麒麟がくるのあらすじと感想第33話「比叡山に棲む魔物」。天台座主覚恕様のご登場。商才と権謀術数には長けていらしたみたいですね。同じく親王で天台座主となった大塔宮様は武力に長けておりましたので、其々の才能を足して二で割れば無敵の天台座主だったかなとか思いました。・・・俗世から離れて俗世の才能が開花するとは御仏もまた意地の悪い・・・。麒麟がくるのあらすじと感想第33話

麒麟がくるのあらすじ第33話「比叡山に棲む魔物」

元亀元年(1570)年、秋。



近江宇佐山城


「朝倉はなぜ二カ月も出てこない!?」



織田勢の本陣が置かれている叡山ふもとの宇佐山城。




軍議で信長が激高していた。信長としては、叡山に攻め上り朝倉を追い詰めたいのだが・・・。



「叡山は御仏の山・・・」



勇猛でならす織田の重臣達も相手が叡山となっては腰が引けているようである。このままでは一時は鳴りを潜めている三好六角などが背後を突くかもしれない。




戦線が膠着する中、朝倉重臣の山崎吉家から内々に「会いたい」と十兵衛に接触がある。



二条城


「織田も朝倉も何故戦をやめないのじゃ!?」



足利義昭は戦が終わらない事に苛立ちを募らせている。元来戦は嫌いなのだ。




義昭の苛立ちを宥めるのは摂津晴門。




しかし、この晴門は既に叡山と通じている。勿論、このことを義昭は知らない。



大河姫

義昭、お前、女とうつつ抜かしてんじゃなくて、実際観に行けよ。

義昭は無力を嘆きただ駒の存在だけが唯一の心癒しとなっていた。



大河姫

この感じ、義昭も駒もお互い自信あるね。てか、今更だけど。。やってんな。。

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麒麟がくるのあらすじ第33話上巻「再会」

叡山、朝倉本陣


十兵衛は叡山を登り朝倉義景と面会していた。



「昔、越前で面倒を見ていた男がいた」



義景は「十兵衛」と名指しはしなかったが、今こそかつての恩を返す時ではないかと話す。




朝倉勢はこの叡山に約二万の大軍を擁している。




義景は強気である。




しかし。



「ここの辺りが潮時ではございませぬか?」



既に秋は深い。




越前は雪国でありもし冬までの長陣となれば、雪に閉ざされた越前への帰国は困難になる。必然的に雪解け、来春まで叡山から動けないことになり、つまり、それまで二万の兵を養い続けねばならない。




