青天を衝けのあらすじと感想第10話「栄一、志士になる」。私は圧倒的に「佐幕派」なんですよね。長州藩より新選組だし会津藩が好きなのです。なので「攘夷病」が血洗島村まで広がっている事が哀しいです。しかし!既に栄一は「攘夷かぶれ」から抜け出せる要素を見せていたかと思います。これは・・・親父と妻の力かな?青天を衝けのあらすじと感想第10話

青天を衝けのあらすじ第10話「栄一、志士になる」

血洗島村
渋沢家


「江戸へ行かせて欲しい」


栄一は父市郎右衛門に頼みこむ。




黒船来航以来、開国をした日の本の暮らしは大きく変わった。物価が上がり庶民は日々の食べ物にも苦労をするようになり、ゑいや千代が紡いだ生糸は国外へも流れ日の本での流通が激減していた。




自分の目で何が起こっているのかを見てきたい。



「お前はホントよくしゃべるな(苦笑)」



市郎右衛門は困った表情だが、栄一の性格を考えれば止めても無駄と思ったのだろう。




仕事が少ない間の一月間という条件で栄一の江戸行きを認める。



御所


孝明天皇の妹君である和宮の江戸下向が決まった。



「武蔵国は武士が首を取り合うような恐ろしい場所(涙)」



大河姫

いや、都も大概でございまする・・・。

和宮は江戸下向を嘆いていた。

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青天を衝けのあらすじ第10話上巻「再び江戸へ」

江戸



文久元年(1861年)3月。




栄一は約八年ぶりに江戸の土を踏む。



「この町は商いで出来ている!」



八年前、市郎右衛門と江戸を訪れた際はその活気に感動をしたものだが、今の江戸は荒れた屋敷も目につきかつての賑わいが嘘のようである。



「栄一!よく来たな!!」

「喜作!」



栄一は先に江戸へと遊学していた喜作の案内で、長七郎も通っている大橋訥庵が主催する「思誠塾」を訪れる。




大橋訥庵は栄一の前で昨今の幕府のありようを批判する。開国以来の江戸の物価高やコロリの蔓延は全て幕府の誤りが招いたことだと。



「天罰が下ったのだ」



コロリも大地震も天罰だと言うのだ。大橋訥庵の言葉に塾生たちは真剣に耳を傾け頷いている。




しかし。



「何故、天罰ばかりで神風を吹かせねぇだ?」



大河姫

栄一、ナイス突っ込み!

