鎌倉殿の13人あらすじと感想第15話「足固めの儀式」。誰が敵で誰が味方か?違うのですね。最初から頼朝には「味方」などいないのです。「味方とは常に敵の仮の姿」ということなのでしょう。最大の味方は最大の敵になる。広常は気付かなかった・・・。鎌倉殿の13人第15話

鎌倉殿の13人あらすじ第15話「足固めの儀式」

義仲討伐のため、
すぐにでも出陣したい頼朝。
しかし、御家人たちが
これに反発する。
着々と進む、頼朝追放計画。

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→鎌倉殿の13人キャスト表

鎌倉殿の13人あらすじ第15話上巻「敵か味方か」

頼朝追放計画の首魁に納まった上総介広常。



有力御家人達は度々集まり、襲撃計画を練っていた。


「足固めの儀式を利用する」


頼朝の嫡男万寿が誕生して五百日が迫っていた。五百日目に行われる「足固めの儀式」を利用して鎌倉御所を急襲するのだ。



因みに、「足固めの儀式」などという風習はない。



さも重大な儀式であるかのように吹聴したのは文覚である。


「そんな風習は無い!儂が創った!(爆笑)」


一方、義時はじめ、頼朝の近臣達も御家人達に不穏な動きがあることは分かっている。



いったい誰がその企みに名を連ねているのか・・・?





頼朝陣営も疑心暗鬼になる。



頼朝方だと思われていた梶原景時が広常達坂東武者の様子を探りに行った後戻ってこないのだ。



また、こちらも頼朝方だと思われていた比企能員の様子がどうもおかしい。

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鎌倉殿の13人あらすじ第15話中巻「その日」

反頼朝の御家人達はついに行動を起こした。



足固めの儀式に向った万寿を和田義盛と畠山重忠が襲撃する。



義盛は丁度その場に居合わせた木曾義仲の嫡男義高を担ぐとまで言うが、義高はその話には乗らなかった。



そこに、義時が現れ両者に割って入る。


「共に平家を倒そうと誓ったではないですか!」


義盛はかつて「反平氏」の急先鋒であった。


「平氏を倒すと誓ったが源氏と戦をするとは言ってない」


義時は続ける。


「義仲は後白河法皇を幽閉している!」


義時はまず、義仲を倒し白河院を助け出してから後に平氏と戦うと熱弁。また、今回の謀反は此処で矛を収めれば頼朝は全て許すと言っているとも。


「詭弁である!!」


重忠が大声で義時の言い分を否定するが・・・。


「いや!その通りだ!」

「!?」


義盛は義時の言い分を聞き入れたのだ。



重忠も渋々それに従ったように見えたが・・・。


「ありがとうございます」

「和田殿は常に私とは反対の意見を言うので・・・」


義時と重忠の連携が義盛を見事に帰順させたのである。



反頼朝急先鋒の義盛、そして重忠の離脱は反頼朝御家人衆に衝撃を与える。



すかさず、義時は、


「今ならなまだ間に合う」


と、説得にあたる。



そして、義時と通じていた広常も此処が潮と帰順を表明する。千葉、小山、三浦など有力御家人は次々と帰順し頼朝追放計画は未然に防がれたのである。





今回の乱を防いだ表の立役者が義時なら、裏の立役者は広常である。



頼朝と広常は人知れず、酒を酌み交わす。


「御家人なんざ使い捨ての駒だ」

「何かあればまた俺が抑えてやる」

「な、武衛!」


「うむ(微笑)」


雨降って地固まる、これで一件落着と思われたが・・・。

鎌倉殿の13人あらすじ第15話下巻「広常無残」

翌朝、頼朝は改めて、此度の乱に加わった者の一覧を眺める。


「こんなにおるのか・・・」


「これだけのコトをしたのですからなんらかの処分が必要」

「如何でしょう?上総介広常を見せしめに処断しては」


大江広元の言葉に義時が驚く。





二人、頼朝と広元の間では広常を利用し、最期は処断する所まで見越していた。



義時は話が違うと猛抗議する。


「では、この中から誰を選ぶ!?」





義時は居ても立っても居られず義村に事の次第を相談する。


「上総介殿との所へ行く!」

「止めておけ」

「しかし!」

「お前はもう分かっている」


義村はすでに義時自身も、


「広常が処断されるしかない」


と、気付いていると言うのだ。


「お前も鎌倉殿に似てきた」

「これは誉め言葉だ」


かくして。



運命の日。



鎌倉御所に御家人達が集められた。



勿論、上総介広常も。広間へ続く廊下で一人の御家人とぶつかりそうになる。


「おい!前見て歩け!」


広常は間の悪いその御家人に悪態をつくと広間の端で外を眺めていた。


「双六など如何ですか?」


広常を誘ったのは梶原景時である。



二人はしばし双六に興じるが・・・。


「謀反人上総介広常を成敗する!」


景時は突然広常を斬りつける。広常は応戦しようとするが・・・太刀がない!



