おんな城主直虎の感想まとめ後編です!桶狭間以降、物語は悲惨な方へと驀進します。そして、「歴史は役者を代えて繰り返す」悲劇。しかし、そのどん底を経ての井伊家が直虎の活躍で立ち直りはじめ、一方で駿河の名門今川家は斜陽を迎えます。直虎と政次。そしておんな大名寿桂尼と直虎。

おんな城主直虎の感想まとめ後編裏「切りと言う名の鶴」

小野政直が亡くなり、亀之丞が戻ってから井伊谷には束の間の平和が訪れます。太閤検地ならぬ「太守検地」の対策をしたり、夫婦仲の問題を解決に導いたり・・・。
しかし、運命の桶狭間。

→無料視聴可能な大河!2022年1月22日更新

→おんな城主直虎の感想第50話「石を継ぐ者」

→おんな城主直虎の感想前編「今川と井伊の鮮烈な対比と子役脇役活躍」

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目付として

直虎最愛の人である直親は「第11話」掛川の辺りににて今川に討取られます。そして、駿府城に出掛けたまま戻らなかった政次。




生きているのか死んでいるのか・・・?




帰って来た政次は別人のようでした。



※関連記事:→おんな城主直虎の感想第12話


政次は「目付」として井伊家を、おとわを守ろうとしている事が後に明かになりますが、この政次の帰還から想い出の井戸で直親におとわの事を語っている場面がある第18話までは政次の本心は我々視聴者にも見えないままでした。




18話の「あるいは裏切りという名の鶴」で政次が例の井戸で直親に想いを語っている場面で、政次の本心を知る事になるのですが、個人的には「父、政直」ともきっと何か話していると思うんですよね。その場面も欲しかったなと感じましたね。

もはや伝説の最期

政次について語るのであれば、最期「嫌われ政次の一生」の衝撃的場面。これは、事前に公表されていたストーリーとは異なっているんですよね。




チーム井伊谷のツートップは「直虎と政次」のコンビです。




二人はいつの間にか、離れていてもお互いに考えている事が分かるようになっています。政次が井伊のために先を読み布石打つと、それを受けて直虎がさらに先を読み新たな布石、そして、政次もそれを受けて・・・!




その繰り返し。




最期、政次は全てを察して自ら近藤を暗殺を企てわざと掴まります。そしてその処刑の日。政次を刺し殺す直虎。




私はこれこそ、



「命を使い切った」



事なんだと思います。政次は自分の考えた布石をさらに超えてくる直虎の成長を喜んでいましたからね。政次はその人生の最期、



最高のご褒美



を貰えて本懐を遂げたのだと思います・・・。




因みに、私は直虎の行動はスポーツで言うところの身体が勝手に動いたに近いんじゃないかなと思います。限界を超えて所謂ゾーンに入っていたような。そんな気がしてなりません。ある意味では脚本の森下佳子さんの想像を超えて、キャラが動いたとも言えるのかな?そんな気がします。

おんな城主直虎の感想まとめ後編「チーム井伊谷」

桶狭間で父直盛を始め、多くの将兵を失った井伊家。家督は直親に継承されますが・・・。歴史は役者を代えて繰り返す。相変わらず杜撰な調略を一枚も二枚の上手の寿桂尼様に見破られ、罠を掛けられ直親は父直満と同じ運命に・・・。絶望的な状況でお家芸の「皆、勝手」のバラバラな井伊谷ですが・・・!