栄一は天罰を下している暇があるならさっさと「神風」で夷狄を払ってしまえば良いという。




不敬な言葉に周囲の塾生は激昂するが・・・。



「その者の減らず口も分かる」



大橋訥庵は意外にも栄一の言葉にも理があるという。



「神も日の本の状況に呆れ果てているのやもしれぬ」

「だかこそ、我らが神風を起こすのじゃ!」



その後、栄一は以前血洗島村へとやって来た真田範之助や思誠塾では筆頭の趣もある河野顕三、それに長七郎と喜八で昨今の幕府の在り方に関して語らう。




目下「幕吏」と攘夷派から怨嗟を集めているのは安藤対馬守である。桜田門外の変で井伊直弼横死の後、事実上その政策を引き継いでいた。




河野顕三は「百姓」出身の栄一にはやや冷ややかである。もっとも、百姓でも「長七郎」は別格で大いに認めている風でもある。




栄一は「百姓」だから下に見られていることに苛立ち、



「本日から草莽の志士である!」



と、皆の前で啖呵を切る。



「お前に人が斬れるのか?」



栄一は皆の案内で「秘密の鍛錬場」へと連れてこられる。




真剣で人斬りの鍛錬などを大ぴらにやっていては幕吏に目を付けられる。




栄一は長七郎から刀を渡される。




始めて握る真剣。




目の前には竹が置かれている。



「いやー!」



栄一は力いっぱい刀を振り下ろすが刃は竹に食い込み斬れない。




何度も何度も斬撃を叩き込む。



「栄一!もう良い!栄一!!!」



栄一は長七郎達の手で刀を取り上げられ息も絶え絶え顔面蒼白で座り込んでいた。




我に返ると千代から渡されたお守りを握りしめていた。

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青天を衝けのあらすじ第10話中巻「和宮降嫁」

血洗島村
渋沢家


「栄一は帰ってこねぇだな」



渋沢家には栄一の叔母まさが訪ねて来ていた。




まさは栄一が結婚しても「自覚が足りない」のは子宝に恵まれていないからだと言う。その場には千代、そしてゑいと市郎右衛門もいた。




決して悪気はないのだが、千代は自身の至らなさを責められているような表情である。




まさが帰るとゑいは千代を元気づける。



「まさには悪気はない」



自分自身も若い頃は同じように苦労をしたと笑う。そして、当初は千代のか細い腕を見て「仕事が出来るか」心配したが、今は誰よりもしっかり働いてくれる千代を頼りにしているとも言う。




市郎右衛門もゑいの言葉の通りと笑う。




そこに。



「ただいま!」



約束の期限に少し遅れて栄一が帰宅する。




聞けば喜作も一緒に帰ってきたという。



「どうだ?気が済んだか?」

「・・・あ、ああ!」

「そうか(笑)」



大河姫

緊張感あるやり取りだよね。市郎右衛門はまだ不安そうだね。

栄一は何か少し考えでいるようにも見える。




この日、千代と二人久しぶりに夫婦水入らずで語らう。



「江戸にいる間もお千代のことを思い出していた」



千代は栄一の言葉は嬉しいのだが、江戸でのことで何やら迷いがあるように感じ少し不安な表情を見せていた。






今週もご登場の神君家康公。



「家茂と和宮の婚姻で幕府の権威を高める」



かつて、家康は自身の孫「和子」を後水尾天皇へと入内させていることにからめ、御解説を頂く。



血洗島村
渋沢家


和宮降嫁の行列は中山道を通って江戸へ入る予定である。




岡部藩をはじめ街道沿いに所領のある大名は街道の整備や警備に人夫を拠出する。血洗島村も当然その手伝いをすることになる。




市郎右衛門は近く藩から指示があるだろうと話す。



「とっさま!それは幕吏の謀だ!!」



栄一は憤慨する。




市郎右衛門は栄一の言葉に珍しく苛立った表情を浮かべる。



「それが百姓の勤めだ!」



大河姫

ならぬものはならぬのです。
by八重さん

栄一には市郎右衛門が唯々諾々と因習に従っているように見える。




二人が言い争うのを戸口で千代が心配そうに見ていたが・・・。



「う、、」
(ガタン)



千代は気分が悪そうにうずくまっている。




そこにゑいがやってくる。



「大丈夫、心配ねぇ。やや子が出来ただな?」

「千代!?」



千代は栄一の子を身籠っていた。




栄一は大いに喜ぶ。




部屋へ戻ると千代は、



「この子お陰でようやく栄一さんの喜ぶ表情が見れた」



大河姫

千代、ファインプレイ。

と話す。



「俺はそんなに険しい表情をしていたか・・・」



栄一は江戸で感じたことを改めて千代に話す。



「俺は日の本を身内のように感じている」

「だから、色々と納得いかねぇ」



しかし、栄一は不満を抱きながらも市郎右衛門たち共に街道の整備や行列のお世話に精を出すのであった。



江戸城


和宮降嫁の行列は文久元年(1861年)11月12日に深谷宿を抜け、11月15日に江戸城へと入った。



「儂が家茂である」

「どうぞ、よしなに・・・」



若き将軍家茂と和宮の初対面は殊の外初々しいものであった。

青天を衝けのあらすじ第10話下巻「坂下門外の変」

和宮降嫁は成った。




幕府としては「公武一和」を以てこの難局に当たるための象徴と考えていたが、攘夷派はこれを「幕府が帝の妹君を人質に取った」と不敬であると考える者も多かった。




思誠塾の大橋訥庵もまた、これを幕吏の謀であると考えていた。




特に、思誠塾でもより「過激」である河野顕三は安藤対馬守の殺害、さらには一橋慶喜の挙兵まで考えていた。



「長七郎、安藤を殺れるか?」



北武蔵の天狗長七郎はその剣の腕前を見込まれ安藤対馬守暗殺に加わる。



大河姫

嗚呼、利用されてしまた・・・(涙)

