太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第25話「足利尊氏」。高氏改め尊氏無双。後醍醐帝も義貞も正成も尊氏が大好き。「私心」がない人物には愛されるんだよね。自己顕示欲の強い大塔宮からは・・・。もっとも、「朝廷に害をなす」というのはあながち誤りではないですが。太平記のあらすじと感想第25話

太平記(大河ドラマ)あらすじ第25「足利尊氏」

京、六条河原。



「反省し、己を改めるつもりはないのじゃな?」



直義は先日捕らえた盗賊を前に最期の問いかけをしている。



「へ!さっさと斬るが良い!!!」



しかし、盗賊達は許しを請うつもりはないようだ。直義は大塔宮の「郎党」である彼らを斬りその首を晒す。この行動は勿論、大塔宮の怒りを買うが、高氏にとってもまた直義の行動は予想を超えていた。

大河姫

え?やっぱり・・・。直義処刑してしまった。

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太平記あらすじ第25話上巻「対立」

「うーむ・・・」



高氏は師直から直義が大塔宮の郎党である盗賊を斬ったという報告聞いてややうろたえている。



「直義の潔癖よ・・・」

「ご舎弟様も思い切った事をなされますな(笑)」



大河姫

高氏、困った・・・w

高氏の戸惑いを他所に、師直はむしろ直義を見直したといった雰囲気である。



「大塔宮は・・・怒るであろうな」

「はは、ただ、京雀たちの評判は宜しいようですぞ」



宮将軍が下山して以来、その権威を笠に着てやりたい放題の取り巻きに京雀たちは辟易していたという一面もある。直義の「峻烈な処分」は一定の歯止めにもなっているようだ。




宮将軍大塔宮、そしてその股肱の臣である殿の法印は激怒していた。



「貴様ら!仲間斬られるのを黙って見ていたのか!!」


殿の法印は六条河原で指をくわえて見ていた郎党を打擲している。



「ええい!法印やめよ!そやつらを責めても致し方ない!」

「ははlしかし、此度の件で私は覚悟を決めましたぞ!」

「うむ!」



殿の法印はかねてから示し合わせていた通り、楠木正季と共に高氏の暗殺の手筈を整える。




あくる日、高氏は佐々木道誉から酒宴に誘われる。



「判官殿とこのように飲むのは久しぶりじゃ」

「さて、周囲には誰もおりませぬぞ?何かそれがしに申したき儀がござろう?」



「ははは!流石は足利殿!実はな・・・」



道誉は近く北畠親房邸に帝の行幸があること、そこには大塔宮も招かれることになっており、高氏にも参加して欲しいと打診する。



「これは北畠殿から儂に話があったのだ」



道誉によれば、親房は大塔宮と高氏の対立を憂慮し、高氏に「折れて欲しい」という意味もあると告げる。



「親房殿は従弟でもあり、また舅でもある宮が可愛いのよ」



高氏もまた大塔宮とのいらぬ対立は本意ではない。道誉の提案を受け容れる。



鎌倉


「では、一族を引き連れてご上洛ですか・・・」

「鎌倉は寂しくなりますね・・・」



鎌倉では義貞と弟の義助が足利邸に別れの挨拶に来ていた。登子は義貞の上洛と聞き淋しそうである。



「では、奥方様も」

「あ、いや、あれは都には向きませぬ故・・・(苦笑)」



大河姫

アレは都に合いませぬ。わかるww

義助が続いて殊更に大きな声で続く。



「大塔宮からも要請がございましたので!」

「!」



義貞は義助の言葉に一瞬微妙な表情を浮かべる。挨拶を終えると登子と千寿王、そして鎌倉付きとなっている細川和氏・頼春兄弟に見送られ義貞は足利邸を後にする。



「・・・これは好機ですな」

「新田殿は戦以外は先が見えぬお方」

「しかし、大塔宮の要請と言うのは気になりますな?」



大河姫

戦の他は先が見えない・・・(涙)

