太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第22話「鎌倉炎上」。鎌倉が・・・(涙)。諸行無常盛者必衰。高時、円喜、高資、貞顕。皆死んでしまいました。高時の最期は「文化人高時」の真骨頂といえる見碁なものにございました。太平記のあらすじと感想第22話

太平記(大河ドラマ)あらすじ第22話「鎌倉炎上」

元弘3年(1333)5月18日早朝。




新田義貞率いる二万の軍勢は鎌倉北側「巨福呂坂」「化粧坂」、南側の「極楽寺坂」の三方から一斉に攻撃を開始。守る北条側は三万。

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太平記あらすじ第22話上巻「稲村ケ崎」

鎌倉は天然の要害である。




また、鎌倉を守る北条勢の士気も高く激戦を繰り広げていた。




奮闘する北条勢の中には「巨福呂坂」方面で須崎(洲埼)で七千の兵を率いて戦う赤橋守時の姿もあった。守時は死地を求めるかの如くその戦いぶりは凄まじいものであったが、いよいよ最期の時を迎えようとしていた。



「赤橋様!」

「!」

「足利家臣、一色右馬介にございます」



右馬介は近くの納屋に守時を案内する。



「赤橋殿をお助けせよと命じられてきました」

「この守時に逃げよと言うか?幕府の長たる執権ぞ!」



右馬介は高氏から守時を助けるように命じられていたのだ。守時は新しい世に必要な人材である。説得を続けるが・・・。



「・・・登子と千寿王殿は?」

「無事にございます」



守時はそれを聞くと安心したようである。



「そうか、それで思い残すことは無い」

「登子に心強く生きよと、それが兄の願いとお伝え下され」

「・・・さて、もう一戦してまいるか!」



守時の後ろ姿に右馬介は深々と頭を下げるのであった。




赤橋守時はその後、洲崎(現在の神奈川県鎌倉市深沢地域周辺)で自刃したと伝わる。




享年39歳。



大河姫

赤橋39歳・・・若い。。。

右馬介は柄沢に隠れている登子にも千寿王の無事、そして守時の最期を伝える。




登子は涙を堪えていた。



大河姫

登子・・・泣かない。立派になった。雰囲気が変わったね。

鎌倉の戦いはその後も一進一退を続ける。




北条勢は「巨福呂坂」「化粧坂」も守り切った。




極楽寺坂方面は大館勢が少数で稲村ケ崎を回り込み突破したものの、その後包囲殲滅されており、戦線は膠着していた。




この頃には六波羅陥落の知らせが義貞にも届いている。




義貞は一族の新田氏義と極楽寺坂方面の海岸線を視察していた。




極楽寺坂は難攻不落。




義貞は船で鎌倉へ侵攻しようと考えていたが、義氏によれば沖合には北条の兵船が海からの侵入を警戒しているという。



「あれば・・・?」

「は、稲村ケ崎にございます」



大河姫

稲村ケ崎か。稲村ジェーン

先日、大舘勢は稲村ケ崎を回り込んで鎌倉に奇襲をかけていた。



「この辺りは潮が引くと浅瀬になります」

「・・・そうか」



大河姫

大舘殿ナレ死か。

その夜。



「今宵、月が登るころに総攻撃をかける」



敵の目を引くために正面への攻撃、そして三木俊連には敵の側面から侵入し家屋敷に火をかけ敵兵の注意を逸らす。そして、義貞は。



「氏義、今宵の引き潮は?」

「丑三つさがりかと」

「儂は、稲村ケ崎を回り込み鎌倉を攻める!」



大河姫

ああ、出るぞ出るぞ・・・!竜神様のやつ。

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太平記あらすじ第22話中巻「鎌倉の戦い」

幕府本陣


「円喜!この鎌倉を捨てよと言うか?!」

「万を超える兵がこの鎌倉を守るために戦っているのを見捨てよと?」



「鎌倉の為にではありませぬ、北条家を守るため、太守を守るため・・・」



「空空しいぞよ・・・」

「愚かな高時がこの日を招いたのじゃ」

「儂が死んでも誰も悲しまぬ」

「いや、儂が死んで悲しむのは犬千匹、田楽一座白拍子・・・」

「おお!そうじゃ!逃げるならその者も連れていかねばの!」



高時はこの鎌倉を動く気は一切ない様子で本陣を出て行く。




円喜はその姿に何か感じるものがあったようだ。




そのやり取り見ていた貞顕は再度ご動座を勧めるべきと円喜を説く。



「金沢殿・・・太守が逃げぬと」

「太守の仰せも道理」

「鎌倉は我らが築いた北条の都、我等が作った分身ぞ」

「それを失うて、いずくにか我等の立つべきところやある」

「鎌倉を脱したければ、勝手に逃げれば良い」

「それがしの孫たちは極楽寺で戦っておる」



大河姫

ちょっと、命を惜しんだな。

貞顕は沈黙するよりなかった。



新田本軍


その夜。




新田義貞は稲村ケ崎の潮が引くのを待つ。




そして、太刀を海中に没する。



「南無八幡大菩薩」



大河姫

ああ!刀を竜神に捧げる!

