鎌倉殿の13人あらすじと感想第19話「果たせぬ凱旋」。伝説は始まり、そしてあっけなく終わった。後白河院は「第二の清盛」を警戒し、頼朝と義経を手玉に取ろうとしますが残念。頼朝は後白河流のゲームには付合わないのですね。鎌倉殿の13人第19話

鎌倉殿の13人あらすじ第19話「果たせぬ凱旋」

互いを認めつつ、
信じられない兄弟がいる。
政治の頼朝、戦の義経。
二人の天才が、
手を取り合うことを、
後白河法皇は許さない。

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→鎌倉殿の13人キャスト表

鎌倉殿の13人あらすじ第19話上巻「兄弟の絆」

鎌倉


→太平記46話「兄弟の絆」


義経は未だ鎌倉へは戻っていない。



大江広元の発案で、検非違使に任官しているため都を離れる事が出来ないのであれば、さらに上の官職に義経を任官させることで、検非違使の役を解くという案が出される。



平家を滅ぼした功績を考えればさらに上級の官職への任官も絵空事ではない。



そこで、頼朝は義経を「伊予守」に推挙することにする。



慣例で検非違使の兼任は認められていない。これが叶えば義経を都に縛る理由が無くなる。



都事情にも明るい義経もまた兄頼朝が自身を伊予守に推挙した意図を悟り喜ぶのであった。



ところが。


後白河院
御所


「九朗義経を伊予守に任じる」

「また、異例コトながら検非違使を兼任とする」


義経は伊予守に任官したものの、異例なことに検非違使もこのまま兼任となる。



義経は今すぐにでも鎌倉へと戻りたかったが、その想いは頼朝には届かない。


「そうまでして鎌倉へは戻りたくないのか!」


頼朝は益々態度を硬化させる。


鎌倉


鎌倉に再びあの男がやってくる。



文覚である。



性懲りもなく「義朝のしゃれこうべ」を見つけたと言うのだ。勿論、その証となるようなものは何もない。



しかし。


「本物か否かは問題ではない!」





平家を滅ぼした源氏の棟梁頼朝の前に、父義朝のものかもしれない「しゃれこうべ」が届いた。



文覚の言葉の意味を悟った頼朝は、これを「義朝のしゃれこうべ」であるとし、盛大な法要を営むことにする。



また「義朝の法要」と言うことであれば、義経も鎌倉へ戻る事が出来るかもしれない。義朝の法要の件は都の義経にも早速伝えられる。

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鎌倉殿の13人あらすじ第19話中巻「毬」

後白河院
御所


義経は後白河院に父義朝の法要のための鎌倉下向を願う。


「それほど、鎌倉へ戻りたいか・・・」

「戻りとうございます」

「そうか・・・分かった(涙目)」


後白河院はついに折れる。


「九朗は必ず都へ戻って参りますので・・・」


後白河院のあまりに淋しそうな様子に義経は心が痛む。


「うう!(苦しい)」

「ほ、法皇様!?」


突然、後白河院が苦しみだし意識を失う。


「法皇様!?」

「・・・側におってくれ・・・(うわごと)」


義経の腕の中で意識を失い、さらに脈も止まる。丹後局や院近臣の平知康は激しく動揺する。



義経は鎌倉下向を諦めざる得なかった。



義経が帰った後。


「脈まで止めるとは流石法皇様(笑笑)」


丹後局が感心しきりである。後白河院は脇に毬を挟み込み脈を止めたのだと笑う。


「第二の清盛を誕生させてはならぬのだ」





頼朝と義経を後白河院の元で競わせるのだ。



都、義経の館


義経の京屋敷には義経、そして都で見染めた白拍子の静と比企の娘である里の三人が奇妙な同居を続けている。



当然、静と里はお互いを忌み嫌っている。



義経は悩んでいた。



叔父の行家からは「挙兵」を強く勧められていた。頼朝は恐ろしい男なのだと。



この夜、義経にある決意をさせる出来事が起こる。



土佐坊昌俊という僧が義経を襲ったのだ。



義経はこれを兄頼朝の指図であると考える。しかし、この土佐坊昌俊を手引きしたのは里であった。



里はこのどさくさ紛れて憎い静を殺し、義経は少し痛めつけて一緒に鎌倉へ戻るきっかけにしようと考えていた。



程なく。



後白河院は義経に頼朝追討の宣旨を出す。



鎌倉に衝撃が走る。


鎌倉御所


「九朗殿と戦ってはなりませぬ!!」


あの平家を倒した義経である。平家討伐に従軍した三浦義澄などを筆頭に鎌倉の御家人は義経との戦に大反対である。



しかし。





「何をそんなに恐れるか私にはさっぱり」

「私を総大将にお命じ下さい」


「よう申した!!」


一番義経を理解しているはずの梶原景時の言葉に周囲は困惑する。



そして。



義時の視線を感じた義村がやれやれという雰囲気で立ち上がり激を飛ばす。


「それでも鎌倉武士か!」


これで会議の流れが決まった。鎌倉方は義経を迎え撃つべく出陣がきまる。


「平六すまぬ!」

「まあ、おそらく戦にはなるまい」


義村の読み通り義経には兵が集まらなかった。頼朝は出陣したものの、戦う相手がいないとあっては出陣の意味はないと鎌倉へと兵を退く。


鎌倉殿の13人あらすじ第19話下巻「義経追討」

後白河院
御所


後白河院は義経に兵が集まらないと知ると今度は義経追討の宣旨を発する。



これは流石に節操が無さすぎではないかという声もあったが後白河院は意に介さない。



また、都には鎌倉から時政と義時父子が派遣される。



今回の後始末と後白河院の首に紐を付けるためだ。時政は相手が後白河院とあって少々気が引けるが、頼朝の


