太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第20話「足利決起」。足利家がついに決起。登子と守時兄妹の別れは涙。そして、高氏は判官殿を完全に飼いならしたかな?20話から「三木一草」の一人、名和長年も登場。楠木正成と同じ「田舎者」ではありますが随分と雰囲気が・・・(笑)。太平記のあらすじと感想第20話

太平記(大河ドラマ)あらすじ第20話「足利決起」

元弘元年(1333年)3月27日。




出陣の日の朝。




高氏は誰よりも早く起きると、庭先で一人澄み切った青空に向けて無心で鞠を蹴っていた。



大河姫

を?蹴鞠か?ありゃーありゃーありゃー!直義は・・・呼ばないのか。

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太平記あらすじ第20話上巻「出陣」

高氏は出陣に際し、直義と師直に改めて覚悟を問う。




これから戦う相手は北条殿であると改めて宣言。



「幕府をこの手に握る」



と、覚悟を告げる。



大河姫

おお!幕府をこの手に握る!

かつて、平家を倒し武家の世を創った源頼朝に倣い新しい武士の世を創るため北条殿と戦う。




衰えたりといえども、北条殿を頂点とする幕府は強力である。勝ち目の見えている戦いではない。




もし、勝利をつかむ事が出来ても・・・。



「我らは裏切りも刻印を押されよう」

「その覚悟があるか!?」



直義も師直もその覚悟は出来ていると高揚した表情で請け合う。




高氏は父、貞氏の言葉を思い出す。



「父のように迷うな、神仏の許しあれば天下を取れ!」



出陣する兵と共に盃を割る。




登子と千寿王も見送りに来ていた。



大河姫

ああ、登子・・・可愛いな。

高氏は二人に笑顔を見せる。



「千寿殿!父はすぐに戻る!」

「戻ったらまた、馬に乗せてやろう!」

「母上を頼む」



小さい千寿王は父高氏の言葉に頷く。登子は目に涙を浮かべ、夫高氏を見つめていた。



大河姫

登子、涙堪えたね。どうするつもりじゃろ?

