鎌倉殿の13人あらすじと感想第25話「天が望んだ男」。巨星落ちる。東国に武家政権を打ち立てた迷信深い独裁者頼朝。自身の死期を悟り怯える様が「独裁者らしく」て滑稽。しかし、御仏に怯えてもしょうがないと、悟りを開いた直後に命を落とす。近づこうとすれば嫌われ、突き放せば愛される。なんとも皮肉な。鎌倉殿の13人第25話

鎌倉殿の13人あらすじ第25話「天が望んだ男」

朝廷に食い込もうとする
頼朝の野望は、
大姫の死で頓挫した。
すべてを思いのままに
してきた彼は、
今、不安の中にいる。


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鎌倉殿の13人あらすじ第25話上巻「不安」

鎌倉御所


建久9年(1198年)12月27日


頼朝は不安の中にあった。



己の死期が近いことを悟り怯えている様子である。


「儂はどうすれば良い?」


易学を得意とする全成に何をすれば良いのかをすがるように尋ねる。元々迷信深い頼朝であったが最近は度を超えて病的ですらある。


「恨みを持つ一族を遠ざける・・・」

「それから!」

「あ、赤子は生気を吸い取るので近づかない」

「それから!!」

「珍しい尋ね人は避け、平家の色である赤を避け・・・」


ところが、これは全生の苦し紛れの嘘であった。


「嘘なの?」


全成の妻、実衣は夫、全成の言葉に驚く。


「そうでも言わなければ兄上はおさまらない」


そうとは知らない頼朝は律儀に全成の言葉を守ろうと右往左往するのであった。



比企の一族が訪ねて来た時は産まれたばかりの孫を抱かされ、政子の計らいで赤いほおずきが飾られれば動揺する有様であった。





そんな頼朝が少し元気を取り戻す出来事が起こる。


「他に女子がいる?」


嫡男頼家は既に比企の娘せつとの間に子までなしているが、他に女子がいたのだ。


「流石は儂の息子」


その女子、つつじは源氏の血、源為朝の血筋だという。比企の動きに警戒感を抱いていたことも重なり頼朝は頼家を誉めるのであった。

鎌倉殿の13人あらすじ第25話中巻「許し」

時政の四女あきは稲毛重成に嫁いでいる。



北条一門の中でも影が薄い男だが愛妻家であり妻を大事にしていた。その妻あきが亡くなり重成はその供養に橋をかけた。



橋供養である。



義時たち北条一門は皆、その供養に参加するのだが頼朝もこれに参加することになる。



安達盛長を伴い向かうのだが、その途中で和田義盛の屋敷に寄る。義盛は義仲の縁者である巴を迎え入れていたのだが、巴は頼朝への挨拶はかたくなに拒絶する。



義盛は致し方なく「巴は外出中」と伝え、とりあえず事なきを得るが、頼朝は途中の道が塞がっていたこともあり、また義盛の屋敷へ戻ってきてしまう。



義盛は巴に頭を下げ頼朝に挨拶をするように頼み込む。



巴は渋々ではあるが頼朝への挨拶を承諾する。





頼朝は義仲のことを巴に詫びる。


「あの時はああするより他になかった(涙)」


かつての敵であり、征夷大将軍でもある頼朝が涙を流し許しを請う姿に巴は憐れを感じずには居られなかった。

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鎌倉殿の13人あらすじ第25話下巻「復活・・・?」

頼朝は橋供養が行われる稲毛の屋敷に到着する。



そこで、餅を喉に詰まらせるのだが時政の機転で窮地を脱する。


「時政に命を助けられた」


この出来事以降吹っ切れたように明るくなる。



義時と政子にこれまでの感謝を伝えると同時に、


「御仏に怯えても致し方ない」


と、爽やかな笑顔を見せるのであった。



頼朝は暗くなる前に安達盛長と共に鎌倉への帰路に就くのだが・・・。

鎌倉殿の13人感想第25話「天が望んだ男」

鎌倉殿の13人感想第25話「天が望んだ男」。これまで多くの人間を利用し殺してきた頼朝。死期を悟って益々迷信深くなる様は滑稽でもあり哀愁を感じる。しかし、そこは腐っても頼朝。


