鎌倉殿の13人あらすじと感想第20話「帰ってきた義経」。義経、静御前、里、そして武蔵坊。義経一座はそれぞれ最後を迎える。悲劇的ではありましたが、義経と武蔵坊には生き抜いた感がありましたね。一方で嫁二人は・・・意地を通したけど後味は・・・?鎌倉殿の13人第20話

鎌倉殿の13人あらすじ第20話「帰ってきた義経」

義経を迎え入れ、
鎌倉最大の脅威となった
奥州平泉。
藤原秀衡によって
保たれていた均衡が
崩れようとしている。


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鎌倉殿の13人あらすじ第20話上巻「九朗、帰る」

奥州、平泉


「九朗、よく戻った・・・!」





「御館(みたち)・・・」


義経は奥州平泉へ帰ってきた。藤原秀衡は平家を滅ぼした九朗の功績を改めて称える。また、義経と共に兵を上げなかったことについて悔やんで見せた。


「奥州はあまりに重すぎた・・・」


しかし、これからは奥州二十万騎が義経と共にあるのだ。鎌倉も易々とは九朗に、奥州には手が出せないはずであったが・・・。



文治3年(1187年)10月。



奥州の覇者、藤原秀衡は病没する。



後継は次男泰衡。



秀衡は長男の国衡には秀衡の正妻を娶らせることで、泰衡の「義理の父」とし、兄弟の協力を説き、義経を大将軍として奥州を守るように遺言する。


鎌倉御所


「小四郎、九朗が平泉に現れた」

「存じております」





頼朝は義時に奥州へ出向き、義経を始末するように命じる。



勿論、直接手を下すのではない。


「泰衡と国衡は仲が悪い」


兄弟仲が悪い二人を巧みに操り義経を殺させるように仕向けるのだ。


「悪どいと思うか?」

「・・・」


義時は奥州へ赴くことになる。





義時が出発する朝、梶原景時に仕える善児も一緒についていくと門前で待ち構えていた。景時に命じられたのだと言うのだ。


「色々と役に立つと思いますよ」


二人は奥州へと旅立つ。

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鎌倉殿の13人あらすじ第20話中巻「再会」

義時は平泉に入ると秀衡の跡を継いだ泰衡、そして国衡と対面する。



この兄弟が不仲であるのは鎌倉はおろか都まで知れ渡っている。



義時は言葉巧みに二人の間に不信感が生まれるように謀る。



また、九朗とも再会する。


「おお!小四郎!!」


義経は農作業をしていた。



再会を喜ぶのも束の間。


「奥州に手を出したら・・・鎌倉は灰になる」





頼朝の事を理解している義経はそう釘を刺すことを忘れない。



ただ、義経が農作業をしているのは「見せかけ」ではないようだ。元は農民であった善児は、


「あれは農夫の手でございます」


と、請け合う。



しかし、義経の意向に関わらず「始末」しなければならない。義時は泰衡、国衡兄弟に不信の種を巻き終えると仕上げに義経にも「静」の顛末を敢えて知らせる事で、その怒りに火をつける念の入れようであった。



静は義経の子を身ごもっていたが、鎌倉で捕らえらえた後に男子を出産。その赤子は産まれて間もなく頼朝の命で殺害されていた。



泰衡国衡兄弟に争いの種を撒き、義経には鎌倉への憎悪、いや頼朝への憎悪を十分に植え付けた。


「もう十分だ。鎌倉へ戻るぞ」


鎌倉殿の13人あらすじ第20話下巻「九朗、永遠に帰る」

義時の狙った通りとなる。



義経が鎌倉への憎悪を膨らませていると知った「和平派」泰衡は義経を討取るべく兵を動かす。



一方、義経は里(比企の娘)から都での土佐坊による襲撃が頼朝の策略ではなく、里の発案であったと知らされ衝撃を受ける。





思わず里の首を絞めようとしてしまうが、里は自害、そして義時の意図を悟る。義経は最期に義時に会わなけならないと決意する。


「よー!小四郎!」

「・・・」


義経は義時を武蔵坊に命じて捕らえ自身のあばら家へ招く。



武蔵坊はそのまま一人泰衡の軍を迎え撃ちに出る。


「すまんな(武蔵坊)」

「御曹司!やめて下さい(笑笑)」


武蔵坊は楽しげにたった一人出陣する。



義経は義時に向き合う。


「儂も賢くなった(笑)」


義経は義時が「静の顛末」を伝えたのはワザとであり、泰衡、国衡兄弟を言葉巧みに操った挙句自身を殺害するように仕向けたことを喝破する。



しかし、その表情には昏さはない。


「これを梶原景時に渡してくれ」

「あいつなら理解する」


そこには義経が立案した鎌倉攻めの要綱が記載されていた。





義経もまた楽しげにその作戦案を披露して見せるのであった。


「もう、行っていいぞ」


義時は深く一礼しその場を後にする。



景時は後にその義経の作戦を義時から渡され、もし実行に移されれば、


「鎌倉は一溜まりもなかった」


と評する。


鎌倉御所


ほどなく、奥州から義経の首が鎌倉へ届けられる。頼朝は一人物言わぬ義経と対面する。


「九朗、ようやった!」

「さあ、聞かせてくれ!」


首桶は何も語らない。





頼朝はその首桶に話かけすがり泣き崩れるのであった。

鎌倉殿の13人感想第20話「帰ってきた義経」

鎌倉殿の13人感想第20話「帰ってきた義経」。頼朝は流石の独裁者マインド。義経を生かしておくつもりはサラサラ無い、どころか、
その死を徹底的に嘗めつくす独裁者マインド。賢い義時は勿論その意図も必要性も理解するが、そこまで確信犯にはなれない。


