いだてんのあらすじと感想第46話です。昭和39年1月、オリンピックまであと10ヶ月。黒澤明の後任監督には市川崑が就任する。3月には初マラソンの円谷幸吉が好タイムで優勝するなど明るい話題も増えていた。しかし、聖火リレーの最終聖火ランナーが波乱を?大河ドラマいだてんのあらすじと感想第46話

いだてんのあらすじ第46話上巻「聖火リレー」

オリンピックまであとあと半年。多くの課題は概ね方向性も見えていた。この頃には「表の組織委員会」の面々は最後の追い込みに入っており、田畑邸での「裏組織委員会」の出番は少なくなっていた。

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その男、坂井義則

久しぶりに岩田と選手強化対策本部の大島が田畑の元を訪ねて来る。聖火リレー最後のランナーの候補を見つけた事を知らせに来たのだ。




田畑は以前金栗が最終ランナーに立候補をしてきたと聞いた時に、金栗の想いと功績には理解を示しつつも「最終ランナーは未来のある若者」が良いのではと考えていた。




その選手の名前は坂井義則。




現在早稲田の学生であり、陸上の強化選手にも選ばれている。東京オリンピック出場の可能性もあったが、代表選考会では残念ながら敗退していた。



「広島出身、生年月日は・・・昭和20年8月6日・・・!」



原爆投下の日に広島で産まれた若者が聖火リレーの最終ランナー。




田畑はオリンピックは平和の祭典であり、まさしく適任だと太鼓判を押す。

五りん

東京オリンピックまであと3ヶ月。




美津子は二人会当日に姿を消した五りんと喫茶店で再会していた。



「いったい何故姿を消したんだい?」



五りんは志ん生の元に弟子入りをした頃まで遡り訳を話す。



「最初、師匠に冗談にして欲しかった」



志ん生に弟子入りして「オリンピック噺」をしているうちに、段々と自分の過去が軽くなっていくのを感じていたと言う。




そして、志ん生が倒れた時。



「何か恩返しが出来ないかと思い二人会を思いついたんです」

「だったらなおの事、何故姿を消したの?」

「怖くなったんです・・・」



五りんは稽古に打ち込む志ん生を見て、もしこのまま二人会の出来が目も当てらないようなら、それは自分の責任なのではと怖くなったのだと言う。さらに、志ん生が、



「もし出来が悪ければ引退」



だと、前日語ったことも恐怖に拍車をかけた。



大河姫

師匠の惨めな姿を見たくないという気持ちは共感・・・

五りんはかつての志ん生、いや孝蔵ならこんな時どうするだろうかと考えたと言う。



「・・・逃げる」



五りんは孝蔵よろしく、二人会で着る羽織を「曲げて(質に入れ)」姿を消したのだ。




美津子は五りんの話に呆れる。



「あんた!いったい何がしたいのよ??」

「マラソンかなぁ?走る家系だし(笑)」



そこに、知恵がお腹を抱えて現れる。知恵は五りんの子供を妊娠していたのだ。



「五りん!あんたどうするのよ・・・?!」



美津子はますます驚き呆れ、地に足のついた生き方云々と諭すが、



「地に足のついた五りんなんて魅力ないわよ。姉さん」



知恵が五りんの代わりに答えた。

いだてんのあらすじ第46話中巻「平和の祭典」

1964年の夏。この年の東京は雨が全く降らない猛暑となる。炎天下、代々木競技場の建設工事は遅れていた。そして、この開会直前にオリンピック担当大臣は川島から河野一郎に交代する事になる。

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最後の聖火ランナー

組織委員会では最終聖火ランナー候補の坂井義則に関しての話合いが持たれる。




大島は田畑からも太鼓判をもらっている坂井こそ平和の祭典の最終ランナーに相応しいと主張するが、会長の与謝野をはじめとする幹部は、



「平和の祭典で過去の戦争を蒸し返すのは・・・」



と、もっともらしい理由で難色を示す。与謝野は元外交官と言う事もありアメリカの顔色を心配する。




また、沖縄での日の丸掲揚もこれまたアメリカ、そして日本政府の顔色を窺い、「国旗掲揚」に関してアメリカと交渉するつもりはないという政府の回答に反論する素振りも見せなかった。




