青天を衝けのあらすじと感想第15話「篤太夫、薩摩潜入」。西郷先生がご登場。西郷と渋沢は話した事あったのかな?栄・・・もとい、篤太夫と西郷の鍋談義はとても美しく描かれいましたね。脚本、演者、演出がシンクロしていた。平岡の危うさを指摘された時の篤太夫の表情とか最高でしたね。青天を衝けのあらすじと感想第15話

青天を衝けのあらすじ第15話「篤太夫、薩摩潜入」

若州屋敷


「これは・・・?」



栄一と喜作は円四郎から差し出された銭と紙を不思議そうに眺めている。



「お前たちの俸禄だ(笑)」



二人が一橋家に仕えて一月。初めての俸禄(給与)が支給されたのだ。



「四石二人扶持、京滞在手当金四両と一分」



喜作は久しぶりのまとまった銭に興奮気味に「酒だ!」と喜びを爆発させるが、栄一は冷静に釘を刺す。



「無駄遣いはダメだ」



円四郎は不思議そうに理由を尋ねる。



「三両、五両と借金を続けるウチに二十五両に」



借金は必ず返さなければならないのだ。




円四郎は感心しきりではあるが、自身は「江戸っ子」なので宵越しの銭は持たないと笑う。



「俺たちは岡部者ですから」

「お、その岡部で思い出した」



栄一たちは「岡部の百姓」であり、一橋が勝手に引き抜いて召抱えるワケにはいかないのだ。その岡部藩と話がついて、二人は晴れて名実共に一橋の家臣、つまり武士になったのだ。