「御仏に怯えても仕方ない」


目覚めたね。



清盛様は十代で気付いておったがな。

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鎌倉殿の13人の感想第25話「怯える」

人間は死期が迫ると謝らないと、皆にお礼をしなければという心境になるとか。



落とし前を付ける時が来たということですね。


「お前は勝手な奴だ」


かつて、上総介広常が言っていた通り、頼朝は「勝手な男」であり、そしてその自覚もある。



・・・自覚がある辺りは清々しいけど。



清々しいが、だからこそ怯えるのだと思う。



御仏の為に、朝廷の為に、あるいは日の本の民草のために源氏の世が必要。何か「崇高な目的」の為に戦ってきたのであったならその心境は多少は違ったかな?



平氏を滅ぼしたのも、上総介広常を殺害したのも、義経を討取ったのも、直近では蒲殿を殺害したのも全て自分の為



だからこそ怯えるのでしょうね。



因みに恨みのある一族を遠ざけると全成は助言しておりましたが、実の弟すら殺害している以上、目の前にいるその全成でさえ恨みのある一族ですからね。



・・・この辺りは
平家一門は一蓮托生の清盛様を見習って欲しいものです。



見習おうとしていたかな・・・?

鎌倉殿の13人の感想第25話「巴は許した」

人は殴れないから殴りたいワケで、殴れるようになってしまうと殴っても気は晴れない、どころか虚しさを覚えるのです。



嗚呼、また言ってしまった。
このブログの主題の一つ。



巴のお話です。





巴は義仲の最期の言葉もあり、頼朝への憎しみで自身の人生を奪われるようなことはありませんでした。和田殿という新しい人生の伴侶を見つけて前を見て生きていた。



それこそ義仲の望みであり、
決して仇討ちに人生をかけるような事を望んでいないということも理解していた。



頭では



ただ、気持ちの部分では決してそうではなかったと思うんですよね。



頼朝に会うのを当初拒絶したのは巴自身の感情がどう動くか分からなかった、それが怖かったのではないかと思います。



しかし、会ってみて拍子抜けした。



目の前にいるのは齢五十を過ぎて、御家人の「妻」の前でハラハラと涙し許しを請う病んだ男。



今の巴でも充分に殺せると感じた事でしょう。



だからこそ殺す価値もないと思えたのではないかな。



この時、巴の中で頼朝への複雑な想いが完全に消化されたのでしょうね。



巴は頼朝が死ぬ前に会っておいて良かったかな。

鎌倉殿の13人の感想第25話「独裁者は孤独・・・ではなかった」

「(時政も)儂を恨んでいるのではないか?」


心当たりは色々ある
頼朝自身がホンネを言えば北条でさえ「駒」に毛が生えた位にしか思ってない。



なので、時政の言葉とそれに続いて、餅を喉に詰まらせた時の慌てふためいた行動は嬉しかったと思う。



頼朝が欲していた「家族」は実はもうあったのだ。



孤独だと思い込み心に壁を作っていたのは自分だったかも。


「神や仏に怯えてもしょうがない」


御仏の呪縛から脱し人間「頼朝」が誕生。





爽やかな良い表情。



そして、新たな人生を踏み出そうとした時に頼朝の人生は突然幕を閉じる。つまり、御仏もようやく頼朝を天に迎え入れる決意をしたのではないでしょうか。



以上、鎌倉殿の13人のあらすじと感想第25話「天が望んだ男」でございます。
大河姫

今宵は此処までに致します。

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→鎌倉殿の13人あらすじ感想第26話「悲しむ前に」