いだてんの感想第34話「226」。ついに来てしまった226事件。嘉納治五郎と田畑政治の「対決」が印象的でした。覚悟を決めた人間は強い。強いが。強いからこそある種の悲劇を呼んでしまうのかも。奇跡と無謀は紙一重。そして、清さん久しぶり!ラトゥールを案内する東京の様子が切ない。大河ドラマいだてんの感想第34話。
いだてんの感想第34話「226事件」
汨羅の淵に波騒ぎ
巫山の雲は乱れ飛ぶ
溷濁の世に我起てば
義憤に燃えて血潮湧く
[br num=”2″]権門上に倣れども
国を憂うる誠なし
財閥富を誇れども
社稷を念う心なし
[br num=”2″]あゝ人栄えて国亡ぶ
盲ひたる民世に躍る
治乱興亡夢に似て
世は一局の碁なりけり
[br num=”2″]昭和維新の春の空
正義に結ぶ益良雄が
胸裡百万兵足りて
散るや万朶の桜花
~略~引用元: 昭和維新の歌
作詞:三上卓
[br num=”2″]
226事件のBGMは昭和維新の歌で。
[br num=”3″]
1936年2月26日。
やって来ました226事件。高橋是清も亡くなった。余談ですが、いだてんで高橋是清を演じた萩原健一は映画226では決起将校中心人物の1人野中大尉を演じておりました。また、杉村陽太郎を演じている加藤雅也は決起将校の坂井中尉だった。
[br num=”3″]
226は奥さんたちも良いので一見の価値あり。有森也実とか南果歩とか賀来千香子とか翔ぶが如く出演女優の活躍が光る。・・・ほぼ台詞ないけど。
[cc id=8153 title=”U-いだてん”]
[cc id=4143 title=”U-総合”]
銃剣の前に屈する
「このままでは、言論の自由が奪われますよ!」
[br num=”2″]
田畑政治は決起将校の言いなりになる事を拒もうとしますが緒方は従業員の安全確保を最優先にという判断。緒方の判断は「正しい」と思います。なにせ、さっき高橋是清を殺して来た連中です。
[br num=”3″]
前にも書いたけど、戦前「言論の自由」は軍部に奪われたというのは一面であり、自ら「言論の自由を返上した」という面もあった、というか、個人的にはその影響の方が大きいと思っています。
[br num=”3″]
とは言ってもこの時期まではまだ「言論の自由を守る気概」を持った記者はいたと思う。そこに止めを刺したのがこの226事件だったかな。
[br num=”3″]
残った記者は「冷笑主義」になって提灯記事を量産したり、それに耐えられない土岐善麿のような記者は辞めていく。
[br num=”3″]
田畑政治は冷笑主義になり「量産型提灯記事」を書けるような人物ではないし、命懸で「言論の自由を守る気概」を持っている気骨ある記者でもない。
[br num=”2″]
「今の政治に黙っていられなくなる・・・!」
「でも、怖い!死にたくない!」
[br num=”2″]
ジャーナリズムの最大公約数的な人物が田畑政治なのかな。
[br num=”3″]
そして、そういう人は戦後「黙る」んですよね。
[br num=”3″]
あの時代に自分の命が惜しいと思い「戦わなかった」罪の意識が彼らを沈黙させたのだと思う。一方で、戦後あっさりと宗旨替えして何食わぬ顔で過去を批判する節操のない連中が主導権を獲るワケですけど。
[br num=”3″]
いだてんの感想第34話「覚悟」
嘉納治五郎は「こんな時代だからこそオリンピック!」と叫び、田畑政治は「こんな時代にオリンピックなんて出来るのか!」と叫ぶ。何事も最後は気合いの入ったヤツが勝つ。勝つのだけど・・・。
[cc id=2939 title=”adsense”]
最後の戦い
嘉納治五郎先生はこの時既に齢76歳(1860年生まれ)。
現在でも後期高齢者と言われる年代です。
それでも、
[br num=”2″]
「私はやりたいんだよ!此処で!オリンピックを!」
[br num=”2″]
嘉納治五郎や田畑政治が優れているのは、
[br num=”2″]
「巻き込むチカラ」
[br num=”2″]
なんですよね。
[br num=”3″]
田畑政治は日本でのオリンピック開催には「あんた本当に出来ると思っているのか!?」と懐疑的でしたが嘉納治五郎の「夢」に一緒に乗る決意を固める。
[br num=”2″]
「もう、二度と後ろ向きな発言はしない!」
[br num=”2″]
最強タッグがここに成立!
