太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第16話「隠岐配流」。ここから新田義貞役が根津甚八に交代。河原で高氏と義貞が昔話をする場面はよく覚えておりました。「鵺」佐々木道誉が帝相手に本領発揮しますが「恋に落ちて」その後精彩を欠いてしまって・・・。太平記のあらすじと感想第16話

太平記(大河ドラマ)あらすじ第16話「隠岐配流」

元弘2年(1332年)3月。
隠岐へと流される後醍醐天皇は美作、伯耆と下っていた。既に、都からは遠い。一行には三位の局阿野廉子、小宰相の局も同行している。護衛に佐々木道誉が従っていた。



大河姫

隠岐へ配流か。小宰相の局・・・冬の海へ・・・。

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太平記あらすじ第16話上巻「隠岐へ」

「判官!判官を!」

「何事でございましょうか?」

「二十日程輿に揺られて御上もお疲れ・・・休憩して灸などしてはと」



廉子の提案に道誉は先馬を走らせ、も草集め、さらに休憩に丁度良い宿を探すよう即座に命じる。



「ここはもう都から遠くございます」



道誉は六波羅の眼も届かないこの辺りであれば、自身の裁量でなんでも出来ると言上する。廉子はその言葉を喜ぶ。



「御上も佐々木がいる事が心強いと仰せです」

「はは!」



大河姫

流石、懐に入るの天才!いかんねぇ・・・彼は鵺だと教えてあげたい。

この帝の隠岐への旅を右馬介が追跡していた。右馬介は高氏の命令でその無事を確かめ、道中の様子を高氏に書き送っていた。



「宮方による帝の奪還もなく」

「また、鎌倉方による暗殺の動きもなく」

「一行は無事に、隠岐へと向かっております」

「ただ、佐々木殿の動きに解せぬものこれあり」



道誉は「敗軍の帝」に徹底的に尽くしていた。道中、花見、酒、そしてお灸・・・。




しかし、物見遊山と見紛うばかりの旅もいよいよ終わりを迎える。



「それがしの護衛は此処まで」



ここから先は、同じ一族の佐々木清高が隠岐まで護送する。



「長い旅路であったが、そちの心遣い忘れぬぞ」



後醍醐は道誉の肩に手を置くとさらに続ける。



「惜しい奴よ・・・何故汝は公家に産まれず、鎌倉武士などに産まれたか」

「産まれ直せ・・・其方はまだ若い。時があれば産まれなせるはずだ」

「産まれなおして朕の側に来ぬか?」

「また、会おうぞ」



「は、はは!」



道誉は平伏する。



大河姫

ん?もしかして道誉、恋に落ちた??

鎌倉では足利兄弟が、道誉の「甲斐甲斐しい」道中の様子について報告する右馬介の書状を読んでいた。



「兄上、佐々木殿は分らぬお方ですな・・・ただの節操なしかと思っておりましたが・・・」



もし、ただの節操なしであれば、都を追われた「先帝」にこびへつらう必要などないはずである。



「佐々木殿の本心は宮方なのでしょうか?」



高氏はその問いに直接は答えない。



「皆の正体が見えてきたな・・・皆の正体を見定めねばならぬ」

「見定めて、なんとなさいますか?」

「(笑)直義ならどうする?」

「皆の力を結集して北条殿を討ちます」



直義が自身の意見を述べていると、師直が「赤橋守時」が密かに足利屋敷へまかり越したいと希望していると知らせてくる。高氏は「葬儀自粛」を命じた件を詫びに来るのだと察する。師直に登子と母清子も呼ぶように伝える。



「亡き、貞氏殿の葬儀は幕府を上げて執り行うべきところ」

「世情乱れたる折節なれば・・・」



守時は上座にあるが、貞氏葬儀の件を詫び、頭を下げる。



大河姫

守時・・・辛いな・・・。頭下げまくり。登子はもっと辛いか。

「足利の者は皆赤橋殿のお気持ちはよく分かっております」

「さ、頭をお上げ下され・・・却って恐れがましゅうございます」



高氏は既に、貞氏の葬儀は近親者のみを集め足利荘で行うこと、鎌倉殿のお手を煩わせることはないと穏やかに伝える。



「足利の地は父上にとっても思い出深い土地」

「その地での葬儀は良い供養になるかと・・・のう?母上」



母、清子は頷く。



「赤橋様、今高氏が申した事は我らの偽らざる心根じゃ」

「さほどに気を御遣いなさりまするな・・・」

「我らの望みは何処までも北条殿と穏やかに手を携えて静かに暮らすこと」

「亡き貞氏殿もそのように願っておられよう」

「弔いゴトなど取るぬ足らぬことよ、高氏殿?貞氏殿?」



「はは」



足利兄弟は母の問いに答える。



「そのお言葉をお聞きし、守時いくらか肩の荷がおりました・・・」



大河姫

母清子の言葉は「本心」だと思う。高氏は分からんけど、というかほぼ偽りだけど!