これに「裏組織委員会」の田畑は激怒。




表の組織委員会に乗り込んで来る。




沖縄で日の丸を振って聖火を迎えるのは先の大戦で大きな犠牲を払い戦後は占領下にある島民の願いであり、政府と組織委員会が一体となってなんとしても実施すべき最優先事項だと主張。




さらに、最終ランナーは坂井義則こそが最もふさわしく、それをアメリカの顔色を窺い「原爆への憎しみ」口にすらしないのは世界平和に背を向けている卑怯者と非難する。




田畑は取材に訪れたマスコミにも堂々と自説を述べた。



「書きたきゃ書け。田畑の言葉だ」



結局。




新聞記者たちが坂井にユニフォームを着せて聖火台前で写真を撮影し、



「最終ランナーに無名の青年!」



という記事を飛ばす。これが、既成事実となり、最終ランナーは無事坂井義則に決定する。

沖縄の日の丸

8月21日。




ギリシャで聖火が採火される。しかし、聖火が空路沖縄へと向かっている間も「日の丸問題」は解決していなかった。




困った時の平沢頼み。




田畑は何度も危機を救ってくれた平沢に直接アメリカとの交渉を頼み込む。



「認めろと言うから、認めないと答えるのです」



平沢は現在の世界情勢を鑑みてある提案をする。



「事後承諾です」



アメリカは沖縄と友好的な関係を築いている事を世界にアピールしたいはずである。テレビ中継が流れている沖縄で聖火リレーを中断させたり、日の丸を取り上げるような真似はしないはずだと。




田畑は平沢案に乗る。




自ら600の日の丸を準備して沖縄へ飛ぶと沿道で聖火リレーを日の丸の旗を振って出向かえる事に成功した。

いだてんのあらすじ第46話下巻「前夜」

田畑の強い意向で実現した代々木ワシントンハイツ跡の選手村が完成した。田畑はその景色に感動する。そして、その選手村に最初に到着したのは初出場のコンゴの二人の陸上選手。その様子は半世紀以上前、ストックホルムに降り立った金栗四三と三島弥彦のようであった。

開会式前夜。




バー「ローズ」には田畑や松澤、そして航空自衛隊ブルーインパルスの松下達が残念会を開いていた。




外は土砂降りの雨だった。




明日、もし晴れていれば松下達は大空に五輪を描く予定だったのだ。




しかし、明日の予報は雨。



「占ってあげようか?」



マリーが田畑に提案するが田畑は渋い表情だ。



「あんたの占いは当たらん!」



二人は押し問答の末、マリーの占いが外れたら田畑は飲み代は今後払わない、占いが当たればカラーテレビを買って貰うという約束をする。



「明日は雨ね・・・世界中の雨雲を集めたような大雨」



・・・と言う事は・・・?




田畑と松澤は飲んだくれているブルーインパルスの面々を直ぐ、家へ帰すのであった。




以上、いだてんのあらすじ第46話でございます。

いだてんの感想第46話「忖度」

組織委員会は政府の顔色を窺い、政府はアメリカの顔色を窺う。これに田畑政治は怒っていた。そして、これに怒っているのは田畑だけではないんですよね。組織委員会にも政府にも、いや日本国民にも同じような想いを持っている人が多かったように思います。

