翔ぶが如くのあらすじと感想第34話「欧米視察団出発」。大久保はこれから先の国造りに関して明確な青写真がなかった。西郷は大久保がそれでは困ると苦言を呈するが、大久保は海外の文物を学びその答を必ず得ると語る。しかし、政府中枢の大蔵卿である大久保の欧米視察には各方面から反対意見が・・・。翔ぶが如くのあらすじと感想第34話

翔ぶが如くのあらすじ第34話「欧米使節団出発」

明治4年(1871年)9月、横浜から川崎の間に鉄道が開通します。当時は鉄道の事を陸蒸気と呼んだものでございました。試し乗りに参加した西郷従道夫妻、そして末の弟小兵衛が西郷邸へとやって来ます。




小兵衛は桐野利秋と千絵の兄との間にあった維新前後の不幸な出来事についてそれとなく尋ねようとするが、従道の妻が天真爛漫に小兵衛が桐野との関係気にしているのでどうですかと直球で尋ねる。千絵は小兵衛の意図が分かると、



「私は西郷邸の女中頭!脇を気にしている余裕はありません!」



と、応える。
三人は中に通されると西郷の戻りを待つことになる。



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翔ぶが如くのあらすじ第34話上巻「思惑」

「ほう!これは・・・!美味い!」



西郷は従道達が土産に持ってきた西洋菓子を喜んで食べる。そして、余ったものは父母にもお供えしたいともう二つ貰うのであった。そんな様子に清が尋ねる。



「兄さぁも一緒に来れば良かったではございませんか?」



清は西洋に開かれている横浜にはなんでもあり、陸蒸気(おかじょうき)のぐんぐんは知る事や珍しい西洋の品物について話す。



「あの世への土産話にはまたとないものでしたのに・・・」



従道はその言葉を咎める。



「清!兄さぁはまだ45じゃ!縁起でもない事言うものではなか!」

「!これは・・・すいもはん」

(´・ω・`)


「ははは!気にしないでよか!」



西郷は機嫌よく応じる。
そして。



「廃藩の大仕事も無事終わった事でおいのやる事はもうなくなったと思う」

「兄さぁ!」



西郷はこれからは官職を辞して北海道で農業をしたいと考えていると話す。従道と小兵衛は顔を見合わせる。



「いったい何で北海道なんでごわすか?」



「おはんらは露西亜の南下政策を知らんのか・・・?」

「おいは、それに備えながら北海道で農業をしたか・・・」



無論、従道も小兵衛も露西亜が不凍港を求めて南下政策を取っている事は知っている。しかし、その対策に「西郷隆盛」が全ての官職を辞して一農民として農業をしながら備えるというのは些か浮世離れしていると言える。