赤橋守時はいくらか安堵の表情を浮かべ改めて頭を下げる。その様子を登子は心配そうにみつめていた。




その夜。




高氏は寝所で登子から昼間の清子の言葉を聞いて安心したと話す。



「義母上様のお言葉で兄もいくらか気が楽になったと存じます」



登子は「葬儀、まかりならぬ」の命が出てからというもの、兄守時が悩んでいたと話す。



「足利殿に申し訳ない、執権でありながら力がないばかりに」

「しかし、お腹立ちの上短慮を起こされたら、執権としてモノ申さねばらぬ・・・」

「それが辛い」



高氏はそのような政治的な悩みを話すことを意外に感じる。登子によれば、幼くして親を亡くしている事で、いつも二人でなんでも話して来た名残だと笑う。



「私が足利の者と分かっていても、幼い頃の悪い癖で兄は何でもよく話します」

「最近は泣き言ばかり、余程執権の務めが身に会わぬのでしょう」



高氏と登子はいつの間にか起き上がり話をしていた。



「時々、愚にもつかぬ事を思います」

「兄も北条を辞めて登子のように足利になれば良いのにと」

「そうすれば、何事か起っても兄と殿が敵に味方に別れることにはなりませぬ」

「そのような事になったら・・・そのような事になったら(涙)」



大河姫

兄上も北条を辞めて・・・。殿と兄上の争い。ああ、登子は感じているのね。

高氏は登子を抱き寄せる。



「何をそのような・・・愚にもつかぬ事じゃ」



しかし、登子は涙ながらに続ける。



「弱いものは、、、、登子は怖いのです・・・」



「案ずるな・・・思い過ごしじゃ・・・思い過ごしじゃ!案ずるな」



大河姫

高氏はズルい男・・・。

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太平記あらすじ第16話中巻「源氏と平氏」

貞氏の葬儀は日を置いて、足利荘でしめやかに執り行われた。




斯波家、吉良家、今川家など足利家から分家をした有力御家人、そして幕府からは金沢貞顕が参列した。




また、足利と同じく源氏の流れを汲む上野国の新田義貞、そして、その新田とは縁戚の有力豪族岩松経家も参列していた。



大河姫

岩松経家は確か帝の隠岐脱出にも関係するはず。

一通りの葬儀が終わると、金沢貞顕は高氏に改めて弔意を示す。



「儂は得宗殿の使者としてではなく、御父上の友として参じたつもり」

「堅苦しい挨拶は無しになされよ」



貞顕は穏やかにそう告げると、在りし日の貞氏の想い出をる。二人はよく碁盤を囲んでいたのだ。貞氏はじっくりと熟慮して一手、一手碁を打った。



「良いか高氏殿、何事も我慢じゃ」

「御父上のお心が高氏殿の御心に宿らんことを切に願っております」



大河姫

じっくり考え、我慢強く・・・。そやな。貞氏の人生。しかし、遺言は「父のように迷うな」であったとは貞顕は知る由もない。

「はは・・・」



高氏は頭を下げるのでった。金沢貞顕の挨拶の後、岩松経家もまた高氏に挨拶をする。



「岩松殿、此度は・・・」

「足利殿、それがしはこれからすぐに京へ立たねばなりませぬ」

「京へ?」

「鎌倉殿の命で御所の警備に・・・あれなる新田殿と」



新田義貞とは茅ヶ崎で藤夜叉に会えなかったあの日以来の再会である。



「お手間は取らせませぬ、新田殿もそれがしもお話したき議ございます」



大河姫

新田義貞、変わった。正直、こっちのイメージの方が残っている。

岩松経家の誘いで三人は渡良瀬川の畔まで馬を走らせる。




三人は馬を降りると岩松経家が口火を切った。



「隠岐の帝をお救い致す所存」



幕府は宮方を恐れるあまり、隠岐に流した帝を弑逆しようとしているという噂もある。岩松経家の弟が阿波で船を扱って海賊のような事をしており、それを活かして救うつもりだと話す。



