鎌倉殿の13人あらすじと感想第35話「苦い盃」。「苦い盃」は実朝と千世の婚礼の事かと思いきや、義時と重忠の交した盃だったのですね。苦い、苦い盃。でも、良かった。二人とも共通認識がある。そして、確信犯なんだ。鎌倉殿の13人第35話

鎌倉殿の13人あらすじ第35話「苦い盃」

実朝の婚礼が近づく。
その影で、
時政とりくは
息子を失っていた。
不可解な死の真相を巡り、
駆け引きが始まる。


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鎌倉御所


「この和歌はどなたが詠まれたのですか?」


実朝は政子の願いで「さり気なく」置かれた和歌の写本を見つけ、興味を抱いたのだ。政子は自身の想いが届いた事を喜ぶ。


「頼朝様ですよ」





実朝は自身が気になった和歌の読み手が「父」であった事に嬉しそうな様子であった。

鎌倉殿の13人あらすじ第35話上巻「暗闘」

義時の館


義時は二階堂行政の孫娘であるのえを後添えに迎えた。





表向き、のえは義時に甲斐甲斐しく寄り添い、良い嫁を迎えたと評判である。義時ものえのことはとても気に入っている。



しかし。


「あんな、辛気臭い男と・・・!」


祖父の行政の前ではホンネを隠そうとしない。のえは、必ず義時との間の子を産み自身もこの鎌倉でのし上がると鼻息が荒い。



行政も孫娘にやや圧倒される。



のえの本性を知るのは息子の太郎だけである。


時政の館


時政の館ではりくが政範を失った悲しみに打ちひしがれていた。



時政は言葉を尽くしてりくを労わるのだが・・・。


「昔、父の大事な皿を割ってしまった事があった」


時政の父が大事にしていた皿を割ってしまったが、その皿に料理を盛り付け皆で囲んでいた思い出は残っているという趣旨の話をする。


「・・・政範は皿と同じですか?(怒)」


「いや、そうじゃねぇ」

「俺もどうして良いか分からねぇんだ・・・」





りくは時政の気持ちは分かっている。



しかし、時政では自身の悲しみを本当の意味で理解はしれくれないであろうことも分かっている。気持ちのやり場が無くただ嘆くのであった。



その頃、その政範の死の真相について、畠山父子が義時と大江広元の元に「平賀朝雅に重大な嫌疑」があると報せに来ていた。重忠の息子重保は政範と共に上洛していた。





「政範様は毒を盛られた可能性がある」


重保は平賀朝雅が怪しげな薬を入手していたことや、味付けに拘り妙な行動をしていたことを見ていた。政範の死後にそれを都で問い詰めたいきさつも話す。



義時はまずはこれをここだけの話とし、自ら朝雅に問い質す事にする。


「それは言い掛かりでございます」


義時は、政範の遺体を鎌倉まで運ばずに都で弔ってしまった事など、朝雅の行動には解せない部分があるとも問うが、のらりくらりと自身の関与は否定し、寧ろ、畠山重保こそが怪しいのではないかと反論する。



