鎌倉殿の13人あらすじと感想第38話「時を継ぐ者」。義村と上総介広常を重ねたのは少々深読みし過ぎでしたね。ただ、一方で義時がりくに刺客を向けたのは驚きと同時にさもありなんな気が。りくに見破られて平然としている姿に一段と深い闇を見た?!鎌倉殿の13人第38話

鎌倉殿の13人あらすじ第38話「時を継ぐ者」

伊豆の小豪族に
過ぎなかった男。
二十五年かけて
築いた地位が、今まさに
崩れ去ろうとしている。
その間、わずかひと月。

時政の館


「鎌倉殿にこれを書いてもらわねぇと・・・」

「爺は死ななきゃならねぇ」


時政は実朝に必死の説得をしているが、実朝は耳を貸さない。三浦義村がその様子を伺っている。そこに和田義盛が実朝の危機を察知して現れる。


「今は流れで執権殿に見方しているが、小四郎が来たら寝返る」


義村の言葉は義盛の理解を超えている。


「わ、分からん!」

「分からなくて良い、俺に従え」

「・・・うう!ああ!」


義盛は大人しく従う男ではなかった。時政と実朝が話をしている奥へと向かって行く。義村は止めない。


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鎌倉殿の13人あらすじ第38話上巻「覚悟」

時政の館


義盛が時政と実朝が話をしている部屋に入ると、驚きの光景が。


時政が太刀を抜いていたのだ。


「この方に刃を向けて良いワケがねぇ!!」

「鎌倉殿が起請文を書いてくれねぇんだ・・・(泣)」


刃を向けている時政の方が泣きそうである。


「書いちゃいなさい!」


義盛は何を思ったのか実朝に起請文を書くように勧める。


「後で破ってしまえば良いのです!」

「しかし、そんな事をすれば身体中から血を吹き出し・・・」

「そんな死に方した奴を見た事ありません!」


一方、時政の館の外には義時、五郎、太郎の北条一門と八田知家が手勢を引き連れ到着。既に、館は包囲されていた。



五郎は自身が中に入り父時政を説得すると言うが、義時がそれを止める。


「平六(義村)が必ず説得する」


「父上をどうするつもりですか?」

「私は父上に死んで欲しくない」


義時と五朗のやり取りに太郎も加わる。


「父上(義時)は間違っている!」


知家が太郎を諭す。


「いい加減、分かっておやりなさい」


これまで義時は多くの御家人を謀反の咎で葬ってきた。もし、ここで「身内」である時政を許せばどうなるか。


「御家人全てを敵に回す」

「・・・構うことは無い、首を刎ねてしまえ」


館の中では義村が時政に真実を告げ、説得をしていた。


「外は既に囲まれております」

「私は小四郎に言われて此処にいます」


「・・・(義時に)伝えて欲しい事がある」


時政は義村に何事かを託し、さらにりくを呼び館を脱して京へ向かうように伝える。


「しい様は!?」


「儂は残る」

「大丈夫だ。小四郎は親想いだ(笑)」


義村は館内の待女などを連れて時政の館から出る。門前では義時が待ち構えていた。


「怖い想いをさせて済まなかった」


「・・・アレを説得するのは骨だ」

「りくさんも執権殿の側を離れようとしない」


義村は侍女に紛れたりくも連れて館を出たのだが、義時は気付いていないようだ。



尼御所


時政からは「都へ逃げるように」と諭されたりくだが、りくが向かったのは尼御所である。


「母上・・・」


政子は驚く。りくは頭を下げていた。


「頭をお上げ下さい」


「しい様を助けてあげて欲しい」

「あのお方は死ぬおつもりです」


「父上がそう言ったのですか!?」


「言わずとも分かります」


りくは今回の件は全て自身が計画したことで、時政はただその言葉に従ったに過ぎないと伝え、時政をなんとしても助けて欲しいと頼むのであった。



政子はすぐに名越の時政の館へ向かう。



時政の館の前では義時と知家がどう攻めるかを話し合っていた。そこに、政子が現れる。



義時はうんざりといった感である。