「救って如何する?」



「阿波にお移り頂き諸国の宮方に決起を促す」

「幕府とは戦になりましょうな」

「その時、足利殿は如何に?」



高氏は苦笑する。



「さて、降って湧いたような実に恐ろしきお話・・・」



高氏はそのような話は真に受けぬといった風で経家に背を向けて川の流れを眺めている。



「それがし、吉野にお隠れの楠木殿の一党と馴染みがございます」

「その一党が楠木殿は伊賀で足利殿に命を救われたと申しております」

「なぜ、楠木殿をお助けに?」



高氏はその問いには応えず、川を眺めて沈黙している義貞に水を向ける。



「新田殿は岩松殿とお立ちになるのか?」



それに、義貞ではなく岩松が答える。



「新田殿は岩松の軽々しい企ては危ないと申されるのじゃ」



高氏は義貞の隣に並び川を眺める。



「覚えておられますか?その昔この向こうの河原で新田殿とやり合ったことを」

「その時、新田殿に言われた事を今もよく覚えております」

「我らの所領を奪った北条と同じ汁を吸う足利は北条の犬」

「我らは共に源氏、ゆめゆめ北条の犬に成り下がるでないぞ」

「その時言われた事がそれがしの中に・・・」

「この高氏、その時申された事と毎日張り合ってきたようなものでございます」



大河姫

懐かしいね。覚えている。新田義貞は高氏にとって兄貴のような存在なんだよね。

義貞が初めて口を開く。



「新田はもはや、畑を切り売りせねば戦に出られぬ」

「北条相手に弓引くは望む処じゃが・・・」

「兵を集めて百、二百・・・戦にならぬ!」



義貞によると、岩松は西国で「悪党」をやり、兵力を蓄えているのだという。自分にはそういく「器量がない」と自嘲気味に語る。



「今の儂はこう申す他ない」

「足利殿が立たれる折あらば・・・この新田も加えて下され」



大河姫

足利が立つなら、新田も加えてくれ。嗚呼!

高氏はそう言って頭を下げる義貞に驚く。



「新田殿!それは逆じゃ」

「新田殿が立たれる折は足利も従う」

「我らは共に源氏!新田殿を見殺しにはせぬ」



岩松経家は二人のやり取りを見て確信したのだろう。



「では、帝をお救いする件は・・・」

「良きように」

「は??」

「良きように!今はそう申し上げる他はござらぬ」

「では、これにて」



高氏は二人と分かれる。




十五年前の義貞の言葉。




妻登子の言葉。




そして母清子の言葉。




高氏は決断を迫られつつある事を自覚する。




それから数ヶ月後。




吉野の山中に潜伏していた大塔宮が挙兵する。当初、幕府は宮方の残党とタカを括っていたのだが、これに楠木正成も呼応する。



大河姫

大塔宮が立ったか。

正成は自身が築城したものの、落城後幕府方が入っていた赤坂城を機略を巡らし再び奪っていた。



大河姫

出た!赤坂城乗っ取り!

菊水の旗印が再び赤坂城に翻ったのである。




大河姫

菊水の旗!テンアゲ!

