翔ぶが如くのあらすじと感想第29話「維新成る」。「廣ク會議ヲ興シ萬機公論ニ決スベシ」慶応4年(1868年)3月新政府はその基本方針を内外に示す。しかし、新政府には金銭も人材も圧倒的に不足していた。そして、旧幕府軍抵抗もまだ終わってはいなかった。翔ぶが如くのあらすじと感想第1部幕末編最終回第29話

翔ぶが如くのあらすじ第29話「維新成る」

新政府は「太政官」と呼称された。古風な名称ではあったがその中身は合衆国を見習い三権分立を体裁としては整えていた。古風な名称は国内保守派向け、そして開明派の理解を得るためその中身は合衆国を見習った。しかし、人材も金銭も不足する中、江戸で再び戦いが起ころうとしていた。

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翔ぶが如くのあらすじ第29話上巻「大村益次郎」

江戸の治安は彰義隊に任されたいたが、慶喜の水戸出府を境に進駐してきた官軍との諍いが頻発し治安は悪化の一途を辿っていた。




彰義隊にも問題はありではあるが、官軍も度々騒ぎを起こし規律の乱れが問題となっていた。
この日、夜の街を我が物顔で歩くのは有村俊斎である。



「ようし!もう一件行こう!!ウィ・・・!」

「有村さぁ!もう遅いし今夜はこの辺りで・・・」

「信吾!おいは江戸に住んでいたんぞ!大丈夫じゃ!」



「おい!!お前ら何をている!」



「天下の官軍をお前呼ばわりとは!何者じゃ!」



「お前達薩摩の芋か?さっさと去れ!」



「芋と言われて黙っておられるか!」



騒ぎを聞いてやって来たのは者は彰義隊を名乗る。血気に逸る俊斎を信吾は止めようとするが、もはや斬り合うしかなさそうだ。数は相手の方が多く囲まれている。




そこへ。



「何をしている!」



村田新八が数名を引き連れてやって来る。幸、手にしていた6連発を天空に発砲して威嚇をすると彰義隊は去っていった。




吉之助は村田新八や吉二郎から昨今の江戸の状況について報告を受ける。彰義隊は江戸の治安を任されてはいるが、官軍を目の仇にしており諍いが絶えず官軍の評判も落ちている。




さらに、官軍側も「気の緩み」が目立つ者も多い。



「決めた、おはん達には白川攻めへ出てもらう事にした」



西郷はこのまま江戸に残り結果を待つという。村田新八は有村俊斎についての懸念を西郷に伝える。



「おいは有村さぁが心配でございもす」



俊斎はかねてからのお調子者振りを発揮して自分が天下を獲ったように浮ついていると。しかし、西郷は村田新八をたしなめる。



「新八どん、目上の者の陰口はならん・・・」

「はい・・・!」



江戸の治安の悪さは京都の大久保や桂にとっても頭の痛い問題だった。
彰義隊は勝海舟の、



「苦肉の策」


で、江戸の治安を任せるという体裁をとっていたが、今や兵力三千の武力集団である。問題なのは、官軍は奥州戦線へ転戦しており、現在の江戸の兵力でこれを鎮撫するには些か気掛かりである。


「今回の件、適任の傑物がいる」


桂小五郎は風雲急を告げる江戸での対応に大村益次郎の派遣を提案する。先の第二次長州征伐でも数に置いては圧倒的に劣勢であった長州軍を大勝利に導いた立役者である。




大村益次郎は江戸へ着任するとまず勝海舟の屋敷に手入れを行う。これに、彰義隊に呼応する者は怒り上野へと集まりつつあった。西郷と勝は、江戸開城前に約した鰻屋で懇談していた。



「いや、俺のいない間に屋敷に手入れがあってな」

「これは、申し訳ない仕儀でございもす」

「いや、致し方ない、これは官軍の意思を示したという事だろう」



勝は彰義隊を抑えようとしていたが、「手入れ」をする事で勝をの梯子を外したのだ。勝は事此処に至れば致しかないと言う。むしろ、大村益次郎の手腕を高く評価する。実は西郷もまた同じことを考えていた。