「名前も武士っぽく改めると良い!」



円四郎は栄一に「篤太夫」と名付ける。




喜作には新しい名前は考えていなかったようだが、喜作のたっての願いで「成一郎」と名付ける。




渋沢栄一改め渋沢篤太夫


渋沢喜作改め渋沢成一郎



二人は名を改め武士としての一歩を踏み出す。

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青天を衝けのあらすじ第15話話上巻「多種多彩」

若州屋敷



二人は一橋で働きはじめ、一橋に士官する者が元々は「攘夷派」であったこと、そして、その出自が多様であることに驚く。




いつも厳しく二人を指導する川村恵十郎は関所番、原市之進は水戸藩出身、黒川嘉兵衛は浦賀奉行の組頭でかつてペリーの対応をしていた。




生粋の一橋出身の者は猪飼勝三郎など数えるほどしない。




猪飼勝三郎は慶喜の小姓を務めていた時の想い出を話してくれる。



「ある時は慶喜公に鼻血を出させ・・・」

「ある時は頭を剃る時手元が狂って・・・」



その度に、小姓頭と一緒に「腹を切る」と詫びたが・・・・



「いや、儂が動いたからじゃ」



自分が悪いのだと猪飼勝三郎を庇ってくれたという。




その後、平岡円四郎が小姓となってからは慶喜の生活は随分と平和になったようである。



「儂はあの時殿についてゆくと誓った!」



猪飼勝三郎は慶喜への忠誠心を改めて力説する。




新参者の篤太夫と成一郎にはついていけない昔語りではあったが、皆の昔語りを興味深く聞いていた。




この日の仕事を終え、部屋で米を炊く。



「川村様も攘夷であったとは・・・」



二人は新ためて一橋には草莽の志士達が身分の違いなく働いていると感心する。




一方で皆が攘夷から「開国」に変説したことは感心しないようである。



「我らは攘夷を貫く!」



そして。



「お!?米が炊けた!」



粥のような水っぽい米でも石のような固い米でもない美味しいご飯を一橋に来て初めて炊けたのだ。




血洗島村


惇忠はようやく板橋宿に捕縛されている長七郎と再会する。長七郎は無辜の民を斬ってしまったことを悔いて自分を責め続けていた。




また、岡部の代官からは栄一と喜作は岡部藩から抜けたという知らせが来ていた。




ゑいや千代は二人の安否を心配するがどうやら無事でいることは間違いないと知り一応安堵する。




惇忠の末弟平九郎は血洗島村で油売りの仕事を続けていたが、自分の人生を「退屈なもの」と少々淋しそうである。




栄一の妹ていはそんな平九郎を元気づける。



「里見八犬士・・・よりも油売りの平九郎さんが・・・」



大河姫

泣かせに来ているよね・・・これも。

平九郎はていの気遣いを嬉しく思う。

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青天を衝けのあらすじ第15話中巻「大坂薩摩藩藩邸」

若州屋敷


篤太夫は円四郎からある密命を命じられる。




薩摩の動きを探る。




薩摩には折田要蔵という台場建築に優れた砲術家がおり、現在、



「摂海防禦御台場築造御用掛」



を任じられている。




大阪湾(摂海)を守るお台場建築に白羽の矢が立ったのだ。




円四郎はその折田要蔵が優れた人物であれば一橋に引き抜く腹積もりでいるという。




篤太夫は、



「こそこそ隠密とは性に合いませんが」



役目の重要性は理解できた。




ただ、円四郎は自身で命じておきながら薩摩の気性の荒さを少し心配している。



「なんかあると即斬っちまう」



しかし、篤太夫は、



「ずっと鍛えてきた」



と怯む様子は微塵も無かった。




円四郎は頼もしく感じる。



大坂薩摩藩邸


篤太夫は一橋家来として、折田要蔵の元へ学びに来たと挨拶をする。



「摂海防禦御台場築造御用掛である!」



折田はやや大仰に自身の役職を告げる。




すぐにでも「台場建築」を学びたいと申し出るが、まずは掃除、そして大量の文書と下絵図の書き写しなどをするように命じられる。




また、薩摩とは遺恨のある「一橋の家臣」ということで一部の薩摩藩士、三島通庸や川村純義などは篤太夫のことを怪しんでいた。




篤太夫は掃除を終わらせ夜には早速絵図を書き写すが・・・。



「ああ!ぶんとへ!(全然ダメ)」

「紙がちんがら!(台無し)」



と、叱責されてしまう。




翌日は折田の講義を拝聴する。




折田は流石に幕府が見込んだ人物だけあって、幕府の役人、会津、備中、土佐など多くの武士が台場造りを学びに訪れていた。




講義の最初に、いや途中も度々、



「摂海防禦御台場築造御用掛」



と、自身の役職を大仰に発言する。



「台場は十四、大砲も八百十門ほどと心得とる」



篤太夫は折田の講義を黙々と書き写しているが、他の藩の者はそもそも薩摩訛りがキツく何を言っているのか分からない。




折田の講義が終わると篤太夫は通訳のように折田の言葉を各藩の書生に解説して聞かせた。




各藩の書生は喜ぶが、一方で折田は大仰なだけで余り役には立たない、いつも女の処にしけて込んでいると篤太夫に教えてくれる。



大河姫

薩摩の芋は女、長州はカネ。by江藤新平

折田の評判はあまり良くないようである。




その時。




喧嘩だ!