権力者は常に確信犯である



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鎌倉殿の13人の感想第20話「母か女か?静の選択」

まずは静御前。



静は義経と別れる際に、


「生きたければ、自分(義経)の事は忘れよ」


と厳命しておりました。頼朝が知ればそれを見逃すはずもない。



捕らえられた当初は「そんな有名は白拍子ではない」とシラを切りますが・・・。


「この女が静のワケがない」


比企能員の妻である道、つまりは里の養母、の言葉に思わず自身は静御前だと言ってしまう。



これは
の意地



とは言え静を知っている者は鎌倉には義時以外に誰もいない。


「下手に舞え」


静が本当に義経の妾であり、都で高名な白拍子「静御前」か否かはその舞を見れば分かる。義時はここでも入れ知恵をしたんですけどね。



最初は下手に舞うものの、
結局本域で舞ってしまい正体が明らかになってしまいました。



これは
白拍子としての意地もあったか?





お腹には義経との子もいたのに。



結局、静は母であるよりも、
義経に愛された都一の白拍子であることを選んだと言うことなのだと思う。



そして、結局その選択を
後悔した。



もし、静が義経との子を産んだ後であれば、結果は違ったのではないだろうか?



子が産まれていれば、
母であることを選んだように思うのです。

鎌倉殿の13人の感想第20話「復讐、里の選択」

義経と共に奥州へと逃れたものの、秀衡亡き後は義経に先がないことは理解していた。


「あの時、義経を襲わせたのは私」


唐突とおも思える里の告白。



その時、義経は怒りで思わず里に刀を突きつけ首を絞めるが・・・。


「済まぬ・・・済まぬ・・・」


里の口から血が流れると義経は里に謝る。



里はおそらく舌を噛んで自殺したのだと思うのですよね。



そして、義経の謝罪の意味はそれほど自分を愛してくれていた里を裏切り静を愛してしまったこと。義時が静の最期を義経に話した際の様子から里は悟ってしまった。



自分はやはり二番手である。



だから、最期に復讐したのだと思うのです。義経に。



ただ、義経も里が何故そのような事をしたのか、そして今それを告白したのか理解したからこその謝罪。



切ない。

鎌倉殿の13人の感想第20話「天才と秀才」

義経は賢くなった。



少し、時間がかかったが義時の、いや鎌倉殿の意図を正確に理解していた。


「静の事を話したのはワザと」


しかし、義経は義時に怨み言を言うため、あまつさえ命を奪うために呼んだワケもない。


「これを梶原景時へ届けて欲しい」


義経は奥州へ下ってから後、どうすれば鎌倉を落とせるかをずっと考えていた。


「海から攻める」

「三浦(倅)を調略する」


など、奇抜でありながら実現可能、そしてその成功確率が極めて高い作戦を立案していた。



また、義時と話す時間はたった一人の従者、武蔵坊が泰衡の軍勢をたった一人で押さえる事が出来る準備もしてある。そして、その様子を心底楽しそうに眺める。



小規模のゲリラ戦から正規軍を用いた大規模作戦までその軍略は他の追随を許さない。


「この策を取られれば鎌倉は落ちていた」


義経は自分が考えていたことを景時に知って欲しかったのでしょう。もはや景時だけしか理解者はいないから。



義経を最も理解していた、義経に最も必要な男は梶原景時であった。
まるで、最期の恋文のように思えてなりません。



鎌倉殿の13人の感想第20話「頼朝の器」

「外道と思うか?」



ああ、思うよ。
あんたは外道だ。



天下のため?



いやいや、全て自分の為である。



自分の欲に正直なのだ。



だから。





頼朝は最愛の弟九朗義経の為に号泣できるのだ。



頼朝の中で「義経を生かしておけない」という感情と「義経よくやった!」という相反する感情がいともたやすく同居する。



頼朝は情を捨てているのではない。
情をめちゃくちゃ持ちながら外道を突き進んでいるのである。



これ、まさに天性の
独裁者マインド



義時もいずれはこの域に達してしまうのであろうか・・・?



以上、鎌倉殿の13人あらすじ感想第20話「帰ってきた義経」でございます。
大河姫

今宵は此処までに致します。

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→鎌倉殿の13人あらすじ感想第21話「仏の眼差し」