怒りの意味

「アメリカにおもねって原爆に対する憎しみを口にし得ない者は世界平和に背を向ける卑怯者」



これは東京オリンピック閉幕翌日に田畑政治が実際に新聞に寄稿した手記に記載されていたそうです。




この発言は多くの日本人にも「共感」されたと思う。敗戦から、原爆投下からまだ19年。占領が終わってからたった12年。




戦争は教科書で学ぶものではなくて、身近であった時代ですからね。当時はまだ戦争で親類縁者を失った人も多かった。




一方で特に戦前派はアメリカの恐ろしさも知っているのですよね。




当時の若者のナイーブな反戦平和や反米感情とは違う。




でも、だからこそ並み居る組織委員会の「戦前派」は田畑の言葉を重く受け止めたのだと思います。

いだてんの感想第46話「平和の使者」

オリンピックの聖火は平和の使者。平和の使者を「日の丸」で迎えたいという沖縄の想いと、原爆の日に生まれた坂井義則に新しい平和国家日本の象徴として最終聖火ランナーを務めて欲しいと願う田畑の、日本国民の想い。しかし、いくら「想い」があっても現実は難しい。その葛藤を描いた回でもあったと思います。

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沖縄の日の丸

「交渉するからダメなんです」

「そういう時は事後承認」



日本は「外交下手」と言われることが多い昨今(21世紀前後)ではありますが、敗戦後から70年代位までは「外交上手」だったと思うんですよね。




アメリカは勿論当時から「同盟国」ではあったものの、その関係には今とは考えられないくらいの「緊張感」があったように思います。




この頃の日本外交には日本固有の領土を取り戻し再び「独立」をするという明確な方針があった。




だからこそ「細かい話」は置いておいて「方針」に資するのであればある程度の裁量が様々なレイヤーで存在していた。今は「細かい話」ばかりが先行して、いったい何処へ向かっているのか分からない。




今ならこの「事後承認」は責任問題になる気がしますね。

何者でもない人

「僕はアトミックボーイなんかじゃない!」



平和の象徴として最終聖火ランナーを原爆投下の日に生まれた坂井義則に託した田畑政治。坂井義則は19歳で戦後の「平和教育」で育っているので自分に何が期待されているかは理解出来たでしょうね。




ただ「理解する」ということと「受け容れる」というのはまた別の問題。




また、イチ陸上選手として東京オリンピックを目指し、400mと1600mリレーでは強化選手にまで指名されたものの代表選考会で敗退してしまったことも影響していると思う。




ただ単に8月6日生まれたというだけで、



「平和の象徴」



ともてはやされて、挙句に最終聖火ランナーに相応しいのか否か「議論の的」になってしまう。




さしもの田畑政治もそこまでは見抜けていなかった。




最終回に向けて坂井義則はどう折り合いをつけるのかにも注目したいですね。

いだてんの感想第46話「歴史は繰り返す」

歴史は役者を変えて繰り返す。これって悪い文脈で語られることが多いですが、今回は希望のある形でしたね。そして、可児さん!




生きてたよ・・・!
(クロトワ風)

たった二人の選手

第二次世界大戦終結後も「植民地主義」は終わったわけではなく、西欧諸国は引き続き、植民地を保有し続けました。




もっとも、二度にわたる世界大戦での「事実上の敗戦」とその後の米ソ超大国の台頭もあり、西欧諸国は植民地を維持し続ける力はとっくに失っております。




そして、1960年は所謂「アフリカの年」と呼ばれフランス植民地の13か国を筆頭に17の国が新たに独立。



その「新しい国」に岩田は東京オリンピックの招待状を出して参加を促しに自ら説得に出向いておりました。まるで、半世紀前にフランスのジェラール駐日本大使が「東洋の新興国」日本に参加を促したように。




そして、コンゴから初めてのオリンピック代表のヨンベとウランダが来日。




日本のスタッフが気を遣ってナイフをフォーク(ナイフとフォークは西欧諸国の文化だけど)を渡そうとしたときに、誇らしげに箸を使う姿が微笑ましい。




その様子を眺める可児先生の遠くを見つめる表情が良いですね。



「アニーにテーブルマナーを鍛えられた…」



まあ、可児先生と永井先生はストックホルムへは行けなかったんだけどw




これも「歴史は繰り返す」だと思うんですよね。




こういう歴史は繰り返し、広げてもよいですね。




以上、いだてんの感想第46話「炎のランナー」でございます。

大河姫

今宵はここまでに致します。

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