青天を衝けのあらすじと感想第11話「横濱焼き討ち計画」。濃い45分でしたね。視野がどんどん狭くなり過激になるばかりの栄一達。過激な「攘夷かぶれ」に頭を悩ませる慶喜。そして、その慶喜に心強い相棒が!栄一が攘夷にドはまりしてゆく行程はこの時代のよくある風景なのでしょうね。青天を衝けのあらすじと感想第11話

青天を衝けのあらすじ第11話「横濱焼き討ち計画」

熊谷の宿



長七郎は江戸へ戻ろうとしていた。




栄一は平九郎から知らせを受けて長七郎を追いかける。




今、長七郎を江戸へ帰せば命も危ういかもしれないのだ。




幸い、熊谷の宿で丁度出発をしようとしていた長七郎に追いつくことが出来た。



「栄一!?」



長七郎は突然引き戸を開けた栄一を幕府の追手と警戒し刀に手をかけていた。栄一は江戸へ行ってはならないと長七郎を説得する。



「河野が死んだ・・・」

「安藤(対馬守)は?」

「生きている」



長七郎は死んだ河野の分も自分が江戸で安藤を斬らねばならぬと思い詰めている様子である。



「生き残っているお前には、今生きている俺たちには為すべき事がある」



大河姫

長七郎は死にたがっているんだ・・・。生きている事に罪の意識。嗚呼!