「天がの御仁を遣わしたように感じもす」

「坂本が手始めで、大村は仕上げって事だな・・・」



そこに鰻が運ばれてくる。
勝の表情が綻ぶ。



「お!来たねぇ、」



勝は上方と江戸の鰻について説明する。江戸は武士の町。切腹はいけねぇって事で背中から切るが、上方は腹から切る。



「薩摩も背中からでございもす」

「お!流石は武士の国だねぇ・・・!」



西郷や勝は大村益次郎を評価していたが、大村の論理的で相手を論箔する性格は波紋を呼ぶ。上野戦争前夜の軍議での事だ。



「お味方は朝から晩まで鉄砲を撃って疲労困憊じゃ!」

「それは、嘘でありますな」

「嘘だと!何が嘘だ!貴様どういうつもりだ!?」



大村は小銃は数発発砲すると砲身が熱を帯びてつかえなくなる。つまり、朝から晩まで発砲し続けることは不可能だと言う。




西郷は大村の冷静な物言いを頼もしく感じるが、有村俊斎にはその態度は不遜と映り口論となる。勿論、口論では大村益次郎にはまったく叶わない。




そして、大村益次郎は上野戦争決戦にあたり薩軍にもっとも激戦が予想される「黒門口」に薩軍を配置する。



「薩軍を皆殺しにするおつもりですか?」



西郷は布陣を見て静かに大村益次郎に問いかける。大村益次郎は頷く。



「官軍で力があるのは薩長、そして薩軍は長州よりさらに強い」

「分かりもした。おいが前線で指揮をして死にもんそ」

「西郷殿自ら前線に立たれますか」

「はい。見事に死んでみせもんそ」



慶応4年(1868年)5月15日上野戦争は火蓋切った。大村益次郎の考えぬかれた作戦が功を奏し、彰義隊は午後3時、総崩れとなった。




夕刻。




西郷は雨の中負傷者を手当するため江戸市中で大八車を押している新門辰五郎を見つける。



「新門さぁ!もし薬や医者が必要であれば、おいの頓所を訪ねてたもんせ」

「・・・薬や医者はこちらでも足りておりやす。御気持ちだけ頂いときやす」

「承知しもした、新門さぁはこれから・・・?」

「カタが付いたら水戸へと向かうつもりです」

「・・・そうでございもすか・・・達者でいてくいやんせ・・・!」

「・・・へい!」



こうして、二人は別れたのである。上野戦争はこうして決着がついたが、未だ北越では会津を中心に戦いが続いていた。

翔ぶが如くのあらすじ第29話中巻「西郷四兄弟」

「大村さぁ!なんでわいは西郷さぁをコケにした!!」



怒鳴り込んで来たのは有村俊斎である。西郷は上野戦争集結の後、北越への転戦を希望していたが大村益次郎はそれを却下していた。



「西郷さんが行くまでもないからです」



大村益次郎は有村の言葉ににべもなく言い放つ。有村俊斎は刀に手をかけるが大村益次郎は微動だにしない。




当の西郷は京の鍵屋と向かっていた。西郷が京に戻っている。この知らせは大久保一蔵も寝耳に水であった。




鍵屋の離れに滞在している西郷をさっそく尋ねる。



「吉之助さぁ!」

「おお、一蔵どん」

「一蔵どんではごわさん!大参謀の職を辞すると言うのは誠でございもすか?!」

「うん」

「いったいなして・・・!」



大久保は今、江戸へ都を移そうと必死に根回しをしていた。そのような時に官軍の「大看板」である西郷吉之助が官職を辞するなど・・・。



「吉二郎が越後で戦っている」



信吾、そして小兵衛もこれから越後での戦いに向かう。四兄弟揃って戦うという約束を果たしたいと。




また、人望厚い河合継之助率いる長岡藩は士気も高くもし、ここで官軍が敗北するような事があれば、今迄官軍についていた諸藩もどう動くか分からない。
まさに、関ヶ原。



「おいは一人の薩摩兵児として、薩摩で遊軍を募り越後で戦いたい」



