太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第28話「開戦前夜」。本当の意味での「支配者」は孤独なんですよね。肩がこる。後醍醐帝は尊氏が自分と同じかそれに近い意識を持っていることを喜んだのだと思う。太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第28話

太平記(大河ドラマ)あらすじ第28話「開戦前夜」

元弘3年10月。




北畠父子は奥州へと出兵する、






大河姫

錦旗が翻る。そして、何故か北畠の旗印が武田菱・・・?




この北畠父子の奥州遠征は東国を「自身の領分」と考えていた武家にとっては衝撃的な出来事であったが、一方で宮方、大塔宮派からの評判も悪かった。




大塔宮の側近、殿の法印は文観に激怒している。



「貴様!三位の局に媚びへつらいおって!」

「いえ、決してそのような・・・」



大河姫

成程ね。公家が公家の力を削ぐ。

三位の局を生母とする義良親王を付けての奥州遠征。宮派の有力公家である北畠父子を都から遠ざけるというのは、「三位の局派」と政治的に対立する宮派にとっては痛手と見られていた。




文観は大塔宮と殿の法印の剣幕に恐れをなして逃げ出すが、宮の放った矢が文観を柱に縫い留める。殿の法印は文観に向けて抜刀する。



「法印やめよ!」



もし、大塔宮が停めなければ、殿の法印は文観を斬捨てていたに違いない。

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太平記あらすじ第28話上巻「取引」

御所


尊氏は武家の立場から北畠父子の奥州遠征に危機感を持っていた。




御所に参内し後醍醐帝に直々に鎌倉派兵を願い出ようとしていた。




尊氏の参内は三位の局やその側近である千種忠顕にも驚きを持って迎えられる。



「尊氏が参内・・・?」

「如何致しましょうや・・・?」

「御上には知らせず・・・判官を」



道誉は女御たちに「立花の指導」をするとの名目で度々御所にも出入りしていた。




尊氏は控えの間に待たされ続けている。



「これは足利殿!」



現れた道誉に対して珍しく不機嫌そうな表情を見せる。



大河姫

判官、ド派手。

道誉は尊氏の参内理由を、



「鎌倉へ兵を送り、武家の手で東国を守こと」



を願い出るために来たのだと喝破し、それを諌める。



「綸言汗の如し!(笑)」



大河姫

皇帝が一旦発した言葉は取り消したり訂正することができないという中国歴史上の格言。一度流れた汗は身体に戻せないからという比喩。

「帝が否と申せば・・・?」



道誉は今は「時期」ではないと話す。



「根回しが必要」

「三位の局にお会いになる気はござらんか?」



尊氏は道誉に連れられで三位の局と面会する。三位の局とその一番の寵臣千種忠顕、そして坊門清忠がいる。




三人は尊氏を歓迎する。



「佐々木は下がってよい」

「女御どもと花でも立てよ」



「はは!」



大河姫

こうして御所に「立花の師匠」として出入りできる。まさに「芸は身を助ける」だな・・・。

千種忠顕に命じられ「自分の仕事は終わった」と早々に辞去する。




三位の局は後醍醐帝が度々尊氏の仕事ぶりを高く評価をしていると伝える。尊氏はやや戸惑いながらも光栄な事であると応じる。



「足利殿は鎌倉に我が子を置いておられるとか」

「蓮子も同じじゃ、我が子は可愛い」

「我らはよう似ておりますな(笑)」

「鎌倉へ派兵の儀、それとのう蓮子より伝えもうそ」

「明日また参内仕れ・・・」



帰り際に尊氏は道誉に呼び止められる。



「もうさば、三位の局の敵、護良親王を討てという事であろう」

「これは取引じゃ、悪い話ではなかろう?」



「儂は取引は嫌いじゃ」



尊氏は取引をせずに北条を倒し、都を焼け野原にしたのだ。



「今更なんの取引ぞ!帝は我が主上!」

「儂は思うところを申し上げ、間違っていれば帝がお怒りになる」

「引き返す!」



大河姫

ああ、道誉とは「見ている世界」が違いすぎるな・・・。

道誉は苦虫を噛み潰したような表情で御所の奥へ向かう尊氏の後ろ姿をみつめていた。