如何に金満越前とは言えこれはかなり痛いはずである。




しかし、それでも義景は「困ってはいない」と余裕の表情である。



大河姫

困ってないwもし、本音なら見えてないよね。まあ、そんな事ないと思うけど、、、

「十兵衛、覚恕様を存じておるか?」

「いえ・・・」



覚恕



現在の帝である正親町天皇の弟にして天台座主である。




義景は丁度、この辺りを通るはずだと縁側に十兵衛をいざなう。




多くの僧兵にかしずかれながら輿に乗った男が目の前を通った。



「信長に伝えよ」

「ここは叡山、戦を終わらせたければ覚恕様に跪くのじゃと」



大河姫

うーん。時代だね。この天台座主はあんまし強そうじゃないね。ああ、大塔宮様。。。

義景はかつて越前で一向宗と戦ったことがある。殺しても殺しても湧いて出てくる一向宗門徒に大苦戦をしいられた苦い経験があった。



大河姫

まあ、そうだね、、朝倉は一向宗に苦労させられてるわな。越前と越後。ちな、後ろには武田信玄。。

神仏を信じるものとの戦はキリがないと自嘲気味に語る。




十兵衛はその「覚恕様」に興味を持つ。



「私を義景様のお力で覚恕様へお引き合わせ頂けませぬか?」

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麒麟がくるのあらすじ第33話中巻「魔物」

十兵衛は覚恕との対面を許された。



女人禁制であるはずの叡山ではあるが、覚恕は遊女と思われる女子を堂々侍らせていた。



「そなた、兄君に会った事はあるか?」



「兄」とは時の帝正親町天皇の事である。






十兵衛もまだ拝謁したことはない。




覚恕は続ける。



「兄君は美しいのじゃ(ニタリ)」



自身が生まれた時父である後奈良天皇は兄と比べて醜い覚恕に衝撃を受けたという。



「生まれた時から歯が3本生えていて醜いとw」



覚恕は父が確かにそう言ったことを覚えているという。



「キャハハ」



侍らせていた女子達が覚恕の話を嘲笑するように笑う。



「・・・笑うでない」



十兵衛はその様子をじっと見ている。



「兄君は美しいのじゃ・・・」

「儂は父君の命で出家させられこの叡山へと入った」

「その折思った!醜い故に外へ出されたのだと!」

「儂はここに来て自身に言い聞かせた!カネがあれば皆儂に首を垂れる」

「その通りになった!ははは!!!!」

「美しき者に勝ったのじゃ!!」



大河姫

ああ、叡山終わった。この金髪豚、、、、もとい、座主様は十兵衛が一番嫌いなタイプwww十兵衛、燃やす決意しましたー

覚恕はこれまでの私怨を晴らした思い出を嬉々として語る。御所の壁すら修理がままならない話などは最高潮である。




しかし。



「それを、織田信長めが次々と掠め取っていく!」

「あの都は儂の都じゃ!返せ!儂に返せ!!」



十兵衛は無表情でなにかを押し殺すように覚恕の思い出話を聞いていた。



大河姫

ああああああああ。燃えるwwwww燃えるよwww駒も十兵衛も直情型。。。

尾張小木江城


織田の主力が叡山に張り付けとなっている状況に呼応するかのように、伊勢長島で一向宗が動く。




一向宗の軍勢は尾張に攻め入り小木江城を落とし城主の信長の弟信興が自刃する。




織田勢は劣勢となりつつあった。




その最中、覚恕は摂津晴門の来訪を受け織田勢の劣勢を聞いて大いに喜ぶ。



「もはや織田は袋のネズミじゃ」

「(覚恕様は)何から何までお見通し」

「成り上がりには夢は見させぬ(wwww)」



摂津晴門と覚恕。




二人が繋がっていることを当然義昭は知らない。




しかし、その二人の密会の内容を菊丸が十兵衛へと伝える。



近江宇佐山城


「摂津が覚恕と密会か・・・」

「公方様の和睦の斡旋が進まないのも道理にございます」



十兵衛の報告に信長は晴門への苛立ちを募らせる。




将軍家による和議は望むべくもない。



「・・・帝だな?帝に使いを出すか!」



十兵衛も頷く。




信長は早速正親町天皇へ和議斡旋の使者を立てる。



御所





正親町天皇と望月東庵が碁を打っている。



「信長が弟覚恕と和睦したいと言ってきた」



正親町天皇は弟覚恕の話を東庵に聞かせる。



「兄に頭を下げさせたい」

「覚恕の頭にあるのはそれだけであろう」



大河姫

あら。流石お上。時代が変わっても同じコトか。。

覚恕は天台座主となってからというもの、女色、闘鶏他賭け事、金貸しとやりたい放題なのである。



「闘鶏は耳が痛とうございます」



東庵は苦笑する。



「長年覚恕が見て見ぬふりをしていたこの屋根を信長は直してくれた」



大河姫

たかが、屋根一つで手に入れたモノのデカさよの。。。

「覚恕は貧しい公家に金子を貸しそれと引き換えに領地を奪ってきた」

「公家たちの苦しみは如何許りか・・・」

「信長を助けてみよう」

「これは朕と弟の戦いやもしれぬ」



大河姫

日本の歴史は家族の歴史。常に、親兄弟の争い。戦国も南北朝も、、、、現在もね。

暫く後。




二条晴良が勅使として下り、和議が成った。