大久保は大村益次郎を派遣して指揮を取らせて事が影響しているのか尋ねるが、西郷はそうではないと答える。むしろ、大村益次郎はよく働いている、適材適所であると。



「頼む!一蔵どん!おいを越後へ行かせてたもんせ!」



話を聞いていた鍵屋の女将お芳も西郷の力になって欲しいと頼む。



「西郷さんがこんなに頼む姿は初めてみました!私からもお願いします」



大久保はついに観念するのであった。




薩摩へと戻った西郷はまず「国父」である久光に帰国の挨拶と自らの願いを申し出る。かつては「色々」あった二人ではあるが久光は西郷の申出に上機嫌で応える。



「そうか!吉之助は一人の薩摩兵児に戻りたいか!」

「いつまでも新政府に使われているのも問題じゃからな」

「秩序は守らねばならぬ!将兵募集の件相許す!」



「はは!!」



「兵は一個大隊、軍艦春日丸の使用も許可するが・・・」

「勇猛薩摩の名を馳せん時は腹を切らすぞ(笑)!」



「かしこまりもした」



西郷は久光に兵募集の件を許され越後へと転出する事になる。出陣の前日、妻の糸に島へ残した子供達の事を頼むと話す。糸は、夫吉之助が既に死を覚悟している事を十分に理解していた。




ただ、夫が安心して存分に働けるように、島の子供達の事は安心して任せてくれと伝える。




しかし、西郷が越後長岡に入った頃既に長岡藩は降伏していた。激しい戦いで官軍は辛くも薄氷の勝利を得ていた。




その激戦のさなか吉二郎が重傷を負っていた。



「吉二郎兄さぁは熱が下がりはん・・・」


信吾が吉二郎の容態を話すと吉二郎が目を覚ます。



「信吾・・・兄さぁがおる・・・こいは夢か?」

「兄さぁ!夢じゃなかと!吉之助兄さぁが来てくれた」

「吉二郎・・・間に合わなくてすまんなぁ」

「兄さぁ・・・の手を煩わせるまでもなか敵でございもした・・・」

「吉二郎・・・信吾も小兵衛も良く戦った・・・!」



吉二郎は兄、吉之助と再会出来た事を殊の外喜ぶと静かに眠りについた。

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翔ぶが如くのあらすじ第29話下巻「維新成る」

慶応4年(1868年)7月江戸は東京と名を改め9月明治と改元された。そして、翌10月、大久保一蔵、岩倉具視も天皇に供奉し江戸城へと入った。



「このように長いお廊下は初めてじゃ」

「幕府は大世帯であったのだなぁ・・・」

「このような幕府を倒す事が出来たのは私は不思議でならない・・・(笑)」



「失礼ならがら御相手はまた・・・その大世帯を引き続ぐ事で大忙しなので・・・」



戊辰戦争は会津藩が降伏し残すは函館五稜郭のみ。しかし、太政官の政務は大久保に寝る暇を与えなかった。



「大久保さん!西郷さんは京から薩摩へ戻ったそうじゃないか!!」

「西郷さんは明らかに新政府に非協力的!」



桂小五郎もまた、新政府の激務に追われていた。そんな中で西郷が天皇に報告をする事もなく薩摩へと引き籠った事に不満をぶつける。




桂小五郎は大村益次郎を派遣し、指揮権を奪われた事の意趣返しだとも言う。



「桂さん、西郷はそのように料簡の狭い男ではございもはん」



大久保は今回の件は自分に免じてどうか目を瞑って欲しいということ、そして、必ず西郷は戻って来る事を請合う。



「稚児の時から二世に至るまでずっといっしょにおりました私が保証します」

「その事確かに約束してくれるな」

「はい」



西郷は吉二郎を弔うと髻を切って薩摩へと戻っていた。薩摩には島に残していた菊次郎、そして何故か川口雪篷も西郷家へとやって来ていた。女子供ばかりの所帯で川口雪篷は力仕事などを請け負っていたのだ。西郷は少々驚いたが、どうやら西郷家の皆と溶け込んでいる様子に微笑む。