「小四郎、父上を助けてあげて」


しかし、義時は聞く耳を持たず、鎌倉殿を救い次第攻め込むと告げる。


「・・・五朗、尼御台は御所へ帰りだ」


「頼朝様も非情なお方でしたが慈悲の心もお持ちでした」


義高、義経、けっして殺したくて殺したのではないと。

時政の館


「頃合いかな・・・」

「鎌倉殿の真の強さ感服致しました」

「いずれは頼朝様を超える鎌倉殿となられます」


「爺は来ないのか?」


「此処でお別れにございます」


「来てくれ」


和田義盛が実朝を促す。


「参りましょう!羽林!」


時政は義盛に最期の言葉を託す。


「小四郎に伝えてくれ」

「北条を鎌倉を引っ張ってゆくのはお前だと」


「承知仕った!」


義盛に連れられ実朝は無事時政の館から出てくる。


「執権殿は覚悟を決められている」


「父上は何か申していなかったか?」


「小四郎に伝えてくれと・・・」


皆、固唾を飲んで義盛の言葉に聞き耳を立てるが言葉が出ない。


「忘れたのか?」

「すまん」


代わりに実朝が伝える。


「後は託した、北条を鎌倉を引っ張って行け」

「有難うございます」


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鎌倉殿の13人あらすじ第38話中巻「別れ」

無事、実朝は救い出した。


「よし!攻め込むぞ!」


義時は館に攻め込むように命じるが、政子が止める。


「子が親を殺すような事があってはならない」

「政に私情を挟むことはできない」

「私は娘として父の命乞いをしているのです!」


政子は館を囲む御家人達にひれ伏し頭を下げる。


「方々、どうか父をお許し下さい!」


御家人達は政子の言葉に流石に動揺する。



時政が自害をしようとしたその時。その腕を誰かが掴んだ。


「(小四郎・・・!?)」

「息子でなくて悪かったな」


八田知家が寸でのところで時政の自害を止めた。



時政は名越の館に、りくは御所に幽閉されている。出家で済むと思われていたが、太郎は心配でならない。


「父上(義時)は裏から手を回すかもしれない」

「あんな姿を見せてどうやって敬えと言うんだ」


太郎の妻のはつは夫の鈍さに呆れる。


「分かっていない」


「そう、父上は分かってない!」


「分かってないのはあんたよ」

「義父上は自分のようになって欲しくないの」


鎌倉御所


「時政の処分は軽くしてやってくれ」

「私は全てを忘れようと思う」

「私が請うておるのだ」


実朝は義時に頭を下げる。



政所では実朝の意向を得て、時政の処分が詮議される。



義時、三善康信、二階堂行政、大江広元が集まっている。


「梶原、比企、畠山これまで謀反の咎で滅ぼされている」

「北条殿だけがという不満も出るでしょう」


広元の言葉を受けて行政が続く。


「何処へ流罪では?」


「良い落としどころかもしれません」


康信は伊豆を提案するが、それは流石に手ぬるいと行政は反対する。


「あのお方が伊豆で頼朝様を助けたから今がある」

「そのことを知らぬ御家人はない」


「如何かな?」


「息子として礼を申し上げる」


結局、伊豆への流罪で落ち着く。







義時は伊豆へ流罪の処分を父時政に伝える。また、りくとは今は離れ離れだが、伊豆へは一緒に流されることになるとも。


「よく骨を折ってくれたな」


「私は首を刎ねられても致し方無しと」

「感謝するなら鎌倉殿と文官の方々に」


「父上、小四郎は無念にございます」

「父上にはこの先もずっと側に居て欲しかった」

「鎌倉を父上と守っていきたかった」

「父上の背中を見てここまでやってきました」

「父上は常に私の前にいた」

「私は・・・」


「もういい・・・」


「今生の別れにございます」

「父が世を去る時私は側におられません」

「父の手を握ってやる事ができません」

「貴方がその機会を奪った」

「御恨み申し上げます」



ちち、ちちちち
(鳥の鳴き声)