北条一門は足利家の出陣を心待ちにしている。




北条高時邸には高時や守時、貞顕、そして長崎父子も足利軍の出陣を待っていた。



「ええい!足利殿はいつになったら現れるのじゃ!」



足利嫌いの長崎高資は苛立つ。父、円喜は口をへの字に結び黙っている。



「高資・・・足利殿は妻子をこの高時に預けたのじゃ・・・」

「足利殿は今も昔も良き縁者ぞ・・・」



高時にそう窘められ高資は沈黙する。




その時、高氏が門前に現れる。



大河姫

高氏、やっぱ軍装はかっこ良いな。

見事な武者振りに皆、一瞬息を呑む。



「儂からの餞である、受け取られるが良い・・・」

「足利殿、頼みに思うぞ・・・!」



「は!」



大河姫

あ!ここで源氏の白旗もらうのか。マズったよね。錦旗ほどではないけど、錦旗に次ぐ位の効果ある。

高氏は高時から包みを受け取ると、鎌倉から出陣する。



大河姫

高時と金沢貞顕は信じている。守時は不安気。円喜は・・・疑っているな。

この日、鎌倉を出発した足利勢は三百に満たなかったと伝わる。その出陣の様子をかつて、共に将軍の近習を務めていた宍戸知家も妻と共に見送っていた。



大河姫

足利軍は僅か三百か。

船上山行宮


足利が鎌倉を立ったという知らせは、隠岐を脱し伯耆国船上山の行宮いる後醍醐帝の元にも届く。



「足利はしかと朕に心を寄せているのであろうな?」

「は!岩松からしかと聞いております」



「足利は源氏の棟梁、足利が動けば天下が動きます」



愛妾の蓮子の言葉に満足気に頷く。




船上山を守るのは伯耆の豪族名和長年である。




後醍醐帝の隠岐脱出を知った鎌倉方は船上山にも兵を送ったが、名和長年とその一族はこれを良く防いでいた。その働きぶりには皆評価するのだが・・・。



「何分、田舎育ちでございますから・・・(笑)」



蓮子をはじめ、後醍醐帝の側近達も名和長年の忠誠心を心強く思いながらも、その田舎者丸出しの感じに苦笑する。



大河姫

名和長年はヤバいよ。強い。

その名和長年が後醍醐帝へ謁見を許される。



「名和、其方は家紋を欲っしておったな?」

「はは!名和長年、さすれば一生の誉れにございます」

「これを」



帆掛け船


名和一族は海運業を営み財を成していた。後醍醐は自ら筆を取り、帆掛け船の家紋を描き下賜する。




名和長年は恐懼してその家紋を受け取るのであった。



大河姫

この名和長年はちょっとイメージ違うなw

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太平記あらすじ第20話中巻「置文」

三河矢作の宿


元弘3年4月4日。




途中、一族の加勢を加え五百ほどになった足利勢は三河・矢作の宿に入る。足利一門にとってここ三河こそが本拠地と言っても過言ではない。




一門の長老格でもある吉良貞義、今川範国を筆頭に一門十九家が高氏たちを迎えた。



「爺(吉良貞義)!久しぶりじゃの!今川殿も!」



高氏の武者振りに吉良貞義は感じ入り喜ぶ。




師直は早速、どれくらいの兵力が集まっているのかを尋ねる。



「併せて三千百ほどでござる!」



「おお!それでは我らが五百と加え三千六百・・・!」

「三河の兵こそ足利本隊!何とか形になりましたな」



「あと、美作、丹波で五千ほど」



これでようやく陣容は整った。



「処で・・・我らの相手はいったい誰になりますか?」



爺は高氏に尋ねる。



「ほう?誰とは?まだ申していなかったか?」

「はい、戦をするとだけお聞きしております」

「では、改めて申しておく」



一門衆の緊張が伝わる。



「我らの相手は北条殿じゃ!北条殿と戦をする!」



「戦をするに不足なき相手!!」

「その相手なら諸国の源氏が味方しましょうぞ!(涙)」



爺こと吉良貞義はじめ、一門衆はみな高氏の言葉を喜ぶ。




そして。



「師直!置文をここに!」



高氏は先々代、高氏にとっては祖父に当たる足利家時の置文みを持ってこさせると、皆に向け読み上げる。



「故あらばこそ、ここに書き置くなり」

「死するに辺り、我より後の子に託す」

「我に代わって天下を取り・・・」



かつて、足利家時は所謂「霜月騒動」に連座し、自害していた。



「叱れども、我に徳なく、夢虚しく敗れ、僅かに家名を守らんがため一命をなげうつのみ」

「我よりも後の子に託す、我に代わりて、天下を取れ!」



高氏は打倒北条の姿勢を鮮明にする。同時に、船上山にいる帝に対しても「北条討伐」の綸旨を得るために使者を送った。



大河姫

実際は「色々と」揉めたとも言われているんだよね。確かここで北条の使者を斬ったはず。

その日の深夜。



「本日あるを夢見て仕えてきました・・・」

「申し上げることはありません」



右馬介は北条一族に親兄弟を皆、殺されていた。ただ一人、右馬介だけが貞氏に匿われ、ここ三河で一色右馬介として生きてきたのだ。



