鎌倉殿の13人あらすじと感想第32話「災いの種」。義時の孤独が際立つお話。特に、息子泰時は頭も心も全く義時について行っていない。また、政子の「一幡助けて」はどうやらガチであったようでこれもまた悲劇。そして、新たな「災いの種」が最終盤で芽吹く。比企の尼・・・生きてたよ。鎌倉殿の13人第32話

鎌倉殿の13人あらすじ第32話「災いの種」

恐るべき早業で
比企を滅ぼした北条。
千幡を鎌倉殿とする
新体制が生まれる。
しかし、そこには既に、
大きな亀裂が入りはじめている。


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鎌倉殿の13人あらすじ第32話上巻「実朝爆誕」

鎌倉御所


頼家は奇跡の復活を遂げた。



未だに床についているものの、その回復ぶりは目を見張るものがある。時政は五郎(時房)と見舞いに訪れるが、頼家が寝込んでいる間に「何が」あったかは伝えていない。


「せつに会いたいのだが・・・」

「あ、そうそう流行り病にて・・・」

「そうか・・・(怪訝)」


既に千幡を新しい「鎌倉殿」とする旨、朝廷に使者も送っているのだ。もはや、頼家に居場所はない。



政子を含めた北条一門と大江広元など鎌倉の新たな支配者達は後戻りはしない事を確認する。問題はそれをいったい誰が頼家に伝えるのか・・・。



その話し合いの中で義時は一幡の件も政子に伝える。





政子は真相、一幡も殺害されたことを知り激高する。


「私が頼家に全て伝えます」

「どのようにお伝えするおつもりですか」

「馬鹿にしないで!それくらい分かっています」


政子は頼家に頼家が床についている間に何があったかを伝える。


「貴方が回復するとは誰も思わなかったの」


比企一族は一幡も含めて皆、頼家の後を追って殉死した。その時屋敷に火を放ったのだと。





「北条がやったのだな・・・(怒)」


勿論、頼家は政子の言葉を信じなかった。


後鳥羽院
御所


その頃、鎌倉からの使者が都に着いていた。


「頼朝の子か・・・」


鎌倉は千幡への家督継承の許可を求めてきた。







後鳥羽院は千幡を実朝と命名し、従五位下・征夷大将軍に補任する。

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鎌倉殿の13人あらすじ第32話中巻「明暗」

時政の館


比企が滅び去り、北条の世となった。



北条の世、時政の世。



時政の妻りくは上機嫌である。


「いずれは都から千幡の妻迎える」


時政に野望を吹き込むにも余念がない。



また、実際に時政の娘きくを娶った義理の息子である平賀朝雅は都へ赴任することになる。そして、りくとの間の子政範がいずれこの北条を継承するのだ。



一方鎌倉御所では。


鎌倉御所


頼家は未だ鎌倉にある。



この日、仁田忠常と和田義盛が呼び出されていた。





「いったい何があったか教えて欲しい」


二人は曖昧な返答でなんとかその場を逃れようとするが頼家は食い下がる。


「聞いた話ですが・・・」


義盛は比企が滅びた状況を少し話す。比企能員に止めを刺した仁田忠常は不安そうに義盛をみつめるが、流石にその事は話さない。


「北条を討て」


頼家の「北条憎し」の感情は如何ともし難かった。


時政の館


「いったいなんで俺と忠常なんだ?」


和田義盛は頼家とのことを自身の胸に抱えていることが出来ず、三浦義村に伝える。


「二人とも忠義者で馬鹿・・・場数を踏んでいる」


と、解説する。



そして、時政にも伝える。時政は予想はしていたが、このまま放置することは出来ないと頭を悩ます。さらに、仁田忠常が一緒に来なかった事に不安を覚える。



その忠常は義時に深刻そうな面持ちで相談に出向いていたのだ。


「少し相談したい事が・・・」

「仁田殿、今は少々・・・後にして頂きたい」

「分かりました!」





忠常は一人天を仰いでいた。


義時の館


「一幡様は生きています」

「父上(義時)の命に背きしこと申し訳ございません」


頼家が回復したことが明らかになると、太郎(泰時)は一幡の事を黙っていることが出来ず、義時に真実を伝える。



太郎の中では頼家が生きていた以上、一幡が生存しているのは、


「不幸中の幸い」


だと考えたのだ。



義時は一幡が匿われている善児の家へ向かおうとするが、妻の比奈に呼び止められる。


「お話があります」


比奈は義時の妻となった時に「決して離縁しない」という起請文を出していた。しかし、比奈は自身への北条側からの風当たりを感じているし、その事で義時が苦しんでいるのも理解していた。