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太平記あらすじ第28話中巻「肩こり」

尊氏は後醍醐帝に謁見し、関東へ足利の兵を送りたいと奏上する。



「足利の兵を関東に送る?」

「尊氏!直答を許す!近くに参れ!!」



謁見の様子を三位の局蓮子、千種忠顕、坊門清忠ほか公家衆が固唾を飲んで見守っている。




尊氏は東国の特に奥州の気性は荒く北畠だけでは不安であると話す。後醍醐帝は東国遠征には有力武士の結城を付けていると反論する。



「その結城の一族にも離反の動きがあるのを御上はご存知でしょうか?」

「奥州に火が付けば鎌倉にも飛び火します」



「奥州では朕の目指す公家一統の世は受け容れられぬと申すか!?」



「公家方が相争い、武家が角突き合わせる昨今の都の有様を見れば・・・」

「東国を一つにまとめる等は未だ・・・」



大河姫

ど直球・・・!尊氏流石。

後醍醐帝は尊氏の直言に苛立つ。



「公家の争いは朕の不徳」

「だが武家の争いは!武家の束ねは任せると朕は申した」




今の乱れをなんと心得る!!



「・・・申し開きの言葉もございませぬ・・・」



尊氏はひれ伏す。




しかし。



「武家は力あっての武家、関東一つ任されぬ武家になびきましょうか」



後醍醐帝はそれを制する。



「ありていに申せ・・・そちは関東に北条の如く幕府を創るつもりであろう」



「それがし、天下を望んではおりませぬ」



「何故じゃ?」



「天下を治めるは肩がこります」

「この足利尊氏、こうしているだけで肩がこります」

「今は、何かと強いこと申しますが、性に合いませぬ」

「戦のおりもよう迷います」

「恐れがましゅうございますが、帝のように逞しくはございませぬ」

「人並みの臆病者・・・ただ、此度の戦で多くの者を死なせました」

「それに報いるためにも良い世をつくらなばと」



後醍醐帝の御気色が少し変わる。



「それは朕とて同じ思い」

「尊氏の申す通り、天下を治めるは肩がこる」

「よろず、己が決めるのじゃ・・・肩がこる」

「関東に兵を送るのを許す!が、そちは都から動くこと許さぬ」



後醍醐帝は上機嫌の様子である。



「尊氏も肩がこるか・・・朕も肩こりじゃ(笑)」



大河姫

後醍醐帝、共感したんだね。嬉しそう。

直義が鎌倉へ発った。






足利軍は成良親王を奉じており、帝の意思による帝の軍勢と認められた。




足利家が関東の支配を公に認められた瞬間である。




御所では蓮子が意外にもあっさりと足利の派兵を認めたことの真意を尋ねる。



「足利は鎌倉に子を置き、布石を打っている」

「許さぬと申しても詮無きこと」

「他に誰がいる?関東を守り東国を守れるものが」

「北畠と争わせるもまた一興」



足利の話をしている後醍醐帝は心なしか少し嬉しそうでもある。



「足利は朕の世に欠かせぬ者・・・あれを敵にしたくはない」

「せめて、護良が足利ほどの器量なればな」



大河姫

護良、大塔宮のことを話す後醍醐帝は苦悩の表情である。その様子を眺める蓮子は笑いを抑えているようにも見える。

その大塔宮。




この日大塔宮邸には「宮派」と目される諸将が集まっていた。



大塔宮邸


新田兄弟、岩松常家、それに宮に入れ込んでいる楠木正季が集まっている。皆、猿楽舞を眺めているが、本題は「猿楽舞」ではない。



「今宵、宴にかこつけ集ってもらったのは他でもない」

「足利が関東の主となったことじゃ!」



大塔宮の言葉に義貞の実弟義助は大いに頷く。新田が命を懸けて落とした鎌倉を労せずして足利が得たのだと煽る。これには「足利憎し」の正季も同調する。



大河姫

ああ、義貞悩むね。取引なんて小さい話ではない。

宮派の四条隆資も焚きつける。



「悪しき取り巻き、足利尊氏、三位の局」



義貞は黙っているが、宮の言葉には黙って頷く。




既に、武田、塩谷、宇都宮などの有力諸将も同心の上、大塔宮は各所に足利討つべしと「令旨」を発していた。



大河姫

「綸旨」は帝が発するもの。「令旨」は親王など帝以外の皇族が発するもの。有名なのは「以仁王の令旨」だね。この「令旨」を勝手に発したことが・・・大塔宮の政治センスの無さ。