太平記あらすじ第16話下巻「焦り」

「これは如何なる仕儀じゃ!わずか一年でこの騒々しさよ!」

「高資!そちの政はどこかおかしいのではないか!?」

「なんとか申してみよ!!」



北条高時邸では主高時の甲高い怒りの声が鳴り響いていた。高時に叱責を受けているのは長崎高資。返す言葉もなく俯いて黙っている。




隣には父円喜も出仕してきていた。




その「叱責の場」に何故か佐々木道誉も呼び出されていた。道誉は手前の部屋で奥で行われる叱責を気まずそうに聞いている。



「母上もなんとか言って下され!」



高時の母覚海尼は高資には目もくれず、隣にいる円喜に声をかける。



「円喜殿、先日とある僧が申しておりましたぞ?」



諸国の守護地頭を北条一門が占め過ぎており、それ故に不満が止まぬのだと。しかし、円喜は全く動じない。



「問題なのは自らの専横は顧みず、北条を悪し様に言う公家」

「高資を責める前に、先帝やら悪党を焚きつける公家こそ責めるべき」



そこで、一呼吸置く。



「ところが!事もあろうにその先帝にこびへつらう御家人がおるとは・・・」



円喜の言葉を後ろで聞いている道誉は嫌な悪寒がする。高時が道誉に気付く。



「・・・判官、よう来たの」



大河姫

この道誉の顔良いねww中々見れないw

「はは、急なお召何事かと・・・」

「御台様におかれましては御変りもなく慶賀至極に存じます」



「判官殿もの」

「高時殿、後のこまごましたことは円喜殿に任せましょうぞ」



高時・覚海尼母子はさっさとその場を後にする。心なしかいつもより冷淡に感じる。




長崎父子と道誉だけになると、高資は道誉を側へ招く。



「判官殿!こちらへ」



「は・・・」



「判官殿、色々あって言い忘れておったのだが・・・」

「隠岐へ先帝を流した際の警護、流石は判官殿と皆敬服していたとか」



「はあ??」



高資は立ち上がり、道誉の後ろに回ると隠岐の手前で後醍醐天皇がしたように道誉の肩に手を置く。



「先帝がこう、肩に手を置かれたそうな」

「御身はも草集め、道々花見と称して先帝に酒を振舞ったとか」

「先帝は咎人、故に流罪となった」

「物見遊山の旅ではないわ!!!!」



父、円喜は小気味よさそうに高資の芝居がかった振舞いを眺めていたが、ようやく口を開く。



「高資・・・そのお方は従五位下、近江源氏の頭領ぞ・・・恐れ多かろう?」



「そ、その義につき円喜殿に申し上げ」



「判官殿・・・確か、隠岐の判官殿はお身内でござったな?」

「さすれば、隠岐は判官殿の離れの庭のようなもの」

「先の帝は判官殿の庭にあらせられるも同然じゃな(笑笑笑)」



道誉は呆けたように円喜をみつめる。



「ん?まだお分かりになりませぬか?」

「河内の悪党が騒ぐのは先帝がおられるから」

「先帝さえおわさねば、すぐにも消えるあだ花よ・・・」



道誉の顔色が青ざめる。



「そうではござらぬか?」

「判官殿の庭で何が起きようと我らは感知致さぬ」

「判官殿、鎌倉に忠義を明かすよき塩だと思うが?」



道誉は言葉が無かった。



大河姫

道誉、ぴーんち!

足利邸では河内での楠木正成の活躍が話題になる。



「兄上、河内は楠木の手に落ち、六波羅軍は近づけぬ有様とか」

「下手をすると、六波羅はまた鎌倉に出兵を依頼するやもしれぬ」



それに、師直が意見を述べる。



「いや、此度は帝も公家もいない戦、幕府は威信をかけてお身内だけで事にあたるかと」



先の戦での出費もあり、諸国の御家人の台所事情は苦しい。しかも勝ち戦であったにもかかわらず「恩賞」は未だに得られていない。



「此度は足利に出兵せよとは申しますまい」



「いや!あの円喜の事じゃ!臆面もなく言ってくるわ!」



「その時はお断りすれば良いかと、ただ」



師直は高氏に尋ねる。



「隠岐の帝を楠木が担いだ時、楠木はただの土豪ではない」

「なりふり構わず、我らに出兵を命じましょう」

「その時、我らが北条殿に付くか付かぬかが思案かと」



大河姫

師直、解説ありがとう。

その時、佐々木道誉から急ぎの使いが来る。




書状には「一大事」を耳に入れたく、急ぎ屋敷へ来てほしいとあった。

太平記(大河ドラマ)感想第16話「隠岐配流」

太平記(大河ドラマ)感想第16話「隠岐配流」。守時、貞顕、登子、清子、そして新田義貞や岩松経家。鎌倉随一の御家人「足利家」は否が応でも注目を集めてしまう。



「足利の頭領として生を受けたことから逃れることは出来ない」



貞氏の言葉を思い出します。他者の、天下の運命を決する影響力を持つことは幸せなのか・・・?

