太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第38話「一天両帝」。尊氏はかつての「想い人」後醍醐帝と再会。あれからまだ1年位なんですよね。しかし、関東、畿内、九州、中国と転戦してきた尊氏はより逞しくなっていた。もう、後醍醐帝に位負けをしていない。太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第38話

太平記(大河ドラマ)あらすじ第38話「一天両帝」

東寺、尊氏本陣



尊氏は一人書院で絵筆を握っている。




先程から見事な地蔵菩薩を描いているのだ。



大河姫

地蔵描いている・・・ああ、太守様・・・!

そこに、直義が鎧武者姿でやってくる。




兄、尊氏の描く見事な地蔵菩薩に感心しきりである。



「兄上はすっかり末法臭くなられた(笑)」



大河姫

末法臭いw確かにね。

尊氏は母清子が地蔵菩薩を信仰していることもあってと応じる。しかし、直義は地蔵菩薩の画を褒めに来たのではない。



「しかし、油断なりませぬな・・・」

「私に一言の相談も無く降伏を願出るとは!!」



大河姫

直義怒ったね。まあ、当然。

尊氏は密かに、叡山の後醍醐帝に「和議」を申し出ていたのだ。直義はそれが気に食わない。圧倒的に優勢な状況下で和議などは降伏をするに等しいと憤慨している。



「・・・其方に相談もなくコトを進めた事は詫びる」

「じゃが、戦とは良い潮に和議を結ぶことではないか?」



尊氏は後醍醐帝に「持明院の君」との和議をしては如何と提案していたのだ。

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太平記あらすじ第38話上巻「和議」

叡山、新田本陣


「何!?帝が和議を・・・!?」



「はい、もしや新田殿は存じておらぬのではと」

「父、洞院公賢よりお知らせして参れと」



「よう、知らせてくれました!公賢殿に良しなに」



大河姫

新田君は置いてけぼりか・・・。

新田本陣を訪ねて来た洞院実世は後醍醐帝が既に足利と和議を結び下山の準備を初めていると知らせてくれたのだ。




もし、後醍醐帝が下山してしまえば、叡山に残る新田勢はたちまち朝敵とされかねない。そのような重要な決定を自分に知らせぬとは・・・。




叡山、行在所


後醍醐帝は仮の行宮である行在所に主だった近臣を集め、すでに下山の準備を進めていた。そこに、新田の武将が抗議にやってきた。



「新田家臣!堀内美濃守でございます!」

「ご無礼の段平にご容赦下さい!」

「しかし!これはあまりにもあまりななされようではないでしょうか!」



大河姫

そりゃそうだ。

今まで後醍醐帝の為に死力を尽くした義貞を見捨てる後醍醐帝と公家衆に猛然と抗議をしている。そこに、実世から事情を知らされた義貞も到着する。



「申し訳ございませぬ!」

「この者のご無礼、偏に主君への忠義から出たものと何卒お許しください」

「しかし!この義貞もまた先程までこの者と同じ気持ちでございました!」



公家衆は静まり返っているが、後醍醐帝はじっと義貞を見ている。



「義貞、其方もまた朕の心を分かっていない」

「・・・?」



後醍醐帝は今回の和議は降伏ではなく「持明院の君」と和議を結ぶのだと話す。そして、いつかまた官軍が立つときまで、力を蓄えるように命じる。




また、後醍醐帝は自身は退位し恒良親王に位を譲り、義貞に預けるとも語る。



「これで其方が朝敵となることはない」



義貞は恒良親王ともう一人の親王尊良と共に越前へと向かうことになる。



大河姫

義貞、苦難の北方戦線・・・。北陸行幸は寒かったろうな。

新田勢が出発してすぐ、義貞の本陣が置かれた宿を内侍が訪ねて来た。



大河姫

困った女だな。てか、登子ちゃん以外は困った女だわ。

既に、内侍は下山をした思っていた義貞は驚く。



「内侍殿・・・」



「・・・来てしまいました・・・!」

「もう、待つのは嫌でございます・・・」



大河姫

「待つのはいやーん」ってか!?