「私から離縁をお願い致します」

「・・・すまない」


義時は比奈をそっと抱きしめると善児の家へ向かう。


「行ってらっしゃい」





これが、比奈の最後の「行ってらっしゃい」となる。

鎌倉殿の13人あらすじ第32話下巻「千鶴丸と一幡」

義時は善児の家で驚くべき光景を目にする。


「これは・・・お前が作ったのか?」


善児が作った遊具で一幡は楽し気に遊んでいる。



一幡が生きているのは善児の独断ではない。太郎の命令があったればこそである。



しかし、当然義時は一幡を殺すように命じる。


「出来ません」

「千鶴丸と何が違う?」

「儂を慕っている(涙目)」


善児は苦しそうに答える。



義時は黙って一幡、そして一幡と遊んでいるトウの元へ歩いてゆく。
トウは意図を悟り、


「一幡様、ささ、こちらへ・・・」


そう言って水辺へ連れて行った。



善児は二人を見送り終えると、一幡のために作った遊具を斧で壊すのであった。



悲劇は続く。


時政の館


「これは・・・」

「分からねぇ・・・いきなりだ」


仁田忠常が時政の館で命を断った。



義時は先日忠常が「相談がある」とやって来た時に話をしなかったことを悔いた。そして、頼家をこのままにしておくことは出来ないと決意する。



義時の意図を察した太郎はそれを阻もうとするが、義時は無視する。また、義時は既に一幡がこの世にいないことも伝える。


鎌倉御所


「貴方の軽はずみな言動が一人の坂東武者を死に追いやった」


義時は頼家に鎌倉から出て行ってもらうと伝えるのであった。



そして、その頃、三浦に保護されている善哉の元に一人の老婆が現れていた。





北条を滅ぼせ。



老婆は呪いの言葉と伝え消えた。

鎌倉殿の13人感想第31話「災いの種」

鎌倉殿の13人感想第32話「災いの種」。義時は人間辞めました。皮肉なことに殺人機械と思われていた善児が人間に戻るというね。



冒頭でも書きましたけど、「災いの種」というのは二重の意味があったんですね。
今そこにある「災いの種」は一幡。そして、誰にも知られず
芽吹いた「災いの種」は善哉



比企の尼・・・。



先週、人はいつ死ぬか大事と書きましたが、


「生きてたよ」
(クロトア風)


比企の尼、いくつなんだろ。
尼の呪いが成就する日まで生きているかな?

