西郷どんのあらすじ第16話です。斉彬の訃報に衝撃を受ける吉之助。しかし、吉之助は諦めない。江戸へ下り水戸徳川斉昭に斉彬の代わりに立ってもらおうとする。一方井伊直弼は一橋派への弾圧を始める。世に言う「安政の大嶽」が始まろうとしていた。衝撃の西郷どんあらすじ第16話

西郷どんのあらすじ第16話上巻~斉彬の死~

吉之助は斉彬の「卒兵上京」の受け入れ準備を整えるべく京都で奔走する。今回の、勅許を得ずに日米修好通商条約締結に関して御上の怒りは並々ならぬものがあるようだ。薩摩の精鋭3,000と勅許を武器に、公儀に対抗する。未だ、京都の吉之助の元に斉彬死すという知らせは届いていなかった。

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→長野主膳について井伊直弼との関係と京都人脈

訃報

「今夜は前祝いじゃっとん!お虎!じゃじゃんたのみもす!」

「あいよ!!」



景気の良い声が店内に響く。吉之助は薩兵3,000の受入準備が整うと江戸から応援に来てくれていた有村俊斎達と、京都の「鍵屋」で前祝いを開いていた。お虎は鍵屋の女中である。やや小太りではあるが軽快に動きよく働く様が心地よい。吉之助はお虎の力強さを愛でている。




いざ、祝杯を上げようとした時、月照が店に入って来る。



「薩摩山田為久様から近衛さんへの書状でございます」



月照は前祝いの場にまったく似つかわしくはない悲し気な表情である。書状を読む吉之助の手が震える。



「・・・類稀なる名君でございました・・・」



月照は祈りをささげる。一同は茫然としている。




斉彬は「卒兵上京」に向けて洋式調練を行っている最中に倒れるとそのまま帰らぬ人となった。



「・・・お、お殿様・・・!」



吉之助は1人店を出ると雷雨の中遥か薩摩の空を見つめる。

一縷の望み

翌日、吉之助達は近衛家に集まる。吉之助、俊斎、左内、そして月照である。



「毒やろうな・・・」



近衛忠煕がポツリと言う。吉之助と左内はかつて、江戸で斉彬がヒ素を盛られていた事を思い出していた。敵は井伊大老をはじめとするご公儀だけではない。内にも敵を抱えているのだ。



「吉之助さー!こうなったら殿の弔い合戦でごわす!!!」



俊斎は薩摩へと戻り有志を集めて斉彬を毒殺した者達との戦いを主張する。調べなくても相手は分かる。お由羅派一派の行いに間違いない。




最も斉彬に心酔していた吉之助なら間違いなく同じこと言うと誰もが思っていたが・・・。



「そげん事をしても無駄でごわす」



吉之助は冷厳に俊斎の言葉を否定する。一同は吉之助の言葉に驚く。



「水戸の斉昭公にお立ち頂きもす」



続けて出て来た言葉に一同はさらに驚く。斉彬の意思を継ぐ事が出来る力があるのはもはや水戸の御老公のみ。水戸藩もまた洋式調練を受けた精強な軍勢を持っている。




斉昭に「卒兵上京」を実行してもらい幕府と対峙する。



「我々は未だ負けた訳ではございもはん」



吉之助はさらに続けます。



「近衛様にはお願いがございもす」

「天子様の勅語を頂きとうございもす」



斉彬のために準備を進めて来た「勅語」を斉昭のために出してもらうのだ。かつて、一橋派は家定から将軍継嗣は慶喜という言質を取り、御上には「年長」という勅語を頂いた事で油断した。



「お殿様の死で今度は向こうが油断し取りもす」

「今が好機でごわす」

戊午の密勅

「御上のお怒りはそりゃまあすごいものでしたぞ・・・!」



近衛忠煕は無事、斉昭への密勅を頂く事が出来た。これで、水戸の斉昭が立てば形勢は再度逆転である。



「恐らくこれが最後の望です」



月照は静かに告げる。
そうだ。
吉之助もこれが最後の希望だと思う。




左内は京都の一橋派にこの事を知らせる事で動揺を鎮め、吉之助の早速江戸へと下り、斉昭にすぐにでも兵を出させるのだ。



西郷どんのあらすじ第16話はまだまだ続きもす!斉昭は立つことが出来るのか!?