しかし、従道は兄隆盛の言葉に廃藩を断行したこと、そして中村楼で大山や有村の突き上げもあり、疲れているように感じるのであった。




その頃、同じく「陸蒸気」に試し乗りをした帰りの大久保達が岩倉お気に入り芸妓のいる料亭で酒宴を催していた。



「いやあ!あの陸蒸気というのは凄いの!百聞は一見に如かずじゃ!」

「私も乗ってみたいですぅ!」

「ほほほ!仕方ないの!今度そなたたちも連れて行くぞ!」

「まあ!嬉しい!!」



岩倉はお気に入り芸妓雪を相手にニヤニヤが止まらない。店には大久保、木戸、伊藤、そして佐賀人の大隈が来ていた。




木戸は西洋にはあのような「陸蒸気」が何百里も走っている事実に感嘆しつつも、我が邦とのその国力差にため息が出る思いである。




洋行経験がある伊藤は西洋の様子を嬉しそうに語る一方、洋行に行きたい大隈は自分のアピールを怠らない。



「既に三条公にはご内諾の事ですが、是非洋行には私を!」

「私を団長として頂ければ条約改正までかならずやり遂げます!」



大隈はこの目で自分も海外を見てみたいと前々から三条公に根回しをしていたのだ。木戸は大隈は洋行経験がないのに一体その自信は何処から湧いて来るのかと不思議そうだ。




しかし、木戸の「洋行経験がないではないか」という皮肉もなんのその。



「だからこそ行ってみたいのです!」

「私は必ずやり遂げる自信がありますれば、岩倉様!何卒!」



大久保は大隈の「三条公に」という言葉が引っかかる。折を見て、岩倉を別室へと連れだす。



「お伺いしたい義がございます」



「まあ、そう急ぎ為さんな。其の方から一言あると思って座を移した」

「大隈の事やろ?」



「三条岩倉両公の内諾とは些か心得ませぬ」



「儂はウンとは言っておらぬぞ?」

「そなたの意見を聞かねばな!」



「はい。聞いて頂かねばなりませぬ(笑)」



大久保はここまで新政府を引っ張て来たのは我々でありこの大仕事も我々の手でやらねばならないと話す。



「大隈は外されたら怒るやろな?条約改定係りやし」

「・・・岩倉公にはあちらこちらに良い顔をなさるお癖が抜けておらぬご様子・・・」

「(笑)なら大久保、どないしたらよい?

「しばらく時間をください・・・」



大久保はまず、伊藤を引き込む事を考える。



「伊藤、只今参りました・・・」

「おお!伊藤君待っておったぞ!」

「はい・・・」

「今度の洋行の事なんだが」

「!?はぁ・・・!」



伊藤博文は安堵の表情を浮かべる。大久保と一緒にいた従道がその様子を訝る。



「いったいどないしもした?」

「いや、大久保卿の呼び出しとは、いったいどのようなヘマをしたかと・・・」



伊藤のそんな様子に大久保は苦笑する。大久保は今度の洋行には自分が行くべきであると考えていると話す。しかし、既に三条公の内諾を得ている大隈の反発が予想される。



「伊藤君には木戸さんの説得を頼みたい」

「勿論、木戸さん、そして洋行経験がある君の一緒に来てもらう」



「しかし・・・それでは政府首脳が揃って留守に?」



「大丈夫!西郷参議が残る!」



内心はあまり西郷を評価していない伊藤は一抹の不安があったようだが、再びの洋行となれば経験がある自分は活躍できるし大久保とも懇意になれる。伊藤は喜んで了承する。




その二人の様子を従道は不安気に見ていた。伊藤が戻った後に先日の件を大久保に話す。



「北海道!?」

「はい・・・どうも兄は思いつめているようでした」

「また、悪い癖が出もしたな・・・」

「おいもそう思いましたが中村楼の件も堪えている様子で・・・」



大久保は従道の話に渋い表情を浮かべるのであった。

翔ぶが如くのあらすじ第34話中巻「汚れたカネ」

「千絵さん!聞いてくれ!いよいよ洋行が決まりそうなんだ!」



千絵を路上で呼び止めて来たのは矢崎八郎太である。矢崎は今度の洋行にもしかすると参加出来るかもしれないと報告に来たのだ。千絵は何故自分にそのような事を報告するのか尋ねる。




矢崎は少し淋しそうに、はにかみながら答える。



「いや、僕にはこの東京で他に報告する人もいないから・・・」



その時一台の人力車が二人の脇を通り抜ける。



「姉上?」

「追って!あの人力車を追って!!!」



矢崎は千絵言った通り人力車を追いかけるが人混みで見失ってしまう。二人は川辺で話をする。



「話してくれないか?」



「いいえ、なんでもないですから」



「君もこの東京で話が出来る人間なんていないだろ?」

「君は充分に意地を張って来たんだ。もう充分ではないか?」



千絵は矢崎に促されて姉「千草」の事を話す。千絵の父が病に倒れている時、姉が出て行ったという。そして、暫く後に医師が訪ねて来たと。父は看病の甲斐なく亡くなってしまうが、そもそも当時の芦名家には「医師」を呼ぶ金などなかった。しかし、医師は既にお代はもらっていると。



「分かりますか?姉は身を売ったのです」

「これで話は終わりです・・・」



千絵は矢崎にそう告げると西郷邸へと戻って行った。西郷邸へ戻ると西郷付下男の熊吉と誰かが話をしていた。



「・・・そうですか・・・御留守ですか」

「熊吉さん?どうしました?」

「ああ!千絵様!こちらのお方が・・・!」



来客は山城屋と名乗る。以前、山県有朋と一緒に西郷を訪ねて来た長州出身の商人だ。



「留守でしたら此方を・・・」

「いえ・・・そんな・・・」

「お気になさらず!西郷様へお渡しください」



山城屋は珍しいお菓子であると包みを千絵に渡すと帰って行った。その日、西郷の帰りは遅かった。



「さ、お茶にございます・・・そろそろお帰りの事と思いますが」

「ほんのこてお手数をおかけしもす」



桐野利秋が西郷を訪ねて来た。兄の件はあったものの西郷の優しさや気遣いに感謝しており、桐野利秋も悪い人間ではないことは千絵は分かっていた。もう、仇と短刀を振り回したりはしない。