その時、不思議な事が起る。




別動隊の放った火が山側で燃え広がり沖合に浮かぶ北条の兵船の注意がそちらに向いたのだ。




義貞は一斉に稲村ケ崎を回り込み鎌倉へ向かって駆けた。




極楽寺坂を突破された北条軍は動揺、夜明け前には化粧坂も破られ、鎌倉府中で市街戦となる。




長崎高資も前線で新田勢と激戦を繰り広げる。



大河姫

長崎高資も頑張るね。

高時にも既に戦が近いことは分かっていた。愛妾の顕子に化粧を施している。



「顕子・・・儂が長年かけてようやここまで美しくした」

「儂が死のうと言えば、共に死んでくれるか」



大河姫

なんと、顕子ちょっと艶めかしいね。小田茜(13歳)w

顕子は頷く。




高時は顕子を伴い、屋敷から落ちようとしていると、高時が可愛がってきた田楽一座の者たちが現れる。



「おお!田楽の!」

「太守(涙)!!この鎌倉が・・・鎌倉が灰に・・・」



「東勝寺へ来るか?」



「はい!」



「灰となる鎌倉の供養をするため田楽舞を致そうぞ!」



高時は心なしか嬉しそうな様子である。

太平記あらすじ第22話下巻「東勝寺」

元弘3年5月22日午後。




市内の戦闘は既に収束しつつあった。




鎌倉方の主だったものは皆東勝寺へ集まっていた。




最期は此処で。




そのような暗黙の了解があったようである。




顕子他、侍女たち、そして長崎父子、金沢父子もいる。




既に高資は重傷の様子である。


大河姫

高資・・・。お前も頑張ったな。

しかし、東勝寺は賑やかである。




高時が連れてきた田楽舞が見事な舞を見せていた。



大河姫

ああ、田楽舞が美しいの。

高時は立ち上がる。




年へたる鶴岡邊(つるがをかべ)の柳原♪



靑みにけりな春のしるしにと・・・♪



火矢が東勝寺に刺さる。




天狗が回すこの世・・・



舞が止まる。



「誰じゃ?叫んだのは?高時一人では面白くないわ」



「太守。ただ今わが子高資、戦の傷の深き故」

「恐れがましゅうはござりまするが死出の先駆け仕ると申し相果てましてござります」



「さても気短かな・・・もう死んだかや、まだ舞は残っておるに・・・」



そこに一人の尼が現れる。



「太守、舞をお進めあそばしませ。尼が相拍子を仕りましょうほどに」

「春渓尼!」



高時は驚く。



「母御前は・・・?」



「円覚寺へお移り致しました」



「長い間ご不幸をおけしたと帰ってお詫びを伝えてくれ」



「覚海尼様からは人の死の後先など束の間のこと、取り乱しなく」

「北条九代の終わりを、潔くとのこと」

「花も咲き満つれば枝を離れまする」



「人間には業がある、死にたくないと泣き叫ぶかもしれぬ」



春渓尼の相拍子で高時は舞を続ける。



この世の生きる間には・・・



春は花を楽しみ・・・



秋は秋を・・・♪


「世のなか謡いのようには参らん」

「さらば、高時もあまんじて地獄におち、世の畜生道をあの世から見物致すかの・・・」

「よう見届けておくりゃれ」



その時、また大きな鬨の声が聞こえる。



「敵がきたか!?」

「敵は見えませぬご案じなさいますな・・・」



高時は刃を手にしたまま動揺している。



「太守がお寂しそうじゃ!」



春渓尼の一言で侍女たちが高時の周りに集まり経を唱える。



大河姫

まじか、皆お経をあげるんか・・・w

そして。



「ううっ!」



高時は自身の腹に刃を突き立てていた。



「円喜、これでよろしいか?」



円喜はいつものように頷く。



「春渓ニ・・・、タカ時、逝カシまシたト、母ごゼに、お伝エしレ・・・」



高時の最期を見届け、顕子も刃を自身に向ける。



「皆さま、お先に」



「春渓尼どの頼むぞ・・・」



金沢貞顕もまた息子と刺し違える。




最後。




全てを見届けた後。




長崎円喜もまた腹を切り、自らの首に刃を当て絶命する。



大河姫

円喜・・・。全てを見届けて逝ったか・・・。合掌。。。

東勝寺は焼け落ちた。




右馬介は戦が終わった鎌倉の様子を確かめていた。



「これでは誰が長崎かわからぬな」