既に軍勢の皮算用を始める有様であった。




義貞が一人になるとそっと近づいてきたのは岩松常家。




常家は義貞の意向を確かめたいのだが、常家自身は「足利に付く」ことも選択肢だと考えていると話す。



「儂は誰の支配も受けぬ・・・分るか岩松?」

「新田の家は他人の顔を窺って生きてきた」

「儂は宮にも足利にも従わない」

「皆、勝手に戦をしてボロボロになればよい・・・」



その時。




義貞は忍びに気付き刃を投げる。忍びは風のように逃げ去った。




鎌倉幕府が滅びてまだ半年。




都は再び開戦前夜の様相を呈していた。

太平記あらすじ第28話下巻「大塔宮立つ」

年が改まり元号が元弘から建武へ変わる。




朝廷は大内裏の造営、そしてその費用捻出のため「二十分の一税」の創設、また貨幣の鋳造も行うが・・・。どれも、上手くいっているとは言い難い状況である。



大河姫

嗚呼!大内裏の造営「二十分の一税」が評判悪い。あと「紙幣」も刷ったんだよね。道誉が一枚噛むんだけど。

そんなあくる日二条河原にこんな落書が掛かる。



此頃都ニハヤル物


夜討、強盗、謀(にせ)綸旨


召人、早馬、虚騒動


生頸、還俗、自由(まま)出家


俄大名、迷者


安堵、恩賞、虚軍(そらいくさ)


本領ハナルヽ訴訟人


文書入タル細葛(ほそつづら)


追従、讒人(ざんにん)、禅律僧


下克上スル成出者


器用ノ堪否(かんぷ)沙汰モナク


モルル人ナキ決断所


キツケヌ冠上ノキヌ


持モナラハヌ杓持テ


内裏マシワリ珍シヤ


賢者カホナル伝奏ハ


我モ我モトミユレトモ


巧ナリケル詐(いつわり)ハ


ヲロカナルニヤヲトルラム


~以下略~



「おっかあ!これはなんと書いてある?」


大河姫

訳:この頃都に流行るものと言えば、夜討ち、強盗、偽綸旨、使用人の早馬による嘘の騒ぎ、生首、僧の還俗や気ままの出家、急に羽振りが良くなるニワカ大名、急に困窮する者、領地の保証、恩賞目当ての嘘の戦・・・略。