細川兄弟の言葉に登子は顔をしかめる。



「これ!殿は新田殿とは手を携えてと申されております!」

「は、はは・・・」



細川兄弟は登子の指摘にバツが悪そうである。

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太平記あらすじ第25話中巻「闇討ち」

北畠家邸


北畠親房邸での宴は高氏、そして大塔宮、また吉田定房など宮中の実力者が集まる。




庭では後醍醐帝の御笛で親房の嫡男顕家が見事な舞を披露する。



大河姫

顕家美しい・・・。

一同皆、顕家の美しさに目を奪われていた。高氏もまた、見惚れている。



「御笛、あり難き幸せにございます」

「顕家・・・朕の笛で舞うはいつ以来じゃ?」

「元弘元年以来かと」



大河姫

高氏、顕家の舞の見事さに感動しているね。

後醍醐帝は元弘元年の春に西園寺公宗邸での宴を思い出す。



「そうか、笠置へ参る前じゃったな」

「あの春先はまだ花を愛でる事が出来たのであったなぁ」



後醍醐天皇は上機嫌で顕家に美しい衣をふわりと投げる。



「被けとらせる!」

「はは!あり難き幸せ」

「ここからは無礼講じゃ!」



皆、思い思いに酒を飲み始める。




しばらく、歓談が続くと、後醍醐帝は高氏を近くに呼ぶ。



「高氏!参れ!」

「はは!」



大河姫

結局、帝は高氏が大好きなんだよね。

後醍醐帝の近くには大塔宮と北畠親房、そして吉田定房卿などがいる。



大河姫

吉田定房卿は影が薄いな。

大塔宮は高氏に敵意がありありの様子である。



「高氏!無礼講と申したぞ?もそっと近くに!」

「は!」



大河姫

大塔宮と親房の表情w

「何か朕に申すことはないか?」

「・・・?」

「無礼講じゃ!申してみよ!(笑)」

「いえ、それがしから何も・・・」

「では、朕から申す」



これまで穏やかで慈愛に満ちていた帝の表情が突如厳しいものになる。



「諸国の武士を集めてなんとする?」



「これは異なことを・・・諸国の武士は皆恩賞を求めて上洛しております」

「皆、帝の御ため戦った者たちです」



「北条の残党の帰参も許していると聞く!」



「はは、北条方にも心ならずも戦をした者もおりまする」

「ただ厳しい処分はかえって御新政の妨げとなります」



大河姫

足利はそうやって万を超える兵を養うようになりました。

by円喜

高氏の返答には一点の曇りもないように見える。後醍醐帝は表情を和らげ、



「どうじゃ?会ってみれば要らぬ疑いも晴れるであろう?」



大河姫

高氏、流石、。コレ本心だからな。

と、大塔宮に語り掛ける。




しかし。



「麿には東恵比寿の本心は分かりませぬ」




「護良!!」




後醍醐は大塔宮の発言に激怒する。しかし、すぐに疲れた表情で諭すように語り掛ける。



「護良・・・朕はその方の父ぞ」

「このような事では延喜・天暦の世は遠い・・・」



「・・・は」



「二人に笹を!」



後醍醐は高氏と大塔宮に酒を振る舞うように命じるのであった。




宴は深夜まで続き、高氏も北畠邸を後にする。




色々あったが、高氏は顕家の見事な舞が頭から離れなかった。やや千鳥足で松明を顕家の舞の見よう見まねで振っている。




その時。




カツ!!




大河姫

顕家のお陰で命拾いw

丁度、目の前に松明を持って来た時に矢がその松明に刺さる!