「ところで、あれをたもって(食べて)よろしうごわすか?」

「え?あれは旦那様に・・・」

「はは!千絵さぁは知らんかったといえばよかです(笑)」

「そんな!それではまるで子供ですよ!」

「はは!おいはあんお人の弟か子供に産まれたかった」



桐野は菓子の入っている包みをあける。



「な!?」

「これは?!」



そこには菓子は入ってはいない。銭、札が入っていたのだ。



「誰が持ってきた?」



鋭い視線で千絵に尋ねる。



「・・・確か山城屋和助とか・・・」



桐野はその「箱」をもって出て行く。その頃、山城屋は山県有朋と飲んでいた。



「山県様のお陰で・・・」

「そうか!それは御用達という言葉の魔力じゃな」

「して、またお願いしたい件が・・・あ!まず此方を・・・」



カネを渡されるとそれを慇懃に懐に忍ばせ答える。



「では、せっかくだから聞こうか?」




ばん!!!



襖が突然開く。



「な、なんだ?桐野君じゃないか?まあ一緒に呑も・・・」



山県の事など一顧だにしない桐野。じっと山城屋を見据えている。



「山城屋・・・」



「はい・・・」


「他藩の者はいざ知らず・・・」

「薩摩の大西郷を二度と不浄のカネに塗れさせたら・・・」

「そん時おいはお前を斬る」



桐野は御膳上の盃を乱暴にどかしてその上に山城屋の持ってきた「不浄のカネ」が入った箱を置く。そして、今度は山県に鋭い視線を送る。



「西郷先生は今、国家の為に働けるのは戊辰戦争で死んだ人のお陰と言っておられる」

「兵部大輔であってもそれを忘れたら桐野が許さん・・・」

「よかな!!」



桐野はそう言い捨てると料亭を後にする。すっかり白けた二人はその日はお開きとする。家に戻った山城屋を妻らしき女が出迎える。



「あら、お帰りなさいませ・・・!」



「ああ、所で誰が来ている?」



「え?銭の無心は長州のお仲間に決まっているじゃないですか?」

「皆さん兵部省のおえら方なんだから本宅に呼べば良いのに」



「誰があんな連中!」

「薩摩はカネより女、長州はカネカネカネだよ・・・!」

「意地汚い奴らだ・・・」



「・・・?兎に角お召し変えを・・・」



女はどうやら妾のようだ。しかし、日常茶飯事長州のタカリにも関わらず、不機嫌な様子に少し心配そうな様子で主人を見つめていた。

翔ぶが如くのあらすじ第34話下巻「わがまま」

「おお!一蔵どん!よう来た!帰りに鮎をもっていきやんせ!」



大久保は西郷邸を訪れていた。



「吉之助さぁ、おいは洋行へ行くことにしもした」



一緒にいた村田新八が嬉しそうに尋ねる。



「ほう!それは英国ですか?米国ですか!?」

「いや、英国も米国も普国も仏国も・・・!」



大久保は西郷に実は今自分はこれからの国造りの方向性が分からないと告白する。そして、その「指針」を得るために自らが洋行するというのだ。西郷は「方向性が分からない」という大久保の言葉に驚くが、その為の洋行と聞いて一応筋は通っていると感じはした。ただ、大久保無しで今の政府が回るのか・・・?



