武田信玄(大河ドラマ)の感想第35話「盟約崩壊」。ついに約10年続いた三国同盟が崩壊へ。於津禰も駿河へと戻されます。三条殿と於津禰が抱き合い哀しみをぶつけ合う場面。信玄はどのような気持ちだったか。また、武田家の父子とは好対照の北条父子。理想的な父子のように見えますね。羨ましい・・・。

武田信玄感想35話「於津禰」

義信の妻於津禰が駿河へと戻されます。あまり時間的な部分は描かれませんが、



  • 永禄8年(1565年)1月:義信事件発覚
  • 永禄9年(1566年)9月:上州攻め
  • 永禄10年(1567年)10月:義信自刃


約3年幽閉されていた訳ですね。その間、於津禰の心中は如何ばかりであったか。

→武田信玄(大河ドラマ)のあらすじ第35話「盟約崩壊」

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三条殿と於津禰

三条殿は年齢を重ねるごとに成長をしていると思います。今回、義信自刃でただただ悲嘆に暮れてもいても不思議ではないのに、義信の妻「於津禰」の事を考えてあげています。



「於津禰を駿河へとお戻し下さい」

「万が一にも憐れと思う気持ちがあれば」



精一杯の皮肉であったと思います。そして、於津禰との面会の場面。




於津禰はいつも子羊のように弱々しい印象だったので信玄に妖しく微笑む姿は少々不気味でもありました。若干、気がふれているような雰囲気。



「お館様のお命を頂きたい」



しかし、そんな事はなかった。
信玄を真っ直ぐ見て、義信の想いを代弁します。



「生きたいと思っていたぞ!!」



ああ、この言葉は胸に刺さった。信玄は掴みかかろうとしてくる於津禰の恨みを受け止めると言いますが・・・。



「義信!!!」



三条殿がそれを受け止めます。本来であれば、我が子を失った哀しみは夫である信玄と共有すべきところです。謀反発覚の当初はともかく、義信自刃に際しては信玄の哀しみも深いものがあったと思います。父、信玄は信玄で、母三条は三条で、深い悲しみの底にあるにも関わらず
この夫婦はそれを共有し癒す事が出来ない




三条殿は「夫、義信」を大切に考えていた於津禰と悲しみを共有したんだと思います。また、於津禰も三条殿の深い嘆きを分かっているからこそ、二人で泣き崩れたのでしょう。

武田信玄感想35話「北条父子」

信玄にとっての「好敵手」として第1話で紹介されのは、



  • 関東の雄、北条氏康
  • 海道一の弓取り、今川義元
  • 尾張の異端児、織田信長
  • 毘沙門天の生まれ変わり、上杉謙信


の4名。
各々が一角の人物ではありますが、北条氏康はその中でも頭一つ抜け出ている気がします。ちなみに35話の最後で出て来た家康君は次点以下で「好敵手」認定はされておりません・・・!

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板挟み

元々、三国同盟は相模の北条氏康、駿河の今川義元の争いを、双方とそれなりに良好な関係を維持してた甲斐の武田信玄が仲介して「甲相駿」の盟約となりました。



※関連記事:→武田信玄第19話「三国同盟」


そして、約10年。




桶狭間の戦いを経て、「甲駿」の関係悪化に伴い、三国同盟は解消となりますが相模は両国と表立っての争いはありません。



「板挟み」



状態ですね。北条氏康は苦しい立場です。氏康本人も言っていますが、北条家にとって最もやっかいな大敵は上杉輝虎。その輝虎と共に対抗出来るのは、現状武田しかいない。



「事が起こるまで待つ」



正義漢に燃える氏政君はご不満な様子でしたが、そこに、北条家の苦しい立場が凝縮されています。

人の心

「塩止めには参加する」

「じゃが、喜んで参加する訳ではない」



盟約を先に破ったのが武田家である以上、北条としては今川に与して塩止めにも参加する。正義に燃える氏政としてはようやくという感じでしょうね。



「氏政、その方塩止めが嬉しいようじゃが?」

「はい、塩止めれば戦わずして勝てます」

「塩止まりて困るは家臣領民じゃ」

「武田の不正義正すには仕方ありませぬ」

「そうであろうか??」



氏康は塩止めで苦しむのは家臣領民であり、その家臣領民苦しめて勝を拾う策などは
粗末な策と喝破します。
これぞ、流石は、



「内政の氏康」



と、いったところでしょうか?
年貢も激安!日本一住みやすい関東平野の雄。しかし、私自身も若い時なら氏政と同じ疑問を持ったと思います。



「なら塩は止めない!?」



そう。



「塩は止める」



なら、甲斐信濃の家臣領民を苦しめる云々は
詭弁であり偽善か?




違うんですよね。




人の行動は「感情」から出ています。「戦わずして勝てると」とウキウキしながら塩を止めて勝を拾うのと、
粗末な策だが断腸の思いで塩を止めるのでは、その先が変わってくる。




そして、「気持ち」は相手に通じる場合が多い。その思いを持って後に甲斐信濃を支配下(実際に支配下に置く事はなかったですが)に置けば、領民の気持ちに真摯に向き合う事になると思います。




誰でも見て分かる「表」だけで物事を判断したりしてはいけないという事。




同じ文脈で氏政の妻お梅の件も。




お梅は既に自分の故郷は相模であり実家の甲斐についての気遣いは無用を気丈に振る舞います。氏政はそれを額面通りに受けております。
しかし、



「言葉の裏で父母良しなにと申しておるのじゃ」



氏政の「ハッ!」とした表情。




この北条父子は理想的な父子のように感じます。氏政は言いたいことハッキリと氏康に伝えています。そして、氏康はそれを受け止めた上で、



「そうではないぞ」



と、噛んで含んで教えている。氏政はその度に父、氏康の人間の大きさに驚き学ぶ。武田家三代を見ていると羨ましいと思いますね。

武田信玄感想35話「信長」

桶狭間以来、久々に信長の登場。信長は以前に増して「大きな人物」となっております。今回は、信長の信玄評が中々的を得ていたと思います。

断れぬ何かがある

この時、尾張・美濃の二国を治めています。家臣達はすっかり自信を深めていましたね。



「我が軍勢如何なる敵も恐れない!」



しかし、信長は信玄を警戒します。家臣達は信玄の強さ(調略の巧みさ)を甲州金を積んでいるのだと言いますが、



「果たしてそれだけか?」



人間の欲を認めた上で、「それだけ」で人は動かないと言います。そして、信玄からの誘いには「断れぬ何か」があると。




私は常々、人は感情で決断し、論理でその決断を正当化すると考えています。




信長が言っているのはそう言う事なのだと思います。既に、恐怖か?魅力か?兎に角、信玄の申出には従いたいと言う感情を「甲州金を大量に貰える」という事で正当化している。




営業の仕事をしているとよく分かりますね。値段だけで人は購入しない。しかし、値段を理由に購入したのだと言うのです。




以上、武田信玄(大河ドラマ)の感想第35話「盟約崩壊」でございます。

今宵は此処までに致します。

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→武田信玄(大河ドラマ)の感想第36話「信長上洛」