平清盛(大河ドラマ)のあらすじと感想第1話「ふたりの父」。第1話から圧倒的な存在感を放ち散っていく舞子。そして、少ない出番で奥行を感じさせる正盛。若さを思いっきり感じさせる忠盛、美しい鳥羽帝、朝廷の巨魁白河院。21世紀最高の大河ドラマはやはり平清盛。平清盛のあらすじと感想第1話「ふたりの父」!

平清盛(大河ドラマ)のあらすじ第1話「ふたりの父」





元暦2年(1185年)鎌倉。




その日、頼朝は父義朝の菩提を弔うための寺院の柱建てに立ち会っていた。




えーい!やー!


えーい!やー!




男たちの掛け声で柱がゆっくりと立ち上がる。




そこへ、政子が馬を駆ってやってくる。



「殿!壇ノ浦にて義経殿の軍が勝利!」

「平家の者は次々を海中へ身を投げているよし!」

「申の刻に至り!ついに滅亡せるよしにございます!」



「おお!」


源氏の家人たちは自軍の大勝利に湧きたち平家滅亡を喜ぶ。



「武士でありながら貴族の真似事をした報いじゃ!」

「清盛もあの世で悔いておろう!!」

「おお!わはは!!!」



既に平家の巨魁であった平清盛は既に病で没している。



「やめい!!!」



頼朝の突然の怒鳴り声に家人達は静まる。



「平清盛無くして!武士の世は来なかった!!」



頼朝は戸惑う。




何故このようなおかしな事を言ったのか?




しかし、頼朝は知っていた。




海に生き、海に沈んだ巨大な平家一門を築き上げた平清盛こそが真の武士であったことを。

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平清盛(大河ドラマ)のあらすじ第1話上巻「王家の犬」

白拍子風の女が一人生い茂るススキをかき分け走っていた。



「いたか?」

「いえ・・・」



源為義は白河院の命でとある白拍子を追いかけていた。




永久5年(1118年)京。




武士は皆、犬のように王家に仕えていた。




この夜、平家の棟梁である平正盛、忠盛父子は都に出没する盗賊の討伐を命じられそのアジトへと兵を進めていた。



大河姫

晴信!!の前世は忠盛か・・・。まあ、頼朝の時もあったけどw

忠盛達は盗賊に大人しく投降をするように求めるが、盗賊達は矢の洗礼を以て出迎えた。




矢合わせから斬り合いが始まる。




都で名を馳せた盗賊「朧月一味」ではあったが、武士の中でも手練れが揃う平家の敵ではなかった。




忠盛は朧月と一騎打ちとなる。



「王家の犬が・・・!!」

「何故、罪を働く!!!」

「お前が人を斬るは、俺が罪を働くと同じ事」



大河姫

朧月さんの来世は江藤新平か。

朧月は忠盛の太刀に身体を貫かれ絶命する。




忠盛の身体には朧月の血がべったりとついていた。




平家一党は朧月一味を捕らえ都へ凱旋する。




既に夜は明けていた。






「関白様のお通り!」



都往路を関白藤原忠実、そしてその子忠通の牛車が通る。



大河姫

この関白様めちゃくちゃ似合ってる!最高だわ。。。

平家の武士は皆馬を降り牛車に路を譲る。




牛車の御簾が上がり忠実が顔を出す。



「なんじゃ、正盛か・・・血の匂いがするな?」



正盛の息子忠盛の身体には朧月の血がこびりついていた。



「はは、王家の命で盗賊朧月一味を成敗致しました」



しかし。




関白忠実は血の匂いをさせたまま都往路を歩くことを叱責する。




忠盛は凶悪なる朧月と斬り合い仕留めたのだが・・・。父正盛は無礼を詫びるのであった。




忠盛は河原で染みついた血を洗い流している。



大河姫

中井貴一、丁度良い身体してる。ムキムキ過ぎず、ブヨブヨ過ぎず、ヒョロ過ぎない。

世の為、王家の為に太刀を振るいやりたくもない人殺しをしたにも関わらず皆から忌み嫌われる。



「武士が血塗れで何が悪い!!」

「働いた証ではないか!」



そこに、汚らしいボロを纏った人間が水を飲みにやってきた。酔っているのだろうか?