栄一の必死の説得に長七郎も最後は折れ、このまま信州に身をひそめることを受け容れた。

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青天を衝けのあらすじ第11話上巻「父になる」

血洗島村
渋沢邸


栄一と市郎右衛門は走っていた。



「お千代!!!」



家ではお千代は無事長男を出産していた。



「市太郎・・・!」



大河姫

市太郎!?ジャストシステム・・・?いや、あれは一太郎かw

栄一は生まれたばかりの市太郎を抱いて顔をほころばせる。市郎右衛門もこれでようやく一安心といった風である。



「これで攘夷だなんだと言わず仕事に精を出す(笑)」



しかし。




栄一は惇忠が立案した「横濱焼き討ち計画」に己の命をかける覚悟でいた。






栄一と喜作は度々惇忠の道場に集まり計画を進めて行く。








「こんばんは徳川家康です」



今週もご登場の家康公。




文久2年(1862年)の慶喜将軍後見職就任についてお話を頂く。



江戸薩摩藩邸


桜田門外の変に恐れをなした幕府は慶喜や松平春嶽の「謹慎処分」は解除していたが政からは離れたままであった。




今回、薩摩の島津久光が勅使護衛と称して薩兵を率いて江戸へ入り、慶喜の将軍後見職就任、そして松平春嶽の政事総裁職の就任を後押しする。




この日、江戸城での将軍家茂への挨拶も済ませた後、慶喜と春嶽の二人は薩摩藩邸を訪れていた。




久光は二人を前に自身の「攘夷」への意気込みを滔々と開陳する。




慶喜はその薩摩訛りの「ご高説」を冷ややかに聞いている。






「攘夷など本当に実現できるとお考えなのか?」



久光は慶喜の言葉に戸惑う。




春嶽は少し気まずそうに場を宥めるのであった。

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青天を衝けのあらすじ第11話中巻「別れ」

血洗島村
渋沢邸


市太郎が亡くなった。






この年、コロリと麻疹(はしか)が大流行し市太郎もわずか1歳でその短い生涯を閉じた。




千代は自身の至らなさを市太郎の墓前で責めているようである。



「誰も悪くないよ」



ゑいが傷心の千代を慰める。




ゑい自身も栄一の前に二人子供を失くしていたのだ。一人は生まれてすぐ、もう一人は市太郎と同じ1歳の時。



「だから栄一が3歳まで無事育ってくれた時はホッとした」



千代はゑいの気遣いに感謝する。




一方、栄一は悲しみを紛らわせるかのように必死に農作業に精を出していた。




また、それ以上に「攘夷」にのめり込んで行く。



血洗島村
尾高の家


ある日、惇忠は栄一と喜作を道場へ呼出し、かねてから計画をしていた「横濱焼き討ち計画」の概要を説明する。




横濱の異人街を襲撃して焼き払いそこにいる異人共を皆殺しにする。



「さすれば諸国から多くの志士も馳せ参じるはず」



勿論そうなれば、当然異国も黙ってはいない。




必ず幕府と戦になる。



「しかし、幕府にそれを支える力はない」



成功した暁には天子様を頂き自分たちが天下を治める。



「長七郎は既に都に移り天下の情勢を窺っている!」



計画ではまず、上州高崎城を「南総里見八犬伝」よろしく夜襲し、そこを根拠地に鎌倉街道を一気に下り横濱を薙ぎ払うのだと。




まず、栄一と喜作は江戸へ向かい武器弾薬を揃えることになる。




この計画に平九郎(惇忠末弟)も加わりたいと言うが、平九郎はまだ若いこと、そしてこの「尾高の家」を守るようにきつく命じられるのであった。





「いつになったら攘夷を決行できるでおじゃるか!?」



大河姫

あー、コイツマジムカつくわ。

慶喜と春嶽は朝廷との折衝のため上洛していた。




今、宮中を跋扈しているのは三条実美をはじめとする「攘夷派」の公家である。彼らは長州などの後ろ盾を経て増長している。




この日、三条実美は慶喜と春嶽を罵倒していた。



「攘夷など簡単に出来るものではない」

「なんと!勅命じゃ!いますぐ攘夷の期日をお決めされ!!」



日の本の、諸外国の情勢をまったく理解していない様子に呆れ果てる。



京、慶喜邸


「もう、むちゃくちゃだ」

「儂には天子様が情勢を理解されて攘夷を唱えているとはとうて思えない」



近習の中根長十郎に相手に嘆く。




その時。



「てーへんな時に将軍後見職なんざ」

「なんという貧乏くじ(苦笑)」



障子の向こうから聞き覚えのある声が。




平岡円四郎である。



「この度、殿のおそばに戻れることと相成りましてございます」

「そうか、良かったぞ!」



慶喜は円四郎の帰参を喜ぶのであった。



青天を衝けのあらすじ第11話下巻「勘当」

栄一は「横濱焼き討ち計画」の武器弾薬を購入するため江戸を訪れていた。




この日、有力商人梅田慎之介の元を訪れ武器購入の意向を伝える。



「見たところ、お武家様ではないようですが・・・?」



梅田は栄一達を胡散臭げに眺める。そう。栄一は武士ではないが。



「俺達にも志はあります」

「はて?どの様な志でございます?」



大河姫

渡辺徹、雰囲気変わったよね。良い意味で。誰だか分からんかった。

栄一は十分な銭の入った袋を差し出す。



「どうぞ、こちらへ」



離れに案内されるとそこには多く刀剣類が置かれていた。



「最近の貧乏侍は銭を払わねぇ」

「あんたたちの方がよっぽど信用できる」

「あなた達の志に乗せてもらいやしょう!」






無事、武器を集める事に成功する。




栄一と喜作は武器の目途がついたこともあり旧知の真田範之助などと共に居酒屋で酒を飲む。




そこに、酷く酔っ払った若い武士が倒れ込むように座る。



「おう!すまねぇがカネを貸してくれ(ウイ)」



栄一と喜作は「ただ酒」をねだる見知らぬ男にあからさまに不愉快な表情を見せる。



「いや、栄一、待て、そのお人は藤田小四郎様だ」



藤田小四郎。




かの藤田東湖の息子である。




栄一と喜作は血洗島村で散々東湖の本を読んできた。



「おお!俺たちは皆東湖先生の書を読んで育ったんだ!」

「何?お前たちが(嘲笑)」



小四郎は「田舎の百姓」に過ぎない栄一や喜作が東湖の書を読むとはと嘲笑う。




真田範之助たちは気まずそうにしているが・・・。



「代々勤王を唱え大義名分明らかなる水戸の武士が何をしている!」

「ただ酒を飲もうとは!東湖先生は今のお主をどう思う!!」



栄一は黙っておられず思わず小四郎を怒鳴りつけてしまう。



「・・・う、う、うう(涙)」

「分かっておるのだ・・・(涙)」



小四郎は突然泣き出す。



「いつか!父を超える大義を為す!」

「お、おう!き、今日は飲ませてやらぁ!」



大河姫

栄一、小四郎の高低差に戸惑うw

栄一たちが「攘夷」に燃えている頃。








薩摩では所謂「薩英戦争」が起こる。




薩摩藩は英国艦隊の艦砲射撃で集成館をはじめ市街地が炎上するものの「運」もありなんとか英国艦隊を退ける事には成功する。しかし、この戦いで薩摩藩は攘夷は無謀と認識を新たにする。