[br num=”3″]
そして、嘉納治五郎の「覚悟・想い」はラトゥールにも通じます。
[br num=”2″]
「私は此処東京でオリンピックをやりたい」
[br num=”2″]
今回ラトゥールを激怒させた「裏工作」は杉村陽太郎が一身にその罪を被っておりますが、そもそも、それを命じたのは嘉納治五郎。裏工作を命じた事を謝罪し、二度とラトゥールのIOCに泥を塗るような事はしないと約束する。
[br num=”3″]
凄いなと思う。
[br num=”3″]
嘉納治五郎も今の東京、いや日本がどんな状況かは理解しているはず。にも関わらず、もし東京でオリンピックを開催すれば、
[br num=”2″]
「見事にやり遂げる」
[br num=”2″]
と宣言する。
これは嘉納治五郎以外には出来なかったと思う、皆、軍や政治の様子が気掛かりなはずだから。
[br num=”3″]
覚悟を持った人間の言葉は人を動かす。これは「無責任」とは違うのだと思う。
嘉納治五郎の物語
兎にも角にも・・・。
ラトゥールは東京でオリンピック支持を事実上明確にしましたが、開催までには乗り越えなくてはいけないハードルはまだまだある。
[br num=”3″]
既に顕在化しており一般的にも良く知られているハードルは「満州国の参加」に関する問題。満州国は国際的には未だ殆どの国に承認をされてはいない。
[br num=”3″]
後に問題となるのが「開会宣言」を天皇が出来るかという問題と競技場の収容人数の問題。
[br num=”3″]
競技場は後に拡張(今回ラトゥールは今の規模で構わないと言ってましたが)しなければならなくなります。また、オリンピック開会宣言はその国の元首が行う事になっていますが「現人神」にそんな事はさせられません。
(1964年東京オリンピックは昭和天皇が開会宣言をされております)
[br num=”3″]
それでも日本は東京オリンピック招致には成功します。嘉納治五郎の情熱が無ければ此処までも辿り着く事は出来なかった。
[br num=”3″]
しかし、最終的には東京オリンピック1940年大会は返上されてしまいます。
[br num=”3″]
私達は「個人の情熱」が奇跡を起こした物語を見て感動する。絶対に不可能、可能性はゼロと言われていたのに成し遂げた人を、チームを、称賛する。それは、そういった「成功」が物語となっているからであって、奇跡は早々起こっていない。
[br num=”3″]
いだてんは情熱と努力の果てに「敗者」となった生き様を描いているですよね。
[br num=”3″]
いだてん最大の「敗者」は嘉納治五郎。
[br num=”3″]
で、あるのであればいだてんはやっぱり「嘉納治五郎」の物語と言えるように思います。
いだてんの感想第34話「東京」
久々にご登場の清さん。東京の道を知り尽くしているという理由でラトゥール伯爵を人力車に乗せて観光案内。人力車と言えばアインシュタイン。大正時代11年に来日したアインシュタインは人力車は好みじゃなかったとか。人間を牛馬のように扱っていると勘違いしたようです。清さんなら、
[br num=”2″]
「おいてめえ!誰が牛馬だ!黙って乗りやがれ!」
[br num=”2″]
って誤解を解いてくれたと思います。
灰
東京の道を知り尽くした清さんが案内する東京。
[br num=”3″]
清さんの表情も誇らし気ですね。
[br num=”2″]
「東京の底力をみたかい?」
[br num=”2″]
関東大震災からの復興はきっと誇りだったと思います。
[br num=”3″]
ラトゥール来日から10年も経たないで東京は再び焼野原に戻ってしまうのですよね。関東大震災以上の悲劇が東京を襲う事をこの頃はまだ誰も想像すらしていない。平和な東京の様子が切なかった。
[br num=”3″]
以上、いだてんの感想第34話「226」でございます。

[cc id=9800 title=”U-進撃の巨人”]
今宵は此処までに致します。
[cc id=8153 title=”U-いだてん”]
[cc id=4143 title=”U-総合”]