黄金の日日あらすじと感想第1話「信長軍包囲」。2021年はBSで黄金の日日(1978年)が再放送されます。それに併せて感想を書いて行きたいと思います。太平記初回放送時もリアタイしていたのですが、黄金の日日は初見です。黄金の日日あらすじと感想第1話

黄金の日日あらすじ第1話「信長軍包囲」




この町はベニスの如く


執政官により治められている。


堺と称するこの町は甚だ大きくまた富み、


守り堅固にして諸国戦乱にあるも


この地に来れば相適する者も


友人の如く談話往来し、


この地に於いて戦うことはない。


それ故に堺は未だ破壊されることなく、


黄金の中に日々を過ごせり



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黄金の日日あらすじ第1話上巻「堺包囲」




永禄11年(1568年)10月1日。




この日、堺は六万と号する織田軍に包囲された。




過日。




尾張、美濃の太守織田信長は足利義昭を奉じて電光石火の上洛を果たしている。




信長は足利義昭とその地位を争っていた足利義栄、それを支援する三好勢を畿内から一掃し、義昭は第15代室町幕府将軍に就任する。




信長は本願寺に五千貫、そして堺には二万貫の「矢銭」を要求。




本願寺はそれに応じたが誇り高き自由都市堺、つまりその堺を執政する豪商達、所謂「会合衆」はその要求を拒絶したのだ。



「来たな・・・」



大河姫

なんか、存在感あるな・・・。始めてみる役者だ。

堺会合衆の一人今井宗久の元で働く杉谷善住坊は櫓から織田勢の様子を眺めていた。




堺の町は恐怖の・・・といった雰囲気はまるで無かった。




堺は三方に濠を巡らせ、一方は海である。




海外、主に明国との交易で大いに潤っており、鉄砲の生産も日本屈指。




町の中は雇われ浪人で溢れており、その雰囲気は「戦」というよりも「祭り」である。




今井宗久の嫡男兼久は今井家で南蛮渡来の大筒を見様見真似で鋳造させた大筒にまたがり、門まで走らせているがその姿は神輿に乗り込みお祭り男そのものである。




町の女衆はその兼久を見て嬌声を上げている。




兼久も満更ではない様子だ。



大河姫

林隆三(兼久)はすぐ分かるw

しかし。




やはり戦なのだ。




傭兵の中にはこの戦を信長有利と見て逃げ出す者、またこのどさくさ紛れに悪さをするものいる。



「おい!爺!この船をもらうぞ!」

「え、そんな(オロオロ)」

「荷物は海に捨ててしまえ!どうせ中身は塩だww」



大河姫

上手いこと言うねw

それを見止めた、一人の若い女子が浪人達の暴挙を叱責する。女はこの船の荷主である今井家ゆかりの者と名乗る。



「何処の浪人だい!?」



しかし、浪人達は女と見ると口々に嘲笑する。



「着物は上等ww」

「中身も上等だwww」

「なら、両方もらっていこうか!w」



欲望をギラつかせ不敵に笑う浪人達を一人の若者、助左が止める。



「なんだこら!?」



大河姫

私の中ではずっと松本幸四郎がしっくり来る。

若者は浪人達相手に大立ち回りを演じる。




女、美緒はすぐにその場を立ち去り、家から鉄砲を担いで戻って来た。




自分を助けてくれた若者を助けようとしたのだ。




ところが既に勝負は付いていた。



「逃げたのではないのですよ?貴方を助けようとほら!」



誇らしげに鉄砲を見せる。



「鉄砲は玉が入っていなければ撃てませぬ(笑)」



助左は美緒の勝気な様子に笑顔を向ける。




町の外には織田勢が包囲陣を構築しつつあった。




今井兼久は前線にやってくると早速自慢の大筒に玉を込める。



「織田勢に目に物見せてやるわ!(笑笑)」

「お待ちください」



しかし、それを止める者がある。




戦の命令はまだ出ていない。




勝手に戦を始めるのは軍率違反であると。




兼久はこの門を守る大将である。



「儂がこの門の大将、お前に指図される謂れはない!」

「儂は今井の大将じゃ」



「はて?妙なことを申される」

「今井の大将は今井宗久殿ただお一人」



「・・・そうであったな」



兼久は大筒の試射を諦める。




父、今井宗久。




宗久なら容赦なく息子の首を刎ねるであろうとこは当の息子である兼久が一番よく理解していた。

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黄金の日日あらすじ第1話中巻「堺評定」

堺は会合衆と称される有力商人の合議体により運営されている。