数日後、長七郎の姿は古郷の血洗島村にあった。



血洗島村
尾高家


長七郎は惇忠、喜作、そして栄一に「安藤暗殺計画」のあらましを伝える。



「俺が安藤を斬り、上手くいった暁には切腹する」



長七郎と河野顕三、そして水戸浪士を中心とした浪人で老中安藤対馬守を殺害。




それを狼煙に一橋慶喜を旗印に挙兵し一挙に尊王の大義を為すという。




長七郎の言葉に皆息をのむ。



「百姓の自分が大義を為すという痛快事」



長七郎は覚悟を決めている。




しかし。



「いや。それはならぬ!」



惇忠は長七郎の計画は無謀であると止める。




仮に安藤対馬守を斬ってもあらたな「安藤」がその席に座るだけ。また、安藤暗殺では一橋慶喜も動くことはない。



「では兄上はいつまでもここで座しておられるおつもりか!?」

「いや、この兄ももはやじっとしてはおられぬ!」



惇忠は「幕府を根底から揺るがす義挙」が必要だと言う。



「お前のような剣士の力がその時こそ必要なのだ!」

「長七郎!兄ぃの言う通りだ!」



大河姫

革命ごっこの典型。より過激な方がエライというね。。。

結局。




長七郎はこのまま血洗島村へ留まり安藤暗殺へ加わることはなかった。



江戸城
坂下門近く


文久2年(1862年)1月15日。




安藤対馬守はいつものように登城するため藩邸を出発した。



「しばらく!しばらく!」

「・・・?!」



水戸浪士など六名が安藤対馬守の行列を襲った。




坂下門外の



しかし。




浪士たちは警護の兵に討ち取られ、安藤対馬守も背中に傷を負ったものの無事であった。



血洗島村


「安藤対馬守暗殺未遂」



この知らせは血洗島村にも届く。




宗助は幕府の役人と思しき見慣れない浪人がこの暗殺未遂事件に関わった者を捜索しにこの血洗島村周辺にも現れていると言う。



「尾高の家が攘夷派のアジトになっているのは皆知っている」



長七郎は自身の周辺にも探索の手が伸びて来たことを悟り、夜、一人血洗島村を後にする。




栄一は深夜、平九郎から長七郎が家を出たと知らされ急いで連れ戻しに出掛けるのであった。




以上、青天を衝けのあらすじ第10話「栄一、志士になる」でございます。

青天を衝けの感想第10話「栄一、志士になる」

青天を衝けの感想第10話「栄一、志士になる」。今週も一番よい働きをしたのは父、市郎右衛門だと思うのです。市郎右衛門も「一流の商人」でるから昨今の日の本を取り巻く情勢に無関心ではなかったし、栄一の考えに共感できる部分もある。一方で、それ以上に「危うさ」も感じていたと思うのですよね。




次点でご活躍したのはお千代。




・・・残念ながら結婚して人の親になって一人前という部分はあるのでしょうね。




栄一も「夢物語」ではなく地に足がついた考えが出来るように・・・なった!・・・のかしら?