西郷どんのあらすじ第16話中巻~万事休す~

吉之助は江戸へと下ると早速水戸藩邸へと向かう。烈公と言われ、徳川宗家よりもむしろ勤王派である斉昭の性格なら立ってくれるはずだ。

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徒労

「斉昭様にお取次ぎをお願い申し上げます!」


何度も訪れた水戸藩邸である。しかし、吉之助はその門を通る事が出来ない。番兵は何者も通す事は出来ないとにべもない。




会えなくては話ならない。




吉之助はその足で磯田屋へと向かう。磯田屋は慶喜がいつも入り浸っている。吉之助の読みの通り磯田屋には慶喜がいた。



「無駄だよ!親父は会わねぇ」



斉昭は日米修好通商条約締結について問い詰めるため登城するも、井伊直弼はのらりくらりとその詰問をかわすだけであった。そして、斉昭が江戸城を後にすると、勝手に登城したことを咎め蟄居謹慎を命じた。




斉昭だけではない。




越前松平春嶽も同じく蟄居謹慎である。



「ならば!一橋様がお立ち下され!」

「俺にも近く沙汰が下る・・・」



慶喜もまた、井伊の専横を見かね登城していた。いずれ、沙汰が下るという。




吉之助はまだ知らなかったが、「戊午の密勅」は既に幕府に漏れていた。井伊大老は先手を打ってきたのだ。

失意

万事休す。吉之助は京都へ戻ると近衛忠煕と月照に事の次第を報告する。



「もうしわけございもはん」



吉之助は自らの非力を詫びる。勿論、誰も吉之助を責める者はいない。



「大老はんに先手を打たれたんですなぁ」



近衛忠煕、月照、そして左内も涙を流す。これで、打つ手はない。




ふと、月照が吉之助の様子に気付き尋ねる。



「西郷さんは薩摩へ戻って死ぬおつもりですな?」

「おいはお殿様が無ければ意味のない人間でごわす」

「ほいでは薩摩守様の御意思は誰が継ぐのですか?」



月照は吉之助に死ぬことの非を説く。亡き斉彬の意思を継ぐのは、最も近くで薫陶を受けた西郷吉之助を置いて他にいない。もし、自死すれば、それこそ斉彬の今迄の努力が無駄になるのだと。




吉之助は月照の必死の説得に、命を捨てる事を思いとどまる。




大河ドラマ西郷どんのあらすじ第16話もいよいよ最後の段でごわす!安政の大獄。月照は?西郷は??逃れる事が出来るのか?

西郷どんのあらすじ第16話下巻~安政の大獄~

一橋派の粛清は斉昭や慶喜、松平の蟄居謹慎に留まらない。その追及は京都で御上を惑わした咎で月照の元へも伸びてきている。井伊大老は「戊午の密勅」を察知するや関係者を徹底的に取り締まる、つまりは、命をもって償わせることを誓っていた。安政の大獄の始まりである。

薩摩へ

「これはあきまへんな、幕府へ名乗り出ようおもいます」

「月照様何をいうてんのや!うちは五摂家筆頭や!」



自身にも追跡の手が伸びている事を知った月照は、このまま近衛家に匿わていれば近衛家にも迷惑がかかると全ての罪を背負い出頭しようとしていた。この様子では死罪は免れない。




近衛忠煕はそんな事はさせないと月照を庇うが・・・。



「近衛はん、もう既に所司代はんあたりから言われてんのとちゃいますか?」



沈黙する近衛忠煕はそれが図星である事を現していた。



「薩摩へご一緒して頂けませんでごわすか?」



吉之助にはとてもこの美しい上人を見捨てる事は出来ない。薩摩であれば、幕府もそう簡単には手が出せない。橋本左内もそれに賛同する。



「では、この命西郷さんにお預け致します」



吉之助は月照を伴い、薩摩へと向かう。幕府の追跡があるため吉之助はなるべく目立つ街道を避けて一路薩摩へと向かう。




勿論、宿に泊まる事も出来ない。吉之助もまた、幕府の捕縛対象であった。




吉之助はともかく、月照に京から薩摩までの旅は厳しい。ましてや、なるべく街道を避けているのだ。




吉之助は月照をおぶり、山道を歩く。そして、また廃寺で息を潜め眠るのであった。




吉之助はそんなある日、光を見る。



「お!お殿様!!」

「おいは、お殿様のお近くへ行きとうございもす!」



そこには眩いばかりの斉彬の姿が・・・。




何時ぞやのように、



「メソメソするな!」



と、笑われた気がした。




吉之助にはまだやる事がある。




死への誘惑に打ち克ち、再び月照と薩摩を目指す。




以上、 西郷どんのあらすじ第16話でございもす!

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