとするが、既にコト切れていた。切れていたが・・・。



「おお!長崎殿ではない!(良かった)長崎殿ではいぞ!」



金沢貞顕は皆に叫ぶ。



大河姫

金沢貞顕はホント良い奴。

その言葉に茫然としている高時。




高時の視線の先には長崎円喜がいた。



「わ、儂ではない・・・円喜、儂は知らぬ・・・」

「曲者じゃ!何者かが忍びこんでおる!」



高時は正体を失い太刀を抜き暴れた。高時は天狗に囲まれている錯覚に怯えていた。そして、気を失った。




道誉は高氏の隣に来るとそっと囁く。



「身内を斬るため伊賀者を使うとはな・・」

「噂は都へ筒抜けじゃ」

「北条は割れた・・・先が見えた」



このころ、誰言うともなく不思議な噂が広まっていた。天下まさに乱れんとする時、妖霊星という悪い星が下って災いをなすと。その妖霊星の歌を高氏は聞いた。登子も聞いた。

太平記(大河ドラマ)感想第8話「妖霊星」

太平記(大河ドラマ)感想第8話「妖霊星」。高時と円喜の衝撃の関係が明らかに。高時が円喜を暗殺しようとする場面は印象に残っていたのですが、もう少し先だったような気がしておりました。




こんなに早かったんですね。高時と円喜のインパクトに霞んでしまいましたが、登子の美しさと賢さも良かった。藤夜叉とは丁度対照的なんですよね。先程も申し上げましたが、私は登子(沢口靖子)派です。

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太平記感想第8話「夢から醒める」

高氏を「京の夢」から醒ましたのは父貞氏ですね。




貞氏には見透かされていた。




いや「見透かされた」というよりも、高氏自身でも気付いていなかった甘さに気付かされたという感じでしょうね。




しかし、流石高氏。




目が覚めてからはようやく「北条の嫁を取る覚悟」を決めた。




一方で藤夜叉。




藤夜叉を「京の夢」から醒ましたのは石。




もっとも、藤夜叉は高氏との子供もいますからね。また、夢の世界へ戻って行ってしまう可能性も無きにしも非ず、というか高い気がします。

太平記感想第8話「登子と藤夜叉」

私は登子派です。




え?しつこいですか??




いや、大事な事だから三回申し上げたのです。




登子と藤夜叉の対比が美しいんですよね。あ、登子は存在も美しいですけど!!




藤夜叉は幼い。




よく言えば純粋ですが、悪く言うと自己主張が強い。




原作「私本太平記」だと藤夜叉はもっと激しく「愚かしい(世間知らず)」雰囲気なんですよね。高氏も途中、藤夜叉を持て余す位に。大河ドラマ太平記では今のところマイルドですけど。




一方で登子はとてもよくできた女性です。高氏が実家である北条一門と戦う事になろうと、なるまいと関係ない。



「高氏様の一生はそのまま登子の一生となるばかりのこと」



此処まではただの模範解答




さらに、



「・・・でも・・・辛ろうございます」



これが登子の美しさなんですよね。




夫と実家である北条家が争うときが来れば、当然登子自身は足利の人間として生きるし戦う。しかし、喜んでそうするワケではないという正直な気持ちは伝える。




高氏もまた「辛ろうございます」という言葉を登子に言わせてしまった罪悪感があるのと同時に、この美しい正直な嫁を大事にすると誓ったのではないかな。




因みに、登子は原作「私本太平記」では殆ど存在感はありません・・・!

太平記感想第8話「屈辱再び」

高時と道誉はお互い「サディスト」で気が合う。




立場上「飼い主」は高時で「飼い犬」が道誉のはずですが、実際は「逆」ですかね。




道誉が狂犬高時を高氏にけしかける。




まあ、道誉の気持ちも分からなくはないんですけどね。




これから藤夜叉を使って高氏を存分にいたぶってやろうと思っていたら、その藤夜叉が足利の手で連れ去られてしまったワケですからね。




藤夜叉の代わりは高時。




もっとも、流石は道誉。



「潮時」



も分かっている。



「閨急ぎww」



と、高氏と登子を散々公衆の面前で嬲って気が晴れた?噛み殺すまではやりませなんだ。




ここでも、登子が素晴らしいアシストで高氏の窮地を救っていた・・・。

太平記感想第8話「円喜と高時」

円喜と高時の関係。




正直この序盤から此処まで「悪かった」んですね。




高時と円喜の「化かし合い」は見応えありました。




ありましたが。




嗚呼!役者は一枚も二枚も円喜が上でありました。




以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第8話「妖霊星」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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→太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第9話「宿命の子」