「あの声なんの鳥か分かるか?」


「いいえ」


「鶯だよ」

「ホーホケキョだと思っているだろ」

「ホーホケキョと鳴くのはオス」

「普段はちゃ、ちゃちゃちゃ」

「あれは鶯だ、間違いない」



ホーホケキョ



「なぁ!(泣)」


元久2年(1205年)閏7月20日、初代執権北条時政が鎌倉を去る。



義時は父時政と最期の別れを終えるとトウを呼び出していた。

鎌倉殿の13人あらすじ第38話下巻「執権北条義時」

御所に幽閉されているりくの元には政子と実衣が訪れていた。



実衣は気が進まない様子である。


「・・・あの人のみすぼらしい姿見たくない」

「もう会えないかもしれないのだから・・・最後にお礼を」


しかし。


「館から着物を取り寄せおめかしして待っていた」

「さあ!目に焼き付けて頂戴」


りくはいたって元気であった。


「これだけは言わせて」

「父は義母上が側にいて幸せだったと思う」

「そうそう、十は若返った」


政子と実衣の言葉にりくは不満気である。


「あの人のお話ばかり」

「北条に嫁いで良い事は一つも何もなかった」


「あら、それは言い過ぎですよ」


実衣も続く。


「姉上のお腹に赤子がいるときに」

「険しい顔していると男子が産まれると」

「姉上の顔見て義母上笑ってたわよ」


三人はいつの間にかこの25年の思い出話に花を咲かせる。


「お世話になりました」


りくは最後二人に別れの挨拶をして締めくくる。すると、侍女が夕餉を運んでくる。



さらに、少し遅れてぬえが現れる。


「りく殿、最後に秘訣を教えて下さいませんか?」


「秘訣?」


「北条と上手くやる秘訣」


「無理矢理馴染もうしないこと」

「そして誇りに思うこと」

「私は北条に嫁いだことを誇りに思ってますよ」


ぬえが礼を言って帰ると今度は三浦義村が嬉しそうに現れる。りくは少々げんなりしている。


「伊豆に流されるみたいですね!会いに行きますよ」

「来なくて良い」

「あんたは会わなきゃならない」

「?」

「俺に借りがある。何者だ?」


義村はりくの隣にいた侍女の腕を掴んだ。その手には刃があった。



トウである。



義村とトウの一騎討ち!



刃を落とされても体術で義村に迫るが・・・一歩、義村の方が上であった。


「・・・俺の女になれ」

「(苦笑)」


トウは腕を振りほどき去って行く。



そのことを知ってか知らずか義時がやってくる。


「私を殺そうとしたでしょ」

「安心なさい、誰にも言ってないから」

「もう貴方のお父上を焚きつけたりしないわ」

「執権を継がなかったそうね?」


「それが何か?」


「大きな力が側にあったら奪い取りなさい」

「歯痒いったらありゃしない」

「何に遠慮しているのです?」

「小四郎良いですか?貴方はそこに立つ人」

「これは義母からの餞」

「あら嫌だ、餞は送る側がするものね」


「父上と義母上の想いを継ぎます」

「これは私から義母上への餞」


義時は今回の謀反の最後の仕上げをする。



都にいた平賀朝雅が討取ったのだ。


「実朝様に成り代わり、鎌倉殿の座を狙ったこと」


朝雅がいなければ。



畠山は滅びることなく、そして、時政も鎌倉を出てゆくこともなかった。


後鳥羽院
御所


「朝雅は鎌倉殿の家臣であると言うことか(怒)」


後鳥羽院は自身の庭である都で断りもなく大軍勢を動かし、平賀朝雅を討取った事に怒りを覚えていた。


「実朝の考えとは思えぬ」

「時政の跡を継いだ者が」

「北条義時」


鎌倉では義時が第二代執権となっていた。

鎌倉殿の13人感想第38話「時を継ぐ者」

鎌倉殿の13人感想第38話「時を継ぐ者」。北条一族の内紛が終結。これまで「権力者の影」であった義時が表舞台に上がります。満を持しての執権就任。



表舞台に立つということは、都とも相対するということ。義時最大にして最後の強敵となる後鳥羽院もその名を知りましたね。

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鎌倉殿の13人の感想第38話「夫婦の形」

結局、必ず最後には勝つ
(古典・・・w)



哀しみのあまり、自分を見失っていたりくを正気に戻したのは結局時政のだった。



前にも書きましたけど時政はあまり言葉を持っていない。我が子を失い悲嘆に暮れるりくを元気づけようと出した渾身の逸話が・・・



お皿の例え話。



ですからね。



勿論、りくは夫の気持ちは分かっている。分かってはいるけどそれではりくは哀しみは癒えることなく、哀しみはついに暴走を始めてしまう。



時政は野心の無い家族と地元が大好きな田舎御家人ですが、決して愚かではないし器も大きい。



つい先だっての畠山の乱でも、


「霧ヶ峰に陣を置いた」


と、聞いてすぐにその場所を思い浮かべ、
畠山の覚悟を見抜く事が出来た。自身の領内についてはつぶさに頭に入っていなければ出来ない芸当。



そんな時政が無理筋と思われた今回の計画に乗ったのは偏にりくへの



何処までもりくに寄り添う覚悟は決まっていたから。



他人の覚悟を自分の覚悟にするのは時政の十八番。だから、りくに届いた。



この時、りくは正気に戻ったのだと思います。



そして、正気に戻ったりくが次にすべき事は?