義貞はこれから向かう越前までの行軍はとても女子を連れいけるようなものではなく、春先には必ずまた呼び寄せるので山を下りるように諭す。




内侍はそれでもついていきたいと請うが、最後は義貞の言を受け容れる。




これが、義貞と内侍、最後の逢瀬となった。



大河姫

これが、永遠の別れ。

この建武3年の冬は特に寒波が厳しかった。




新田勢は乏しい兵力で越前金ヶ崎を目指すが、途中足利方の武士との戦闘、さらに吹雪の影響で疲弊しながらの厳しい雪中行軍を強いられる。

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太平記あらすじ第38話中巻「再会」

花山院


後醍醐帝は下山すると花山院に事実上幽閉される。




3日後、尊氏が訪ねて来た。




二人が再会するのは1年ぶりのことであった。




尊氏はこのような事態となってしまった事をまずは後醍醐帝に詫びる。



「さぞや、この尊氏にお怒りの事と、幾重にもお詫び申し上げます」



「飾る言葉はいらぬ。真を申せ。真の思いを」

「そちは天下を率いる事はないと申したはずじゃ」

「天下を率いるは肩が凝ると」

「それがどうじゃ?1年も経てばこの有様じゃ」

「あれは朕を欺く空言であったか?」



大河姫

まだ、たった1年。。

「滅相もございませぬ」



「では、今の乱れを何と申し開きする」



「されば申し上げます」

「この1年、大いなる天下のうねりに乗りて東国、西国、九州まで駆け巡りました」

「その中で得る事誠に多く、1年前の尊氏とは異なる事ご承知頂きたく存じます」

「帝は延喜・天暦の治を理想とし、公家一統の政を始められました」

「されど、敢無く誤り、武家は申すに及ばず、庶民にも喜ばれなかったこと」

「この目で見て参りました」



大河姫

尊氏、言うね。

「黙れ。我が建武新政はまだ緒に着いたばかりぞ?」

「それを目先の利害を求め、朕より武家の束ねを任されたにも関わらず、武家の不満を煽り」

「この大乱を招いたのじゃ」



「左様にございましょうや?」

「王朝の昔に復さんとする帝の理念は真に美しいものでございました」

「されど、世は変わり過ぎておりました」

「諸国に増えし武士の数、民の生業の難しさ・・・」

「何より、人の考えが変わっております」

「所詮帝の朝礼や古き国司の政では治まりませぬ」

「朝廷が武士を養い、武権を統御されるはもはや無理というものでございます」



大河姫

尊氏、ハッキリ言ったね「無理」と。

「どうあっても幕府を認めよと申すか」



「御意」



「決して北条のように堕落しない、公武一体の世を創り朝廷にお仕え申し上げる所存」



「尊氏・・・朕は決して理念を捨てぬ」

「そちは朕の元を離れたが義貞は命をかけて朕の助けをしてくれよう」



「・・・義貞は命をかけて帝の為に戦いましょう」

「しかし、義貞もまた一大将ではおりますまい」

「仮にこの尊氏を破り、時代の覇者となれば必ずや幕府を創る事になりましょう」

「武士とは左様なものにございます」



「武士とはそのようなものであれば・・・朕と武士とは永遠に相容れぬものぞ」



「・・・無念にございます」



尊氏と後醍醐帝の会談は不調に終わる。




その帰り、尊氏は同じく花山院に幽閉されていた廉子に呼び止められる。




廉子はコトここに至っては尊氏を頼る他はないという。




また、かつて大塔宮との対立の折には共に力を併せた誼もあったハズなのにとも嘆いて見せる。



「尊氏は、そのことよく覚えております」

「それでは・・・?」



尊氏は決して後醍醐帝を粗略に扱うつもりはなく、また、皇統は以前のように大覚寺統と持明院統が交互に即位するが良いと考えていると話す。



「成良親王には皇太子とも考えております」



成良親王はかつて、直義と共に鎌倉へ下った廉子の子である。尊氏は共に鎌倉で苦労をした縁もあると言う。



「その為にもまずは三種の神器を・・・」



大河姫

流石、将(後醍醐帝)を射んとする者はまず馬(廉子)を射よって事か。でも、まあ、尊氏は本心でもある。

後醍醐帝は皇位継承に必要な三種の神器を保持している。それを持明院の君へ渡すように廉子からも話をして欲しいと依頼する。




廉子は笑顔で頷くのであった。

太平記あらすじ第38話下巻「室町幕府」