水辺にうずくまり動かない。



「のう!如何した?お・・・?」



ボロを取り去るとそこには美しい女子の姿があった。




どうやら産気ずいているようである。



平家の館


忠盛は放っておくことが出来ず、女をおぶさると屋敷まで運び取り急ぎ厩に寝かせる。



「まっておれ!!」



表に出ると見知った顔が皮肉な笑みを浮かべ声をかけてくる。



「よう!平家の若殿!」



源為義である。




為義は忠盛の衣服が血塗られていることを訝しみ理由を尋ねる。



「ああ、盗賊朧月一味を捕らえた」



「なに?!平家には都を騒がす盗賊の征伐」

「我ら源氏には下賤の女一人探せと・・・」

「院はそれ程までに源氏の力を見くびっておいでか!」



見くびられていたのは祖父為義であろう。



大河姫

こらこら、祖父に辛口w

為義は自身が命じられている「下賤の女の探索」に関して話だす。。



現在御所では困ったことが起こっているという。




時の帝は鳥羽帝である。



大河姫

鳥羽帝の美しさよ。

鳥羽帝はこの度、中宮に璋子を迎えた。




しかし、璋子は入内後ずっと原因不明の病に伏しており、何かが憑りついているという噂もあった。




璋子の養父でもある白河院はいたく心配し陰陽師に祈祷をさせていた。



「病の元は女よ」



元は白拍子で白河院の子をその身に宿していた。その子が王家に災いをもたらすと陰陽師が言ったのだ。



「馬鹿馬鹿しい!」



忠盛は陰陽師の言葉など信じていない。



「なかなかすばしこい女でな」

「大きな腹を抱えて逃げているのに三日経ってもみつからぬ」



忠盛はハッとする。



「ま、手柄を横取りしようなどと思うなよ?」

「いくぞ」



大河姫

しかし、為義の小物感w小日向さん流石名優。

為義は家人を連れて都往路へ女を探しに出て行く。




為義が出て行ったのと同時に馬のいななきが聞こえる。




急いで厩へ戻ると女子が出産していた。



「・・・その子はもしや・・・院の・・・?」




お、うぉおおお!!!



大河姫

厩で産まれた・・・?厩戸皇子!?つまり聖徳太子かキリストか!?

女は短刀を手に忠盛を斬りつける。



「頼むから大人しくせよ!悪いようにはせぬ!」



なんとか、女を落ち着かせるが・・・。




次の瞬間、女は短刀を産まれたばかりの赤子に向ける。



「子を殺されるくらいならこの子を殺して私も死ぬ!」




パーン




忠盛は女に手を上げる。



「母が子を殺すとは何事だ!」

「死んでも子を守るのが母の務めであろう!」



「武士が偉そうに!その薄汚い太刀で何人殺した!」



「武士が太刀を振るうのは役目!」

「お前こそ白拍子上がり!」

「身体を売って高貴な人に取り入る!」



「おぎゃー」



二人の言い争いを赤子の泣き声が止める。




女は赤子に乳を含ませる。




忠盛は気まずそうにそっぽを向くのであった。

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平清盛(大河ドラマ)のあらすじ第1話中巻「平家の太郎」

平家の館


忠盛が保護した女は院が捜し求めている白拍子であった。



「兄上!それはお手柄ではないですか!」



その日の夜。




平家の棟梁である父正盛を囲み忠盛と弟の忠正、側近の家貞たちが顔を揃えていた。




忠正は女を院に差し出せば平家の手柄と嬉しそうである。



「勘違いするな忠正」

「儂はあの女を院に差し出すつもりはない」

「父上!あの女を匿うことをお許し下さい」



忠盛の真っ直ぐな視線に戸惑う父正盛。




院に逆らえばどうなるか・・・。皆、忠盛の強硬な発言に戸惑う。



「堪えよ忠盛・・・」



しかし、忠盛は受入られないのであれば親子の縁を切って構わないとまで言い切るのであった。




忠盛が厩へ戻ると落ち着きを取り戻した女が尋ねる。



「何故私を匿う?」



「俺とて己の務めに誇りを持ちたい」

「罪なき赤子を死なせて何が武士の誉か!」



そして、忠盛は女に飯を差し入れる。



「舞子」

「舞子、と申します」



御所、白河院


御所では源為義が未だに女、舞子が見つからないことを白河院に詫びていた。




白河院




皇位を退いてからも上皇、法皇としてこの国に君臨し続けていた。




白河院は不甲斐ない源氏に業を煮やして平氏にも探索を命じようとしているのだが、為義は源氏の棟梁としてそれだけは今しばらく待って欲しいと御所の庭で地面に頭をこすりつけていた。