中々センスある落書で子供は節をつけて落書で皆で謳ったそうな。




「御上の政が立派過ぎて、庶民がついていけんのじゃ」



藤夜叉の代わりに落書を見ていた商人風の男が皮肉な笑いを込めて不知哉丸に教えてくれる。



「二条河原で商いが出来るのもあと少しやもしれませぬな」

「り、柳斎(右馬介)さん!」



藤夜叉は驚く。いつの間にか右馬介が後ろにいたのだ。




そこに石が「綸旨」を持って走ってくる。



「藤夜叉!これを見てくれ!美濃国燕山荘の代官の綸旨じゃ!」



藤夜叉と不知哉丸は黙っている。石の喜びようを嘲笑うように先程の商人風の男が「偽綸旨」と笑う。



「きっと楠木の殿様が帝に話をしれくれたんだ!」

「楠木の殿様に確かめてくる!」



大河姫

まあ、もはや石の信頼は地に落ちてるw

走り去る石の後ろ姿をみつめる藤夜叉に右馬介が語り掛ける。



「あれは真の綸旨にございます」



尊氏が取計らってくれたのだ。右馬介は早くこの都を去り、美濃へと向かうことを勧める。戦が迫っていた。




この日の夜。




都は静寂に包まれていた。




都人は戦の匂いを敏感に感じている。大塔宮の館には続々と兵が集まりつつあった。




一方で足利方は。



六波羅鎮守府


尊氏は鎌倉から来た登子からの書状を読んでいる。




そこに。



「ええい!どけ!儂と足利殿の仲じゃ!」

「足利殿!!」



道誉が足利の家人を押し退け尊氏のいる広間までやってくる。



「足利殿!宮方は二万の兵を集めた!」

「こちらは如何ほどか!?」



「何分、直義が半分持って行ってしまってからの・・・」

「師直も難儀をしているようじゃ(苦笑)」



大河姫

あまり「難儀をしている」ような雰囲気には見えない。。

「敵は新田、岩松、塩谷、結城、宇都宮、そして楠木!」

「足利には誰が付く!?」



「(笑)判官殿がこちらに」



「他は?」



「無用じゃ」



大河姫

判官殿の顔芸ww

その言葉に道誉は驚く。




尊氏は意に介せず続ける。



「新田殿は宮と距離がある」

「岩松殿は既に半分こちらを向いている」

「塩谷、結城は帝の許しがあるまで動かぬつもりじゃ」

「加賀野、土佐守も同じ、皆本心は腰が退けておる!のう右馬介?」



いつの間にか現れていた右馬介が請け合う。道誉は見直したと感心しきりである。



「アッハッハッハ!流石は足利殿!」

「じゃが、楠木正成殿はどうじゃ?」



これに右馬介が答える。



「中々動かぬ正成殿ですが、動けば早い。お心は読めませぬ」



最も警戒すべき正成の動きは読めない。右馬介はこれを認めた。




尊氏が先を促す。



「動きが読めぬは正成殿だけか?」



「あとお一人・・・佐々木判官殿の動きは読めませぬ」

「護良殿の腹心、殿の法印殿は佐々木殿となんどもお会いになり戦になれば・・・」

「戦になれば御味方するとの約したとか」



右馬介によれば今回の「戦支度」も道誉が最後の背中を押したと話す。




尊氏は懐から紙を取り出すと道誉に投げる。



「判官殿・・・菓子が(笑)」



大河姫

さらに!判官殿の顔ww

道誉は観念したようだ。



大河姫

あれ?判官殿の雰囲気が・・・?

「武家はのう・・・誰一人として腹の底から公家の天下を喜ぶ者はおらぬ」



尊氏は道誉の説明が一瞬理解できない。



「ご辺が公家に勝てば皆ご辺になびく」



道誉は「大塔宮」と事を構えるにあたり、こちらから仕掛けるのは「外聞が悪い」と考え、敢えて、宮を焚きつけ「立たせた」と説明する。



大河姫

判官殿、お見逸れ致し申した・・・。大塔宮を「焚きつけた」ワケですな。既にお覚悟を決めていた。

この夜、公家と武家の戦いが今まさにはじまろうとしていた。




以上、太平記(大河ドラマ)あらすじ第28話「開戦前夜」にございます。

太平記(大河ドラマ)感想第28話「開戦前夜」

太平記(大河ドラマ)感想第28話「開戦前夜」。後醍醐帝は尊氏に一目置いておりますが、武家も当然尊氏を「棟梁」と仰いでおります。尊氏がいくら「天下を望まない」と思っても周囲の武家はそれを許さない・・・!

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太平記感想第28話「尊氏と道誉」

尊氏と道誉。




冒頭、二人の見ている世界の違いが現れておりましたね。




道誉は今回の「北畠奥州派兵」を「三位の局派と大塔宮派の対立」という政局と認識しているのですよね。




二つの派閥で尊氏を敵視しているのは大塔宮派。




ならば、三位の局派と結びつきを強め、三位の局を通して後醍醐帝へ影響力を行使する。また、三位の局の「後ろ盾」を得ることが出来ればいずれにしても尊氏を、武家を敵視する「宮派」との争いには有利。




三位の局もそのオキニの千種忠顕も「政局(取引)大好き」な御仁。




芸は身を助く・・・




いや、芸はご主人様も助く。




立花も猿楽も白拍子も常に道誉の立身を助けてきましたが、今回はご主人様の立身だって助ける!