押小路室町里内裏


建武3年(1336年)11月2日。




三種神器が後醍醐帝から持明院の帝へ譲られ皇位継承が行われた。




尊氏は従二位権大納言に昇進する。




この位階はかつて源頼朝が鎌倉幕府を開いたさいに就いていた位である。




11月7日。




17ヵ条の建武式目を制定し、京に幕府が開かれた。




名実ともに幕府が公家に代わる政権であることを明らかにした。




また、尊氏は主だった家臣を集め、政を直義に任せたい旨を宣言する。




師直が疑問を尋ねる



「大殿におかれましては御隠居されるのですか?」



これには直義が答える。



「大殿が我らの後に控えているのは自明のこと!」



尊氏が続く。



「どうか、直義を皆で支えてやってはくれぬか?」

「はは!」



少し遅れて。



「はは」



大河姫

師直の表情w。「まあ、無理だろ?」って書いてあるね。

師直も平伏する。




三池、尊氏亭


尊氏は幕府が成立すると、丹波に疎開していた母清子や登子、千寿王を都へ呼び寄せた。




この日は直義も尊氏亭へ来ていた。




家族は揃うのは久しぶりである。



「聞けば、政は直義殿に任せるとか?」

「ははは、何やら母上はご不満のようですが?」

「いや、そのような・・・」



大河姫

久しぶりの家族団欒。

尊氏は笑いながら直義を誉める。



「直義はこれで儂などよりずっと筋の通った考えが出来る男です」



これに直義が続く。



「いやいや、いざという時には兄上にお出まし頂かねば武士共が収まりませぬ」



大河姫

足利兄弟良いね。

その兄弟の様子を登子は嬉しそうに眺めている。



「処で兄上、一つご相談がございます」

「なんじゃ?今日は難しい話は無しじゃぞ?」

「・・・花山院の警備を緩めるのは・・・」



尊氏は三種の神器を譲り渡されて以来、後醍醐帝が軟禁されている花山院の警備を緩めるように命じていた。直義はそれが不安だと言うのだ。



「兄上は先帝のことになるとお甘い」

「三種の神器を譲られたのじゃ・・・あまり無下にも出来まい?」

「しかし・・・」



結局、直義は警備を緩める事に渋々応じる。



錦小路直義亭


この年の暮れ。




12月21日。




世間を驚かす一大事が起る。




先帝が花山院から姿を消したのだ。




直義は地団駄を踏む。



「・・・儂の落度じゃ!一体何をしていたのだ!!」



畿内一体に捜索隊が出されるがその行方は知れなかった。




幕府では早速評定のため、重臣達が集まる。




最初にやって来た直義の元に師直が近づいてくる。



「・・・いったいどのような警備を?」

「昼夜を問わず見張りを立てておったのじゃが・・・大殿の御情が・・・」

「・・・もっと早くに然るべき御沙汰をするべきでしたな」



大河姫

怖いね。師直。大塔宮と同じ目に・・・。

尊氏もすぐに到着するが焦りの見える一同と異なりどこか表情は明るい。直義は尊氏に此度の不手際を謝罪するが、尊氏は自分が警備を緩めた所為であると直義を責めない。



「ははははは!此度はやられましたな足利殿!」



そこに、道誉が哄笑しながら現れる。



「して、如何される?」

「何もせぬ」



尊氏は意外なことを言う。




戸惑う一同に尊氏は説明する。



「このまま都におられては警備の負担が重い」

「また、他国へ御移すことも出来ぬ」

「じゃが、先帝は勝手に出て行かれたのじゃ」

「この先の責任は我らにはない」



「ほう!勝手にいなくなって良かったと?」



「いずれ収まる処に収まるものじゃ」



道誉は感心しきりではあるが・・・。



「果たして・・・足利殿の言うように穏やかに行くかな?」



後醍醐帝は北畠親房の手引きで吉野に逃れていた。




そして、そこから諸国に足利追討の綸旨を発していた。




北畠顕家も綸旨を受け奥州から都を目指すことになる。



三池、尊氏亭


足利尊氏が絵筆を握っているのを道誉が眺めていた。



「そうやって絵筆を握っていられるのも長くないの」

「今度こそ吉野の先帝を敵として戦わねばならないの」



「難しい世になってしまった」



「・・・いつまでも先帝に肩入れしておると進むべき大道を見失いますぞ」



「一度つけた墨は白くはならない。左様なことは・・・」



