軍師官兵衛のあらすじと感想第49話「如水最後の勝負」。関ヶ原の戦いより一歩早く九州の関ヶ原と称される「石垣原の戦い」が開戦。そして、関ヶ原直前の西軍は足並み揃わず・・・三成に少し同情・・・!軍師官兵衛のあらすじと感想第49話

軍師官兵衛のあらすじ第49話「如水最後の勝負」

九州では上陸した大友義統を迎え撃つべく官兵衛自ら出陣。官兵衛は大友義統は唐入りで「敵前逃亡」をした武将であり黒田の勝利は間違いないと煽る。一方、三成は勝利を盤石にすべく「奥の手」まで準備しようとするが・・・!

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軍師官兵衛のあらすじ第49話上巻「切崩し」

「ならぬ!!!」

「しかし、秀頼様が御出馬となれば我が方の士気は大いに・・・」

「秀頼はまだ八つじゃ・・・!」



三成は秀頼自らの出陣となれば西軍の勝利は間違いないと淀を説得するが、戦場に幼子の秀頼を連れ出す事には絶対に反対だと淀は認めない。



「・・・幼子の手を借りねば勝てぬほど追い込まれているのか?」

「いえ・・・某の短慮にございました・・・」

「分かってくれればよいのじゃ・・・」



三成は最大の支援者である味方である淀に奥の手を封じられる。



大河姫

歴史は繰り返す・・・。大坂の陣でも同じ事があるんだよなぁ。

ただ、やらねばならぬ事は他にある。小早川秀秋には、西軍勝利の暁には、秀頼が成人するまでに関白就任、さらに、重臣の平岡にも近江に十万石の加増を約束する。




この平岡は先日東軍の長政の陣を訪れて小早川秀秋の寝返りを約束していた。



「利で動く者にはそれ以上の利を与えればよい」



三成は小早川秀秋の寝返りをしていると踏んで、手を打って来たのだ。



大河姫

「犬は餌で飼える、人はカネで飼える。しかし、壬生の狼を飼う事は何人たりとも出来ぬ!」by斎藤さん

しかし、大谷刑部は三成に釘を刺す。



「信じてはならぬぞ」



刑部は三成が自分の知略に自信を持ち過ぎている事を懸念していた。




家康率いる東軍本体も清須城まで軍を進める。家康重臣の井伊直政が九州の戦況を報告する。



「長政殿によると如水殿が兵を挙げられたようです」

「なんじゃと!?」

「いえ、九州で西軍についている城を落しているとか・・・」

「如水は油断ならぬ・・・この混乱に乗じて何をしでかすか」

「・・・まさか・・・?天下を・・・?」

「長政がこちらについている以上表立っての対立はないとは思うが・・・」



長政も父如水が九州で兵を挙げた意図を「理解」していた。又兵衛もまた、如水は天下を狙っているのではと尋ねるが・・・。



「黒田の当主は儂じゃ・・・黒田は徳川殿に賭けたのだ」



長政はあくまで家康の為に戦う、それこそ黒田のためと覚悟を決めていた。

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軍師官兵衛のあらすじ第49話中巻「如水最後の勝負」

九州では如水が出陣の時を迎えていた。山と積まれた書状は九州の大小あまねく大名に送りつけて黒田につかねば滅びると恫喝をかけるためだ。



「黒田の強さを見れば脅しでない事がわかるはずだ」



如水が庭先に現れた瞬間集まった兵達は地響きがする歓声。これからは九州を平らげる戦。まずは豊後に進撃する。豊後への帰還を果たした大友吉統の元には旧家臣が続々と集まっていた。



「我行くてを阻む大友を退治して豊後を討ち従えて九州をわが手に!」



9月9日如水は九州制覇に乗り出す。




手始めは西軍についた豊後の高田城。城主の竹中重利は大坂におり嫡男の重義は若く家老の不破三太夫に頼りきっている。瞬く間に高田城は落城寸前に追い込まれ和議を求めて来た。



