武田信玄(大河ドラマ)の感想第25話「悲劇の発端」。25話ということで丁度折り返し。ついに最終形態「義信(堤真一)」がご登場。17話で信繁から義信に対する「配慮」を求められて行いを改めた晴信。しかし、眠っていた恨み心が・・・。それと、三条殿が印象的です。三条は義信が可愛いのは当然なのですが、晴信の事も大切に想っているんですよね。

三条と義信、そして八重。この三人はお互いを理解しているようでそうでもないのがまた面白いです。それでは武田信玄第25話感想はじめます。

武田信玄感想25話「自己嫌悪」

今回の「密約」を知っているのは晴信と勘助のみ。弟の信繁は勿論、重臣達も、三条も当然知りません。

→武田信玄(大河ドラマ)のあらすじ第25話「悲劇の発端」へ

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三条の微妙な心理

「父上!今川義元殿が仇討ちましょう!」

「父(義元)の敵を取って下さい!」



義信と妻、於津禰(おつね)が晴信と三条殿の元へやって来て「仇討」を懇願した時の三条殿がステキ。



「於津禰、其方も武家の娘。取り乱してはなりませぬ」



三条殿しっかりしてきましたね。
一番成長していると思いました。




ただ、三条殿としては
正直微妙な心理があったと思います。愛する我が子義信と仲睦まじい於津禰の事を「可愛い」と想う心理はあったと思いますし、このような形で父を失ってしまった事への同情もあったでしょう。




しかし、一方で
今川義元の上洛を(天下獲り)を喜んでいなかったのもまた事実。そこを八重に突かれる。というか八重はそんな「微妙な心理」には気付いてはおらんw。



「織田信長とは姫様のために天から遣わされたのでは?www」

「八重・・・言葉が過ぎまする・・・」



前回24話では今川義元が天下を獲ろうと上洛するのをただ指をくわえて見ている晴信にイライラしておりました。さらに、三条は八重が晴信を「田舎者」だから上洛(天下を獲る事)を怖れていると悪し様に言う事にもイライラ。



「邪な心が御髪を白くするのじゃ!」
(単なる悪口・・・!)



と、八重をやり込めていましたが
自分自身も「邪な心」を持っていた事
それが現実となってしまった事に戸惑っています。一方でそんな三条の微妙な心理などお構いなしで素直に大喜びの八重さんは流石です。

勘助の微妙な心理

「後悔はしておりません」



かつての主、今川義元を葬った山本勘助。24話でも「躊躇」が少し見えていましたが・・・。実際やり遂げて思うところがあったのでしょうね。




おそらく山本勘助が言いたかったことは、ある意味で「今川義元との過去の関係」を利用して桶狭間の情報を織田信長に伝え討取らせ上に、
恩賞まで貰っては「人間として」イカンという事なのでしょうね。




それは今川義元を討取らせた事を「後悔」しているのとも違う。例えて言うなら相手が万全ではない事を知りながら、その不調を突いて優勝したみたいな感覚でしょうかね?




そして、やはり晴信は流石だなと思います。勘助の心情を推し量り、少しでも心の負担を軽くしようとしている訳ですね。




恩賞を受け取り「武田家のために大きな貢献をした」と胸を張らなければ、一生後悔をしてしまうと。




晴信の気遣いは嬉しいものの、勘助はそこまでドラスティックには考えられない。ちな、余計なお世話かとは思いますが・・・。



真田幸隆殿なら心から誇った感じがします!!けど。



武田信玄感想25話「勝者と敗者」

義元が桶狭間で命を落とし今川は天国から地獄。一方、織田家は絶体絶命のピンチをチャンスに変えました。その両家の様子について。

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駿府城の寿桂尼様

「義元が死んだからと言って駿河国が終わった訳ではない!」



ここから寿桂尼様、受難の日々が始まります。そして、勝ち誇ったようにご登場するのが信虎殿。



「やーやー寿桂尼殿。此度は一大事にござる」



信虎殿、表情から「メシウマww」がこぼれております。ここぞとばかりに義元が織田信長などに不覚を取ったのは、寿桂尼様にがあれやこれやと指図をしていたからだと言い掛かり。




印象的なのは、流石の寿桂尼様もいつものように反論は出来ない所ですね。また、氏真は父を討たれているにも関わらず仇討ちに動かない。



「義元が首を討取った後夜盗の如く逃げた」



後半で信長が言った通り、多くの重臣を失ったとは言え、今川勢が壊滅してしまった訳ではないですからね。ここで、すぐに反撃をする事は充分選択肢にはなりました。




まあ「戦国時代」ですからね。いや、戦国時代ではなくても、TOPは「気概」を見せて家臣(部下)を鼓舞する必要もあります。直ぐに動いていれば?織田を滅ぼす事は出来なくても、三河の「ぼんやり」が裏切る暇はなかったかもしれないとか考えてしまいます。

清州城

「笑うな!!夜盗の如く逃げたではないか!」

「それの何処が悪い?笑え!!」



人間はいつでも笑えるしいつでも泣ける。
信長が言いたいことはおそらく、



「人の気持ちを操れ」



と、いう事ですね。
笑うはずがない状況でも笑えるし、その逆もまた真なり。



「此処は尾張。西に都人あり、東に田舎人あり」

「都人の鼻もちならない高慢さ」

「田舎人の世間を知らぬ傲慢さ」



信長が天下を(事実上)獲る事になりますが、それは都が近かったという事も十分理由になります。




最も、「都に近い」というのはデメリットもあります。例えば三好長慶などはその確かな実力にも関わらずアンシャンレジームから思想を脱却しパラダイムシフトをする事ができませんでしたからね。



※関連記事:→三好長慶の限界と松永久秀の夢


「都人と田舎人」



の習性を観察し操るのに尾張は丁度良い場所・位置だったのかなと思います。地政学を無視して歴史は語れません。

武田信玄感想25話「過去は未来に復讐する」

冒頭でも申し上げた通り第1話から最も成長しているのは三条殿です。そして、三条殿は少し後悔をしていると思いました。

父と子、母と子

「妻想う心無くして国を想う心生まれませぬ!」

「国とは人の和。その和の始まりは妻であり子である!」



「母上に対する理不尽を見てきましたぞ!」

「母上は毎日のように泣いていましたぞ!」



義信が晴信に叩き付けた言葉。三条殿はかつて晴信の振舞いにただ泣いていただけではなくて、幼い太郎を焚きつけるような言葉も発していました。




あんなに綺麗な母上が泣いていればですね。息子は父を憎みます。




ただ、あの頃はお互いすれ違いをしていたんですよね。今は三条殿も晴信の「キャラクター」を把握し始めているのと、三条殿自身の成長もあり昔ほどはヒステリーを起こしません。




まあ、そもそも三条殿は晴信を恨んでなんかいません。




しかし、義信は違います。



「過去は未来に復讐する」



三条殿は義信が優しく、そして正義感が強い事を知っています。
しかし、それは三条の想像を超えており、義信が父である晴信を許せなくなっている事を知ります。




三条殿の涙は辛い日々を思い出しながら義信の優しさに心を打たれる部分と、一方でここまで「強い(危い)」正義感を持たせてしまったのは自分の罪と思っているように感じました。




そして、ラストの大井夫人。



「何やら昔を思い出します」



以上、武田信玄(大河ドラマ)の感想第25話「悲劇の発端」でごいます。
大河姫

今宵は此処までに致します。

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→武田信玄(大河ドラマ)の感想第26話「氏康と景虎」