「何奴!?儂が足利高氏と知ってのことか!?」



討ち漏らした暗殺者が抜刀して斬りかかかってくる。



「殿をお守りしろ!」



足利の武士が数名高氏を守る。さらに、一騎の騎馬武者が暗殺者を薙ぎ払う。



「(正季・・・!)」

「っ!」



大河姫

闇討ちなど下、討ち漏らすなど下の下。
by覚海尼

形勢不利とみたか、暗殺者たちは逃げる。そして、自らを救った騎馬武者が楠木正成と気付くと礼を言うが・・・。



「足利殿、お許し下さい・・・あれは我が弟正季にござる」

「馬鹿な弟を持つと苦労が絶えませぬ」



正成は弟の正季が、何者かに入れ知恵され、



「足利はいずれ朝廷の大害となる」



と、口走るようになり、今宵事を起こすと知ってそれを止めに来たのだと話す。



「それがし、いかな責めも負う所存」



「楠木殿!狭量な輩、御しにくい猛者、身内にも郎党にもたくさんおります!」



高氏は正成の「苦労」を察し頭を上げるように促す。そして、今宵のことは荒立てるつもりはないと。



そこに、正季たちを追いかけていた足利の郎党が戻ってくる。



「殿、申し訳ございませぬ、見失いました」

「そうか・・・今宵のことは他言するな」

「はは」

「しかし、儂は共はいらぬと申していたが?」

「執事殿が陰ながらお守りせよと」

「・・・師直らしい配慮じゃ(笑)」



大河姫

穴があったら入りたい正成。

高氏は師直の「危機管理能力」に舌を巻く。




高氏と正成は暫くともに歩く。



「河内へ帰りとうございます」



正成は都の武士に大いに不満なようである。河内へ帰っても武士は武士ではないかと高氏は尋ねる。



「河内の暮らしには根がありました」

「都の武士はさにあらず」



「武士がお嫌いか?」



「はい。好きになれませぬ」

「田楽一座と旅をしたときが一番楽しかった」

「帝のお召がなければこのまま・・・」



「情けがありましたか」

「はい・・・」



正成は足利家とは比べるべくもない、小さな田舎武士の戯言と笑って欲しいというと、少し疲れた笑顔を見せ去って行った。

太平記あらすじ第25話下巻「再会」

義貞が上洛する。




高氏憎しの大塔宮は義貞の上洛を心待ちにしていた。



「新田小太郎義貞にございます」

「おお!義貞よう参った!」



大塔宮邸に勢揃いした宮派の諸将は皆大歓迎である。




特に、股肱の臣で高氏に憎しの心意気は人後に落ちない殿の法印の喜びは一塩である。



「新田殿!万事宮将軍へお任せすればよい!」



宮派の諸将は上洛が遅れれば、鎌倉攻めの手柄も足利に独り占めにされたかもしれないと話す。義貞には少々解せない。



「鎌倉攻めの功は奏聞にも達しておると存じますが」



「それはその通りじゃ!」

「じゃが、帝とは言え心は動くもの」



義貞は後醍醐天皇に謁見し従四位上を授けられる。




その様子を帝の寵姫である蓮子、そして宮中一の美女の誉れ高い勾当内侍が見つめていた。



「使えるであろうか?」



蓮子は義貞を値踏みしている。



「鎌倉を攻め滅ぼした恐ろしいお方には見えませぬが・・・」



勾当内侍は義貞に興味を持ったように見える。その後、義貞は六波羅の足利屋敷を尋ねる。




しかし、高氏は不在としており、暫し、いや大分待たされる。



「義貞殿!!お待たせを致しました!」



高氏は急遽禁裏に呼ばれ待たしてしまったことを詫びる。




そして。



「新田殿!十五年の想いが叶いました!」



そういうと頭を下げる。



「まだ、新田殿と勝てるかどうかも分からぬ戦を始める約束をしてから半年にございます」

「しかし、皆御神聖の世に浮かれております!」

「北条の世に我慢がならぬ!」

「その想いで立ったのに皆恩賞恩賞と・・・」

「あ、いや失礼致した・・・新田殿を前にするとつい溜まっていたものが・・・」



高氏は日頃のうっ憤を吐き出してしまったことを詫びる。



「それがしの仮病から始まった戦」

「義貞、ほっとしました」

「足利殿が都の水に冷やされたかと」



「ははは!立ち上がるは遅いが、みかけによらず頑固者でござる」

「鎌倉攻めの話、稲村ヶ埼の海を沈めたとか!?」

「是非お聞かせ下さい!」



「おお、あれは・・・」



二人は再会するとわだかまりは一瞬で氷解した。




元弘3年8月5日、高氏は従三位となり公卿に列せられ、武蔵国の国司に任じられる。この時、北畠顕家は陸奥の国司、新田義貞は越後の国司となる。



「そちの名は北条に名付けられたそうな?」

「朕の忌み名尊氏と書いて尊氏と読め」



大河姫

足利尊氏爆誕!因みに「公卿」とは三位以上の者、参議(正四位)の職にある者のことです。つまりエライの。義貞は「公卿」ではない。

足利尊氏29歳である。



「頼りに思うぞ!」

「はは!」



高氏、いや尊氏が屋敷に戻ると師直から右馬介も戻ってきていると教えられる。尊氏は喜ぶ。



「右馬介!今までどこにおった?」

「いささか思うところあり諸国をめぐっておりました」



「そうか!」



「殿、本日は暇乞いに参りました」



尊氏は驚く。



「暇をとり如何いたす」



「出家いたそうかと」



「二十八年北条憎しとの思い出生きて参りました」

「仇は敢無き最後を遂げました」

「父母兄弟の霊を弔いつつ暮らそうかと」



尊氏は怒りを爆発させる。



「この高氏と共に息をして、共に戦ったのは己のためだけだったのか!?」

「親が殺されれば子が恨む、子が討たれたれば、孫が恨む」

「断ち切れぬものよ」

「武家に産まれたからには引受ねばならぬものがある!」

「帝の政を支え、帝が誤らぬよう支えていく大事な時ぞ!」

「其方の力は今まで以上にこの高氏に必要なのじゃ」

「儂は、そなたと共に新しい世を生きたいのじゃ」

「出家も暇乞いも許さぬ」

「今宵は高氏の生まれ変わりのゆるぞ!供に祝ってくれ!」



大河姫

こないだ助けたと思た女子にピンタされてから傷心なのだよ。察してくれ。

右馬介は黙って尊氏の後ろ姿を見つめていた。




以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじ第25話「足利尊氏」でございます。

太平記(大河ドラマ)感想第25話「足利尊氏」

太平記(大河ドラマ)感想第25話「足利尊氏」。高氏改め、尊氏爆誕!おめでとうございます。さて、高氏と宮将軍大塔宮との対立はいよいよ先鋭化。後醍醐帝の苦労が偲ばれますね。