「この折田の大ぼら吹きが台場こしらえるなんてな!」



大喧嘩をはじめていたのはなんとその折田と西郷吉之助であった。




西郷は折田の首を絞めていたが、折田は負けずに西郷の手に嚙みついていた。




その夜。




何故か篤太夫は西郷と折田の酒宴にいた。



「ワイ(お前)が島に流されている間にな!」

「幕府にも国父様にも重宝がられっちょ!」

「国父様とお公家様をきびっこができるはおいだけじゃ!」



折田の言葉に西郷は呆れ顔である。



「じゃってお前は口だけと言われんじゃ」

「エゲレス船に乗り込んだ五代の方がまだましじゃ」



三島通庸や川村純義などは篤太夫のことを怪しんでいたが、どうやら西郷は、折田も篤太夫のことは気に入ったようである。



大河姫

三島通庸は三島弥彦(いだてん出演)の親父さんだね。それだけでなんか親近感湧くw

篤太夫は大阪薩摩藩邸で数週間働き、一度京へ戻り現状を報告すことにする。



若州屋敷


篤太夫は早速折田の人物を、



「地図を見れば分かること大仰に語る割に中身がゾンザイで大した事がない」

「ご公儀から役目をもらったコトで鼻を高くしている」



と報告するし、書き写した絵図面と文書も提出する。




どれも見事に写されていた。



「折田はわざわざ召抱えるまでもない」



篤太夫の見立て、そして、折田は度々公家の屋敷「山科邸」などに出入りしていることも併せて申し伝える。



「山科の宮様へ手紙を届けた」

「よし!もうお仕舞だ!荷物纏めて戻ってこい!」



円四郎には薩摩の動きがよく分かった様子である。

青天を衝けのあらすじ第15話下巻「西郷と篤太夫」

若州屋敷


「薩摩はやはり禁裏御守衛総督就任を狙っております」



円四郎は篤太夫からの報告を受け、慶喜に薩摩の狙いを喝破する。




もし、薩摩が禁裏御守衛総督に就任すれば、この日の本に薩摩七十七万石のもう一つの政権が出来ることになる。



「元々我らを担ぎ出したのは薩摩ではあるが・・・」

「今、天子様の信が暑いのはご公儀と会津殿、そして私(慶喜)だ」



慶喜は円四郎と黒川嘉兵衛に宮家を回り、慶喜が禁裏御守衛総督に就任出来るように工作するように命じる。




そして。



御所


元治元年(1864年)3月25日。




慶喜は将軍後見職を免ぜられると同時に禁裏御守衛総督に就任した。




京都守護職は会津松平容保が再任。京都所司代には桑名藩主で容保の実弟松平定朗が就任する。







所謂一会桑政権政権の成立である。



京、薩摩藩邸


薩摩藩邸では参預会議崩壊に続いて政治的敗北を喫した薩摩島津久光が苛立っていた。




一方で、久光側近の大久保一蔵は「敗北」を冷静に受け止めている。



「天下の権、朝廷に非ずして幕府にあり」

「幕府にあるべくして非ず一橋にあり」

「一橋にあるべくして非ず平岡にあり」



一橋の快刀平岡円四郎は常に薩摩の一歩先、二歩先を行っている。



「今の一橋は敗れもはん」

「国元へ戻りましょう」



大河姫

一蔵どん、人相が悪すぎじゃっとん。

久光は西郷など一分の有力藩士を残し、自身は大久保一蔵を伴い薩摩へと帰国。




この頃から薩摩の方針は「打倒徳川」へと向かいはじめる。




順調に見えた一会桑政権であるが、ある意味お膝元の水戸藩で内訌の影が。




藤田小四郎など六十余名が筑波山で挙兵に及んだのだ。




慶喜や円四郎は心もとない一橋の兵力を水戸藩の力で補うことを考えていたのだが・・・。



大坂薩摩藩邸


篤太夫は「役目」を終え大坂の薩摩藩邸を後にすることになる。




この日はその挨拶に訪れていた。



「お前は大飯喰らいで銭はかさんだどん」

「上州や薩摩の言葉をよう理解し話をまとめてくれた」



折田はなんだかんだ言って篤太夫のことをそれなりに評価していた様子である。




また、折田の元に通っている諸藩の書生たちも篤太夫に感謝の言葉を贈る。



「薩摩の言葉をコチラ一覧にまとめております」



篤太夫の最後の心遣いに皆も大いに喜ぶ。




そこに、ふらりと西郷が現れる。



「渋沢、ちいとやらんか?」



三島通庸や川村純義は「一橋憎し」から篤太夫を斬ろうという勢いであったが、西郷は篤太夫を随分気に入っているようだ。




この夜、二人で豚鍋を囲む。



「おはん、薩摩をどげん思った」

「どうせ、平岡殿の命で様子を探りにきたっとじゃろ?」



篤太夫は西郷の率直な言葉にやや面喰ってしまうが、確かに円四郎の命ではあったものの、自分は百姓出身で世の事がよく分かっておらず、学ぶ為にきたのだと答える。



「正直なお人じゃ」

「おはんはこの世はどげんなると思う」



「その内幕府が倒れ、どこかしらの強い豪族による政治が始まると思います」

「幕府には力なく、朝廷には兵力がございません」

「徳川の代わりに誰かが、一橋様がよろしいのではと思います」



西郷は感心する。



「正直じゃの」



そして。



「薩摩が治めるっとじゃいけもはんか?」



篤太夫は



「薩摩の今のお殿様にはその得はおありですか?」

「おありなら、それでも宜しいかと」



徳ある方に才ある者を用いてこの国を一つに纏めてもらいたいと応じる。



大河姫

吉之助さぁ、イタイ処を突かれもしたなぁ。

西郷は頷く。




そして。



「たもり(食べ)やんせ」



薩摩の豚鍋はとても美味かった。



「美味いです!」



篤太夫の様子に西郷も喜ぶ。



「平岡殿も面白い者を拾った(笑)」



