平清盛(大河ドラマ)のあらすじと感想第9話「ふたりのはみだし者」。清盛終生の強敵であり、ある意味では「友」である雅仁、後の後白河初登場。二人の双六がここから始まる。この時点では清盛の駒の方がかなり前かな?運命の出会い平清盛第9話!

平清盛(大河ドラマ)のあらすじ第9話「ふたりのはみだし者」




何処にでもはみ出し者はいる。



しかし、王家のはみ出し者となれば「並外れて」いるのである。雅仁、後の後白河帝ははかつて無頼の高平太がそうであったように、都の賭場を渡り歩いていた。

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平清盛(大河ドラマ)のあらすじ第9話上巻「誕生」

平家の館


清盛は落ち着かない面持ちで部屋でじっと座っている。



この日、明子が産気づいたのだ。



暫く後。


「おぎゃー!」


赤子の泣き声が。


「男の子にございます!」


清盛に嫡男、清太、後の平重盛が産まれた。


「俺の子じゃ・・・(涙)」


大河姫

重盛爆誕!

父忠盛も清盛に嫡男誕生と聞き感慨深気である。


「さようか・・・男であったか」

「存分に祝ってやれ!」


ほどなく、清盛の屋敷では嫡男誕生の宴が催される。



普段は冷静沈着な清盛一番の家来盛国(元鱸丸)であるが、この日は嬉しさの余り飲みすぎたようだ。すっかり悪い酔いし、兎丸を困惑させていた。


大河姫

盛国は酒癖悪いw

清盛は皆が喜んでくれているのが嬉しい。


「兄上!」

「家盛!来てくれたのか!!」

「此度は若君の誕生おめでとうございます!」


そこに家盛も祝いにやってきた。清盛は広間の喧噪からやや離れた場所へ家盛を誘い二人で飲もうと言う。



家盛とゆっくり二人で飲みたかったのだ。



清盛は改めて想う。家盛が弟で良かったと。


「色々と迷惑をかけた。母上にも父上にもお前にも」


「それ以上仰せなら怒りますぞ!」

「兄上は私を血を分けた兄弟と思ってくれてない」


家盛が厳しい表情になる。


「あ、いや、そういう事では」


清盛はしまったという表情で必死に言い訳を続ける。


「ははは!」

「家盛!儂をからかったな!」


大河姫

家盛、良い子過ぎて泣ける。

平家一門は概して兄弟仲は良かった。





一方で王家。



崇徳帝は即位後15年を経ても鳥羽院から疎まれ続けていた。また、崇徳帝には聖子(藤原忠通娘)がいたか子宝に恵まれなかった。



聖子はそれを気に病み崇徳帝に心を閉ざしつつあった。



崇徳帝の弟である雅仁(鳥羽院の子、母は璋子)は自由奔放であり賭場に入り浸る親王である。勿論、崇徳帝とは疎遠。



その雅仁の乳父に藤原通憲が任命されていた。



通憲は雅仁が将来即位する僅かな可能性に賭けたのだ。


「雅仁様!博打など損するように出来ているのです!」


大河姫

いや、この親王様は負けないと思うわ。

雅仁は通憲の忠告などはどこ吹く風である。


舞え♪


舞え♪


蝸牛♪
(かたつむり)