信長への対応。つまり二万貫の矢銭は拒絶、もし攻めてくるのであれば徹底抗戦と一応の決着を見てはいたが。




堺某所で今井宗久、千宗易、津田宗久、日比屋了慶といった会合衆集まり包囲軍への対応を協議している。



「信長など恐れるに足らない!」



大河姫

津川雅彦若いな。

今井宗久は信長の要求を受け入れるべきと考えていた。




しかし、会合衆に賛同する者はいない。




特に、津田宗久や日々屋了慶などは、



「信長恐れるに足らず」

「今井宗久は臆病風に吹かれたか?」



といった感である。




宗久は「自身を同じ考え」だと思っている千宗易に視線を送るが彼は一言も発しない。



「二万貫位ならウチの身代からも出せない事もないが・・・」

「銭の問題ではない」



信長には確かに勢い、そして六万という軍があるが尾張美濃の全軍を率いての上洛である。背後には武田上杉。









京山城の北には越前朝倉。






西には毛利も控えている。






「三好は必ずここに戻ってくる」






三好長慶没後、確かに往時の勢いを失い、信長の上洛に際しては早々に本拠阿波へと軍を退いたとはいえ、三好勢の力は強大である。



「信長の何がそんなに恐ろしい?」



津田宗久は今井宗久に元々好感は持っていないが、その見識は認めている部分もある。不思議でならないといった風に尋ねる。



「信長は十年ほど前に上洛しておる」

「その時、儂は信長に会っている」



今回の上洛とは異なり10年前の上洛は同行する家臣数十名、田舎大名の物見遊山と言った風ではあったのだが、その上洛の際に信長は鉄砲を二十丁ほど購入している。




田舎大名には過ぎたる道具ではあるが、まあ、それは良い。




問題は。



「この鉄砲を十倍、二十倍に大きくしたもの」

「出来れば船から射撃が可能なものが欲しい」



この時、信長は大筒は愚か南蛮船も見たことはない。




しかし、信長の頭には既に「存在していた」のだ。



「ははは!宗久殿が恐れるは信長のアタマの中身かw」



この日の会合でも結局堺の方針は「徹底抗戦」を確認する形で終わる。




帰り際。



「おい!お前はなんで一言も発しなかった!」



宗久は堺が戦乱に巻き込まれ荒廃することを心配していた。




そして、茶の湯の友である同じく会合衆の千宗易は想いを同じくしていると信じていたにも関わらず、何も言わなかったことが不満でならない。



「都から客人が来ているだが・・・会っていかぬか?」



千宗易は宗久の怒りを笑顔で受け流し、屋敷へと誘う。



「都から逃れてきたら、また戦に巻き込まれた(苦笑)」



都からの客人とは小西隆佐という豪商である。




宗久は都の様子、主に都での信長の評判を尋ねる。



「悪くないよ」



織田勢は軍率が厳しく都の治安は保たれているようである。




さらに。



「松永弾正殿は九十九髪茄子を信長に献上したとか」



信長が「数寄者」であるという噂はかねてからある。




千宗易はおもむろに自慢の茶道具を宗久に披露する。




松島の葉茶壺




千宗易自慢の一品でる。



「信長が噂通りの数寄者であれば」

「この松島の葉茶壺を二万貫と代えてくれぬかの?」



宗久は絶句する。




同じ茶の湯を志す者同士、これは自分の一部、命を差し出すに等しい行為である。



「これで堺が救われるなら安いもの」



しかし、そう言う千宗易の瞳は潤んでいた。

黄金の日日あらすじ第1話下巻「五貫の命」

今井亭


千宗易の覚悟を知った宗久は預かった松島の葉茶壺と自身の宝である「紹鴎茄子」を眺めながら考え込む




信長が噂通りの数寄者であればこれと二万貫の交換が成立し堺が戦乱から守られる希望がある。




しかし、そのためにはこの戦の最中秘密裏に堺を抜け出し、さらに信長の本陣まで辿り着く必要がある。



「今井の奉公人で親類縁者の無い若者を集めて欲しい」



宗久は美緒に命じる。




今井家は家人五百人を擁する今でいうと総合商社のような仕事をしている。




倉庫、海運、鍛冶などなど。




美緒は奉公人名簿から該当する人材に声をかけていく。




その中には今朝ほど美緒を助けた助左もいた。




助左は納屋番(倉庫業)で働いていた。




また、鉄砲が得意な杉谷善住坊、自身には信心はないが、とある商家の娘を見染め教会に通っている石川五右衛門もいた。




集められた若者は二十数名ほどである。




宗久は若者たちを前に「命懸けの仕事」を頼みたいと告げる。



「親兄弟が悲しまないように身寄りのないお前達に声をかけた」

「失敗すれば死、無事生き残れは銭五貫を与える」

