大河ドラマ武田信玄第2話の感想にございます。改めて30年前の作品とは思えぬ素晴らしい作品と思いまする。今宵の見どころは信虎殿と晴信の対決の場面にございます。

第1話との比較が味わい深い

今宵、晴信はその大器の片鱗を見せておりました。倉科殿とのやりとり、そして八重殿とのやりとり、そして決断の早さ。我が子ながらも21歳にして底が見えぬ才気を感じるのです。ただ、私は心配な事もございます。人の心は中々に難しいものでございますが、晴信は物事が見えすぎ、その事が返って物事を、人の心を見えなくなってしまうのではと不安もあります。

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信虎殿に対する晴信の変化

冒頭、倉科党の屋敷にて、信虎殿への「謀叛」を請われる場面。結果的には山本勘助殿がその様子を窺っている事に気が付いて、


「間者の見てる前で謀反の相談など笑止!」



と申しておりましたが、この頃既に晴信の目にも甲斐の領民の暮らしがもはや限界に達している事に気が付いていたかと思います。ただ、倉科殿が晴信を買ってくれているのは甚だ嬉しくはありますが、残念ながら、晴信は山賊に毛が生えた程の豪族では信虎殿を倒す事なのど出来ないことを知っております。また、この時点では、倉科殿は「信の置ける方」ではございません。




また、弟達と弓の稽古においても変化が見て取れます。第1話では本心から信虎殿を父として尊敬し、さらにはその信虎殿に認めて欲しいという想いがあったと思います。しかし、今は敢えて「的を外す」といった行動に。なぜ、晴信がそのような行動に出たのか。これは遅れてきた「反抗期」だったのかもしれません。ただ、その後「廃嫡」の話が出た時。



「武田家の家督を継ぐ派兄者を置いて他にはいない!」



信繁の言葉に信虎殿は「謙譲の美徳」と申しておりましたが、よき弟を持ったと、晴信も思ったのではないでしょうか。信繁も信廉も我が子(大井夫人の子)ではございますが、晴信以外の二人は信虎殿との中は悪い物ではございませんでした。後に、信廉は信虎殿の画を描いております。

八重殿との長い「戦」の始り

既に三条殿が甲斐へ嫁がれて6年の歳月が流れておりましたが、八重殿と晴信の長い長い戦いが始まったのかもしれません。



「人を殺める目をしている。」



どうやら、おここを殺したのは八重殿なのではと、疑った、いや確信をした様子。そして、同じく八重殿もまた晴信が「只者ではない」事をご理解をされたよし。この先が不安でございます。ただ・・・。八重殿の三条殿に対する忠誠心は誠のものと思いまする。

信虎殿、いや平幹二郎殿が圧巻

今宵の見所はなんといっても信虎殿VS晴信の親子対決。正直、「戦国武将武田信玄」は戦国随一の名将であり、「武田夫信虎」を遥かに凌駕していると思います。ただ、「平幹二郎」は流石、当代きっての名優にございます。その存在感は、圧倒的にございました。

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まるで舞台を見ているような感覚

らんが桜の木に戒められ、それを見ながら酒を飲む信虎殿。私が申し上げました通り、「心の病」に侵されています。その様子が万華鏡のように




「喜」「怒」「哀」「楽」そして「茫」の変遷・・・。
これは現実でも「心の病」の症状そのもの。
そして、自分の発言にもよっていく様。




目を爛々と輝かせ、激しく移り変わる喜怒哀楽。
謝る、私(大井夫人)にらん殿の罪を数え、また戦の怖ろしさに脅える様。



怒:「ーつらんの罪は儂の白髪頭を笑った事!」



哀:「戦は怖ろしや・・・この白髪一本一本が敵の首じゃ」



晴信が間に入り、らんを許して欲しいと謝罪をすると様子が変わって楽し気になり・・・



楽:「脅えるではない!酒でも飲まぬか?」



しかし、晴信がまずらん殿を放せと言えば。



怒:「儂の機嫌を損ねる奴じゃ!」



立ち去る晴信に向けて・・・



喜:「逃げる時は素直じゃの?母に手を曳かれる・・・」



私が圧巻の存在感と感じたのは、晴信を斬りつけた後、手元が狂ったのか・・・。それとも・・・?ただ、兎に角晴信を斬り損ねた事に自分自身で驚き、「茫」となる信虎殿のご様子にございます。




この場面は恐らく一本どりではないかと思いまする。10分異常の間?信虎殿、いや、平幹二郎殿の独壇場にございます。夜のかがり火と桜と戒められた女子・・・。いや、本当にこの世のものとは思えぬ、美しい映像にございました。昨年、2016年にお亡くなりになってしまいましたが、不出世の名優にございました。




正直、お若い頃の作品はあまり存じてはいないのですが、私にとりましては、「信虎殿」は「平幹二郎」殿にございまする。また、後の、加納随天も中々味のある役にございました

真田丸にて

ここは余談にございますが2016年の大河ドラマ、「真田丸」にて息子の平岳大殿が、我が孫勝頼を演じておりました。平岳大殿は大河出演は「篤姫(2007年)」での徳川慶喜役、「江~姫たちの戦国(20111年)」の佐治一成役とに続いて真田丸は3度目のご出演。




残念ながら「真田丸」は我が甲斐が滅びるところからにございまして、第1話、第2話のみの出演ではありましたがその儚さで、たいそう評判となっておりました。雰囲気は私の知る平幹二郎殿とは異なりますが、今後も、是非大河にてご活躍をご期待申し上げいます。

今川家一門登場

晴信の前半の好敵手でありまた、同盟国である今が義元殿とその御生母である寿桂尼殿と軍師である太原崇孚殿の揃い踏みにございます。

「直虎」とはまた異なる今川一家

2017年の大河ドラマ「おんな城主直虎」の義元殿も中々の存在感ではございますが、やはり、私は今が義元殿というと、中村勘九郎殿と岸田今日子殿の母子が思い出深くございます。ただ、共通しているのは義元殿、寿桂尼殿、そして太原崇孚殿の3人がいる今川家に隙はございません。



※関連記事:一糸乱れぬ今川の統治
→直虎感想第3話より



此度も、



「勝ち名乗りを上げた方の約束を守ればいい。」



と、寿桂尼殿は危険もなく、最も効果的な対策を進言されておりました。
しかし、これは「より力がある者が甲斐の国主になるべき」というお考え。隣国甲斐の弱体化を狙えばよいというものではない。北条殿にも備える事を考えれば、「駿河の役に立つ」国ではなければならないとのご発言。私のように政に疎い者には、ただ、隣国は弱くなった方が安心と考えがちにございますが、流石は寿桂尼殿と存じ上げまする。



※関連記事
→寿桂尼の実像は大河ドラマとは異なる?



ただ、その後の運命をしるものとしては、特に、寿桂尼殿には少々気の毒な事であるかと思いまする。さらに、山本勘助殿より晴信の見立てを聞いた義元殿のご発言がまた・・・皮肉な運命を感じない訳には参りません。



「味方等という者は、常に敵の仮の姿と思わねばならぬ。」



流石は、「海道一の弓取り」と評されるだけのお方ではございます。




さて、いよいよ次週は信虎殿と晴信の争いも最期の時。
夫か、実の息子か・・・。




今宵は此処迄に致しとうございます。

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