西郷どんのあらすじ第13話です。安政の大地震の影響で篤姫の輿入れは延期となる。ここで吉之助は再度の輿入れ準備に大車輪の活躍!無事篤姫は翌年輿入れする。そして、吉之助は約3年半振りに斉彬お国入りに同行し薩摩の土を踏む!しかし親友の正助と大喧嘩に。西郷どんあらすじ第13話

西郷どんのあらすじ~第13話上巻~斉彬の夢~

「安政の大地震」の影響は大きく、1万人近い死者があったと言われる。篤姫の輿入れは入念に準備されていたが、そういった品々は全て灰燼に帰してしまっている。新たに整えると言っても・・・。金はあっても、庶民、職人や商人が亡くなっていたり器財が無かったりと困難を極めた。

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篤姫の輿入れ

吉之助は再度の輿入れ準備を任される。調所広郷のおかげで金満大名と言われれる薩摩だけあって金ならある。しかし、未曾有の大震災の後であっては「金」があっても一流所の花嫁道具をそろえるのは至難の業である。
ましてやたった1年後とは・・・。




しかし、吉之助はこの仕事やりきる。被災した商人や職人達の家々を回り、なんとかもう一度つくって欲しいと頭を下げる。そして、材料がなければ遠く西国まで取り寄せに回り、また、人が足りないと言えば、何処なら出来るのかを尋ね、そこまで出向いて頭を下げた。




いつしか、西郷さんのためと皆力を貸してくれるようになる。そして、篤姫は当初の予定通り安政3年(1856年)に右大臣・近衛忠煕の養女となり、無事その年の11月に時の征夷大将軍徳川家定の正室となる。




篤姫を送る薩摩屋敷から江戸城までの行列は先頭の者が江戸城に入城しても、後方はまだ薩摩藩邸を出ていない者もあったと言われる程豪勢なものであった。




因みに、この行列は薩摩藩邸に勤める薩摩藩の者だけではない。今でいう「派遣会社」のようなところから人を集めてもらっている。勿論、そういった手配まで含めて吉之助はやり切ったのだ。




篤姫は江戸城に入るとさっそく将軍家定と面会する。何度か触れているが家定の正室は公家から二人輿入れしているが程なくして亡くなっている。家定は開口一番尋ねる。



「(篤姫は)丈夫デアるカ?」

「はい!田舎立ちでございますゆえ」



「死なナイいカ??」

「はい!薩摩の者でございますから」



家定は至極満足した表情で頷くのであった。

主従水入らず

「西郷!今回はよき働きじゃ!!今夜はお前を労ってやろう!」

「はは!まっこと有難き事でごわす!」



吉之助は斉彬の言葉に涙を流し喜ぶ。
斉彬も嬉しそうである。




盃を取らすと言われて注がれた酒を飲み干す吉之助。吉之助は下戸であるが、斉彬からの酒は格別の味がした。



「まっこと美しかぐい呑みでごわすな!」

「アッハッハッハ!ぐい呑みではないぞ!」



吉之助が手に取っているのは「薩摩切子」である。つまりは「グラス」である。長崎のガラス製造書物を元にして、ガラス職人に作らせている。「薩摩切子」だけではない。




斉彬は所謂「集成館事業」を拡張している。勿論、そこには黒船や大砲といった軍需産業的なものも多いが、「ガラス」「ガス事業」「電気」「鋼鉄」など民生品に関する研究・事業も数多い。後の、「殖産興業」を薩摩で先んじて行っているようなものである。



「新しい技術は人々豊にして、国は益々富む」



斉彬は例えば新しい頑丈な農機具を作り農民が使えば生産量は飛躍的上昇し、豊になった農民が今度は購入者となり新しい客となると話します。



「お、おいには夢のようでごわす・・・ついていけもはん・・・」

「ははは!西郷!夢ではないぞ!現実じゃ!」



吉之助はこの斉昭との夜を生涯忘れる事はなかった。




西郷どんのあらすじ第13話はまだまだ続きもす!いよいよ薩摩へ・・・でもその前にとある場所へ。

西郷どんのあらすじ第13話中巻~薩摩へ~

斉彬が薩摩にお国入りとなる。今度のお国入りには吉之助と大山格之介も帯同する事になる。吉之助が薩摩に戻るのは約3年半ぶりである。そしてその途上、斉彬は京に寄る。

月照との出会い

江戸を立ち、年が明けた安政4年(1857年)吉之助は京にいた。向かったのは、近衛忠煕の屋敷である。




かつてはこの日ノ本を動かしていたのは摂関家を中心とした公家である。しかし、平清盛を皮切りに武家に政権を奪われて以来、和歌や蹴鞠といった芸事と家柄のみを日々の糧としてひっそりと生きている。




近衛家は五摂家の一角である近衛家と薩摩藩の関係は深い。今回の篤姫輿入れにも一度近衛家へ養女に迎えてもらっている。吉之助はその御礼方々ご挨拶に伺ったのだと考えていた。