御家人達は何が起きたか分からず騒然となる。


「小四郎・・・」





義時は何もできない。



そこに、頼朝が現れる。



昨日、一緒に呑んだ男だ。


「ぶ、武衛・・・」


小四郎はたまらず、二人に駆け寄ろうとするが。


「小四郎!近づけは其方であっても斬る!!!」


広常は景時に止めを刺される。


「儂に逆らう者には容赦せぬ!」


御家人達は恐怖に震えながら頼朝への忠誠を誓う。


江間、義時の館


この日、八重が元気な男の子を出産する。


「ぶえー(武衛)」


まるで、広常が泣いているような・・・。義時はそう感じずにはいられなかった。

鎌倉殿の13人感想第15話「足固めの儀式」

鎌倉殿の13人感想第15話「足固めの儀式」。上総介広常が処断される事は知っていたのですが、そう来るかという結末でした。





力ある者は自らの力に無自覚であってはならない。無自覚の結果自らの命を縮めるコトもあるのです。



そして、もう一つの教訓。



権力者は常に確信犯でなければならない。



頼朝は上総介広常の存在があったればこそ今回の乱を未然に防げたことも、広常が自分を慕っている事も全て飲み込んで決断したのです。

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鎌倉殿の13人の感想第15話「無自覚」

人は自らの力には無自覚なコトが多い。



その結果いらぬ嫉妬や警戒心を買ってしまう。



広常は公称二万という坂東武者最大勢力を誇っていることに無自覚であった。



皮肉なお話ですが
頼朝に大して二心がないからこそ無自覚であったとも言えると思うのです。もし、広常が何らかの二心を抱いていればその辺りにも気を配ったように思います。



この頼朝と広常の関係性を見た時に思い出したのが、官兵衛と秀吉の関係性なんですよね。


→軍師官兵衛の感想33話「傷だらけの魂」


官兵衛は秀吉に二心などない。



秀吉もそれは分かっている。



今は
でも、未来は?



もし、官兵衛の底知れぬ知略の刃が自分へ向けられた時に果たして逃れられるだろうか?



幸いにして、官兵衛は途中で秀吉の恐怖の正体に気付き対策を打つコトが出来たのですが、広常にはその機会も時間も無かった。



そして、頼朝は秀吉を遥かに超えて「怜悧な独裁者」であったのです。

鎌倉殿の13人の感想第15話「確信犯」

今回の「広常謀殺」に関しては頼朝への風当たりが強いのですが、潔いとも言えると思うのです。



広常の存在を徹頭徹尾利用し尽くす



なんなら、そのさえも今後の権力機構運営の礎とする。


「御家人なんざ使い捨てだ」


いみじくも、広常自身がそう言っておりましたが、それを顔色一つ変えずに実行するには中々も胆力が必要です。


「なあ、武衛!(笑)」


頼朝と広常が酒を酌み交わす場面。普通の神経なら、明日殺す相手と酒を酌み交わせば若干気まずさが滲み出るものです。しかも、相手は自身二心無い、、、どころか慕っているコトもよく分かっているのですから。



この時頼朝は何を思っていたか?


「広常、よくやってくれた!」


多分、この時の頼朝は広常の働きに心から感謝していたのです。



広常への心から感謝
今後の統制の為に命を奪うという一見矛盾する思考が頼朝の中では
軽々と並存が出来る。



都に跋扈する魑魅魍魎、生けるモノノケと対抗できる唯一の存在。そして、まだその域に達していないが、その素養があるのが義時なのでしょうね。


「お前は鎌倉殿に似てきた」


義時は頼朝と広元の話から即座に理解した。いや、その前からと今後の坂東武者の統制を考えた場合なんらかの処分は必要だと思っていたんですよね。



しかし、まだ確信犯にはなれない。



今、義時は権力者とは常に確信犯であるという残酷な真実をOJTされているのですね。

鎌倉殿の13人の感想第15話「孤独」

頼朝が都の魑魅魍魎も真っ青の処断を出来るのは天性の部分もありますが、後天的に獲得した、獲得せざる得なかった部分も大きいと思うのですよね。



頼朝は朝廷から鎌倉殿と言われる地位についた今でさえ、手足となって動く兵は持っていない。



頼朝にある武器は「源氏」という血筋の良さと、朝廷からもらった権威の裏付けしかないのです。



せめて、北条が単体で広常の勢力と伍せる程度の勢力があれば少しは心穏やかになれたと思うのですが、如何せん、北条単体の勢力だけでは心もとない上に、亀の前事件で時政は鎌倉にもいない。



後の家康や秀吉、そして足利尊氏だって譜代の一族を糾合すればそれなりの勢力を誇っておりました。若干、秀吉の子飼いは若干弱いけど。





そして、その頼朝にとって北条と同じくらい期待が持てるのが梶原景時なのではないかな。



だから、この難しい仕事を頼んだ。



景時は頼朝の信頼を確固たるモノにしたけど・・・。



坂東武者達からはどう見られているか?



以上、鎌倉殿の13人あらすじと感想第15話「足固めの儀式」でございます。
大河姫

今宵は此処までに致します。

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