朝雅はりくに自身が謂れのない疑いをかけられている窮状と、畠山重保が武蔵の件を恨み政範を毒殺した可能性が高いと入れ知恵をしていた。
りくはすっかり、


「重保犯人説」


に傾倒し、時政に畠山追討を願う始末であった。



義時はりくの気持ちが全く分からないワケではない。



そこで、政子にりくを見舞い、その気持ちを慰めて欲しいと頼む。



政子はりくの気持ちに寄り添い、その上で畠山攻めは筋が違うのではと説こうとするが、
りくは、


「子供を三人も失った貴女の前で嘆くワケにはいかない」

「畠山の話など初耳」


と、本心を見せず全く心を開かなかった。


時政の館


「畠山を討つ!協力してくれ」


この日、時政、そして義時と五郎の三人が集まっていた。



時政はりくの剣幕に圧され、畠山を追討するつもりでいた。


「兵を動かすには鎌倉殿の下文が必要」


義時は執権であっても勝手に兵を動かすことは出来ないし、そもそも畠山ほどの忠義の者がそのような事をする理由がないと時政に説く。



時政もその事は分からぬではないのであろう。



しかし、りくには頭が上がらないのだ。


「義母上の言いなりで情けのうございます」


五郎の言葉に黙り込む時政は、取り敢えず兵をすぐに動かす事は断念したようである。


「最後のは余計だった」


義時は五郎にそう忠告する。

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鎌倉殿の13人あらすじ第35話中巻「覚悟」

義時の館


「次郎(重忠)を甘く見るな」


戦はなんとしても避けたい。



しかし、父時政の性格を考えれば今後どのようになるかは分からない。義時は状況を義村に相談していた。





優男だが。



かつて、壇ノ浦の戦いで義経の命で「漕ぎ手を射ろ」と言われた時に多くの御家人は戸惑った。しかし、重忠はすぐに漕ぎ手を射たのだ。



必要とあれば立場を変える事が出来る男。



優男だが。



義時は悩ましい。





二人が難しい話をしているとのえが茶を運んできた。



のえは繕い物の途中だったとの事で、簡単に挨拶をして奥へ下がる。


「どうだ良い女子であろう?」


と、義時は誇らしげだ。



しかし、勘の鋭い、いや、女子を見る目のある義村には少々異なって見えたようである。


「飯粒が手についていた」

「握り飯を食べながら縫物をするか?」


後日、義時は状況を畠山父子にも説明する。


「朝雅は院の家来でもあり処罰できない」


重忠は怒りに震える。


「我らが謂れの無い罪で責められてもよいと言うのか!」



バシッ!



重忠の拳は床を貫いていた。自身の危機も感じており、まずは武蔵へ引き下がり戦支度をすると言う。










実朝は、和田義盛の館を度々訪れるようになっていた。



難しい話をせずに過ごせる場所になっているのかもしれない。



義盛も満更ではないようだ。



この日は実朝を最近この周辺を根城としている「歩き巫女」の元へと連れて行く。





歩き巫女は色々と示唆に富んだ助言をしてくれる。





すっかり盛り上がってしまった結果、既に日も落ちて辺りは暗くなっていた。



鎌倉御所では実朝の姿が見えない事で騒ぎになり始めていた。

鎌倉殿の13人あらすじ第35話下巻「下文」

義時は時政に「畠山と事を構えるような事はしない」ようにと説いていた。



時政もこの時は「分かった」と言うのだが・・・。





既に畠山難しで凝り固まったりくに迫られるとこれを拒否する事は出来ない。



一方、時政がをりく(と、朝雅)の入れ知恵で畠山を攻めを考えていることを、政子や実衣、大江広元など鎌倉の中枢達は共有し、それを阻止しようと共闘していた。


「鎌倉殿の下文さえ無ければ兵は動かせない」


ようは「鎌倉殿」実朝に会わせなければ良いのだ。



ところが、この日鎌倉殿が行方不明となっていた。



時政より早く鎌倉殿を見つけなければ・・・。



鎌倉殿の居場所は八田知家が見つけた。


「やはり此処でしたか」


つい先日、和田義盛の屋敷へ行ったときに実朝がすっかりそこを気に入っていたこともあり、アタリを付けて捜しに来たのだ。



実朝は何事無く御所へと戻るがそこを時政が待ち構えていた。


「捜しましたぞ鎌倉殿!(笑)」

「いや、じじ殿にも迷惑をかけた」

「いえいえ、処でこの文書に花押を・・・」

「分かった」


時政はおもむろに実朝に文書を渡しそこに署名をしてもらう。



その頃、義時は武蔵にあった。





時政の気が変わらない内に、鎌倉殿を巻き込んでこの一件を平和裏に手打ちに持ち込む腹積もりであった。



二人は盃を交していた。


「しかし、貴方が真に戦うべき相手は」

「畠山殿それ以上は・・・」


鎌倉混乱の元凶はいったい何処にあるのか。



義時は勿論、分かっていた。

鎌倉殿の13人感想第35話「苦い盃」

鎌倉殿の13人感想第35話「苦い盃」。実朝は周囲にも恵まれてすくすく成長しております。将来は明るいけど、明るければ明るい程に先が・・・。人格的、能力的にも優れた「鎌倉殿」を北条の野心の為に義時は亡き者にするのでしょうか・・・?今はそんな暗い未来を想像してしまいます。



そして、畠山殿は次回でお別れなのかな?