「どうです?いい仕事したでしょw」



三位の局との会見の後のしたり顔で「取引」を解説する道誉の表情と、珍しく「出過ぎた真似をしやがって」と不愉快そうな表情の尊氏の落差。




所詮、人の心は「犬(鵺)」には分からないという事でしょうね。




これがこの後に続く「後醍醐帝」との会見に生きてきます。




尊氏は「飼い犬(飼い鵺?)」道誉の斡旋した「取引」をあっさりと捨てます。

太平記感想第28話「肩がこる」

尊氏は周囲が驚くほど率直に自身の考えを述べます。




見方を変えれば新政への、いや後醍醐帝への「諫言」ともいえるでしょう。



「公家方が相争い、武家が角突き合わせる昨今の都の有様を見れば・・・」



後醍醐帝は尊氏に一目置いているのは間違いありませんが「警戒」もしております。




今回の常軌を逸した「直言」を受けて、ついに馬脚を露したかという想いもあったと思います。



「ありていに申せ・・・そちは関東に北条の如く幕府を創るつもりであろう」



薄々感じていた(そして、必ずしも的外れではない)尊氏の、武家のホンネを確かめようとします。




天下を治めるには肩がこる




後醍醐帝も孤独だと思うのですよね。




尊氏の指摘を受けるまでもなく、後醍醐帝も分かっている。公家の争い、さらには実の息子でさえ思うに任せない。新政は船出から前途多難。




この世界に自分と同じ視点で仕事をしている者がいることが嬉しかったのでしょうね。




三位の局も大塔宮も道誉も千種忠顕も「己の為に仕事」をしている。




しかし、尊氏は違う。




天下の為に仕事をしている。だから、天下の重さを理解している。




後醍醐帝は足利の鎌倉派兵を認めた理由を三位の局に問われた時に、



「既に足利は鎌倉に布石を打っている」



と、答えていました。




おそらく、いずれは足利による鎌倉支配はなんらかの形で認めるつもりではあったのだと思います。




ある意味では道誉が算段をしたように「取引」に応じていても結果的には同じであったかもしれません。




ただ、この一件で後醍醐帝の尊氏に対する「信頼」は大いに高まったでしょうね。




そして、それは後々大きな悲劇を・・・。

太平記感想第28話「道誉の覚悟」

尊氏が天下を望んでいないというのは本心です。




尊氏はただただ衷心から後醍醐帝の創る新しい世の為に尽くしたいと考えている。




鎌倉への派兵も決して「自身の為」ではなく新しい世を守るため。




もっと言えば「大塔宮との争い」も決して尊氏の本意ではないし、出来れば「上手く付き合っていきたい」と考えている。




その大塔宮が動いた。




もっとも、尊氏は既に大塔宮派が子飼いの殿の法印などの直参以外は腰が引けていることを把握しております。さらに、今回の「宮派決起」に佐々木道誉が深く噛んでいることも。




尊氏と道誉の対面。



「この飼い犬(飼い鵺?)にも困ったモノだw」



位の認識だったと思います。




尊氏の道誉への認識は「利で動く」から更新されていないのでしょうね。




今回の宮派決起についても、尊氏が有利と分かればこの「鵺」はこちらに付く。




今回は珍しく右馬介も甘い。道誉の真意を見抜けていない。



「武家はのう・・・誰一人として腹の底から公家の天下を喜ぶ者はおらぬ」



宮派を焚きつけたのは確かに道誉ですが、それは「大塔宮派を叩き潰す」ため。




道誉は既に「鵺」ではない。




尊氏に「賭けている」のです。




この時の尊氏の表情。



「足利一族、武家の行く末を考えてのこと、担げる帝であれば木の帝でも金の帝でも構いません」



前にも見ましたね。




尊氏の想いとは関係なく、周囲の武家は尊氏に「天下」を期待する。




でも、これもまた「尊氏の魅力」のなせる技・・・いや「(わざ)」なのでしょうね。




尊氏の肩こりは当分、いや、死ぬまで続くのか・・・?




以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第28話「開戦前夜」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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