太平記(大河ドラマ)のあらすじ第38話「一天両帝」でございます。

太平記(大河ドラマ)感想第38話「一天両帝」

太平記(大河ドラマ)感想第38話「一天両帝」。尊氏と後醍醐帝が再会。尊氏は元々「器が大きかった」のですが、この1年の日本各地の転戦を経て見違えるように大きくなっております。後醍醐帝も1年前とは別人と感じたでしょうね。

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太平記感想第38話「尊氏と後醍醐」

尊氏と後醍醐帝の関係は一応両想いではあったのですが、どちらかと言えば尊氏の方が「惚れ込んで」いたと思うのですよね。




前にも書きましたが後醍醐帝は尊氏の器量を認め、高く買ってはいるのですが、それでも「惚れられた強み」で実態よりは「低く」見積もってしまっていたのだと思います。




その関係性は「尊氏叛く」以来変わってしまった。




今や尊氏にとって後醍醐帝は「昔好きだった恋人」つまり御醍醐帝を「想い出」に出来ていると思うのですよね。




後醍醐帝も当然感じている。




格下だと思っていた年下の恋人が自分の想像を超えて「大きく」なっていた。




新しい恋人(義貞)の事を持ち出しても、



いずれ捨てられる



と、喝破された上に、後醍醐帝自身も正直、



「その通りかもしんない・・・」



と思ってしまっているんですよね。




なんか、若さ、美しさを失いつつある事実を隠そうとしても自覚的にならざるを得ないような。




うーん、尊氏と後醍醐帝の関係は本当に恋愛関係(御醍醐姉さんと尊氏君)で考えるとしっくりくる。




しかし、立場が逆転すると、面白いですねぇ・・・今度は尊氏が後醍醐帝を「低く」見積もる。




尊氏は元々大甘なので、別れた年増の恋人を邪険にはしない。




そして、プライドを傷つけないように配慮もしつつも、誇り高い後醍醐帝はいずれ出て行くと算段していたんですよね。



甘い



ただ出て行って、おとなしく引き籠るとでも思っていたんですかね?




痴話喧嘩はこれからが本番だったりします。




尊氏もようやく「想い出にした元恋人」と正面切って戦う覚悟を決めたかな・・・?




益々、末法じみて行くのだろうなぁ・・・。

太平記感想第38話「地蔵菩薩を描く」

皆思いましたよね。




地蔵菩薩を描く尊氏を見た時に。




今は亡き太守様を!




戦を嫌い平和を愛するという部分では尊氏と高時は結構似ている。




尊氏や高時に限らないですが、権力の階段を登るにつれて「厭世的」というか「末法的」になる人って一定数おりますよね。




そして、それって外から見ているとめっちゃカッコ良いんですよね。




私もその境地に達してみたいものです。




もっとも、そのタイプではない人(例えば直義や師直)から見ると、腹立たしいんですよね。



「しっかりしてくれ!」



私は尊氏の気持ちよく分かります。生きている内に「極楽浄土」へ行く予行演習をしたいものです!?

太平記感想第38話「直義と師直」

直義と師直はしっくり来ていない。




師直からすれば、尊氏と直義やはり器の大きさの違いは歴然。勿論、直義自身も兄尊氏の「デカさ」は重々分かってはいるのですが、だからと言って師直のあからさまな感じはいけ好かない




もっとも、この2人は意外と考えは似ている・・・。



「・・・もっと早くに然るべき御沙汰をするべきでしたな」



直義からすれば、



「ンなことは分かっている!」
(大塔宮の件で一回釘刺されとんじゃボケ!)



と、いう感じかな?




師直に警備を任せていたら・・・。




やりかねない、というか「やって」たな。




間違いなく。




この直義と師直という二人の傑物は尊氏という器の中でこそ機能するのでしょうね。




ただ、尊氏はその器の役割を放棄したいようですけど。




母、清子の不安そうな雰囲気が気になりましたね。




以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじ第38話「一天両帝」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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