「石田方に付くとは亡き半兵衛様の従兄弟とは思えぬ浅慮・・・」

「しかし!今からでも遅くはない」



官兵衛は今から東軍に付けば本領安堵を認めると言うが・・・。



「今すぐ兵を整え出陣されよ」

「いや・・・今すぐと言うのは・・・少々お時間を・・・」



官兵衛は笑う。



「善助、今すぐ城に総攻撃をかけよ」

「はは、承知致しました」



「ま!!またれ!!今すぐ出陣致す!!」



高田城から富来城へ進む黒田勢。対する大友軍も東軍についた木付城を包囲してこれを落す勢いであった。




大友には大友氏改易後に黒田家に食客として滞在していた事もある吉弘統幸が加わっていた。統幸は百戦錬磨の黒田家と戦うべきではないと考えていたが、大友吉統は「黒田恐れにるに足らず」と統幸の諫言を聞き入れなかった。




九朗右衛門は統幸が大友についている以上油断ならぬと進言する。統幸の人柄・能力を良く知る官兵衛も同意見である。




九朗衛門に兵三千を与えるとただちに大友を止めるように命じる。




両軍は石垣原で激突する。




しかし、いかに豪傑統幸でも勢いに乗る黒田勢を止める事は出来なかった。




戦場で統幸と相対して九朗右衛門は降伏を勧めるが、九朗右衛門と一騎討ちの後九朗右衛門の刀で自ら命を絶つ。



「井上殿・・・黒田家の飯は美味かった・・・」



心ならずも黒田家と戦った統幸は世話になった九朗右衛門に手柄を与える為に討死したとも言われる。




石垣原での敗北、そして統幸を失った大友勢は完全に劣勢となり、当主大友吉統は剃髪して降伏を願い出る。




そして、その大友吉統を官兵衛は許す。




大友吉統でさえ降伏が許される。




ならば・・・他の九州の諸将も降伏がしやすくなる。



大河姫

コレな。この事を理解していない人が多い。21世紀においてもね。

西軍一色だった九州は黒田の手に落ちようとしていた。

軍師官兵衛のあらすじ第49話下巻「決戦前夜」

慶長5年(1600年)9月1日家康江戸を出立した家康は9月9日に岡崎、10日に熱田、13日に岐阜と軍勢を進め14日には赤坂に着陣。一方西軍主力は大垣城に入り東軍との決戦に備えている。




家康は三成の本拠佐和山を攻める動きを見せる。大坂への退路を断たれる事を警戒した西軍を家康が得意とする野戦に持ち込み算段である。




果たして、西軍は家康の思惑通りに動く。




しかし、家康率いる東軍は約八万、一方西軍は十万近い大軍である。数では西軍が上回っていたが・・・。



「吉川広家様、小早川秀秋様は既に我らに同心致しております」

「・・・流石は婿殿じゃ!」



長政は吉川広家の調略は間違いないこと、小早川秀秋には多少迷いが見えるが、万が一のために小早川の陣には自分の手の者も派遣し逐一様子を知らせるように手配している旨を報告していた。