「高時がアレというのは確からしいぞ」



焼け跡を見分し、勝ち戦を喜ぶ新田勢を横目に右馬介は複雑な想いでいた。




そして、その様子を高氏に書き送っている。



「五月二十二日北条殿の御最期しかと見届け候」

「僅か五日の戦にて鎌倉も北条も焼き付きして候」

「新田殿の戦の采配、見事にて候」

「千寿王殿、御台殿、二十五日鎌倉に御帰着あそばされ候」

「変わり果てた鎌倉に言葉なく」

「足利の陣営、戦に勝ったと笑う者なく、不思議な勝ち戦にござ候」



焼け跡は都も同じである。



「何か食べるものをくれ!家がやけたのじゃ!」



都も家を失った戦災孤児で溢れていた。




そこに、この戦で活躍目覚ましかった赤松則村が上機嫌で現れる。



「これは足利殿!」

「赤松殿!」

「これで我らの世じゃ!また後で」



高氏は複雑な表情でその後ろ姿を眺める。



「直義、師直!戦には勝ったが、あの子らに食べ物やらんればならぬ」

「家も立てねばらぬ、大仕事じゃの!」

太平記(大河ドラマ)感想第22話「鎌倉炎上」

太平記(大河ドラマ)感想第22話「鎌倉炎上」。片岡高時の最期を飾るに相応しいお話と演出。舞や田楽に詳しいワケではありませんが・・・なんか凄かった。高時だけではなく、前半を盛り上げてくれた長崎父子や貞顕といった北条一族の最期も見事でしたね。もう会えないかと思うと失ったものの大きさをヒシヒシと感じております。

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太平記感想第22話「高時の最期」

名優片岡鶴太郎が誕生したのはこの北条高時からだと思います。




第1話のご登場から道化のような立ち居振舞いで闘犬やら田楽やらに現を抜かし、政治には興味のないステレオタイプの暗愚な執権かと思いきや・・・。




話が進むにつれて「暗愚」の一言では片付けられない奥行のあるキャラクターに育っていきました。




最期は「悲劇の執権」という雰囲気。




ただ、最期救いも描かれておりました。




今まで大切に育ててきた「田楽一座」が最後の挨拶にやってきた時。




田楽一座は逃げることも出来たと思うのですよね。北条一族どころか、武士でもないわけですから。




それでも田楽一座の方々は高時と一緒にいたかったのでしょうね。共に、東勝寺へ来るかと誘われ、



「灰となる鎌倉の供養をするため田楽舞を致そうぞ!」



と言われた時に皆凄い嬉しそうだった。




高時の舞を観てその理由がよく分かりましたね。




ただの田楽好きではない。




田楽ガチ勢なわけです。




人間人生の最期に生き様が現れると言いますが、高時は悲劇の執権ではありましたが、その人生は決して「不幸なもの」ではなかった(この大河ドラマ太平記いおいては)のではないかな。

太平記感想第22話「円喜、見届ける」

高時に次いで、注目したいのが長崎円喜。




あのへの字口をもう見れないと思うとこちらも淋しい限りです。




恨みを買う事も多かったとは言え、この鎌倉幕府の「屋台骨」を支えていたのは長崎円喜なんですよね。そして、悲しいかな誰よりも的確に状況を把握していた。




結果論ではありますが、守時は「寝返り」貞顕は「見立てを誤った」訳ですからね。




あと、息子、高資も頑張った。




少々短慮なところもありましたが、最期は鎌倉武士として立派な最期。




父、円喜と目で、



「お先に逝きます」



と、語らっているのを見て親子だなと思いました。




そして、皆がお先に逝ったのを見届けるとおもむろに腹を切る。




北条九代の最期を決して汚してはならぬ、それを見届けるのが自分の責務という雰囲気でしたね。




因みに、長崎円喜、正確な年齢は分かっていませんが、おそらく七十代位ではないかと言われております。




以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第22話「鎌倉炎上」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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