昔を懐かしむように語り出す。



「円四郎は智弁俊逸」

「左内は才識高邁」

「三人で気張っておったが三人揃って井伊の赤鬼にやられてしもた」

「平岡殿も一を聞いて十を知る男じゃけ気を付けんといかん」

「余り先の事が見え過ぎる人間は往々にして非業の最期を迎えてしまっとじゃ」


大河姫

栄一にはない「視点」だね。栄一も才人に過ぎるから同じ系統の才人円四郎の「危うさ」に気付かない、気付けない。

「薩摩を見直しました」



「今まで薩摩をどげん思っておったか(笑笑)」



京、一橋邸


篤太夫は大坂薩摩藩邸での任務を全て終え京へ戻る。




円四郎は篤太夫と成一郎に新たな任務を与える。



「関東に出張を命じる!」

「一橋領、その周辺より人物堅固で身元明らかな人物を採用せよ!」



以前に篤太夫が円四郎に建白していた意見が採用されたのだ。




二人は喜んで関東へと下向する。




この頃、篤太夫や川村恵十郎は度々、怪しげな浪士風の男が屋敷周辺をうろついていることが気になっていた。




以上、青天を衝けのあらすじ第15話「篤太夫、薩摩潜入」でございます。

青天を衝けの感想第15話「篤太夫、薩摩潜入」

青天を衝けの感想第15話「篤太夫、薩摩潜入」。一瞬、鹿児島まで出向くのかと思いましたが、大坂薩摩藩邸への侵入でしたね。栄一、もとい、篤太夫と円四郎は「隠密」と言っておりましたが、一応一橋家の者と身分を明らかにして入っているので今でいう「外交官」といった方が分かりやすいかな。




それに伴い、西郷先生はじめ薩摩藩士が色々初登場。




メインは西郷先生と摂海防禦御台場築造御用掛の折田先生ですが、ちょっと注目したいのは篤太夫を怪しんでいた二人組。




三島通庸は「いだてん(2019)」の三島弥彦の父ですね。




川村純義は後に海軍創成期を担う人材に育っていきます。




西郷と篤太夫の対話は史実・・・なんですかね?




中々見応えのある面白い演出でした。

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青天を衝けの感想第15話「鍋談義に見る視聴者への信頼」

青天を衝けの脚本はバランス感覚が優れているんですよね。




如実にそれを現していたのが今回の西郷と篤太夫の鍋談義。



「薩摩が治めるっとじゃいけもはんか?」


「薩摩の今のお殿様にはその徳はおありですか?」

「おありなら、それでも宜しいかと」



ちなみに、西郷は初登場。




久光は度々登場していて「イマイチ感」は出ていたものの、決して悪し様に描かれていたワケではありませんでした。




勿論、ある程度歴史好き、大河ドラマ好きなら西郷にとっての主君は生涯ただ一人、久光の兄斉彬であり、西郷と久光の関係は決して良好なものではなかった事は周知の事実。




で、最近の大河ドラマだとわざわざとって付けたようにその辺りを台詞で解説したりするんですよね。




例えば此処で唐突に篤太夫が「斉彬云々・・・」と発言して、それを受けた西郷が斉彬と久光を比較し始めたりとかね。




しかし、そういった「蛇足」は一切無かったですね。




安心して観られるし、エンタメとしても「あの場面をどう描く?」といった楽しみも増えます。




あと、ツイッターとかで突っ込めるのも楽しいですね!



青天を衝けの感想第15話「才人は才人が見えない」

西郷も勿論「才人」なんですけど、例えば橋本左内や平岡円四郎とは種類が異なると思うのです。



「平岡殿も一を聞いて十を知る男じゃけ気を付けんといかん」



西郷には平岡の切れ味の危うさが見えるのでしょうね。




西郷の指摘を受けて篤太夫の「はっ!?」とした表情が印象的でした。




言われて気付いた感じですね。




なんとなくですけど、渋沢栄一と平岡円四郎は「同じ種類」の人間だと思うのです。



切れ味抜群なタイプ。

アタマで考えるタイプ。

誤りを認めることが出来るタイプ。



だから篤太夫は円四郎の能力の「危うさ」に気付くことが出来ない。




人はそこまで「アタマ」で「論理」では動かない、動けない




西郷に平岡評を聞いた時に「自分には無い視点」を提供されて、そこに納得感があったからこそ一瞬背筋が寒くなったのでしょうね。




そして、それは「栄一自身」にも同じ事が言える。




もっとも、今回「自分のこと」まで気付けたかは分かりませんが。




実はこの記事を書いている本日次週16話(涙)も視聴済みなんですが、かつての仲間からそれを思い知らされることになっておりますね。




最近感じるのです。




私もそろそろどう考えて「若者」ではなくなる歳なんですが・・・。




才人だけでは世は回らない。




勿論、凡人だけでも世は回らない。




才人あり、徳人あり、凡人あり。




そのバランスで世の中は安定するのかな。




ちなみに、21世紀の世に足りないのは「徳人」かな?




結構、老若男女、上下左右を見渡して才人はいると思うんですよね。




みんなバラバラで好き勝手やって足の引っ張り合いしてますけど。




前にも何かで書いたかな?




いま世界に必要なのは鬼滅で言えばお館様




以上、青天を衝けのあらすじと感想第15話「篤太夫、薩摩潜入」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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