「此処までこれたのはそちの助けあればじゃ・・・!」



高氏もまた、これまの右馬介の働きに礼を言うのであった。



近江、佐々木領


足利勢は東海道を西進し、いよいよ近江へと入る。




近江は宇多源氏の流れを汲む佐々木道誉の領国でもある。



「何!?佐々木殿の兵が!?我らが足利と分っておらぬのか!?」

「佐々木殿は我らと同心致すのではないのか!?」



直義は佐々木道誉の軍勢が立ちはだかり、弓を構えて近づけないと報告を受け訝る。師直もまた、道誉の動きを不信がる。



「儂が直接行って話をしてこよう(笑)」

「兵を半里ほど下げておけ」



「な!?それは危険にございます」



師直は血相を変える。



「判官殿を相手にしても致し方あるまい?」



高氏は心配する直義、師直を他所に、一緒に猿楽でもみるようにさっさと前線まで出て行く。



大河姫

原作では藤夜叉母子は判官の元にあった。

物見の報告通り、佐々木の兵が弓をつがえ、行く手を阻む。



「殿!」

「師直!足利高氏が来たと言って参れ!」

「!」



大河姫

高氏、単身乗り込む!れこそ高氏の真骨頂な!やっぱり西郷先生っぽい。

師直は渋々、弓をつがえる佐々木の兵の前で主君足利高氏が道誉に会いに来たのだと叫ぶ。ほどなく、高氏は道誉の屋敷に通される。



「判官殿!判官殿は何処じゃ!おお!判官殿!」

「これはこれは足利殿!よく参られた!」



道誉は日の本が描かれた見事な屏風の前に軍装で座していた。



大河姫

この日本地図が描かれた屏風はアレだ。三条殿が武田の旗を立ていた金屛風だね。

二人は旧友のように再会を喜ぶ。




高氏は北条殿の命令で西進してきたと告げ、すでに北条一門では手が足りず、外様を借り出す北条一門を無様であると話す。




また、自分は「北条殿に戦を命じられている」が、道誉もまた軍装である理由を尋ねる。



「なぁーに!北条殿の命で足利殿に不信な動きあればこれを討ち取るように命じられたのよ」



道誉は屈託なく話す。



「無様な北条殿に従う、判官殿も無様よの(笑)」

「判官殿はこのまま通してくれれば良い!後ろから矢を射ったりせず(笑)」



道誉の表情が険しくなる。



「其方、鎌倉を攻めると申したではないか?」



高氏は道誉の背後の「日ノ本の屏風」を倒して道誉の前に広げる。屏風の後ろには完全武装の兵が控えていたが、高氏は気にも留めない。



「鎌倉を攻めるとは申しておらぬ(笑)」

「北条殿を討つと申したのじゃ!我らは京、六波羅を攻める」



「何!?」



高氏は既に、北条の大軍はほぼ西へ送られており、京の北条軍が敗れれれば鎌倉は手足をもがれた頭だけで倒すのは容易いと説明する。



「北条殿は手足となる軍勢を送り過ぎた」

「今後の政は京で行われなければならない」

「判官殿は、黙ってみていればよい」



「成程の・・・(笑)」

「鎌倉は攻め難い、兵を貸せなどと言われれば、その首北条殿に差し出そうと思っていたが(笑)」

「じゃが、一つ気に食わない」



「?(笑)」



「黙ってみていればよいとは!儂も連れて行け」



「それもよかろ(笑)来るしゅうない」



二人は心底楽しそうに大笑いをする。



大河姫

高氏は判官を分かっているね。

太平記あらすじ第20話下巻「兄と妹」

鎌倉、赤橋守時邸。




その夜、赤橋守時邸の登子は寝付けずにいた。




ふと、人の気配がする。



「右馬介・・・!?」



気付くと、忍び姿の右馬介が千寿王を抱えて、寝室にいる。



「何事ですか!?」



「殿は北条殿を敵とするお覚悟を決めました・・・!」

「このままでは命が危のうございます」

「外に輿を用意しております!ささ!早く!」



登子は千寿王を抱えて、右馬介の案内で部屋を出るが・・・。




ふと、庭を見ると月に照らされ花を散らしている美しい桜が目に留まる。



大河姫

桜の木・・・。守時。。。

「右馬介!千寿王を!」

「お方様!?」

「兄は・・・兄はどうなりますか!?兄を見殺しには出来ませぬ」



登子は千寿王を右馬介に託し自分は残ると言う。右馬介と侍女の必死の説得にも頑なに脱出を拒む。



「兄上を見殺しには出来ない」



その時。



「・・・兄上・・・!」



守時が騒ぎを聞いてやってきたのだ。しかし、守時は屋敷の者には「騒ぐな」と厳命していた。



「兄上・・・登子は、登子は兄上の為に何一つ・・・(泣)」



「登子、これは世の流れ」

「儂が出来なかった世を足利殿と」

「足利殿にも出来なければ千寿王に・・・」



守時は諭すように千寿王と共に逃げるようにと話す。



「此処に残って儂と死んでも良き妹とは思わぬ(笑)」

「其方は北条の一族に非ず」



登子は右馬介と共に赤橋守時邸を脱した。




高氏は京に入る。




この頃、幕府軍は叡山では大塔宮、淀・播磨では赤松則村、河内では依然楠木正成と戦っていた。




高氏は播磨赤松勢の面前を素通りし、丹波篠村に入る。