「待てぬ!」



白河院が御簾の奥から庭先まで出てくると一人の女御が声をかける。



「そうまでして舞子を見つけてどうなさるのですか?」



院近臣達は女御の登場に戸惑う。



「こ、これは祇園女御様・・・」



大河姫

聖子ちゃん!祇園女御が清盛の母になると思ってたわ。

祇園女御は長年白河院の寵愛を受け権勢を振るっていた。




白河院も祇園女御には一目置いている。




祇園女御と舞子は同郷であり、また同じく白拍子であった。



「女を殺しはせぬ」



白河院は無表情に応えるが微かに動揺が見える。



「子を殺せば同じこと」

「元はと言えばご自身が腹ませた子」



「璋子の命がかかっておるのだ」

「遊び女に腹ませた子の一人二人」



鳥羽帝へ入内した璋子は白河院の養女であり、七歳の頃から殊の外可愛がっていたのだ。




璋子が長く臥せっているのは周知の事実であり、白河院はその原因を陰陽師の言う「白拍子の子」であると信じていた。



御所、鳥羽帝


「もしや、璋子は父(白河院)が恋しいのでは?」



鳥羽帝は璋子を心配し、一度里帰りをさせてはと提案する。



「されど、かように早い里帰りは・・・」



璋子付きの女御である堀河局は鳥羽帝の心遣いは有り難いと感じるが、流石に早すぎるのではと心配したのだ。



「構わぬ、院もお喜びであろう(微笑)」



結局、璋子は入内から日を置かず里帰りをすることになる。




しかし、この鳥羽帝の「優しさ」が後に鳥羽帝自身を苦しめ、さらに王家を真っ二つに割る事件の遠因となる。



平家の館


舞子は平家の屋敷に匿われている。




忠盛が屋敷へ戻ると舞子が赤子を抱えながら洗濯をしている。



「そのようなことは侍女に任せておけば良い」



「いえ!お世話になるだけというのは性に合いませぬ(笑)」

「さ、それもお渡し下さい!」



舞子は忠盛が抱えていた衣服をその手から取り上げる。



「あ・・・」

「!?」

「・・・血が、血の匂いが取れぬのじゃ」



忠盛が抱えていたのは先日盗賊の棟梁「朧月」を斬った時に着ていたものだ。




この日、忠盛は朧月一味を討ち果たした根城の辺りも見回ったのだが、そこで朧月の子と思われる幼子が父を探しているのをたまたま見かけていた。




自分が斬った相手にも子がいた。




忠盛は自身が、武士の存在に疑問を感じてしまっている。




舞子は忠盛に何も言わず唄を口ずさむ。



遊びを


せんとや


生れけむ


戯れ


せんとや


生れけん


「なんだその歌は?」

「今様にございます」



忠盛は「遊ぶために生まれた」という内容を下らないと言捨てるが舞子の解釈は少々異なる。




子供が夢中に遊ぶように、夢中になれるものを見つけることを唄っているのではと話す。



「夢中で生きていれば分かるのでは?」

「何故太刀を振るうのか、何故武士が生きているのか」



その後も舞子は平家の家に匿われ続けていた。




ある日、忠盛は狩りで仕留めた鹿の角を二人が出会った河原で舞子に渡す。



「鹿の角じゃ。魔除けになる」



舞子は忠盛の心遣いを喜ぶ。



遊びを


せんとや


生れけむ


戯れ


せんとや


生れけん


舞子の歌声に引き寄せられるように為義が河原の近くまでやってくる。



「な!忠盛め妻を持ちよったか!?」

「いや、殿、あれは・・・確か逃げた女は白拍子・・・?」



忠盛が少し目を離した隙に。




舞子と赤子の姿が消えた。




舞子がいた場所にはついさっき渡した鹿の角の魔除けが落ちていた。



御所、白河院


「産みよったか!王家に災いをもたらすとは!?」



舞子は赤子と共に院の前に引き出されていた。




その時。




忠盛が単身御所へ乗り込んでくる。




舞子の横に座る。



「王家のため、法皇様のために来た」



大河姫

忠盛意外と口先が斬れる上に根性がある。

忠盛は堂々と述べる。



「陰陽師の言葉に乗って罪なき母子の命を取れば院の御威光に傷がつく」



忠盛の言葉に白河院も一理あるを認める。



「儂とて我が子を手にかけるは気が進まない」

「このままでは陰陽師の言葉に踊った愚かな院となる」

「母親がその身で償え」



院は子を助ける代わりに舞子を斬れと忠盛に命じたのだ。




しかし。



「平忠盛は・・・舞子を我妻としとうございます」

「体面の為に罪なき女を斬捨てよと申すなら・・・私は!」



舞子が穏やかな表情で忠盛に近づくと赤子を託す。



「忠盛様、良い名を付けてくださりませ」



舞子は立ち上がり短刀を抜いた!



「舞子!!」



大河姫

それでも、舞子は安心して亡くなったかな・・・(涙涙)