しかし、覚恕、そして晴門はまだまだ策を巡らせている。

麒麟がくるのあらすじ第33話下巻「焼き討ち」

二条城


しばし、都に平穏が訪れる。




この日、二条城で能の宴が催される。




義昭や摂津晴門は勿論だが・・・。




見慣れない顔が一人招かれていた。






先日、鉄砲を譲ってくれた筒井順慶である。




そして。






この宴には松永久秀も招かれていた。




久秀はこの事を知らなかった。




怒りに震えながら宴を後にする久秀と十兵衛はバッタリ出くわす。



「これはいったいどういう事だ!?」

「ま、松永様いったい・・・?」

「今日の宴に筒井順慶が来ているとは聞かされていなかったぞ!」

「!」



十兵衛は驚く。



大河姫

いや、まあ。。コレは十兵衛、お前責任大だと思うで、、、。

筒井順慶と松永久秀は大和で対立関係にある。




しかも、本日の宴は筒井順慶が九条家から嫁を迎える前祝いの意味もあったのだ。




久秀は怒り心頭で二条城を後にする。




十兵衛は茫然とその怒りに震える背中を見送る。



「おや?何かございましたか?」



場違いな明るい声をかけてきたのは晴門である。




十兵衛は晴門を睨みつける。



「何故、松永様をお招きに?」



もし、松永久秀と筒井順慶が顔を合わせるようなことになれば松永久秀が怒り狂うのは分かり切っている。




しかし、晴門は、



「戦も終わり、皆力を併せてと公方様が望まれた」



と、ぬけぬけと宣う。



「戦が終わった?」



十兵衛はその見込みの甘さを吐き捨てるように問い返す。



「戦はむしろこれからですぞ!」



元亀2年(1571年)秋。



坂本織田本陣


「叡山にいる女子供は如何されますか?」

「退去命令はずっと出しておったのじゃ・・・」



信長は叡山にいるものは皆同罪であり討ち果たすように命じる。




この日、叡山には駒から芳仁丸をもらい売りに来ていた少年もいた。



「芳仁丸だよ!よく効くよー!」



その時。




おおー!!!



鬨の声と共に織田勢が叡山へ攻め入ってきた。




叡山は阿鼻叫喚の地獄絵図となる。




十兵衛もまた、この戦に参加している。



「十兵衛様・・・如何しますか」

「逃げる女子供は見逃せ・・・!」



そう命じるのが精一杯であった・・・。



大河姫

、、、分かっていたよね?十兵衛。君は確信犯。権力者は常に確信犯である。

以上、麒麟がくるのあらすじ第33話「比叡山に棲む魔物」でございます。

麒麟がくるの感想第33話「比叡山に棲む魔物」

麒麟がくるの感想33話「比叡山に棲む魔物」。正親町天皇と天台座主覚恕の関係を見るにつけ、改めて思うのです。






日本で起こる殺人事件は概ね家族間で行われるとか・・・。

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麒麟がくるの感想第33話「兄弟」

信長と信勝。




最近だと巌勝縁壱




そして、正親町天皇と覚恕。




御仏は覚恕の荒んだ心を癒すことはできなかった。ただ、叡山に入ったおかげで「金儲け」と「権謀術数」の才能が花開いた・・・。




俗世から最も遠い処にあって、最も俗世的な才能が花開くというのはなんとも皮肉が効いております。




雰囲気は全く異なりますが、かつての天台座主大塔宮護良親王も別の意味での「俗世の才能」を開花させておりましたね。ま、これは余談ですが。




叡山で天台座主となり五万と号する僧兵を操り貧乏公家から領地を巻き上げ、肥え太り、兄の帝を遥かに凌駕する富を得たのに。




兄の帝は御所の修繕の費用にさえ事欠く有様。



「美しき者に勝った!」



悲しいかな、勝ってない。




そして、「勝っていない」ことを一番よく分かっているのは覚恕本人。




覚恕は永遠に勝つことは出来ないのです。




何故なら・・・。



「儂は、兄(正親町天皇)になりたかったのだ・・・」



つまり、こういう事なんでしょうね。

麒麟がくるの感想第33話「確信犯」

松永久秀激怒問題と比叡山焼き討ち。




十兵衛は二つとも「確信犯」ですよね。




そりゃ、摂津晴門が敢えて二人を招いたことに「意図」があるのは認めますが、そのきっかけを作ったのは十兵衛だし、摂津晴門の言い訳も珍しく?!めちゃめちゃ筋が通っている。



「公方様が望まれたのをなんで拒めようか?」



そして、比叡山焼き討ち。




苦悩の表情を見せていたけど・・・。




これもまた、お前が望んだ、少なくともこういう結果になることは十分予見していたはず。




他人事のように振る舞うのは卑怯にございましょう。




権力者は常に確信犯なのです。




十兵衛、君はもう権力者なのですよ。




以上、麒麟がくるのあらすじと感想第33話「比叡山に棲む魔物」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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