西郷どんのあらすじ第9話です。年が明けて安政元年(1854年)1月吉之助は斉彬に随行しいよいよ、江戸の地に立つ吉之助!、大山格之介や有村俊斎、意外な人物との再会!そして黒船来航に揺れる幕府内では井伊直弼が頭角を現し始める。激動の江戸編が今始まる!西郷どんあらすじ第9話

西郷どんのあらすじ第9話上巻~日米和親条約~

薩摩を出発し45日。ついに吉之助は江戸芝の薩摩藩邸に立った。薩摩藩邸は外様と言えども流石大国薩摩。2万坪を超える敷地に1,000名の超える人々が出仕している。



余談ではあるが・・・。
この「薩摩藩邸」の「藩」という言葉は当時は存在しない。便乗上「藩」という呼称を使ってはいるが、この呼称が存在したのは維新後、廃藩置県までの2年程である。言い方を変えれば、藩と言う呼称は「廃藩置県」のために存在したと言っても過言ではない。

→西郷どんの感想第9話「江戸のヒ-様」

江戸着任

吉之助は気合いが入っていた。ついにあの斉彬の元で働ける。薩摩藩邸では薩摩訛り全開で気合を披露するが・・・



「江戸ではそのような振舞いは控えるように」



薩摩侍は江戸では「芋侍」と呼ばれて馬鹿にされている。理由がない訳ではない。薩摩訛りが酷いと意思疎通にも難儀する事がある。




吉之助は「中御小姓定御供江戸詰」という役職を拝命する。lまとめ役には迫田友之進という者だったが・・・



「吉之助さー!まっちょったで!!!」



大山格之介と有村俊斎だ!



「おお!大山さー!有村さー!」



吉之助は江戸での生活など色々と教えて欲しいと頼む。将軍様のお膝元である江戸での暮らしには厳しい規律があると聞いていたからだ。



「おお!まかせちょけ!」

「じゃっとん、まずは吉之助さーの歓迎会じゃ!」



吉之助は有村俊斉とは同室という事もあり心強い。

ペリー再び

斉彬は江戸へ到着するや否や老中首座阿部正弘に呼び出される。再び来日したペリーへの対応を協議するためだ。




因みにペリーは初来日の際に「1年後」の再来航を告げたが結果的にはほぼ半年後に現れている。ペリーは自分が去った後に「将軍家慶薨去」を知ると、敢えて予告よりも早い来日を決断した。動揺する幕府から有利な条件を引き出すためだ。




老中首座阿部正弘、そして烈公斉昭、桑名藩主で名君の誉れ高い井伊直弼は一月近く議論をする。まだこの頃、井伊直弼は「大老」とはなっていない。
時の将軍家定は・・・。



「其の方らに任せる」



と、言うと奥へ引っ込んでしまった。小難しい議論に飽きてしまったようだ。結果的には函館と下田を開港する「日米和親条約」を締結する結果となるが議論は一月ほどかかっている。



「異国船等打ち払えばよい!」



斉昭は相変わらず過激な意見であった。実際、幕府はアヘン戦争での清国敗北を受け外国船打払令を廃止し「薪水給与令」に改めているがそれも斉昭は不満である。




阿部正弘や斉彬としてもこれは過激な意見であり実際は難しいと考えていたが、国内には「攘夷論」が幅を利かせている事もあり表だっての反対は難しい。斉彬・阿部正弘としては時間を稼ぎ、海防を整えてから再度交渉というのが現実的と考えていた。




しかし。



「外国と戦って勝てるのですか?勝てる根拠は?」



井伊直弼は港を開き積極的に交易をすべしと言うと議論を引っ張り結局、日米和親条約は結ばれる。この議論で井伊直弼は存在感を増す。




一方、斉彬は阿部正弘から聞いてはいたが将軍家定の様子に不安を感じる。この国難にあたり、家定が将軍では心もとない。斉彬は以前から考えていた策を急がねばと考えていた。




西郷どんのあらすじ第9話はまだまだ続くでごわす。

西郷どんのあらすじ第9話中巻~再会~

吉之助、大山、有村らはまだ若い。勢い、郷中の仲間である吉之助が来れば勿論歓迎会となる。吉之助は酒は飲めないのだが、大山と有村はいつも寄っている品川宿を案内する。

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磯田屋

「吉之助さー!ここには薩摩以外の者もよう来ておる!」



大山や有村は「磯田屋」によく顔を出していた。今では言えば「飲み屋・キャバレー・女郎宿」を併せたような店である。しかし、吉之助は不機嫌になる。



「おいはこのような所は好かん」

「お!おい吉之助さ-!」



吉之助は酒は飲めない。そして、大久保が、須賀が集めてくれた金子を遊興費に等使いたくはなかった。店を出ようとした吉之助は丁度店に入ろうとしていた女とぶつかる。



「ちょっと!どこに目を・・・あれ?」

「お、すいもはん・・・」

「お侍さん・・・?西郷吉之助様では‥!」

「あー!!あんときの!?」



女はふきと言う。薩摩迫村の百姓、平六の娘だ。ふきは結局借金のカタに売られ流れ流れて江戸の磯田屋で働いていた。此処での名前は「よ芳」と言う。



「苦労しはったんじゃな・・・」



二人は思わぬ再会を喜ぶが、すぐにお芳に指名が入る。



「お芳ちゃん!ひー様がお呼びだよ!」



この声に他の客に給仕をしていた女子達も色めき立つ。ひー様とは町人のようなのだがめっぽう羽振りが良く、また話も面白く多芸であり、女子達に一目置かれていた。

ひー様

ひょんな事から吉之助達も「ひー様」の座敷へ上がる事になる。ひー様は吉之助達を気さくに向かえるが、少々小馬鹿にしたような雰囲気もある。お芳によると、ひー様は絵画を良くするという。