御所の兵の矢が舞子の身体をいくつも貫いていた。



「片付けておけ」



白河院は無表情で命じ御所の奥へと消えて行った。




赤子は助かった。




忠盛は舞子と出会った河原の側で赤子を抱いていた。




そこに、父正盛が現れる。



「これより平氏の棟梁として院にお詫びに参る」

「我らは王家に仕える者、何故などと疑いを差しはさむ余地はない」

「心しておけ」



遊びを


せんとや


生れけむ


ふと。




忠盛は舞子の唄う今様が聴こえたような気がした。



「子供が遊ぶときは目の前のことに夢中になっております」



舞子の言葉を思い出す。



「平太、お前はこの忠盛の子だ」

「平氏の太郎、平太だ!」

「平太!平太!「平太!!平太!!」

平清盛(大河ドラマ)のあらすじ第1話下巻「父の名は」

七年後。




この平太こそ、後の平清盛である。




この頃、父正盛は既に亡く、忠盛が平家の棟梁となっていた。




また、忠盛は妻宗子を娶り次男の平次も生まれている。




この日、忠盛と平太は海に来ていた。




旧知の漁師、滝次の釣り舟で海へと漕ぎだす。



「どうじゃ平太?初めて見る海は?」



平太は海に興味津々で、さっそく立ち上がろうとするが・・・。



「あ!(イテ)」



揺れる船の上では立ち上がることが出来ない。




しかし、一緒に乗っている滝次の子鱸丸は揺れる舟の上でも立っていた。




忠盛は嬉しそうに平太に言って聞かせる。



「平太、何故鱸丸は転ばぬか分かるか?」

「繰り返し繰り返し鍛えた、身体の軸が出来た」

「漁師として魚を獲るのは鱸丸の軸だ」

「己に問って生きるとは何かが分かると心に軸が出来る」

「身体の軸が心を支え、心の軸が身体を支えるのじゃ」



「海賊だ!」



瀬戸内の海を荒らす海賊。




忠盛の家人の家貞は陸でどうすることもできず動揺を隠せない。




しかも、忠盛が海へと落ちた様に見えた。




落ちたのではない。




忠盛は海を泳ぎ海賊船へと乗り移り、たった一人で海賊たちをねじ伏せてしまう。



「おおおお!」



海賊から奪った宋の国で作られた大剣を振り上げ叫ぶ父忠盛の姿に平太は感激する。




海賊は捕らえられ、忠盛は岸へ戻り帰り支度をしている。



「父上は強うございますな」

「私も父上のような立派な武士になりとうございます」



「では、その気持ちを心の軸とせよ」

「軸を支えられるようしっかり身体を鍛えよ!」



平太の実の父は白河院であるが、平太はそのことを知らない。ただ、その「縁」もあり御所の祇園女御には目をかけられている。




度々女御の元を訪れては双六遊びをしていた。



「平太は強運じゃな!舞子も双六が強かった・・・(遠い目)」



祇園女御は平太を見ると妹のように可愛がっていた舞子を思い出す。



御所、鳥羽帝


この頃、鳥羽帝と璋子との間には顕仁親王、後の崇徳帝が誕生している。




白河院は健在で白河法皇、鳥羽天皇の時代であったが・・・。



「譲位せよと・・・?」



白河院は鳥羽帝に息子の顕仁親王への攘夷を求めたのだ。




しかし、顕仁親王は数えで5歳(3歳7か月)である。



「ちちうえー」

「おお、父に書を見せるがよい」



幼い顕仁親王が「父」と呼び書を見せたのは鳥羽帝ではなく白河院であった。




鳥羽帝は攘夷に抵抗を示すが・・・。



「帝よ。ここは儂の世じゃ」



大河姫

出たな、白河院の口癖「儂の世」が。

鳥羽帝は「権力」を祖父である白河院に奪われたが、それ以上の屈辱を感じていた。



「璋子・・・(涙涙)」



何も知らない顕仁親王は宮中の庭を一人走り回っていた。



大河姫

紫禁城のラストエンペラーを思い出すな。

平家の館


平太、そして弟の平次(忠盛と宗子の子)が庭で遊んでいた。