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人は変わらない

私は戦国であっても現代であっても、そして日ノ本も南蛮も唐も天竺も「人間の本質」といった部分は変わっていないと思っています。



「人は気持ちで動く」


直虎が家督を無理矢理継承した時は味方は誰もおりません。しかし、直虎の「想い」に、共鳴するかのようにアンチが熱心なヲタになっていきます。




特に顕著だったのは「雪の字(中野直之)」ですね。



「女の癖に!女だから!女はスっ込んでろ!」



直虎に一番辛辣だったこの男。しかし、直虎の想いに共鳴するように気持ちにも変化が現れ、気が付けば文句は相変わらずでも、直虎にとってかけがえのない力になります。




また、いつもおどおどしている六左衛門。戦はからっきしで、のそっとしています。
使えなさそうなオーラ全快




しかし、直虎の本質を早くから見抜き、その朴訥とした性格で民と直虎、雪の字と直虎、政次と直虎の間の潤滑油のような働きをしてくれます。




そこに、瀬戸方久や頭こと龍雲丸が加わり、お家芸だった「皆でバラバラに動く」井伊谷から素晴らしいチームに成長します。




私が感じたのは「得意科目を活かす」という部分なんですよね。これは、現代社会でも通じると思います。




口が悪くて、文句ばっかり言うけど武力に優れる雪の字。武はからっきしでも人柄が優れている(愛される)六左衛門。他にも盗人出身の龍雲丸や出自が卑しい瀬戸方久。




弱小国なのだから補い合ってこそ。




昨今はですね。折角得意分野があっても、平均点を高めに求める傾向があると思うんですよね。なんと言うか「失敗」に厳しいと申しますか。勿論、文武両道で発想も豊で御性格も素晴らしい人もですね。世の中ごく少数はいるんですけどね。




多くの人は欠点もたっぷりあるのです。


  • 口は悪いけど仕事が早い
  • 会社来ないけど、売上持ってくる
  • 仕事は出来ないけど愛されキャラ
  • メンタル病んでいるけど納期は外さない


潤沢な資金と人材を抱えて、無駄な事をさせないと人材を使いきれないような大きな会社や組織はごく少数。苦手科目や問題を抱えたスタッフで、でもなんとか回しているのが多くの会社や組織だと思うんですよね。




苦手なこと、劣っている事に注目するのではなく得意分野を活かして仕事回す。




チーム井伊谷の成長は小さな組織の教科書のように感じました。

おんな城主直虎の感想まとめ後編「名門今川家の斜陽」

桶狭間の戦いから戦国大名としての今川家が滅びるまで約10年の歳月が流れています。桶狭間の鮮烈なイメージもあり、義元を失いすぐに滅んだと思われがちですが、その約10年をここまで描いたドラマは初めてだったのではないでしょうか?

過去は早い

過去の歴史を学ぶ時に注意したい事が一つ。年表だけ見ているとそこに生きた人の感覚とズレてしまう事があるという事です。




おんな城主直虎の感想で何度が振れていますが、信玄没後勝頼が継承した武田家と義元没後氏真が継承した今川家が滅びるまでの期間はほぼ同じ約10年。




しかし、勝頼が高天神城攻略や長篠の戦など滅びるまでに大きなイベントがある一方で、今川にはそれほど大きなイベントがない。そのため、実際よりもあっさりと滅びた印象がありました。




今回のおんな城主直虎の注目すべき点の一つに、今川家の斜陽と崩壊を描き切った事にあると思います。




特に、今川氏真





寿桂尼様に関しては大河ドラマ「武田信玄」や「風林火山」でも注目される事がありましたが、過去、これ程に氏真様に注目した作品があったでしょうか?氏真様と言えば、今迄は多少注目される事があっても、某「~野望」の影響もあり、



蹴鞠茶道は任せてたもれ!
駿河は名門今川氏真におじゃる!



と、過剰にデフォルメされた面白キャラかキワモノ扱いが多かったと思います。ステレオタイプではない氏真様の活躍には感動を覚えました!この「おんな城主直虎」の影響で、氏真様の能力値が「某野望」でも改善される事を祈っております・・・!




以上、おんな城主直虎の感想まとめ後編「井伊家の成長と今川の斜陽」でございます。
そして、いよいよ最期、完結篇に続きます!

今宵は此処までに致します。

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