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太平記感想第16話「リスクと共存」

もうこの頃には高氏も直義も気持ちは「完全に宮方」で「決起の機会」を伺っている。




そして、守時や貞顕は「薄々」いや「ほぼ確信」している気がするんですよね。




機会が来れば足利は立つだろうと。




とは言ってもコトここに至っては単体で軽く六千、全国に万を超える勢力を保持する足利を「除外」することはもはや不可能。また、「足利の戦力」を北条も必要としている。




ならば「リスクと共存」するしかない。




政治面では「機会」が来ないように先帝を隠岐に流し、悪党を討伐する。そして、「人情面」では高氏の「怒りを買わないよう」に丁寧に慰撫する。




勿論、その辺りはこれまでもそうではあったのですが、笠置の乱以降は「恐怖」を感じているように思います。




高氏に頭を下げる守時、父貞氏の話から言外に「自重」を促す貞顕。




二人の姿がまるで「荒ぶる神」を宥める神官のように見えました。

太平記感想第16話「弱きもの」

「北条殿と穏やかに手を携えて静かに暮らすこと」



母、清子の言葉に一瞬、表情が揺らぐ足利兄弟。




清子の発言は足利家の主である高氏の言葉を受けてのこと。フォローの言葉としては「満点」なんですが、その内心の意図はどうでしょうか。




額面通り「共存」を心から願っているのか、北条殿を「欺くため」敢えて安心させるような事を言っているのか。




私には息子二人に「願い」を託しているように見えました。例え母親であっても女が政に口を挟むべきではないという時代だと思うんですよね。



大河姫

覚海尼様は例外ね・・・。

高氏自身の言葉を「より強調する」ことで、清子自身、そして何も言う事が出来ない、最もつらい立場にある登子の想いを伝えているのだと。




そして、その言葉を受けてのその夜。



「兄も北条を辞めて・・・弱きものは怖いのです」



嘆き怯えるくことしか出来ない悲痛な叫びと、それを「優しさ」でごまかすことしか出来ない高氏。




緊張感のある場面でしたね。




ただ、貞氏の葬儀の頃には・・・。




登子は覚悟が出来ているようにも見えましたが・・・。

太平記感想第16話「鵺が盲目に」

何事も「愉しむ」サディスト佐々木道誉がすっかり精彩を欠いておりますな。



「佐々木殿は分からぬお方」



直義は後醍醐天皇に甲斐甲斐しく尽くす道誉を評してそう語っておりましたが、当初は「打算」から出たことだと思うのですよね。




此処で「恩を売る」のは安上がりだと。




勿論、後醍醐天皇がこのまま承久の乱の後鳥羽上皇のような最期を迎える可能性も十分考えられますがその時はその時。道誉が失うものは特に何もない。




しかし、もし先帝が再び立たれたら?




「火桶」「も草」「花見」という安い投資は圧倒的に暴騰して戻ってくる。




道誉の誤算は後醍醐天皇の魅力を知らなかったこと。



「忘れまいぞ」



親しく肩に手を置かれたときに道誉は「変わって」しまった。まあ、言葉を選ばなければ「恋に落ちた」という事なんだと思います。




抜け目ない道誉なら本来小宰相は北条と縁ある者と察したはず。




そして、護送中の対応も、



「我儘な先帝に手を焼いた結果致し方なく」


と、先回りして円喜殿にご注進をしていたと思うんですよね。勝ちに驕っているいる時期なら笑い話になったはずなのに。




状況が読めずに目を白黒させる道誉の姿は隠していた恋心を見抜かれた乙女のようでした。




可愛らしいことw

太平記感想第16話「誇り」

足利高氏と新田義貞。




前にも少し触れましたが、血筋で言うと「源氏の頭領」は新田氏でも決しておかしくないんですよね。また、年齢も新田義貞の方が少し年上。



大河姫

繰り返しになりましけど、足利家の祖は義家の四男源義国の次男義康がから出ており、一方の新田氏は義国の長男である義重を祖としております。

高氏からすれば、背中を追いかけてきた「兄貴的」な感情もあったのだと思います。




その兄貴に「一緒に加えて欲しい」と頭を下げられる。




高氏の気持ちが良く分るな。



「兄貴にはずっと兄貴でいて欲しい」



兄貴が頭を下げる姿なんか見たくないですからね。




一方で新田義貞。




まさか足利高氏が自分をそこまで意識していたとは想像していなかったと思います。



「新田殿!それは逆じゃ」

「新田殿が立たれる折は足利も従う」

「我らは共に源氏!新田殿を見殺しにはせぬ」



高氏の言葉は嬉しかったでしょうし、未来への希望が見えたのではないかな。




この言葉に「嘘」はないのですけど、嘘がないからこそ・・・。高氏は罪なヤツだ。




ある意味道誉よりも「鵺」と言えるのかもしれない。




さて、最後に役者についても触れておきましょう。




この16話から根津甚八が新田義貞を演じます。正直、私の義貞というと根津甚八なんですよね。当時ショーケンが新田義貞を演じていたという認識は無かった。




改めて見直すとショーケンの新田義貞も見てみたかったなと思います。もっとも、お二人とも鬼籍に入ってしまいもう二度と叶わないですが・・・。




以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第16話「隠岐配流」でございます。
大河姫

今宵は此処までに致します。

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