おんな城主直虎の感想まとめもいよいよ最終回まで完結編です。私はこの「おんな城主直虎」の軸となっているのは「過ちを許す事」と「人の気持ちに寄り添う事」そこから始まる「相互理解」ではないかと考えています。大名と国衆、大国と弱小国、領主と良民、父と子・・・。登場人物に自分を重ねてしまいます・・・これは現代社会でも同じだと思うのですよね。

おんな城主直虎の感想まとめ完結編「許す事」

告白します。政次を死に追いやった「揉み上げクソ野郎」や、龍雲丸に瀕死の重傷を負わせた知恵者気取りの「酒井忠次」。そして、政次の無実を分かっていながら、見捨てた「小豆狸」。あいつらは、マジ八つ裂きにしてやりたかったです。



→無料視聴可能な大河!2022年1月22日更新

→おんな城主直虎の感想第50話「石を継ぐ者」

→おんな城主直虎の感想まとめ前編「今川と井伊の鮮烈な対比と子役脇役の活躍」

→おんな城主直虎の感想まとめ後編「井伊家の成長と今川の斜陽」


でもですね・・・。



「憎しみと復讐に囚われ自分の人生を生きれない事こそ不幸」
(by芳村店長)



許す事の大切さ・・・。

揉み上げクソ野郎から可愛い近藤へキャラ変!?

揉み上げクソ野郎とは近藤康用のこと。彼は、元々は政次に付けられた目付三人衆(井伊谷三人衆)の1人。当然、政次の事を信頼しきっています。




後に、政次に謀(たばか)れていた事を知ると意趣返し。本当に小さい男です。最後、牢にいる政次に勝ち誇るあたりがガチでムカついた・・・!



※関連記事:→おんな城主直虎33話「嫌われ政次の一生」


しかし。




許しました。
散々憎まれるような事をしつつ、次にいい人になるという王道の展開。ただ、これって本来演じるのって難しい部分があると思うんですよね。




反省しても許さないと思っていた私が許してしまった理由。実を申せば、直虎が政次に「刺し殺す」という超絶ご褒美を与えている時にその様子を見ている、近藤康用の姿が可愛かった・・・。




そう。



可愛いは正義



とはよく言ったものです。




ツイッターを見ると私と同じように近藤さんを可愛いと思っている人が段々増えていって愉快でした・・・!




一度可愛いと思うと、色々可愛いく見えるからあら不思議。
ま、まあ、史実では後に、「厳しい」万千代改めて直政に厳しく指導される運命が待っているようですけど・・・!



※関連記事:→井伊谷三人衆のその後

酒井忠次。信長さんに詰められメシウマww

さて、もう1人許せなかったのが酒井忠次。
堀川城の戦いでは既に戦う気がない堀川城の住民を皆殺しに・・・。



※関連記事:→堀川城の戦いと井伊直虎

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34話では、中村屋から船を徴発し戦う気のない「住民」を救うはずが・・・。



「犠牲が必要(ドヤ顔)」



酒井忠次(みのすけ)の勝手な判断(狸は部下のマネジメントも出来ないカス!)で、堀川城はワールシュタットの死体の山。龍雲丸は辛くも一命を取り留めたものの、龍雲党一党は全滅・・・。




そもそも、酒井忠次は気に入らなかった。
なぜなら!
どうやら、瀬名の事もネチネチ意地悪していたみたいだったし・・・!




酒井忠次は勿論、今川嫌いで瀬名も嫌いで、後に岡崎派(信康派)も嫌い。だけど驚くべき災厄が・・・。神様ではなくて、魔王様から罰!?を与えれられます。



※関連記事:→おんな城主直虎45話「魔王の生贄」
※関連記事:→おんな城主直虎46話「悪女について」
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画面を見ながら叫びました!



忠次ザマーーー!!!メシウマwww



今は、そんな事を言った己の小ささを反省しております。後に、結構感動したのはですね。



「石川殿、若を守れなかった事恥じておろう」

「儂もじゃ、恥の多い人生を共に生きてはくれぬか?」



瀬名を、そして嫡男信康を慕い忠誠を誓いながらも守れなかった石川数正。




酒井忠次は今迄勝ち続けてきたんでしょうね。そして、初めて負けて人の心に寄り添う事を学んだのだと思います。

仇が多い

直虎は「仇が多い」人生でした。



  • 亀の父を殺した今川義元
  • 直親を殺した今川氏真と寿桂尼
  • 政次を追い込んだ近藤
  • 龍雲党と堀川城住民を虐殺し龍雲丸を瀕死に追い込んだ徳川
  • 瀬名と信康を殺した信長