そして、糸と子供達に、



「もう、おいは何処へも行かん」



そう優しく語りかける。




鶴丸城には「国父」久光の前に主だった藩士が集まっていた。



「儂が率先して領地を帝へお返しすれば諸藩もこれに倣うであろう」

「はい、これで帝を頂点に頂いた新しい国ができます」



大久保は久光の言葉にそう応える。小松帯刀もまた自らの領地を奉還するという。これで薩摩藩内の小大名もこれに倣うであろうと。



「それでよか!」



久光は上機嫌である。



「儂は藩政をみつつ税制も立て直さねばならん・・・」

「一蔵!今一度儂の右腕となるか?(笑)」



大久保は久光の言葉に「ギクリ」とする。小松帯刀を始め、主だった藩士も不安そうな表情をするが・・・。



「ははは!よか!其の方は薩摩の為に江戸で気張ればよか!」

「ただし・・・吉之助は渡さん・・・!よかな?」



「はは!」



「大義である!あはっはは!」



久光は上機嫌で謁見を終えたのであった。



「国父様は殊の外御機嫌が麗しかな」



大山格之助の言葉にお調子者の有村俊斎が応える。



「そりゃ精忠組の働きがあったからでごわす!」



精忠組が薩摩を動かし、国を動かしたと話す俊斎。大山格之助は桜田門外の変に連座して亡くなった有村の弟達も浮かばれるなと話す。泣きだす有村俊斎。



「まさか、三兄弟でお前が生き残るとはな!」

「大山さぁ!それはなかでごわす!」

「ははは!」



また、大山は小松にも礼を言う。今日の精忠組があるのも久光の信頼の厚い小松帯刀が力を貸してくれたからだと。



「世が世なら俊斎は小松さぁと話など出来ん身分じゃ!」

「それは大山どんも同じであろう!」

「それはそうじゃった!(笑)」



※関連記事:→薩摩藩の身分制度について


精忠組の面々は皆これまでの苦労をある意味では懐かしんでいるようであった。その頃大久保は1人西郷吉之助の元へ向かっていた。



「吉之助さぁ!待ってくいやんせ!」



桜島が見える砂浜。かつて、西郷と大久保はここから世直しを始めたのだ。




西郷は小舟を出して魚を取り始める。大久保も一緒に釣りに興じる。その日は大量であった。




二人は釣った魚を浜で食しながら話す。



「未だ新政府の屋台骨は盤石とはとうて言えもはん」



大久保はこれからの西郷の力が新政府には必要であると説得するが西郷は聞き入れない。



「もし、江戸で働く事になれば官位は碁藩主様より高くなる」

「それは、新しい世の仕組じゃっとん・・・」

「そうじゃ。じゃが、おいは好かん」



そして、これからこの「新しい世の中」について行くことが出来ない人間が沢山出てくるはずだと言う。大久保は戦が終わった後のこれからの算段を問われると表情が曇る。



「誰もが新政府の役に付ける訳ではない」



戦が終った後、いったいその兵はどうするのか?



「もっと人が死ぬべきじゃった」



西郷は今回の戦で古い体制を焼き尽くしその中から新しい日本が産まれると信じていたが、実際、戦は早く、あっけなく終わりすぎた。



「それに、おいは太か家や城を壊すのは得意でも創るのは苦手じゃ」

「それは一蔵どんに任せたい」

「ただ、戦いが必要な時はいつでも呼んでくいやんせ」

「そいと、もし新しか政府が腐敗した時はおいが壊しにいきもんそ」



「吉之助さぁに攻め滅ぼされんように気張りもす」



「おお!一蔵どん!頼みもす!」



翔ぶが如くのあらすじ第29話「維新成る」でございます。

翔ぶが如くの感想29話「維新成る」

大河ドラマ翔ぶが如くもこの29話で「第1部幕末編」最終回。この29話は象徴的な話でしたね。西郷と大久保の間のズレ、そして西郷の「本質」が斉彬ではなくむしろ久光に近いこと。その久光と大久保の「気まずい関係」が始まる予感・・・。

翔ぶが如くの感想29話「西郷の本質」

西郷の本質は「保守的」だと思うんですよね。いや「保守的」という表現では表現しきれないんですが・・・。人としてあるべき基本に忠実。幕末編最終回第29話では冒頭からその「本質」が散りばめられていました。



「新八どん、目上の者の陰口はいかん」



有村俊斎の目に余る行動について吉之助に意見した新八への言葉です。吉之助も有村俊斎が「お調子者で馬鹿」なのは多分分かっていると思うんですよね。しかし、有村俊斎(1832年生)より村田新八(1836年生)の方が若い。




長幼の序を重んじるという事なんだと思います。あと、これは村田新八への期待でもある気がしますけど。



「能力・気概十分」



な、期待の星村田新八だからこそ、そういった部分も大事にして欲しいというね。先輩を立てるという人として大事な部分を履き違えないようにという。
(有村俊斎はまああのままでええじゃろというか・・・?)