丹波の一族も加えた足利勢は総勢一万を数えていた。




元弘3年5月7日。





篠村八幡宮。




源氏の白旗が翻っている。



「直義、旗揚げの祝い矢を」

「おう!!」



直義が放った矢は青空に吸い込まれて行った。



「南八万大菩薩!」

「敵は京六波羅北条軍なるぞ!」



足利勢と六波羅軍の戦端がついに開かれるのであった。




太平記(大河ドラマ)のあらすじ第20話「足利決起」でございます。

太平記(大河ドラマ)感想第20話「足利決起」

太平記(大河ドラマ)感想第20話「足利決起」。登子と守時の別れは泣けた。沢口登子の愛おしさがさく裂しておりました。秀吉の妻ねねも良かったですが、やはり「登子」がはまり役かな。そして、高氏と判官殿のやり取りですが完全に「飼いならした」感あり!飼い慣らされた判官殿も「満更でもなさそう」ですね。

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太平記感想第20話「桜」

右馬介と侍女に連れられて赤橋邸の廊下を走る登子。




庭の桜を見た時に千寿王を右馬介に預けて自身は留まると決意します。







この桜を見た時に兄守時との思い出が溢れ出したのでしょうね。




思い詰めた沢口登子の表情で私は号泣です・・・。




高氏と貞氏が初めて赤橋邸を訪ねた時(第6話「楠木登場」)、貞氏は見事な庭の褒めていました。
(庭を称賛するのと同時に登子を称賛していた)




二人の父である久時が亡くなった時、守時は12歳、登子はおそらくまだ2歳位。




守時は登子に淋しい思いをさせないように、亡き父が丹精込めて創った庭を登子にも見てもらえるよう大事に育てていたんだと思うのですよね。




その姿を登子もずっと見てきた。




幼い登子と何度も庭の桜を愛でてきたのですよ。




それを思うと(涙涙涙)。。




登子は足利に嫁入りし、高氏には「一応」大事にされて千寿王という子宝にも恵まれておりますが、まだまだ「足利の者」として過ごした時間よりも「守時の妹」として過ごした時間の方が長い。




そして、そんなことまで全て守時は分かっている。




自分を責めるに決まっている登子の性格も分かっている。




なので、



「此処に残って儂と死んでも良き妹とは思わぬ(笑)」



嗚呼!




自分の死で登子が心を傷めないよう諭す守時の優しさにも涙でございます・・・。

太平記感想第20話「飼い主」

涙の後はちょっと微笑ましいお二人の関係。




高氏と道誉の関係。




出会った当初は「サディスティック判官」に振り回されていた高氏ですが完全に道誉を飼いならしましたね。




飼いならされた道誉の「嬉しそうなこと」この上ないw




素晴らしい飼い主に恵まれると「犬」も幸せなのですよ。




道誉は利に聡い部分もあるので「取引」は大好きなんですけどその本質は「損得」ではないんですよね。



「楽しいか、楽しくないか」



いや。



「美しいか、美しくないか」



かな?




そして、安全圏にいないと力を発揮しないw




前回、鎌倉で高氏と会った時に、道誉は高氏の「器」はもしかすると尋常でないかもしれないと感じていたと思います。




今回それが「確信」に変わりましたね。




高氏はまたまた、道誉には安全圏を提案。




道誉は長崎円喜から「足利が鎌倉を突くようなら背後襲え」と命じられております。




ちゃんと、近江を抜けて京へ入るのであれば道誉の役目は果たしている。仮に、足利がその先の京で反旗を翻したとしても。




もし、足利が負けても道誉は長崎殿から責められる謂れはない




無いが・・・。




ついに道誉は耐えきれなくなった!



「この飼い主は最高じゃな!」



ここから、新しい二人の関係が始まるのでしょうね・・・!

太平記感想第20話「田舎者」

最後に、所謂「三木一草」の一角名和長年について。




名和長年は伯耆の豪族で確かに「田舎者」ではあるのですが、楠木正成と比べるとちょっと「田舎感」が出過ぎ気がしました。




年齢的には正成よりも上で恐らく当時五十代半ばくらい?




その忠誠心楠木正成に勝るとも劣らないもので、後醍醐天皇に御味方すると決意して家屋敷を焼き払っていると伝わります。
(その時、妻子も一緒に焼き払った・・・?とかいう話もあった)




後に高氏改め尊氏と後醍醐天皇が対立するに至り楠木正成が最も頼りにしたのもこの名和長年。




私の中では「知将」のイメージだったので・・・w




この先ちゃんと「知将」っぽい動きはあるのかな・・・?




以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第20話「足利決起」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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