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鎌倉殿の13人の感想第32話「孤独~父と子~」

義時は比企の者を一人残らず討取る覚悟を決めていました。勿論、そこにはまだ幼い「一幡」の殺害も含まれおります。



政子から、


「一幡だけは助けて」


との願いにはハッキリとした回答は与えなかったものの、
息子太郎には、


「必ず一幡を討取れ」


厳命をしておりました。



ところが。



太郎はこの命令を無視して一幡を善児の元で匿ってしまう。
・・・善児の元で匿うというのも皮肉が効いております。



でも、まあ、ここまでは良いと思うのです。



太郎もまた覚悟を決めて一幡を匿ったのであれば。
この秘密は墓まで持って行く



問題なのはその秘密をあっさりと父義時に伝えてしまったこと。



太郎は父の命令に背いたことを
独りで抱えきれなくなっていたのでしょうね。



頼家が奇跡の復活を遂げるといそいそと、一幡を匿ったことを告白。


「今となっては殺さなくて良かったではありませんか」


所謂結果オーライだと考えたのでしょう。
太郎の脳内はお花畑が過ぎる。



義時と太郎の関係をかつての頼朝と義時の関係に重ねる人も多いようですが、残念ながらちょっと、いや、かなり異なると思うのです。



義時は頼朝の思考は少し遅れる事があっても理解する事ができた。
頭で理解は出来るが気持ちがついていけなかったのです。



しかし、太郎は。



太郎は
義時の思考もにも追いついていない


「(一幡無事は)不幸中の幸い」


この太郎の言葉は父子の断絶、義時の孤独の深さを現わしているように感じます。

鎌倉殿の13人の感想第32話「孤独~姉と弟~」

政子と義時。



この姉と弟は一番近くで頼朝の薫陶を受けてきた。



前回、政子が、


「一幡だけは助けて」


と言ったのは本心からではなく、
免罪符目的のアリバイ作りであると私は喝破致しました。


太平記(大河ドラマ)のあらすじと感想第30話「悲劇の皇子」




ハズレでした・・・。恥ずかしいです・・・。



どうやら本気で一幡を助けようとしていたようです。
ちょっと、いや大いに意外でした。



中々の尼ちゃん、いや甘ちゃんですね。



ただ、この二人の関係はかつての頼朝と政子の関係を思い起こさせます。政子は昔から変わっていないのかもしれない。



義高の時も爺様の時も政子は頼朝を止めていたな。結果は変わらなかったけど・・・。



ただ、義時は頼朝ほど化け物ではないからね。いや、既に闇落ちしている・・・?


「千鶴丸と何が違う?」


とか凄まじい皮肉をぶっこんでいたけど。



否!



無理しているのだと思う。誰か義時の孤独を埋めてやって欲しい。

鎌倉殿の13人の感想第32話「孤独~夫と妻~」

比企一族でただ一人生き残った比奈。・・・厳密には比企の尼も生き残っていたようですので二人ではありますが、比企の尼生存を知る者はおりませんので、事実上比企一族の生き残りは比奈のみ。



そして、皮肉な事にこの比企の出の比奈こそが、唯一、義時の気持ちを理解し、その上でこの残酷な鎌倉道を共に歩んだ者と言えるでしょう。いや、確信犯的に同族を殺す事に協力をしたということは、見方によっては
義時以上の修羅の道を選んだとも言えます。



にも関わらず、比奈に対しての北条家中の視線は冷ややかなものでしたね。



そして、比奈は自身の存在が義時の重荷となる位なら離縁すると告げる。





義時はそれを受け容れます。



その時、義時のホッとしたような表情が印象的でした。



義時は比奈こそが自身の一番の理解者であること、だからこそ「離縁」という選択しかないことを理解していた。



ホッとした表情の裏には、やはり比奈は分かってくれているという安堵感、そして、その後の背中は
唯一の理解者を失った淋しさを現わしているのではないかと思います。



これで義時は本当に一人になってしまいましたね。

鎌倉殿の13人の感想第32話「善児、トウ、一幡」

太郎から一幡を善児の元で保護していると聞くと、義時は早速「始末」に向かいます。



善児は優秀な暗殺者ではありますが下人に過ぎません。



一幡を保護したのは太郎から「命令」があったからであり、義時自身が殺すように命じれば眉一つ動かさずに殺害すると信じて疑っていなかったと思います。



しかし、善児の隠れ家で義時は信じ難いものを目にします。



善児が作った遊具で遊ぶ一幡。



「自分を慕っている一幡は殺せない」と言う善児。



なんだ、この喜劇は?



この時、義時は珍しくどす黒い怒りを覚えたのでしょうね。


「千鶴丸と何が違う?」


義時は元々こういった皮肉を言うタイプではありません。しかし、
カラクリ暗殺人形の癖に「人間らしい感情」を見せたコトに苛立ちを隠せなかった。心を殺してここまでやってきたのに、
自身の罪と向かい合う機会を不意打ちで喰らったのですから。



そして、人間に戻ってしまった善児の運命は次週転機を向かえそうです。



善児が殺せない一幡を事もなげに川へ誘うトウの姿に暗殺者の世代交代を感じます。



以上、鎌倉殿の13人のあらすじ感想第32話「災いの種」でございます。
大河姫

今宵は此処までに致します。

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