平太と平次は仲もよく、いつも白い犬イサキ丸を交えいつも三人で遊んでいたのだが、この日、木に登って降りれなくなった平次が木から落ちてしまう。




平太は平次を助けようとしたのだが間に合わなかった。




母、宗子は泣いている平次の元に駆け寄る。そして、気まずそうにしている平太を叩いてしまう。



「平次になにをしたのじゃ!」

「平次なにかあったらお前を許さぬ!」



平太は「母」のあまりの見たことのない剣幕に茫然とする。



「・・・(ハッ)す、すまぬ・・・平太・・・」



大河姫

後悔したな、宗子。

平太は母の様子に不信感を覚える。




さらに。




都往路を歩いている時に、かつて忠盛に殺された盗賊朧月の子、兎丸と知り合う。




兎丸は平太が平家の者、しかも忠盛の子とであると知ると、父の仇と罵る。



「王家の犬が!法皇様からもらい受けた子よ!」



平太は忠盛の実の子ではない。




先程の母の行動からも何かを感じていた平太は祇園女御の元へ走る。



「祇園女御様!教えてくださいませ!」

「父上が出世の為に法王様から貰い受けた子なのですか!?」



祇園女御は来るべきものが来たと哀し気な表情を浮かべるが、丁度その時白河院が祇園女御の元へ下ってきた。




平太は大雨の中御所の外へと摘み出される。



「犬が泥を跳ねおった、早く着換えを」



平家の館


平太は館へ戻って来なかった。



「だからあの時引き取るなと言ったのだ。儂も父上も」

「母を殺され、いらぬから持っていけと言われた子だぞ」



元々、平太を引き取ることも忠正(忠盛実弟、清盛叔父)は反対であった。




乳父の平盛康は平太を見失った事を忠盛に詫びる。



「申し訳ございませぬ」



しかし、忠盛は盛康に、自身に言い聞かせるかのように静かに諭す。



「盛康、平太は知った上で、平氏の男として生きていかねばならない」



それが平太の運命であると。




気付けば雨は上がっていた。




平太は一人都往路を彷徨っていた。




平家の屋敷は自分の「家」ではなかったのだ。




忠盛は自分の父では無かったのだ。



「イサキ丸・・・?イサキ丸!!」



飼い犬のイサキ丸が泥にまみれて倒れていた。




平太はイサキ丸を抱きかかえるが既に息絶えていた。



「犬同士で争い負けたのであろう」

「弱いから負けたのだ」



忠盛が平太を見下ろしていた。



「お前と血を分けたのは法皇様」



「!」



「よいか平太!今のお前は平氏に飼われている犬だ!」

「俺の元の飼われている弱い犬だ!」

「死にたくなけれは強くなれ!!!」



王家に飼われた犬が。




その武士が国の頂点をめぐる争いの頂きに立つ。




この時は誰も想いもよらなかった。




しかし、既に清盛の戦いは始まっていた。




最初の戦いは二人の父との争いである。




以上、平清盛(大河ドラマ)のあらすじ第1話「ふたりの父」でございます。

平清盛(大河ドラマ)の感想第1話「ふたりの父」

平清盛(大河ドラマ)の感想第1話「ふたりの父」。お陰様で当館(ブログ)も2021年2月で丸4年が経過致しました。






現在放送中の大河ドラマの感想を更新しつつ、過去の名作大河ドラマの紹介もしていくというのが一応のコンセプトです。開設当初から歴代最高の大河ドラマ(大河姫談)である「武田信玄(1988)」と、21世紀最高の大河「平清盛(2012)」は書いていきたいと考えておりました。




武田信玄は開設当初から手を付けてはじめたのですが。その後は麒麟がくるに併せて太平記とか、西郷どんに併せて翔ぶが如くと関連のある大河を更新してきたこともあり、平清盛は手が付けられておりませんでした。




また、平清盛はU-NEXTなどでの配信も無かった。
(なんでだろ?)




