いだてんの感想第35話「民族の祭典」。「シマちゃんお帰り!」と叫んだ方も多かったのではないでしょうか。行方不明となっていたシマちゃんのご帰還(涙)。元祖いだてん四三の気持ちよく分かる。大河ドラマいだてんの感想第35話!
いだてんの感想第35話「シマちゃんお帰り」
時は昭和11年(1936年)。
いだてんは明治42年(1909年)と昭和34年(1959年)からスタートしました。二つの時代の間には半世紀の時差がありましたが、気付けば既にその差は半分くらいまで縮まっております。黒坂さん・・・ハリマヤにまだいましたね。そして、シマ・・・いやりく。分かっている。彼女はシマではなことは。
だが、敢えて言おう!
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シマとりくと増野
いだてんは主人公が二人のリレー方式だったり、昭和が描かれたり、主題がオリンピックだったりと大河の歴史上では斬新な物語です。
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特に「斬新」なのは時間軸が二つあるって事ですね。
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主人公が複数(葵徳川三代・炎立つ」)、昭和時代を描く(山河燃ゆ・いのち)といった作品は過去にもあった。
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しかし、
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「時間軸が二つ」
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というのはこのいだてんが初めてですね。
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昭和を描く理由も主人公が二人である理由も東京オリンピックを描く理由もなんとなく私は理解出来る気がしたんですよ。
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宮藤官九郎に直接聞いたワケではないですが、昭和は日本史上最も激動な時代ですし、主軸を「東京オリンピック」にするもの良い目の付け所だと思います。
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そうなると必然的に二人の主人公を描くというもの分かる。
(もし、嘉納治五郎がもっと長命だったら主人公になっていた気もしますけど)
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ただ、時間軸が二つというのはちょっと分からなかったんですよね。
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勘違いしないで頂きたいのは「悪い」といっているんじゃなくて「理由」がちょっと分からなかった。
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今回のシマ、、、ではなくてりくを見た時にちょっと分かったように思います。
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昭和史(関東大震災以降)は「余りに重い」んじゃないかなと。
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シマちゃんは関東大震災で亡くなり、りくはおそらく満州で?戦争で?亡くなり、五りんは天涯孤独になってしまう。
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増野さんなんてさ。
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妻を震災で失い、娘を戦災で亡くす。
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あの時代はこれが「特別不幸」な事ではなくて、日本中そこら辺に沢山転がっていた不幸なんですよね。
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そんな物語を見せられたら離脱しちゃう・・・(涙)
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なので「希望の昭和(人の逞しさ)」を先に描いているのではないかなと思います。
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若干の「謎解き」といった要素を散りばめつつ・・・。
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日本中に転がっていた悲劇を「容赦なく」描くために。
いだてんの感想第35話「ベルリン」
ベルリンオリンピックが開幕。皮肉な話ですが近代オリンピックの「型」はこのベルリンオリンピックで一定の完成をみたと言って良いと思います。レニ・リーフェンシュタールが撮影した記録フィルム「オリンピア」は世界中から絶賛され、ヴェネツィア国際映画祭で最高賞(1938年)を受賞しております。因みに、1,000円位でDVDがありますので一見の価値はあるかも。
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政治とスポーツは別
ヒトラーの「ユダヤ人差別」は当時から良く知られており、開催が決定していたベルリンオリンピックに関しても「ボイコットすべき」という意見がIOC内部でもありました。
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結果的には開催される運びとなったのですが、1936年3月7日にはドイツ軍の「ラインラント進駐」もあり、ギリギリまで開催が危ぶまれていたんですよね。特に、ラインラント進駐に猛然と抗議したフランスのボイコットが囁かれていました。
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議論百出の中で一貫してベルリンオリンピックを支持していたのがアメリカ。
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アメリカ国内世論には「ボイコットすべし」といった議論も出ていたんですよね。アメリカにはユダヤ系移民も多いですからね。
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しかし、アメリカオリンピック委員会は、
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「政治とスポーツは別」
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という基本原則を徹底していました。
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同じ理由で「東京オリンピック」も一貫して支持をしています。
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後にモスクワオリンピックでボイコットを主導したのとは対照的ですね。これもまた、どちらが正しい・・・とは言えない難しい問題です。
ユダヤ人差別
前述の通りヒトラーのユダヤ人差別は良く知られておりました。しかし、ベルリンオリンピック開催時はまだその「異常性」は広く認識されていなかったんですよね。田畑のように直感的に「拒否感」を示す方が少数派だった。
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実際、いだてんでも描かれていたように、
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「オリンピック期間はユダヤ人差別を緩め」
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ており、また、黒人・有色人種のオリンピックでの活躍にも表面上は好意的な反応を示しています。後に外相となるヨアヒム・リッペントロップ等「ナチスの顔役」の中にも、ヒトラーのユダヤ人差別は大衆の支持を得るための「宣伝の一種」であると信じている人も多く、ユダヤ人有力者とのとの付き合いを隠さない人も少なくありませんでした。
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また、ユダヤ人の中にも「自身はドイツ人」と自己認識している人も多かった。第一次世界大戦に従軍し勲章を得ている退役軍人などはユダヤ人差別を自分事とは認識していない事もあったようです。
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しかし、結果は歴史が示す通り。
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ヒトラーとナチスの異常性は言を俟たないですが、この「下地」は西欧文明(欧米ではなく西欧)そのものにもあるように思います。
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戦後、ナチスの異常性が明らかになった時、西欧人(特に英仏)はある種の「気まずさ」を感じた。未だに彼らはその事を総括出来ていないとも感じます。そして、その結果「倫理的正当性」もアメリカに取って代わられる事になったのではないかと。
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因みに、我が日本。
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日本のシンドラー杉原千畝の命のビザは良く知られいますが、ドイツ贔屓(ソ連贔屓でもあるけど)松岡洋右も、
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「ドイツと同盟を結んだが、ユダヤ人を収容所に送る約束などしていない」
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と語っております。
いだてんの感想第35話「ハリマヤの金メダル」
孫選手は朝鮮半島出身ですが、見事にベルリンオリンピックで金メダルを獲得しています。あまり詳しくは描かれませんでしたが孫選手の金メダル獲得は大いに朝鮮半島の人々を勇気づけたそうです。
国家ではなく競技の発展のために
オリンピックは「国と国」がスポーツでその技を競い合います。
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そこには「勝敗」が付き物ですね。
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国と国が威信をかけて戦う事で国が一体化する。ベルリンオリンピックでのドイツの活躍もまた敗戦後自信を失っていたドイツ国民を大いに勇気づけたと思います。
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しかし、その先に何があるのか?
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いだてんでは、
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「ハリマヤの金メダル」
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と描かれていましたけど、その先にあるのは、
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「競技への尊敬と探求心」
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なんじゃないかなと思います。
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日本がアメリカがドイツがソ連がというのではなくて、競技に「革新」をもたらしてくれるような選手の登場を心から喜ぶような世界。
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国を背負うから一歩進んだフィールドはそう言う事なんじゃないかと思います。
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以上、いだてんの感想第35話「民族の祭典」でございます。

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今宵は此処までに致します。
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