勿論、時政を救い出すこと。


「大丈夫だ。小四郎は親想いだ(笑)」


小四郎が親想いなのは認めすけど、それ以上に頼朝的思考をする男です・・・。



ま、まあ、それはさて置き、りくは時政が自刃するつもりであることは見通しましたね。確かに時政の事を良く分かっている。それはもう、誰よりも、義時よりも。



りくが向かったのは都ではなく尼御所。



正気に戻ったりくならすぐに分かる。



いったい誰を頼れば良いのかが。



時政の覚悟がりくを救い、正気に戻ったりくは持前の勘の良さと知略で政子を動かし時政を救う。



二人の間にある深い愛情の為せる業ですな。

鎌倉殿の13人の感想第38話「りくの誇り」

りくは若干甘い部分が目立つもののその才覚は確かに一流になれるものを持っていた。



政範を失い哀しみのあまり目が曇ってしまいましたが、正気に戻れば色々な事が見えてくるし胆も据わっている。



自身に刺客を送り込んだ義時にもある意味
感心している風ですらありましたね。義時もまた一つ大きくなったと。


「大きな力が側にあったら奪い取りなさい」

「歯痒いったらありゃしない」


りくは北条家に嫁いだことを誇りに思っていると言っております。
それは本心だと思うのです。



そして、最愛の夫時政の子である義時の才覚にも当然気付いている。その意気地の無さも。



自身の子を権力者にするという夢は潰えましたが、その先に何を望むかと言えば、北条家の繁栄であり、それを託せるのはただ一人小四郎義時のみ。



りくらしい、母らしい言葉であったかと思います。



・・・因みに、りく(牧の方)は時政に先立たれた後に都に戻るのですが、
今度は北条家の危機に際しして泰時を助ける役回りがあるような・・・?

鎌倉殿の13人の感想第38話「先輩女子をやり切る」

「・・・あの人のみすぼらしい姿見たくない」


りくのご乱心が収束して、鎌倉御所に幽閉されている処に政子、実衣姉妹が訪問する場面での実衣の言葉。



めっちゃ良く分かるんだよね。



年齢を重ねると、若かりし頃の
憧れの人達が変わっていくことに一抹の淋しさを覚える事あります。勝手なんですけど、憧れさせて欲しいですよね。うん。勝手だけど。あと、まあ、手前味噌だけど少しは憧れてくれる人もいるので期待を裏切ちゃいけないなぁとか思うこともあるのです。


いつまでだって憧れさせてくれ



りくは勿論・・・暗く沈んでみすぼらしくなんてなっていなかった!


流石。


りくは北条家の女子はかくあるべし!という一つの事例を先輩女子として、後輩に見せなきゃという意識はあったと思う。



かつて、政子に都風を指導しているときも楽しそうだった。



勿論、父時政が死一等を減じられた事も影響していると思うけど、政子も実衣もりくと出会い、そして後半生を生き生き過ごしたりくに感謝の気持ちもあるんですよね。



共に過ごした時間があったから、色々あってギリギリの処で弾性を発揮(元に戻ろうと)する。



共に過ごした時間。
いや、共に過ごした濃密な時間



そう言えば、源氏兄弟はそれが薄かったかな・・・?

鎌倉殿の13人の感想第38話「義時の涙」

「御恨み申し上げます」


私も泣いちゃった。
まあ、自分、結構泣くんですけど。



義時は心根の優しい奴なんです。そして、親想い。時政は分かっている。自刃しようとしたのは、時政に辛い決断をさせたくなかったからですね。勿論、義時もまたそのことを分かっている。



大江広元など文官達や鎌倉殿である実朝の助命嘆願のおかげで命は救われたものの、義時自身は殺す気満々であった。



そして、義時は父時政を殺しても一切後悔は無かったと思う。一方で、これでもかというに位に
号泣きしたとも思う。



そう、かつての頼朝が義経を殺した時のように。





頼朝は例え身内であっても、自身が情を感じる相手であっても容赦なく殺すことが出来る。そして、その事を本心から悲しむ事が出来る。



情をめちゃくちゃ持ちながら外道を驀進する事が出来るのが頼朝という器の凄さ。



今回、義時もその域に達したように見えましたが・・・?



もう、あの頃の義時を見る事はないのかなぁ・・・?

鎌倉殿の13人の感想第38話「平六は何故そこにいた?」

いや、私は本当にたまたまであったと思うのです。



あのタイミングで現れる平六流石。



でも、ついったランドには少々異なる見方をするお方もいるようですね。



つまり、義時はトウにりく殺害を命じる一方で、平六にそれを止める、あるいは結果的に止めるように差し向けた?



りくに釘を刺すために一度脅しておこうというワケです。



私は・・・やはり義時は本気で殺そうとしていたように思います。そして、それをりくから突き付けられても平然としている義時に私は闇を感じました。りくはその姿に成長を感じていたようですが。



さて、これでようやく主役が本当に主役となりました。



しかし、次週の予告を見るに早くも不穏な空気が。



「穏やかな一日」



とか宣っていますがね。
私は騙されません。



独裁国家は反対語を使うんですよ。



戦争は平和である。
自由とは服従である。
無知は力である。




以上、鎌倉殿の13人あらすじと感想第38話「時を継ぐ者」でございます。
大河姫

今宵は此処までに致します。

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→鎌倉殿の13人あらすじ感想第39話「穏やかな一日」