同じく、長州藩は馬関海峡停泊中の外国船を砲撃。こちらも手痛い反撃にあい、異国の力を思い知らされる結果となる。



大河姫

長州は阿保過ぎて益々過激になるんだけどね。

血洗島村
尾高の家


栄一に二人目の子が生まれ、「うた」と名付けられる。




栄一はいよいよ「覚悟」を決めなければならないと決意する。



「おっとう、俺を勘当してくれ」



栄一は「世の為に」に働く覚悟であり、場合によってはこの「渋沢家」に迷惑をかけるかもしれないと話す。




意外にもお千代もまた栄一の「旅立ち」を許してやって欲しいと市郎右衛門に頭を下げる。



「止めても聞かねぇな(苦笑)」



市郎右衛門は栄一の申出を受け容れ、自分は「百姓の分」を守りこの渋沢の家を守ると話す。






以上、青天を衝けのあらすじ第11話「横濱焼き討ち計画」でございます。

青天を衝けの感想第11話「横濱焼き討ち計画」

青天を衝けの感想第11話「横濱焼き討ち計画」。色々とテンコ盛りの第11話でしたが見事に纏まっていたと思う。細かい話をするれば京都の情勢やしゃしゃった薩摩のこととか薩英戦争の理由とか八月十八日政変とか色々ありますが、当時の若者(もう、若くもないかw)が攘夷にかぶれて行く様子や「親」となった栄一の葛藤、そして、藤田小四郎に「教育的指導」をする場面とか栄一パートも見所沢山。




そして、慶喜パートはその合せ鏡ですね。




攘夷にかぶれて「むちゃくちゃな連中」を相手にする慶喜の苦悩。




からのー!




盟友平岡円四郎の復活!




相思相愛振りが伝わる見事な再会でございました。

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青天を衝けの感想第11話「時代に飲まれる」

市太郎が産まれて栄一も少しは「大人になった」かと思いきや全然でございました。




前回も少し触れましたが市郎右衛門は「気が済んだ」と言ってもまだ栄一を心配していたと思うんですよね。




でも、今回市太郎が産まれた時に始めて、



「ああ、これで栄一も目が覚める」



と思ったはず。




しかし、栄一は目覚めなかった。






皆が幸せになるためにと随分と大層なことを言うのですけど、そのアウトプットが「横浜焼き討ち」という誰も幸せにしない短絡的で無謀な行動で命を捨てる事という絶望感。




市郎右衛門は栄一が「何かを為したい」という想いを抱えていることは薄々気付いていたと思うのですけど、流石に南総里見八犬伝の真似事をして異人を殺すつもりとまでは思っていなかったはず。




では、渋川栄一は愚かだったのか?




決してそんなことは無いと思うのですよね。




にも関わらずその行動は「能力」に見合っていない。




これは、仲間内だけで集まり洗脳し洗脳され視野がどんどん狭くなって行くという悲劇なんだと思う。青天を衝けはその辺りを凄い丁寧に描いておりますよね。




渋川栄一はこの幕末を無事に生き延び「日本資本主義の父」と言われる功績を残しますが、これは「運が良かった」というだけなのかもしれません。




栄一のように「才能のある若者」がどれ程無意味に命を散らしていったのか。




その差異は何処にあるのか?




多分「出会い」になるのではないかな。




渋沢にとっても日本にとっても幸いであったのは平岡円四郎と渋川栄一が来週出会うという奇跡。




奇跡の出会いが楽しみですな。

青天を衝けの感想第11話「坊ちゃんの力」

栄一は百姓出身ではありますが、恵まれた環境で育っております。




だからこそなんだと思うのですよね。




水戸の藤田東湖の息子小四郎相手に啖呵を斬れるのは。




印象的だったのは周囲の武士達は皆小四郎には遠慮がち。




天下の水戸藩の武士、しかも幕末期最高のインフルエンサー藤田東湖の息子。



「ただ酒を飲もうとは!東湖先生は今のお主をどう思う!!」



いやー。




言えない。




普通は言えない。






ここに集う方々はそれなりに「坊ちゃん」なはずだと思うのですけど、栄一と小四郎は特に「坊ちゃん」なのだと思う。




坊ちゃんは良い意味で「空気読まない」のです。あと、素直。




小四郎は久しぶりに「痛い処を」を突かれて泣いてしまった。坊ちゃんには坊ちゃんにしか分からない「情緒」がある!




小四郎は目覚めた。




目覚めた結果が・・・水戸天狗党の乱なのですな。

青天を衝けの感想第11話「黄金タッグ再び!」

「もう、むちゃくちゃだ」



攘夷、攘夷と浮かれる世情は「なんとなく」見知ってはいたと思います。




しかし、これ程に「酷い」ものだとは思わなかったのでしょうね。




三郎や三条実美に向ける視線のなんと冷淡なこと。




慶喜パートと栄一パートのコントラストが一番映えた回でもあったかな。




慶喜や円四郎の悩みの種こそある意味では「栄一」なワケですから。




その悩める慶喜に心強い御味方が!




二人の「相思相愛ぶり」が萌えました。




・・・勿論、この先の運命も知っているだけに余計にかな。。。




以上、青天を衝けのあらすじと感想第11話「横濱焼き討ち計画」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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→青天を衝けのあらすじと感想第12話「栄一の旅立ち」

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