「よくよく考えろ」



五貫で自身の命を賭ける。



大河姫

カイジみたいだな。

半刻後。




残っていたのは助左、五右衛門、杉谷坊の三人であった。




しかし、助左は頼みがあると言う。



「五貫はいらねぇ、俺を海運に回して欲しい」



助左の父も今井の家で海運に従事していたが、熊野灘で遣明船が座礁し落命していた。




宗久は助左の父を覚えていた。



「成程、母に止められていたか」



助左の母は夫、助左の父を奪った海を嫌った。一生涯を陸の仕事で終えるように固く命じられていたが、その母も昨年他界しているという。母が生きているうちは言い出せなかったのだ。



「父のようになりたい!」



宗久はその言葉に自身の子兼久を思い出し笑う。



「儂の子とは大違いじゃな」



三人は宗久の自室へと通されワインを振る舞われる。



「これを飲むと堺から抜け出せなくなる(笑)」



宗久は仕事の内容、堺を抜け出し信長本陣へと出向くことを伝える。




杉谷坊の顔色が変わる。



「全てを話した以上はもはや抜けられぬ」

「よ、酔いが回っただけにございます」



今井宗久、そして助左たち三人は美緒が起こしたちょっとした混乱に乗じて濠を泳ぎ堺を抜け信長本陣を目指す。



大河姫

酒飲んで泳ぐとは・・・。溺れちゃうぞ!

助左は10年前に信長が上洛したときに出会った信長の家来のことを思い出していた。



「あの方も陣にいるのか?いや既に亡くなっているか?」



大河姫

緒形拳か・・・一瞬分からんかった。

以上、黄金の日日あらすじ第1話「信長軍包囲」でございます。

黄金の日日感想第1話「信長軍包囲」

黄金の日日感想第1話「信長軍包囲」。と、言うワケで黄金の日日の感想も始めていきます。今年は平清盛も始めようと思っていたので黄金の日日の感想を始めるかは迷ったのですが・・・。






なんか、良い感じにアイキャッチも出来たので頑張ってみることにしました!




冒頭にも少し記載しましたが黄金の日日は初見です。




私の始めて見た大河ドラマは「山河燃ゆ(1984)」なので。今回は新作を見る気分で進んでいきたいと存じます。

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黄金の日日感想第1話「先見の明」

今井宗久は大筒も南蛮船も見たことのないにも関わらず信長のアタマの中には既に、



「大筒を搭載した船」



が存在している事を警戒しております。




津田宗久は笑っておりましたが、信長にはそういう「天才性」があるのですよね。




度々、このブログでも触れておりますが、信長が天下布武を言い出したのはまだやっと美濃を抑えた段階。




会合衆の会合でも触れられておりましたが、我らが武田家をはじめ信長よりも有力な大名は全国にまだまおります。




しかし「天下布武」というキャッチコピーを生み出したのはくやしいかな信長だけなんですよね。




これこそ信長が信長である所以。




信長>>超えられない壁>>秀吉=家康



というのが個人的な感想。




今井宗久はその信長の「天才性」「先見性」に気付いているワケですね。




そして、津田宗久は気付いていない。ちょっと軽薄?




この先の会合衆の力関係も楽しみにしておきます。

黄金の日日感想第1話「役者の存在感」

今井宗久と千宗易の存在感。




今井宗久を演じる丹波哲郎は二百三高地の児玉源太郎や226の真崎甚三郎でよく知っているのですけど、相方の千宗易を演じる鶴田浩二は「超大物俳優」ということを知識としては知っていますが演技を見るのは始めて。




存在感がある。




往年の名優の活躍が楽しみですね。




因みに、私にとっての千宗易と言うと大河ドラマ秀吉の仲代達矢。




さて、その存在感を超えてくるかな?




存在感と言えば津川雅彦演じる津田宗久。




二人の長老格と比べるとまだまだ「若さ」もっと言うと若干の「軽薄さ」が出ているのが新鮮ですね。




逆の意味での存在感で注目したいのが根津甚八演じる石川五右衛門。




根津甚八だとは一瞬気付かなかった。




クレジットが無かったら第1話ではまったく気付かなかったかも。




確か、この黄金の日日が初大河出演でここから注目されたはず。




こちらもまた活躍が楽しみですね。




以上、黄金の日日のあらすじ感想第1話「信長軍包囲」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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