雅仁は美しい声で今様を吟じ舞っていた。



清盛は久々に訪ねた祇園女御の館で昨今の朝廷の様子を聞かされる。


「芽吹き出しているのです」

「法皇様が撒き散らした禍の種が」


大河姫

祇園女御様久々。

賽の目の出方一つで駒の動きが変わる。遅れを取っていた者も賽の目の出方一つで追いつける。



清盛はかつて祇園女御相手に楽しんだ双六を思い出していた。





東国では義朝の活躍にようやく一部坂東武者が興味を示すようになっていた。


「相模の三浦義明という者にございます」

「もし、お力になって頂ければ三浦の一族上げて従います」

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平清盛(大河ドラマ)のあらすじ第9話中巻「崩壊の兆し」

鳥羽院、御所


ギリギリで保たれた王家の均衡を崩す命が産まれた。



鳥羽院と得子との間に子が産まれたのだ。



男子であった。



清盛は早速鳥羽院へ祝いの品を献上する。


「大義であった」


鳥羽院は清盛の献上品を快く受け取ると奥へ戻る。



謁見の間には清盛、そして院近臣の家成が残される。



清盛は佐藤義清から鳥羽院、崇徳帝を巡る愛憎を聞かされていたこともあり、家成にそれとなく王家の事を尋ねる。



家成は直接は答えないが。


「国を動かす方々に関心持たれるは良き事」

「得子様が祝いの宴を催す。其方も参ると良い」


ほどなく、家成の言葉の通り御子誕生の宴が催され、中宮の璋子、院近臣、藤原摂関家、そして清盛も北面の武士として庭先に控えた。佐藤義清も一緒である。



しかし、そこに崇徳帝の姿はない。


「信じられるのは其方だけ」


大河姫

もはや以心伝心じゃ。

佐藤義清は崇徳帝の言葉が頭から離れなかった。


「この度産まれた我が九宮、躰仁である」


躰仁(なりひと)親王、後の近衛帝である。



得子は得意満面の表情で義清はいないかと声をかける。


「また、いつぞやの様に祝いの歌を詠んでくれぬか?」


義清は緊張の面持ちである。


瀬を早み


岩にせかるる


滝川の


われても末に


逢はむとぞ思ふ


得子の表情がみるみるうちに険しくなる。


大河姫

おいおいおいおいお!義清・・・!ストロングスタイル!

鳥羽院にも戸惑いの表情が見える。


「これはこの場にいない帝の歌」


この場に招かれていない崇徳帝もまた「父」鳥羽院に祝いを述べたかったに違いなく、この場にふさわしいと考えて代わりに詠んだのだという。



そこに、雅仁が現れる。


「ははは!我が兄君らしく恨み深いお歌と存じまして(失笑)」


鳥羽院は不愉快そうである。


「その可愛い弟宮を私にも抱かせて頂いて宜しゅうございますか?」


得子はそっと雅仁へ赤子を渡すが、乱暴なあやし方に赤子は泣き出す。


「雅仁、戯れが過ぎる!」


鳥羽院の叱責もどこ吹く風。


「あなた方の戯れの子」

「国の頂きで壮大なお戯れ、さぞ楽し気でございます」


大河姫

怖えーw

雅仁は得子は鳥羽院へ取り入り、ゆくゆくは躰仁を即位させて国母に納まるつもりだと喝破して見せる。


「国母など望まぬわ」


得子は雅仁、そして璋子を睨みつける。


「上皇様を傷付けるその女を苦しませたいだけ」


璋子が憎いのだ。



璋子は珍しく消え入りそうな声で反論する。


「分からないのじゃ、私には人を愛しく思う気持ちが」

「私はただ法皇様の仰せのままに」


「もう良い!」


鳥羽院の怒りの声を聞き、雅仁が笑いだす。


「お聞きになりましたか?コレが上皇様の妻、私の母上に御座います」


頼長が立ち上がる。


「上皇様、帰らせて頂いて宜しいですか?いささか気分が悪い」


大河姫

いや、気分が悪いって??ちょっと面白くね・・・?