「ひ―様!こんお人を描いておくれやす!」

「お?やけにデカい男だなぁ、男は描かねぇ」



と、言いつつ、サラサラと筆を走らせる。



「ひ―様・・・!これは酷うございもす!」



吉之助は「顔は吉之助、身体は牛」の画を見て猛抗議する。しかし、よく似ている。大山と有村は大喜びだ。




その時。



「てめぇ!なめてんじゃねーぞ!」



争う声が聞こえてくる。どうやら店にスジの悪い客がやって来たようだ。給仕のタマが絡まれているようだ。ひ―様は不愉快そうな顔をすると。



「これでももってさっさと帰れ」



ひー様は銭形平次よろしく金を騒いでいる男に投げつける。そして、吉之助もまた女子を虐めるなと男を止める。



「薩摩の芋侍が!!」



この一言に大山も有馬も激昂!店で大立ち回りを演じてしまう。しかし、この大騒ぎの中、ひ―様は忽然と姿を消していました。




大河ドラマ西郷どんのあらすじ第9話はいよいよ最後の段でごわす!

西郷どんのあらすじ第9話下巻~水戸の烈公~

吉之助は薩摩藩邸へと戻る。既に門限は過ぎ、さらに身なりはボロボロである。大山も有村も手慣れた感じで裏口から部屋へと戻る。



「・・・西郷、こんな時間まで何をしている?」



吉之助は大きいのが災いした。ただ一人咎を受ける事となってしまう。

御庭方役

深夜、門限にも遅れ大立ち回りを演じた罰として、掃除を命じられる。来る日も、来る日も庭の掃除をしている。



「おいは何をしとるんじゃろ」



あくる日、庭の掃除をしていると斉彬の重臣の1人山田為久に呼び出される。



「斉彬様の御屋敷の庭掃除を命じる」



吉之助は掃除番であったとしても斉彬の近くで務められる事を喜んだ。持ち前の生真面目さで徹底的に掃除をする。ある日、驚く辞退が起きる。



「西郷!何をしている!」

「!?はは!命懸で庭の掃除をしておるもす!」



声をかけて来たのは驚くべく事に斉彬であった。以前にも述べたように吉之助程度の身分で藩主と話しをするのは驚くべき事である。西郷家の家格では生涯斉彬と言葉を交わす事はおろか、お目見えでさえ生涯叶わなくても別段驚くべきことではない。




西郷はこれから「御庭方役」という役になるがこれは斉彬の配慮であろう。庭の掃除をしていたらたまたま藩主が通りがかり「御庭方役」と言葉を交わす。身分の低い西郷であってもこれなら自然に斉彬と話が出来る。




斉彬はある書状を小石川にある水戸藩邸まで届けるように命じる。



「命の危険があるやもしれぬが・・・剣は示現流か?」

「お恥ずかしい事でごわす・・・おいは剣は使えませぬ」



吉之助はかつての怪我のこと、そしてその際に斉彬から言われた言葉を胸に今日まで生きて来た事を話します。



「あの時のやっせんぼか・・・!」

「これをつかわす」



斉彬はあの時の少年が西郷であった事を知り感慨深い。短刀を吉之助に渡すと今後は自分の目となり耳となり命懸で働くように命じる。そして、これからは藩の機密情報にも触れる事があるだろうと言うと、もし、秘密を守れないと思ったらその短刀を使うようにと告げる。

ひー様の正体

小石川の水戸藩邸へと書状を届ける吉之助。既に、斉彬からなんらかの知らせが入っているであろう。吉之助は中に通されると丁寧に遇される。




そして、待つこと暫し。



「おお!西郷殿待たせたな!」



水戸徳川斉昭。
言わずと知れた御三家の水戸徳川家の当主だった男だ。既に、藩主は嫡男に譲っているがその強烈な性格もあり幕府内では隠然たる力を持っている。



「斉彬殿の書状は読みましたぞ」



そう言うとその書状を吉之助目の前で破る。



「な!何をなさる!!」



吉之助は書状を破った斉昭に理由を尋ねます。自分への非礼ならいくらでも我慢が出来るが、薩摩の、斉彬への非礼を見過ごす事は出来ない。



「破ったという事はな、書状の内容はこの斉昭の胸に留めるという事じゃ」



斉昭は書状にはつまり徳川幕府への悪口が書いてあると言う。なるほど、書状を幕府にタレこんだりはしないという事か。吉之助は御三家である水戸徳川家が幕府に批判的な事が分からない。素直にそう話すと、



「水戸徳川家は幕府から煙たがられておる」

「薩摩殿は大方水戸と組み、幕府に対抗しようとお考えなのでしょうな」

「のう?慶喜」



遅れて入ってきた青年に話す。青年は斉昭の息子で慶喜と言う。




吉之助は何処かで会ったような気がしてならない。



「ひー様!?」

「あの時の!?」



以上、西郷どんのあらすじ第9話でございもす!

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