でも、既に察しているね。素晴らしい戦になりそうです(涙)。

鎌倉殿の13人の感想第35話「届かぬ想い」

りくの唯一にして最大の希望は自身の子である政範。



その政範が突然亡くなりさすがのりくも今回ばかりはかなり参っている。義時も政子もその事には同情の気持ちもあると思います。特に政子。



同じく子を亡くした、しかも直近の子は非情に残酷な最期、者同士、少しは気持ちが分かるのではないかという期待が政子にはあったと思う。


「子を三人も亡くしている貴女の前で嘆くワケにいかない」

「畠山?何のこと?そんなお話があるのね」


りくは時政と政範、そして自身の娘の嫁ぎ先である平賀朝雅以外は一切信じていないのですね。おそらくこれまでずっとそうであったのでしょう。

鎌倉殿の13人の感想第35話「大きな器、だが軽い」

前回、時政を大きな空っぽの器であると評しました。



時政にはずっと自我が無かった。繰り返しになりますけど、頼朝を引き取ったのも、その創業に関わったのも決して時政本人の自我ではない。しかし、他者の決断でも決める事が出来れば己の事として不退転の決意で動けるのが強み。



だったのですが・・・。



この器は大きいのですが軽いのですね。



りく-朝雅ライン



VS



義時-五郎ライン



の綱引き。



時政も義時の言う「朝雅怪しい」「執権を狙っている」という言葉には説得力があると感じていたはず。



しかし、残念ながら時政には権力への執着はさほどでもない。寧ろ、大事なのは家族。家族にも序列がありりくが一番。



勿論、娘息子も大事だし、義時と五郎が言っているのだから一時は思い留まったものの、時政という器は
軽いのでひっくり返すのが容易



義時が注ぎ込んだ「朝雅が真犯人説」はりくによってあっさりぶちまけられて、「畠山憎し」「打倒畠山説」が注がれる。



そこに、時政自身の自我は多分存在していないのでしょうね。



一番最後に注いだ意見で動く



・・・某元首相を思い出してしまった。

鎌倉殿の13人の感想第35話「確信犯」

「鎌倉の為」


重忠はこれを「便利な言葉」だと言います。



本当に鎌倉の為なのか?
北条の邪魔となる者は消えているという現実。



義時は鎌倉体制を維持するには時政を排除しなければならない事に気付いている。



義時は物事が良く見える、いや、見え過ぎるのです。



そして、畠山重忠もまた先を見通すの。


「畠山と時政が戦になったら?」


勿論、重忠自身答えは分かっていて聞いたのです。しかし、その時は重忠も容赦なく戦う覚悟がある。


「少ない兵なら少ないなりの戦い」


重忠は義時が本心から戦を望んでいないことは分かっているし、その為にあらゆる手を尽くしている、つまりは時政の首になんとか鈴を付けようとしている事も分かっている。



それでも尚、戦になる可能性はある。



そして、義時も「戦にならない」という確信は無いのでしょうね。


「貴方は何方に立つべきか?」


畠山重忠は義時にそのことを説いているのでしょう。



権力の中枢にある者は常に確信犯なのだ。
知らなかった、分からなかった、騙された
そんな言い訳をする余地はない



そして、残酷なお話ですが、実朝は「権力者」ではない。権力者になろうとするのだろうか・・・?

鎌倉殿の13人の感想第35話「体制に奉仕する大江広元」




頼朝の側近としてその創業を支えてきた大江広元。



都出身と言うこともあり、頼朝へは個人崇拝に近い感覚を持っていたように思うのですよね。



かつて、頼朝生死不明の緊急事態の際に、蒲殿が取った行動を問題視して頼朝へ注進に及んだのは大江広元でした。



鎌倉体制の維持を考えれば、必ずしも蒲殿の行動は、そこまで道理を外れているものでは無かった。大江広元が蒲殿を庇えばお咎めも無かったかもしれないし。



しかし、頼朝の死後はその息子である頼家や孫の一幡には
一切の情を見せていない



寧ろ、良くも悪くも「道具」として鎌倉殿を見ている。



そう言えば、頼朝自身も息子達を「子供」としてというよりも「道具」として見ていたように思う。結果、都出身の文官達でさえ頼家や実朝、いや「源氏」という存在に「情」は一切なし。



家臣もまた主君に似るのかもしれない。



以上、鎌倉殿の13人あらすじと感想第35話「苦い盃」でございます。
大河姫

今宵は此処までに致します。

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