今年は「初志貫徹」と決意を新たにしたので「平清盛」も更新していきたいと思います。




黄金の日日も始めてしまったので大丈夫かな・・・!?

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平清盛(大河ドラマ)の感想第1話「前途多難」

2012年の放送時もリアルタイムで視聴をしておりました。




平清盛は放送前から期待していたんですよね。




私、元々平清盛はカナリ好きな武将なのです。因みに、吉川英治の「私本太平記」の影響ですけど。




しかし、初回放送時の某知事の「画面が汚い」発言から始まり、視聴率が歴代最下位(当時)、貴族の描写が気持ち悪いだの、朝廷の呼称問題などといった批判に「ぐぬぬ」となっていたことを思い出します。




見るのは9年ぶりですが、むしろこの「汚さ」こそ当時の武士のおかれた象徴であり、白河院や関白様の不気味さはある意味では「腐りかけの朝廷」の象徴なのですよ。




一方で鳥羽院の美しさ。優しさ。




その優しさが招く絶望。



「美しいだけでは長崎殿に勝つことは出来ぬ」



貞氏の言葉を思い出す。




ただ、嘆くことしか出来ない鳥羽院。




そして、その鳥羽院の・・・いや、崇徳院の事は後々にとっておきましょう。




平清盛(大河ドラマ)の感想第1話「父と子」

副題は「二人の父」ですが、前半は正盛と忠盛の「父と子」の物語でもあります。




改めて気付くのは正盛の存在感。




正盛の出番は1話だけ、しかも台詞もそんなに多くはないのに背後のある物語をその表情と背中で語っていた。




中村正盛、カッコイイ。




まあ、これは・・・太平記を見たばかりだから余計に感じるのかもしれませんね。




正盛は王家の命に逆らい舞子を匿う息子忠盛に「若き日の自分」を見ていたのだと思うのですよね。




誰もがかつては若者だった。




正盛も最初から「王家の犬」であることを受入ていたワケではないと思うのです。平家の棟梁としての責任、そして「世の仕組み」を知りやがて「王家の犬」である自分を受け入れる。



「時間が必要」



結局、忠盛が舞子を匿うのを黙認しておりました。今の忠盛に何を言っても難しい。自身で気付くまで待つしかないのです。




ただ、舞子を追い白河院に直訴に及んだことには自身の息子ながら驚いたと思います。



「何故などと疑いを差しはさむ余地はない」


父として、言わなければならないことは言う。




もし、今後も忠盛が「王家に逆らう」ようなことがあれば平家一門の為に忠盛を斬らねばならない。



「儂にお前を斬らせないでくれ」
(儂はお前を斬りたくないのだ頼む)



正盛の言葉からは「強い父」ではなく、苦悩する「弱い父」が滲み出ておりましたね。




少ない出番で奥行を感じさせるキャラクターというのは脚本と縁者の実力の相乗効果が発揮された時に見えるのです。

平清盛(大河ドラマ)の感想第1話「一瞬で輝く」

舞子、良かった。




舞子は強めのキャラなので、下手をすると「違和感」が残ってしまうのですが見事に散ったと思います。




まず、産まれたばかりの平太を殺そうとする場面。



「死んでも子を守るのが母の務めであろう!」



と、忠盛と言い争う。これが後の伏線なんですよね。




白河院を前に、



「舞子を嫁にする」



と、トンデモナイプロポーズをする忠盛の胆力、、、いや無鉄砲さを見た時、



「この人なら子を必ず護ってくれる」



と信じ切ったのでしょう。舞子の安心しきった穏やかな表情が・・・(涙)。




この時、忠盛は平太の父になったのですね。




そして「父」になった忠盛がまたスパルタで・・・!




以上、平清盛(大河ドラマ)の感想第1話「ふたりの父」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

→無料視聴可能な大河!2022年1月22日更新

→平清盛(大河ドラマ)のあらすじと感想第2話「無頼の高平太」

→平清盛(大河ドラマ)のキャスト表