三成はその吉川広家の本陣にいた。本陣には吉川広家、そして安国寺恵瓊がいる。



「明日吉川様には先方をお願い致したい」

「・・・毛利は宇喜多と同じ大老であり明日は好きに戦わせて頂く」

「な!?」



吉川広家は三成を一瞥しそう言い放つとさっさと寝所に引き上げる。



「恵瓊殿・・・!!!どうなっている!」

「広家殿はお主に味方した事を未だ悔いているようじゃ」

「何を今更・・・!」

「拙僧がなんとかする」

「・・・よろしいか?毛利は大将なのですぞ!」



毛利輝元は西軍の大将である。



大河姫

恵瓊も目が曇ったかな・・・。

しかし、関ヶ原に毛利輝元の軍勢はいない。増田長盛に謀反の噂ありとして大坂に留まっているのだ。




三成は続いて小早川秀秋本陣を訪ねる。



「小早川殿には明日は先方をお願い致したい!」

「うん!分かった!」



秀秋はその戦場にはおおよそに似つかわしくない頼りない表情だが、
二つ返事で了承する。



「・・・お頼み申す」



三成は何か言いかけたが、そのだけ伝えると自陣へと戻る。



大河姫

秀秋と広家の三成への態度が対照的で大草原だった・・・。二人共寝返るけど。

翌朝。




家康本陣に物見から西軍の陣立てが報告される。



「石田方およそ十万!!!」

「十万か・・・」



徳川方は約八万と数では劣る。そこに、黒田の物見が目通りを願っているとやって来る。



「石田方はおよそ三万にございます!」

「・・・今し方十万と報告を受けたばかりだが?」

「はい!しかし戦意があるのは石田宇喜多大谷等のみ!」

「成程!近こう!褒美じゃ!」

「ありがたき幸せ!」



家康は黒田の物見に握り飯を一つ渡す。




いよいよ天下分け目の大戦が始まる。




軍師官兵衛のあらすじ第49話「如水最後の勝負」でございます。

軍師官兵衛の感想第49話「如水最後の勝負」

三成が苦労してます。まあ、今迄のツケを払わされていると思えば小気味よいのですけど、まあ・・・多少は同情しちゃうかな?




九州では官兵衛が縦横無尽の活躍ですけど、このままいけば間違いなく九州は平定されていたと思います。島津?そう。島津はね・・・。

軍師官兵衛の感想49話「利で動く者には利を」

「所詮、利で動く輩よ・・・」
by三成




小早川秀秋などはじめから「信用」も「信頼」もしていないという事でしょう。利で動く人間にはさらに「利」を与えれば良いというワケですね。これって一面の真理ではあると思うのですけど逆説的に言えば、



「だからこそ「信用も信頼も出来る」という事」



でもあるのですよね。




このタイプの人間は「損得」を刺激してあげれば裏切る事はないし安心感がある。
一方で一番厄介なタイプは、



「カネで転ばない」
(利で動かない)



タイプですね。
秀吉が官兵衛を警戒し始めた理由でもありました。




いや、官兵衛ははじめから「利」では動かない人間であり、最初「思想的に繋がっていた」頃の秀吉と官兵衛は阿吽の呼吸で分かり合えるまさに「同志」だったのですが官兵衛の冴えわたる知略に一度恐れを抱いてからは、



「利で動かない」
(有難がらない)



事が返って秀吉の信頼を損なう事に・・・。




もっとも、「利」で動く小早川秀秋ではありますがいくら「関白」「二カ国」といっても空手形では意味がありません。




小早川秀秋は「利」を考えて東軍に寝返る事になります。




因みに・・・。




小早川秀秋と吉川広家の三成への態度が対照的で面白かった・・・。

軍師官兵衛の感想49話「島津の事情」

九州最強と言えばやはり鬼島津と恐れられた薩摩の島津家。




九州制圧まであと一歩のところで秀吉の「九州征伐」でその野望は潰えてしまいますが、その武名は明国まで知れ渡っていましたし、関ヶ原ではわずか二千そこそこの兵力ながら徳川主力を敵中突破して薩摩へ帰還しています。




島津家はこの頃大規模な「内乱(伊集院氏との抗争)」の影響で疲弊していたんですよね。




伊集院氏は島津家の筆頭家老を務める家臣でもあり、また、島津氏の九州での戦争、さらには豊臣政権との「九州征伐後」の戦後交渉でも活躍して島津家の家名存続に多大なる貢献がありました。




ただ、何事も過ぎたるは猶及ばざるが如し。




秀吉からの信頼も厚かった事が逆に災いし、島津宗家から危険視されて伊集院忠棟が誅殺されてしまいます。その息子伊集院忠真は公然と反乱を起こし、島津家は家康の仲介で「和睦」というカタチに落ち着いています。




そのため、島津家は伊集院忠真を常に警戒していなければならなかった。




秀吉も罪な事をするなぁと思います。




秀吉は「家臣の家臣(陪臣)」でも能力があれば取り立てたり所領を与えています。この辺りは上手くいっている間は良いですけど、大名からすれば、



「獅子身中の虫」



になりかねないワケですからね。




因みに、島津と黒田は衝突する前に本戦が終わってしまいまいぶつかる事はありませんでした。
(本戦終了後に島津義弘は家康に謝罪した)




以上、軍師官兵衛のあらすじと感想第49話「如水最後の勝負」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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