「これはおいのわがままでございもす」



しかし。



「じゃっとんまだ難しい問題が仰山ございもす」

「北海道へという話は聞いておりましたが・・・」

「吉之助さぁに留守をお願いしたか」



西郷は憮然とした表情で応える。



「おいはやっせん」

「一蔵どん、人を見てモノをいいやんせ」

「洋行には反対はせん。が、おいには無理でごわす」



西郷は自分は戦をするには役に立つ人間であるという自負はあるが、政策を実行するといった内政では役に立たないと言うと縁側へ向かい、大久保と村田に背を向ける。




そして。



「命も要らず、名も要らず、官位もなんも要りもはん」

「おいはただ参議なんて職は辞めたか」



重苦しい沈黙。
大久保が諦めそうになったその時。村田新八が珍しく西郷に意見する。



「まっちゃんせ・・・」

「吉之助さぁは先日命も官位もなんも要らん人は始末に困ると」

「その始末に困る人でなければ国家の大事は為しえないと言いもした」

「そげな人が政府を去ったらどげんなりもんそかい!」



「議を言うな!!!!」



「はい・・・」



「鮎を包んでやりやんせ・・・」



「じゃっとん・・・」



「よか・・・鮎を包んでくいやんせ、持って帰りもす」

「包んでくいやんせ・・・新八どん」



大久保は西郷の説得は難しいと感じたが、自身の洋行は不退転の覚悟で行つもりでいた。また、伊藤は木戸の説得には成功する。一応これで、大隈の内諾は崩せるはずだ。




しかし、大隈と同じ佐賀出身の江藤は薩長の動きに怪しいものを感じていた。江藤はあくる日の朝議で洋行の件の口火を切る。



「よし!本日はこれまでとしようかの」

「岩倉様お待ちください!大隈参議の洋行計画について・・・」

「おお江藤、そうじゃな!じゃがそれなら大体決まった」

「・・・決まった!?」

「そうじゃ。儂が行くことにした」



大隈や江藤は寝耳に水である。またしても薩長にしてやられたと怒りの表情を浮かべる。




大隈もまた歯噛みして悔しがりたい所だが、グッと堪えて受け入れる。しかし、その洋行の人員を聞いた時衝撃を受ける。



「岩倉、木戸、伊藤、山口・・・大久保」



「な!?それでは政府中枢は誰もいなくなる!」

「せめて大久保卿には残ってもらはねば・・・!」



江藤は政府の要である大久保の出国に難色を示す。



「儂もやはり大久保がいないと困る・・・」



三条公は江藤の言葉に不安を感じて大久保の残留を主張する。岩倉は焦り、実務を考えれば大久保抜きでは意味がないと抗弁するが・・・。



「実務なら計画書を作成した大隈がおります!」



大久保は黙して語らない。木戸が追い打ちをかける。



「私には江藤君の意見ももっともに聞こえる・・・」



現実を見ればやはり不安はある。木戸は大久保に残留し、国内を守ってくれないかと言うが、



「そ、それはなりません!」



江藤は伊藤を睨みつける。



「伊藤君!参議の発言ですぞ!大隈もまた参議!」



重苦しい、重苦しい沈黙の後。



「参議ならもう一人おるではないか?」



場違いなやや甲高い声の主は岩倉である。西郷もまた黙っている。



「分かった分かった・・・とりあえず休憩じゃ!」

「私は大久保卿の洋行についてご本人から話を聞きたい!!」



大久保は黙って席を立ってしまう。




腹の虫が収まらない江藤新平は自宅へ戻ると書生たちに檄を飛ばす。



「またしても薩長の横槍が入った!」



江藤はまず、長州を排除すると息巻く。丁度、山城屋と山県の関係が浮上しつつあり、矢崎と同じく書生の河合に山城屋を張り込むように命じる。



「薩摩は良いのですか・・・?」

「薩摩は後回しじゃ!芋など洗っても女の事しか出てこん・・・!」



数日後、大久保は西郷に呼び出される。



「吉之助さぁ!すいもはんお待たせしもした!」

「おお!一蔵どん!相変わらず忙しかなぁ・・・」

「何事も自分の目で見ん事には気がすみもはんもんで・・・」

「・・・いきやんせ・・・!」

「は?」

「洋行いきやんせ!留守はおいがしっかり守る」

「・・・吉之助さぁ・・・!」



西郷は洋行はやはり国家の一大事であり、大久保が行くべきであり、そして、自分が留守を預からねば、大久保は洋行には行けないと翻意したのだ。