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青天を衝けの感想第10話「見守り親父」

「江戸へ行かせて欲しい」



市郎右衛門は迷ったと思います。




血洗島村の「大人たち」は多かれ少なかれ、尾高の家ですっかり「攘夷かぶれ」になって「志士ごっこ」に明け暮れる息子達に不安を感じている。すっかり人斬り抜刀斎化した長七郎を見てからはなおのこと。




それでも行かせる決断をしたのは、



「息子を信じた」



が、八割、あとの二割は「止めても無駄」「止めるより行かせた方がマシ」という判断かな。




若者が意固地になられると後には退けなくなるから。




幸い、市郎右衛門が信じた通り栄一は冷静だった。



「天罰やってる暇あるなら神風吹かせろ」



この辺りの感覚は流石でしたね。




栄一は無事、傷付くこともなく、誰かを傷付けることもなく戻ってきた。




取り敢えず、市郎右衛門はホッとしたでしょうね。
しかし、



「どうだ?気が済んだか?」



と問いかけには緊張感を感じましたね。




栄一は「気が済んだ」と応じておりましたが、多分市郎右衛は額面通りには受け止めてはいなかった気がする。




千代に子供が出来たと知った時にようやく「安心」したかな?




これで「地に足が着く」と。




やっぱり人の親になって一人前ってことなのかな。

青天を衝けの感想第10話「武士より武士らしく」

長七郎はすっかり人斬り抜刀斎。



「俺が安藤を斬り、上手くいった暁には切腹する」



百姓として生まれた自分が武士として死ねると強がっておりましたが、怖いに決まってます。




因みに、江戸期を通して腹切りした武士はそんなにいない。




忠臣蔵で有名な赤穂藩で四十八人、兎に角腹を切りたがる事で名高い薩摩藩でも100名ほど。



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その長七郎が剣の腕を見込まれて安藤対馬守暗殺に駆り出される。




武士に利用されていると思うのですよね。




長七郎はずっと「百姓出身」であること理由に一段下に見られることに忸怩たる想いがあったはず。




それを己の剣の腕と学識で「志士」と認めてもらえるところまで来た。




と、思っていた。




否!



絶対認めていなかった。




思誠塾にいる武士が全員そうだとは思いませんが、多くは「百姓の癖に」と思っていた。




テイ良く利用されてしまったのだと思うのです。




惇忠がなんやかんやと言って長七郎を止めましたがその辺りも直観的に感じていた気がします。




因みに、この長七郎を見て思い出したのが薩摩の森山新蔵、新五郎右衛門父子。



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商人出身で成功し侍身分となった森山新蔵は武士よりも武士らしく生き、息子を武士にしようとして、それが悲劇的な形で叶うというね。




武士は武士


百姓は百姓




ユミルの民はユミルの民



と言う事です。

青天を衝けの感想第10話「道楽と革命」

長七郎は江戸へ遊学




惇忠は自宅で道場を開いて学問と剣術を教える。




喜作も江戸へと遊学




和宮降嫁の為の街道整備や警備の人夫もしっかり出して仕事をやり切っております。




開国以来物価があがり庶民の生活は苦しくなる一方と言いつつ、渋沢家の生活には苦しさは感じない




結局、渋沢家とその周辺にいる方々は坊ちゃん嬢ちゃんの集まりなんですよね。




それを考えると武士でありながらメタクソ貧しかった西郷先生にはホント頭が下がりもす。




夜な夜な尾高の家での攘夷談義も金持ち学生の「革命ごっこ」に過ぎないとも言える。




庶民は日々の生活で忙しいから「革命ごっこ」に付き合ってはおられない。




革命ごっこに明け暮れる坊ちゃんはプライドと口先は百人前なので、庶民に無視されると怒りの矛先はその庶民に向ける・・・。




こうして、革命は堕落するんですけど。




幸い、栄一は「革命家」ではなくて「事業家」になるのですけどね。




その辺りの「矛盾」つまり「志士の胡散臭さ」に気付いて行く過程が楽しみではあります。攘夷攘夷の幕府批判はもうウンザリです。私は佐幕派なので。



明日辺り、平岡円四郎と出会うかな?




以上、青天を衝けのあらすじと感想第10話「栄一、志士になる」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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