敵が多かったからこそ。
憎む相手が多すぎたからなのかもしれません。



「誰が仇とかは考えないようにしている」



直虎は結果的には、家康に「織田に代わって天下を・・・」と望みますが、
それは、瀬名の仇討のためではありません。



「戦の無い世を家康のなら創ってくれる」



そう。
未来を見ているのです。




私、最近思うのですよ。
昔は、動機が不純(復讐や自己顕示欲のため)であっても、結果は世のため人の為になる事も多々あると考えていたのですが、短期的にはともかく、長期的に考えてみるとですね、不純な動機からは(本人にとっても)、良いアウトプットは生れないのではと・・・。



「復讐の復讐、仇討の仇討はもう沢山だ」



直虎の人生がそんな事を伝えてくれるように感じてなりませんでした。

おんな城主直虎の感想まとめ完結編「想いを知り共に生きる!」

おんな城主直虎では「想いを知る」というのは一つのテーマだったと思います。古くは、逃散した農民達に助けて欲しいと本音を語った直虎。新しくは、己の無力さゆえに愛する妻と子供を無実の罪で殺害した後、己の無力さを認め、謝罪し助けを求めた家康。




大切なのは戦国の世も21世紀も相手の気持ちを汲んであげること。




耳が痛いですねぇ・・・。




私も年々頭も心も頑なになっておりますので反省です・・・。



年をとると、人は変われぬようになる。年をとるほど、変わるために 捨てねばならぬ物が増えてゆくのに、
年をとるほどに、そういうものを捨てるのに必要な 勇気とか無分別というものが枯渇してゆくのじゃ。



そして、その集大成は直虎と万千代の関係ではなかったでしょうか?

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歴史は年表ではない

直虎は「井伊家再興」のため、幾多の危機と犠牲を乗り越えあと一歩の処で、翼の片翼とも言える政次を失うという犠牲、そして第三の翼である龍雲丸も失いそうになります。



「また、犠牲を強いるのか?」



直虎は断腸の想いで井伊家の再興を諦めます。
ちょっと余談ですが、この「井伊家最後の日」で南渓が良い動きをしていました。
(まあ、本音では南渓は再興を諦めていませんけど・・・!)



「死んでいった者には儂から詫びる」



直虎に「死者の想い」を代わりに背負う事を約束し、井伊家は終わります。




これを教科書風にしますと。



  • 桶狭間で当主直盛討死
  • 直盛を継いだ直親、今川氏真に誅殺さる
  • 直盛の娘直虎が井伊家を継承
  • 直虎、今川の目付小野政次と共謀し徳川へ寝返る
  • 政次、近藤康用の讒言により、今川との内通を疑われ誅殺
  • 井伊家は再興叶わず、井伊谷は近藤領に
  • 井伊直虎、井伊家再興を断念する


と、こんな感じです。




この時代を生きた直虎と共に生きた人間には直虎がどのような想いで「井伊家再興を断念」したのかが分かりますが、当時幼過ぎた万千代と万福はその想いにまでは考えが至らない。

父と子、世代間対立と和解

万千代は「父」直虎が井伊家の再興を諦め「逃げた」と内心非難をしています。
事実はその通りです。




直虎はこれ以上の「井伊家の再興」のために犠牲を若い世代に強いるのを良しとせず諦めたのです。一方で、万千代は幼過ぎて井伊家が危機にある時に守られるだけで何も出来なかった。成長し、一人前になってみたら、井伊家は再興しない、井伊谷は政次謀殺の主犯近藤が治めている。




二人は鋭く対立します。




しかし、直虎は万福を通して万千代の若い想いを知り、
万千代は・・・悲劇的な事ではありますが、信康事件を通して万千代自身が知っている年表的な悲劇ではなく、当事者であった直虎がどんな想いで政次を、父直親を見送ってきたのかを知ります。



「想いを知る事」



だと思うんですよね。




昨今、この太平の世でも世代間対立を煽っておるように感じる次第です。団塊世代、バブル世代、ロスジェネ世代、ゆとり世代、ミレニアム世代、平成生まれ・・・。とりあえず、他世代に対してはお互いに総じて手厳しい部分が目立つような・・・。




いや、昨今だけではないですね。




安保闘争年代も昭和維新時代も明治維新時代も戦国時代も信虎晴信義信三世代の悲劇も・・・。兎に角「世代」とは対立してしまうものなのだと思います。




ただ、直虎を見ていると思うのですよね。




お互いに「相手の想いを汲む」事できっと対立は解消される部分もあるのではと。人は感情の生物でございます。私自身もつい、頑なに相手を論駁する傾向があるので反省です・・・。いくら相手を論駁し追いつめ、仮に議論に勝ってもその論駁された相手からは尊敬も信愛もありません。




残るは、ただ憎しみのみにございます。




直虎の人生を1年共に生き、そのような事を感じました。




さて、おんな城主直虎感想まとめ完結編。

今宵は此処までに致します。

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