「一人の薩摩兵児に戻りたい」



大久保は驚いていました。西郷は兄弟四人で戦いたいという希望を大久保に伝えます。大久保は面食らっていました。



「家族(一族)を大切にする」



という部分ではないかと思います。大久保は西郷が職を辞しても、



「必ず戻ってくる」



と、桂小五郎に請け負っています。そこには幼少のみぎりからずっと一緒に、まさに兄弟のように育ってきた西郷の事は自分が最も分かっていると自信があったのだと思います。大久保の表情にもそれが現れていた。




しかし29話の最後。



「おいは(新しい世の中)好かん」



西郷は自分が政府で枢要な役割に付けばその官位も藩主よりも高くなる事を言います。大久保はそれが「新しい世の中」だと言いますが、西郷は大久保ほど簡単に切り替える事が出来ない。




維新が成って西郷と大久保の間の「ズレ」が目に付くようになっている気がします。




そして、面白いのが大久保と久光です。



「そうか!吉之助は一人の薩摩兵児に戻りたいか!」

「いつまでも新政府に使われているのも問題じゃからな」

「秩序は守らねばならぬ!将兵募集の件相許す!」



西郷と久光は根底にある考え方は「共鳴」する部分が多いと思います。



「薩摩兵児に戻りたい」


という西郷の言葉を聞いた時の嬉しそうな事この上ない。一方で大久保は、



「一蔵!今一度儂の右腕となるか?(笑)」



この時の大久保の表情は流石名優鹿賀丈史ですね。




久光はけっして愚かな藩主(事実上の)ではありません。大久保の性格を分かっており、またそれが結果的には薩摩のためにもなると思っているのでしょうね。しかし、西郷は渡さない。




いや、ここに至って西郷の「良さ」にシンパシーを感じたという事でしょうか。




西郷も久光も「斉彬の背中」を追っていた人間ですすが、この二人とも実はよく似ている部分を持っていて、一方で斉彬とは「性質は必ずしも似ていない」というのが面白い処だと思います。

翔ぶが如くの感想29話「革命家としての西郷」

「もっと人が死ぬべきじゃった」



西郷にこの言葉を言わせるのは流石だと思います。西郷はもっと激しい戦いになると思っていたのに蓋を開けてみれば・・・。




鳥羽伏見の戦いは幕府軍が数で勝り、けっして予断を許すものではありませんでした。




しかし慶喜は「まだ戦えるにも関わらず」大坂城を脱出。




そして、勝海舟との会談で「江戸城無血開城」。




終わってみればあっけなかったというのが西郷の感想なのでしょうね。



「血で血を洗う戦いから新しい日本が産まれる」



と、いう西郷の発想は革命家のそれですね。江戸無血開城を決断したのは他ならぬ西郷自身ではあるのですが・・・。




それと、「これからどうする?」というのはこの後の日本(昭和初期まで)にとって重い課題です。




戦が終われば、士族はどうなる?
時代が進んで昭和時代。




この課題は「士族」だけではなく「人口増」という問題に発展して行きます。それを解決していたのは「陸軍」だと思うんですよね。一派的には「海軍善玉・陸軍悪玉」で語られる事が多いですが、行き場のない農家の次男三男四男~略~を一応「雇っていた」のは陸軍です。




個人的にはその「貢献」は決して小さいものではない気がします。勿論、だからこそ「終りの見えない泥沼の戦い」を演じたのですが、それは「陸軍」の問題ではなく「日本が抱える問題」であったと。

翔ぶが如くの感想29話「明治編への期待」

この第29話「維新成る」の終りに、後編の紹介が流れていました。




西田敏行と鹿賀丈史が「洋装」で並んでいるのですけど、
まあ、ホントよく似ていますw




本人達も、



「西田さん、西郷どんそっくりですね」

「鹿賀さんも大久保さんに似てますよ」



うん。
改めてよく似ている!
「維新成る」で少しずつズレる西郷と大久保が、再び力を併せ、そして離れ、また近づいて、最期は対決となる。

やっぱり西郷・大久保はこの二人だなぁ・・・。

以上、翔ぶが如くのあらすじと感想第29話「維新成る」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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