続いて忠通、忠実父子も立ち上がる。


「面白き宴でした。藤原摂関家、いつでも力になります(冷笑)」


忠実はそう言い捨て出て行った。



完全に座がしらけ切り、解散となると清盛は怒りを露わにする。


「コレが御子様の誕生を祝う宴か!」


大河姫

重盛爆誕との対比な。

誰も御子誕生を祝うつもりなどないのだ。そこに、雅仁を追いかけてきた乳父の通憲が声をかける。


「これがこの国の姿じゃ」


通憲はこの国の姿を変える機会を雅仁に見出していた。雅仁が将来帝となれば・・・。勿論、その可能性は非常に低いことは分かった上で。


「綺麗事だけで政は出来ぬ」

「全ての歪みを抱えた毒の巣」

「国にモノ申すならあのお方を知らねばならぬ」


あのお方。



雅仁親王の姿は御所には既になかった。

平清盛(大河ドラマ)のあらすじ第9話下巻「賽の目」

鳥羽院、御所


「今も愛しく思っているのですね」


得子は鳥羽院の表情からそれを読み取っていた。


「何故かは分からぬ」

「愛しく思うほどたまこを傷つけてたくなる」

「そして、傷つけるほど璋子を愛しく思う」


大河姫

鳥羽院、ドMかと思ったらドSだったでござる。

一方、璋子は自分が分からなくなって庭を彷徨っていた。


「貴方様が知らず知らず人を傷つけてしまうのは貴方様が傷付いているから」

「空っぽの瞳の奥に美しきモノがあります」


佐藤義清は璋子を助けたいと願っていた。


「コレが愛しいと思う気持ち」

「お救いしとうございます」


大河姫

義清、お前は凄い男だ。

義清は大胆にも璋子を院の庭先で抱きしめるのであった。


平家の館


雅仁は清盛の館にいる。


「博打など、損をするよう出来てる」

「通憲の申す通りであった」


大河姫

おっと!後の後白河ともあろうお方が博打で負けるとは・・・!

そのまま賭場へ出向いて身包みを剥がされ凍えているのを清盛が見つけ出し、とりあえず家まで連れてきたのだ。


「度を越したお戯れの理由をお聞かせ下さい」


「人は産まれてくるのが博打じゃ」


「産まれは変えられずとも生きる道は変えられる」

「私は武士となって良かった思います」


「はははは!」


「その笑い声、赤子にしか聞こえません」

「私は此処にいると母を求める泣き声」


大河姫

清盛、ちょっと先に大人になったからって。思いっきりマウント取ったな。

雅仁が清盛を睨む。


「清盛、双六をするぞ」

「負けた者は勝った者の願いを必ず聞き届けるのじゃ」


その時。


「清太!」


侍女が慌てて入ってくる。清盛が戻ってきたと知り母屋まで走ってきたのだ。


「決めたぞ。儂が勝ったらこの子をもらうぞ」


「!」


「鷲が勝ったらじゃ。其方が負けねば良い」


双六が始まる。













「合わせて十以上の目を出さねばわしの勝ちが決まる」


「お許し下さいませ!何卒!」


「ならぬ、賽を振るのじゃ」


コロコロ


「おお!十じゃ!」


清太が賽を振り清盛が逆転する。


「邪魔をしおって、幼子であっても許さぬ!」


清盛が雅仁を睨み刃を向ける。


「清太に害を成すなら、雅仁様のお命頂戴仕る」


大河姫

清盛、流石は人の親。

「脆いものぞ。親子の絆など」


「平氏は王家とは違います」


「其方にも流れておろう?王家の血が白河院の血が」

「きっといずれ疼こうぞ?現に生きるもののけの血が」


第四の御子雅仁と清盛。



二人の長い長い双六遊びが始まった。



平清盛(大河ドラマ)のあらすじ第9話「ふたりのはみだし者」でございます。

平清盛(大河ドラマ)の感想第9話「ふたりのはみだし者」

平清盛(大河ドラマ)の感想第9話「ふたりのはみだし者」。清盛終生の好敵手(マブダチ)雅仁親王、後の後白河が初登場。無頼の高平太を豊富させる賭場通いと奇抜な言動。



既に大人の階段を登り、人の親にまでなった清盛からすれば、昔の自分に再会した気持ちであったでしょうね。



王家ではついに得子が鳥羽院の御子を産み愛憎の三角関係にも変化が。



璋子の様子が前回からおかしかったのですが、
自身の異常性に疑問を持ちはじめたことで前のようなある種の強さが消え失せておりました。

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平清盛(大河ドラマ)の感想第9話「武士の子、院の子」

清盛には待望の男子が誕生。



後の小松内府平重盛です。



平家一門はこぞって清盛に跡継ぎが誕生したことを喜びます。



家盛・・・!



お前は良い弟だ。



一方で王家。



鳥羽院と得子の間にも躰仁親王、後の近衛帝が誕生。



雅仁・・・!