「おお!薩摩殿・・・御元気そうでなによりでおじゃるな‥・」



そこへ、お香の良い香りを漂わせ、1人の僧が部屋へと入って来た。



「これは、月照様・・・」

「薩摩殿おひさしゅう・・・」



吉之助は斉彬が月照と呼んだ僧を見てそのあまりの美しさに衝撃を受ける。男性ではあるのだが・・・まるで天女のように感じる。



「月照様、単刀直入に申し上げます」

「いずれ天子様より詔を頂きたい」



吉之助斉彬の言葉にも衝撃を受ける。斉彬は帝からも「次期将軍を一橋慶喜」とするように働きかけているのだ。

帰郷

吉之助はついに薩摩へと帰還する。吉二郎はじめ弟たち、そして嫁に行った妹の琴、さらには近隣の郷中の者も集まり、祝の場を設けてくれた。




やはり故郷である。
暖かい。




祖母のきみも含めて皆元気そうだったのは嬉しいが生活は非常に苦しいようだった。そこに関しては吉之助は胸が痛い。




しかし、家族はみな生活の苦しさなどは感じさせないほど嬉しそうだった。篤姫の輿入れに吉之助が大車輪の活躍をしたことは薩摩まで知れ渡っている。



「吉之助さーは斉彬様の御信頼も厚いでごわす!」



大山格之介は斉彬が吉之助と話しをしている時の煙管の灰を捨てる音は景気が良いのですぐわかると言います。吉二郎達は吉之助の活躍を誇らしく思う。



「兄さー!斉彬とはどげな話をされておるでもすか!?」

「斉彬様はいったいどげなお人でごわす?」



皆が斉彬について尋ねる。



「黙れ!酒飲みながら斉彬様との事を話せるわけがなか!!」



吉之助の斉彬への思慕はもはや一種の信仰に近いのかもしれない。一同に気まずい雰囲気が流れる・・・



「あ、、そでもした、おいは嫁を貰う事になりもした‥・」



空気を変えようと正助がぼそりを話す。正助は正助の上役早崎七郎左衛門の娘満寿だ。



「なんと!それは目出度か!!!!」



吉之助は破顔し、正助の嫁とりを喜ぶのであった。

兄と弟

斉彬にはその後、五男の哲丸が産まれる。まだ幼いがこれで、兎にも角にも跡取りとなる可能性がある子供がいる事になる。




斉彬は久光と会っていた。


「兄上!哲丸様のご誕生おめでとうございもす!!」

「おいは、父上、母上とは違いもす!」

「哲丸様を支え必ずやこの島津家をお守りしもす!」



久光は先代斉興とお由羅との間の子である。二人は久光を跡取りにと、所謂「お由羅騒動」まで起こしている。しかし、久光自身はこの兄斉彬を敬愛していた。




せめて、斉彬には自分の気持ちを伝えて置きたいと考えていた。勿論、斉彬自身も久光の気持ちは分かっている。この兄弟は趣味嗜好は水と油ほど違うのだが、二人の間にはわだかまりはない。



「久光!いつまでそのような些末な事を言っておるのじゃ」



斉彬は久光に異国が攻め寄せている今、日ノ本が亡くなってしまえば薩摩も何もないと言う。しかし、軍艦や大砲を買い揃えているのは決して戦をするためではないと諭す。



「何故軍艦を買うのか?西郷こたえよ!」

「異国と対等に付き合うためでございもす!」

「なんじゃ!?おまえは!?」



突然、斉彬からの問いに答えた西郷の事を久光は良く知らない。しかし、憧れ兄斉彬がこの西郷に期待をしているという事はすぐに分かった。




後々、明治を迎えて後も西郷はこの久光には苦労をする事になる。




大河ドラマ西郷どんのあらすじ第13話いよいよ最後の段でごわす!吉之助と正助の大喧嘩が始まりもす!

西郷どんのあらすじ第13話下巻~正助と吉之助~

斉彬の強力な後ろ盾であった老中首座の阿部正弘が亡くなった。吉之助は斉彬に、また江戸で働かなければならない告げられる。その時、吉之助は正助も連れていきたいと願う。



「正助は必ずやお役に立つ男でございもす!」



正助は未だ薩摩を出た事がなかった。
斉彬は熊本までならと帯同を許す。

大喧嘩

正助は江戸で大活躍をしている西郷や見分を広げているであろう、大山や有村達に遅れ自分はこのまま埋もれてしまうのではという想いがある。




ただ、一方で誰かが薩摩を守らねばならないのだ。自分の仕事も斉彬の、この薩摩の役に立っているという矜持もある。また、満寿を嫁に迎えた事でこのまま薩摩で頑張られねばとも思う。薩摩で誰に知られる事無く国の行く末を案じている久光には自分と同じものを感じたりもする。




しかし。



「おいは薩摩を出る事もないんかの」



そんな正助の元に吉之助が大喜びでやって来る。



「正助どん!これから熊本へむかうど!薩摩を出られるど!」



吉之助は斉彬へ頼んだ事を話す。



「誰がそんなこと頼んだ!?吉之助さーは江戸へ行って変りもした!」

「おいはおいの力で江戸へいくでごわす!」

「余計な事をすなでごわす!」



正助の言葉に吉之助も激昂します。二人は取っ組み合いの喧嘩を始めてしまう。



「もう勝手にさらせ!」

「おう!勝手にするわ!!」



吉之助は1人薩摩を立つのでした。

忘れ物

思い悩む正助の様子は妻満寿や父次右衛門にも分かります。満寿は黙って旅支度を整えます。



「今なら吉之助さーにおいつけもす・・・」

「おいは行かん!」



そう言う正助に父次右衛門のが言います。



「いま、吉之助さーをおわんじゃわいの未来は開けん」


そして、満寿の、



「吉之助さーも正助様の事をまっちょりもす」



この言葉が正助を動かす。自分はなんちゅう肝っ玉の小さい事をしているのだと。正助は急ぎ、吉之助を追いかける。



「おお!正助どん!」

「な!?吉之助さー!?」



途中、吉之助が反対からやってくのであった。



「江戸はこっちではなかなかと!」

「なーに!大久保正助ちゅう男を忘れて来たと戻ったでごわす!」



吉之助がいたずらっぽく笑う。




二人は連れだって一路熊本を目指します。




以上、西郷どんのあらすじ第13話でございもす!

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