「会ってみれば高氏に二心がない事が分るはず」



しかし、大塔宮の目は憎しみで曇って・・・いや、そうとも言えないか?

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太平記感想第25話「高氏の真骨頂」

高氏には二心がない。




ただ、ひたすらに新しいご新政の為に良かれと思って行動している。それはもう、お身内の師直が心配するくらいに。いわんや、後醍醐天皇をやという感じです。




後醍醐帝はただ、高氏の実力を認めているだけではなくて、人としても好きなんだと思うのですよね。




そして、人を見る目には自信のある後醍醐は、大塔宮が高氏を忌み嫌うのは高氏を良く知らないからだと考えたのでしょうね。




直接会えばわだかまりは氷解するはず。




今回、後醍醐は北畠家邸では敢えて険しい表情で高氏を問い詰めました。



「諸国の武士を集めてなんとする?」



高氏も突然の事に一瞬戸惑っているようでしたが、朗々とその理由を開陳しました。ちょっと戸惑っている姿が逆に「誠実さ」を醸し出すのはもはや天性の才能




高氏の説明を聞き終わった後の後醍醐帝の満足気な表情。



「疑いは晴れたであろう?」



当然、息子でもある大塔宮なら同じ事感じたはずだと確信しておりました。




しかし。



「麿は東恵比寿の本心は分かりませぬ」



この時の後醍醐帝の愕然とした表情と、その後の「苦悩の表情」。




これは、まあ、前回も触れましたが大塔宮には「私心」があるからなんですよね。




なので、心の目が曇る。




高氏の衷心が見えない。もっとも「見立て」は大塔宮の方が正しいというのは皮肉な話ですが・・・。見えないからこそ本質が見えているとも言えるのかな?うーん、生きるって難しい。




高氏は「衷心」から発言しておりますが、足利家が皆そうというワケではありませんからね・・・。

太平記感想第25話「尊氏と義貞」

大塔宮と好対照だったのが新田義貞ですね。




義貞は義助や妻保子、上洛の後は大塔宮とその一派から「高氏の悪行」を吹き込まれております。




疑心暗鬼を生ずとは言いますが、義貞に心に「薄っすら靄」がかかっている感じが出ていましたね。




しかし!




高氏と会った時に全てが氷解。




一気に靄が晴れていきます。



「義貞、ほっとしました」

「足利殿が都の水に冷やされたかと」



高氏は少しも変わってはいなかった。




義貞は嬉しかったと同時に「高氏の純粋さ」に改めて心打たれたはずです。眩しかったはずです。



「我らが戦をしたのは恩賞の為ではない」



高氏の言葉は綺麗ごとではなくて「本心」であると義貞は即座に理解します。




そして「自分自身はそこまで純粋か?」という事、いや、「純粋でなければならない」と心を新たにしたかな。




ただ、都には誘惑も沢山・・・w




勾当内侍が義貞の心に再び靄を、二度と晴れない靄をかけるのか・・・?

太平記感想第25話「大将の器」

「楠木殿!狭量な輩、御しにくい猛者、身内にも郎党にもたくさんおります!」



人の上に立つ者の苦労。




高氏と弟の直義の関係は非常に良好ですし、また、直義はけっして「短慮」ではありませんが、まさか大塔宮の郎党を処断するとは思いもよらなかったはずです。




しかし、狭量な輩、御しにくい猛者たちをまとめていかなければならないのが「大将」なんですよね。




なので高氏は正成の苦悩がよく分かる。




今この境地に達しているのは高氏と正成、そして後醍醐天皇かな?




この三者に共通するのは「包み込むような器の大きさ」があることだと思うのですよね。




まあ、もっと言ってしまえば「魅力」という身も蓋もない話になってしまうんですけどw




大きな器を持っている人間は元々少ないですが、特に最近は何処の世界にも少ないように思います。




以上、太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第25話「足利尊氏」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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→太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第26話「恩賞の波紋」

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