赤子を泣かすな。



この「躰仁親王お披露目会」は地獄絵図となるのですけど、それの一部始終を見ていた清盛は、


「コレが御子様の誕生を祝う宴か!」


と怒りを顕わにします。



しかし、怒りと同時に、


「我ら平氏はこうではない!(ドヤ顔)」


という優越感もあったのではないかな。



無頼の高平太は「家族を疑う」「自身を疑う」という少年時代を送ってきたものの、父の想いを知り平家一門の男として目覚めてから後は、その反動からか純粋になりましたね。



そして、無意識ではあるものの、
雅仁親王に優越感を見せマウントを取っていた。

平清盛(大河ドラマ)の感想第9話「昔の自分」

自身の味方は誰もいないと思い込み、高平太と呼ばれ(名乗り?)賭場に出入りして無頼を気取っていた遠い昔の日々。



雅仁の鳥羽院御所での振る舞いや賭場で無頼を見た時に、直観的に分かったと思うんですよね。



コイツ、本当は淋しい奴だと。



強がっているだけ。
俺と同じ。あ、昔のな。


「その笑い声、赤子にしか聞こえません」

「私(雅仁)は此処にいると母を求める泣き声」


乾いた笑いは悲鳴のようだった



しかし、清盛よ、雅仁にこれは言ってはいけなかった。孤独で淋しい人間は図星を突かれる、心の内を見抜かれるのを極度に嫌い恐れる。



そこまでは気が回らないのは清盛の若さかな。



家族母母家族母家族父家族兄家族!!



自分には無いモノ。
知らないモノ。
武士風情がこれ見よがしにひけらかす。



許さん。



雅仁は苛立ったはず。そこに清太登場。


「決めたぞ。儂が勝ったらこの子を漏らうぞ」


その清盛の弱みを見つけた。
雅仁には失って困るようなものは何もない。



双六は雅仁優勢で進み、最後清盛は清太は渡せないと謝罪します。



雅仁は最高に気分が良かったはず。



大事な家族一つお前は守れないではないか?
俺には何もないから強いのだ。



しかし。



この戦いは雅仁の惨めな敗北に終わります。



清太が十以上の賽の目を出したことではないのです。



雅仁が清太に手をあげようとしたその時。


「清太に害を成すなら、雅仁様のお命頂戴仕る」


清盛のこの言葉は脅しではないことを生物的本能で察したはず。これ以上進めば自分は斬られると。



結局、命は惜しい。


「脆いものぞ。親子の絆など」


脆いもの、脆いものであって欲しいという雅仁の願い。


「いずれ疼こうぞ?現に生きるもののけの血が」


雅仁には確信は無かったでしょう。
惨めな遠吠えでございます。



清盛と雅仁の最初の勝負は清盛完全勝利で終わりましたね。

平清盛(大河ドラマ)の感想第9話「変化」

王家の三角関係。



これまでは璋子が主導権を握っていたように見えましたが、得子の登場、そしてついに得子が御子を産んだ事でその関係にも変化が。



得子が璋子へ向ける憎しみやイビリなどはまったく応えていないと思います。



そんなことを感じる感性は元々持ち合わせはいない。



ただ。



環境の変化が璋子を少しずつ変えた、
自身への疑問を芽生えさせたのだと思います。



前回、象徴的な言葉がありました。


「ある時は気にも留めていなかったが無くなってみると・・・」

「あの姿と香りが懐かしい」


今は得子の意向で菊の花が植えられておりますが、かつて咲き誇っていた水仙の花を思い出しての言葉。



疑念が浮かんでからは心のバランスを崩してしまいました。







愛しいとは?

自分にとって鳥羽院の存在とは・・・?



そして、げに恐ろしきは佐藤義清。



その心の隙間に自分が入ろうと・・・!?



色男、いやそんな言葉では足りない。
国母様を口説き落とそうとする希代の色男ですな。



以上、平清盛(大河ドラマ)の感想第9話「ふたりのはみだし者」でございます。
大河姫

今宵は此処までに致します。

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