「今回はおいがワガママを通しもした・・・」



大久保の言葉に西郷は微笑む。そして、その洋行には村田新八も連れて行って欲しいと頼むのであった。




洋行の出発日は明治4年11月12日と決まり、その前の晩横浜のホテルで盛大な壮行会が開かれる。



「西郷!くれぐれも留守政府は約束を守ってくれな?」

「岩倉様・・・承知致しておりもす」



また、兎角不機嫌だったはずの江藤新平も朗らかに話す。



「留守中は肥前佐賀でしっかり守りますので、どうぞご安心を!」



酒の飲めない西郷は途中で席を外し夜風にあたる。そこへ村田新八がやって来る。



「吉之助さぁ!気分でも悪かですか?」

「おお新八どん!大丈夫じゃ!酒は飲んでおらん」



西郷は共に洋行する村田新八に一蔵の事を頼むという。



「おいが引き受けたのは日本の将来を考えての事じゃ」

「こんままではダメになってしまう」



「はい・・・」



「あの席には政府の役人か御用商人の番頭かわからん輩も一緒じゃ」

「情けなかぁ・・・じゃっとんそげな輩ほど仕事が出来る」

「今は我慢じゃ・・・」

「そげな中で一蔵どんを助けて国政に携われるのはおはんじゃ」



「吉之助さぁ・・・」



「正々堂々外国と渡り合い、国造りに携わる者は高い志を持った者でなければならん」



「村田新八!よか世が来ると信じて死んで行った者の為にも確り世界を学んできもす!」



「頼んだぞ!」



そこへ大久保もやって来る。



「吉之助さぁここにおりもしたか!」

「おお!一蔵どん!しっかり一蔵どんの事見張るように新八どんに説教していたとこじゃ!」

「おいはこれで・・・!明日もありますので!」



村田が室内へ戻ると大久保は不安を口にする。先程の江藤たちの様子を見れば留守政府は大久保の想像より難儀な事になるかもしれない。



「幾度か辛酸を経て、志、初めて堅しじゃ」



「はい」



「死んだ後の事を考えてもしかたなか」

「子孫に美田を残すべからずの精神で留守を守っておる」



「吉之助さぁ・・・!」



「ところで、一蔵どん今年いくつになった?」



「これは・・・四十二でございもす」



「そいは男の厄年じゃ・・・!外国に行って水当たりなどなってはならん」



大久保達はこの翌日、米国へ向かって船出をする。

翔ぶが如くの感想34話「欧米視察団出発」

大河ドラマ翔ぶが如くの感想34話「欧米視察団出発」です。西郷が留守政府を預かる事になりますが、既に波乱の布石が打たれている様子。あと、ちょっと大久保はズルい気がしました。いや、「洋行の件」と「留守を西郷に任せたい」というのは良いですよ。中村楼の件です。そして桐野!いやぁ・・・!杉本哲太あの迫力でまだ20代。

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翔ぶが如くの感想34話「不浄のカネ」

「他藩の者はいざ知らず・・・」

「薩摩の大西郷を二度と不浄のカネに塗れさせたら・・・」

「そん時おいはお前を斬る」



めちゃくちゃカッコイイ。杉本哲太(25歳)。




西郷の家で山城屋が持ってきた「お菓子」を開ける時のまさに、「子供みたい」な無邪気さとそれが「不浄のカネ」と知った時の「純粋な怒り」。



この性格は表裏一体なんだと思います。




その怒りのまま、山県と山城屋の会談に乗り込む大胆さ。山県は一応「兵部大輔」であり桐野の上司ですが、全く上司とは思ってないwまあ、良くも悪くもこの頃は藩閥全盛なので無理からぬ事ですが。




この桐野も最高なんですけど、山城屋にも注目したいんですね。




二人とも桐野の迫力に圧倒されていますが沈黙したの理由はそれだけではないと思うんですよね。



「桐野の純粋さが眩しい」
(俺達は汚れちまった・・・)



私個人的に人間は「人は綺麗には生きられないモノ」だと思うのですが、一方で「清廉なるモノ」への憧憬も持っていると思うんですよね。現実はともかく「清廉でありたい」という想いは持っている。中にはそれを「書生じみてる」「現実はこんなもん」と馬鹿にしたり毛嫌いしたりする方おりますが、それは憧憬の裏返しだと思うんですよね。