「頼りにしている」


という期待の言葉に引き受けたのだ。



事実、時政は後白河院に対して「義経捕縛」の協力を取り付ける。これで今までは鎌倉の支配が届いていなかった西国にも目を光らせる事ができる。



しかし、義経の姿は都近辺には無かった。既に海を渡り九州へ渡ったという噂もあったが・・・。


「奥州へ行かれてはやっかい」


義経には兵が集まらなかったが、奥州平泉の藤原秀衡は義経推しである。奥州の兵に義経の知略が加われば今度こそ鎌倉も危ないかもしれない。



時政、義時父子がそんなことを話していると。


「久しぶりじゃな」


義経は都にいたのだ。



時政は憐れを感じたのか、


「義経の名を騙る偽物」


と、言うが間違いなく義経であった。





義経は自身に「追討」の命が出ていることを知らなかった。後白河院も頼りにはならない。



義経は何処かに去ってゆく。

鎌倉殿の13人感想第19話「果たせぬ凱旋」

鎌倉殿の13人感想第19話「果たせぬ凱旋」。ぼんくら坂東武者ズはともかく・・・。違いの分かる男、梶原景時は知っている。義経は天才ではあるが、彼一人では何も出来ないことを。



一方で蹉跌を踏んだのは後白河院。頼朝と義経を競わせようと画策しますが、「競う」段階までいかなかった。



死神の影響も多少あったか?

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鎌倉殿の13人の感想第19話「本質を見抜く」

衰えたりとは言え、西国一帯に勢力を誇っていた平家一門は、義経が寿永2年(1183年)秋に出陣してしてからたった2年足らず、寿永4年(1185年)3月に壇ノ浦で滅亡。



この功績はまさに伝説そのものであり、傭兵、調略、個人技全てのおいて如何なくその力を発揮しました。



当然、この戦に帯同していた坂東武者達はその天才性を目の当たりにしてきた。



後白河院が義経に「頼朝討伐」の宣旨を出したこともあり、鎌倉方としては都へと攻め上ろうという話になりますが、比企能員を始め「平家討伐組」は腰が引けている。



生きる伝説相手に戦などできない。



そう。



義経と戦になれば必ず負ける。



戦になれば





梶原景時は義経の元には兵が集まらない、よしんば集まっても長くは持たないと喝破していたのでしょうね。


「それがしを総大将に」


と言ったのは、覚悟からの言葉ではなく、自信、しかも圧倒的な、があったからでしょう。



梶原景時の「総大将宣言」を受けて、続いたのが平六義村。



義村は義時と目と目で通じ合っていた感ありましたが、親父さんが出陣反対だったので、最初は遠慮していたかな・・・?

鎌倉殿の13人の感想第19話「後白河院の蹉跌」

清盛はその類まれなる才覚で日本初の武家政権を成立させました。最終的には後白河院とは対立関係となってしまったものの、その道は後白河院と二人三脚で歩んだ道と言っても過言ではないでしょう。



後白河院無くして、平氏政権は無かったし、
平氏政権と平清盛無くして後白河院は無かった。



後白河院は思い出すべきだったのです。
若かりし頃の自身と清盛が歩んだ道を。



しかし。


「第二の清盛にしてはならない」


その記憶は遥か昔なのでしょうね。
清盛の圧力に屈した屈辱の記憶だけが色濃く残ってしまった。



後白河院は頼朝の対抗馬になり得る義経を後押しすることで、勢力均衡を図ろうとする。行家叔父では下駄を履かせても無理と判断したのは流石ではありますが・・・。





後白河院は頼朝、義経兄弟のことをよく理解していなかった。



義経に兵が集まらないことを見抜くことが出来ず、また、義経に肩入れした事が頼朝にどのような影響を与えるかも見誤った。



後白河院は第二の清盛を恐れるあまり、全く別の怪物を生み出してしまうことになるというのは皮肉なお話かと思います。



そして、後白河院の最大の蹉跌は、源氏の対抗勢力足り得る平家を完全に滅ぼしてしまった事でしょうね。



頼朝は後白河院の
双六に付合うタイプではないのだから。


鎌倉殿の13人の感想第19話「頼朝の闇」

頼朝は義経を伊予守に推挙、伊予守に任官すれば、本来は兼任が認められていない検非違使は自動的に解官となり、鎌倉へ戻ってくる。



結果的には後白河院の「超異例」の扱いで検非違使も兼任することになり、鎌倉へ戻る事は出来ませんでしたが。



では、もし検非違使の兼任が公家公卿の反対で認められず、無事、伊予守任官、検非違使解官で鎌倉へ戻る事ができたら義経の運命は変わったか?



それはではないかと思うのです。



義経が無事鎌倉へ戻る事が出来たとしても、あの頼朝に一度でも「恐怖」「恐れ」を与えた義経の運命は、遅かれ早かれ悲劇的なものであったように思うのです。



頼朝は心の奥底では「このまま戻ってこなくても良い」「義経を討取る大義名分が欲しい」と願っているように思います。ただ、頼朝自身もその願いには気付いていない。


「義高だって本当は殺したくはなかった」





冒頭、いったいどの口が言うのかとも思いましたが、これは必ずしも嘘ではない。



頼朝は本当にそう考えているのでしょうね。



・・・なんという
独裁者マインド

以上、鎌倉殿の13人あらすじ感想第19話「果たせぬ凱旋」でございます。
大河姫

今宵は此処までに致します。

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→鎌倉殿の13人あらすじ感想第20話「帰ってきた義経」