山城屋は帰宅後に長州の「お友達」が金を無心に来ているのを知って、そんな事は日常茶飯事で、それで自分も良い思いをしているにも関わらず、



「意地汚い奴らだ・・・」



と、憎しみを露わにするのは桐野の「清廉さ」にアテられたかな。それを妻(妾)が心配そうな眼差しで見つめるのもまた良かったですね。




山城屋の妻は千絵の姉なんですけど、この姉と山城屋が「カネで繋がった」だけではないのが雰囲気で表現されている。




こういう微妙な心理描写がとても良いと感じます。

翔ぶが如くの感想34話「大久保、伊藤を仲間に誘う」

大久保と岩倉の関係が相変わらず良いですね。



「岩倉公にはあちらこちらに良い顔をなさるお癖が抜けておらぬご様子・・・」



とはいっても、岩倉もまた大久保抜きで何かを進めるつもりなどはサラサラない。以前にも触れた通り、「倒幕」を通して大久保と岩倉には固い信頼関係、もはや西郷と大久保の信頼関係にも劣らない位の、があります。




そして、その大久保がまた新たな「仲間」を作ろうとしているように見えるんですよね。



「伊藤博文」



大久保は薩摩の枢要に駆け上がった時も、公家調略策を実施する時も「仲間」を作る、いや悪く言えば調略するのが得意ですね。大久保は常に「何か創る」事に力を注いでいる、いうなれば「未来」を見据えている。




一方で西郷は「後ろ」を見ている。いや、後ろを見ているというよりも「未来の為に」過去を清算しようとしているんですよね。中村楼の件しかり、廃藩置県しかり。



「戊辰で死んだ人がいたからこそ、今働ける」


それは生物的に「死んだ」人もそうですが、戊辰戦争で大事な物を失ってしまった人々への想い。



それは「性格だから仕方ない」といえばそれまでですが前回の中村楼の件はなぁ・・・。大山じゃないですけど私も「利用」されているように見えてしまう部分あるかな・・・。




勿論、「英国公使」との接待も大事でしょうし自分が行くよりも西郷だけで行った方が良いという判断もあるでしょう。
しかし、



「今更会うのは気まずい」



と、いう感情がないといえば嘘になるかなと思います。やはり義理堅い西郷に甘えているように、西郷がいつも貧乏籤を引かされているように感じてしまいます。




と、此処まで書いてふと思いました。



「今回はおい(大久保)が我儘を通しました」



ん?なんだこの違和感は?




思い出した。




西郷は2年位鹿児島で悠々自適な生活を送っていたんだった・・・。




うーん。




そう考えるとやっぱり釣り合いは取れていたのかな?西郷が今回留守政府を預かる事を決めたのは「一蔵は一度我儘を聞いてくれた」という事あったのかな。

翔ぶが如くの感想34話「西郷の想い」

人間は「前向き」に好きな仕事をしている時の方が生き生きします。大久保がなんやかんやで生き生きしているのは、



「新しい国を創っている」



からだと思うんですよね。
因みに、西郷は自分の事を、



「戦をするには役立つが政策を実行するといった内政では役に立たない」



と言っています。江藤や大隈の西郷評と似ているのが面白いですね。




私は西郷が武辺一辺倒の人間などではないと思いますし、その胆力と人間的魅力は「圧倒的」だと思いますが、西郷自身の自己評価はあまり高くない。
まあ、人間難しいのは、



「好みと能力」



は必ずしも一致しないというところですかね。西郷には人の上に立つ素養やマネジメント能力も高い。しかし、そういった仕事は好みではないんですよね。




西郷は「壊す(戦)」はある意味では好きですが、調整やマネジメントは「得意」だけれども好きではない。しかし、今回の西郷を見て1つ「未来」を見始めたのかなと感じた部分があります。



「あの席には政府の役人か御用商人の番頭かわからん輩も一緒じゃ」

「情けなかぁ・・・じゃっとんそげな輩ほど仕事が出来る」

「今は我慢じゃ・・・」

「そげな中で一蔵どんを助けて国政に携われるのはおはんじゃ」

「吉之助さぁ・・・」

「正々堂々外国と渡り合い、国造りに携わる者は高い志を持った者でなければならん」



これは「人を育てる」という事なのかなと感じます。




ただね。




もう歴史を知っている私は西郷が期待した村田新八の最期を知っているんですよね。西郷はどんな気持ちだったのかな・・・。




以上、翔ぶが如くのあらすじと感想第34話「欧米視察団出発」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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