青天を衝けのあらすじと感想第23話「篤太夫と最後の将軍」。平九郎に御守袋を渡すていとそれをみつめる千代。大政奉還を決意した慶喜にかける言葉が見つからない神君家康公。そして「戦がしたくなるようにする(狂気)」と宣う西郷先生。欧州ではザンギリになるのにwktkが止まらない篤太夫!大きな演出と細かい演出のワンツーが炸裂の青天を衝けのあらすじと感想第23話

青天を衝けのあらすじ第23話「篤太夫と最後の将軍」

血洗島村


血洗島村の渋沢家にはフランスへ旅立った篤太夫の写真が送られてきた。




異国へ旅立つ者は必ず写真を撮影する習わしになっていた。




渋沢家の者は皆、篤太夫の立派な武士姿を喜ぶ。




千代は父篤太夫の事を知らない娘のうたにも写真を見せて、



「お前の父は立派な武士である」



と教え、武士の娘に相応しい行儀作法を身につけるように言い含めるのであった。

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青天を衝けのあらすじ第23話上巻「慶喜の孤独」

スイス
ベルン


民部公子一行はパリの万国博覧会を無事終えると、諸国歴訪を開始する。




日本を出国する前に準備していた渡航資金はもはや底をつきかけており、後はフランス政府からの借款が頼みであったが、薩摩の邪魔も入り六百万ドルの借款は難しい情勢となる。




外国奉行の一人で諸外国の事情にも通じた栗本鋤雲が、国債ではなく「民部公子徳川昭武」の名で十万ドルの為替(手形)を振り出すことを発案する。






昭武は日本の大君「慶喜」の実弟であり十分に信頼は担保出来ると踏んでいた。栗本の案は実を結び、民部公子一行はなんとか当座の資金を確保することには成功する。




当座の資金は確保出来たが台所事情が苦しいのは変わらない。




向山一履などは帰国することになるが、今後の資金管理は篤太夫に託されることになる。




同じ頃、日の本では慶喜からまた大事な人物が奪われる。




平岡円四郎亡き後、兵庫開港の対応などで活躍した原市之進が同僚の鈴木豊次郎・依田雄太郎に暗殺されたのだ。




報せを聞いた慶喜は言葉を失う。



「何故、私から大切な者を奪うのだ・・・」



慶喜の苦悩は深い。



血洗島村
渋沢家


血洗島村では篤太夫の「見做し養子」となった平九郎が江戸へ出仕することになりその挨拶をしていた。




市郎右衛門やゑいは、



「攘夷!攘夷!!」



と幕府を憎んでいたはずの篤太夫や平九郎が将軍直参となっていることが感慨深くもあり、また少し可笑しくもある。




実の姉でもある千代は「武士」となった平九郎にしっかりと務めを果たすように厳しく言い渡す。




その様子を見ていた篤太夫の末妹のていは



「平九郎さん・・・」



と、言いかけると、突然思い詰めた表情で表へ出て行ってしまう。




平九郎はていの後を追いかける。




ていは平九郎のために御守袋を渡そうとしていたのだ。




平九郎はそれを喜ぶ。




そして。




「栄一さんが無事に戻って着たら嫁になって欲しい」




平九郎の思いがけない言葉にていは目を潤ませ喜ぶ。






その様子を少し遠目から千代やゑいが見守っていた。




千代はかつての自分を思い出しているように見える。

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青天を衝けのあらすじ第23話中巻「大政奉還」

京郊外
岩倉村


「これはな、錦の御旗ちゅーてな・・・」



京郊外の岩倉村ではきたるべき「倒幕」に向けて岩倉と大久保が密談を繰り返していた。




薩長が結び付き、その武力は飛躍的に高まったとはいえ、それでも幕府の軍事力は侮り難い。




そこで錦の御旗である。




かつて、建武政権の頃に現れた錦旗があれば負ける事は無いのだ。




あとは倒幕の密勅さえ得ればと岩倉は自信ありげではあるが、情勢は必ずしも薩摩の思うようには動いていない。




土佐藩などは薩長と共に「倒幕」に動くことに難色を示しているのだ。



大坂城


大坂城では慶喜が一人碁を指してる。




薩長の思惑が「倒幕」にあることはもはや疑いようがない。




しかし、先手を打って政権を朝廷に返上したら・・・?






優に五百年以上「政」から遠ざかっている朝廷に国を治める能力はないのだ。




慶喜は大政奉還を決断する。






突然の大政奉還に幕府は上へ下への大騒ぎとなる。




越前松平春嶽はかつて「大政奉還」を進言したことがあるが、慶喜の真意を知りたいと大坂城を訪れる。



「日の本の行く末を考えての事である」



慶喜の至誠に感じ入った春嶽は共にこの日の本を支えて行きましょうと決意を新たにする。



京郊外
岩倉村


「慶喜っちゅーのはたいした人物やなぁ」



慶喜の打った「大政奉還」は薩長にも大いなる波紋を投げかける。




倒幕の大義名分が失われてしまったのだ。




朝廷は右往左往するばかりで「将軍位は当面そのまま」と慶喜に懇願する始末である。




そのような状況で「倒幕」などは筋が通らない。




大久保は感心している場合ではないと言いたげだが・・・。



「おお!ついに来た!!」



岩倉の元に帝から出仕せよとの命が下ったのだ。




岩倉は約5年ぶりに朝廷へ出仕、和宮降嫁の件を咎められて以来の復権を果たすことになる。



ベルギー


「鉄を買うならベルギーから」



民部公子一行はベルギーを訪れ時の国王レオポルド2世とも会見する。




レオポルド2世は昭武に、



「ドイツの鉄よりベルギーの鉄!」



と、自国の商品の宣伝に余念が無かった。




篤太夫は一国の主が「商売」をすることに若干の戸惑いを覚えたが、寧ろ「国王」だからこそ、自国の商品を大いに宣伝しているのだと気付き、これこそが列強の強さの源泉の一つと思い至る。




諸国歴訪を終えると昭武は当初慶喜に指示をされた通りこのまま留学することになる。




教育係に任命されたフランス軍人レオポルド・ヴィレットは、



「まず、髷を落としてもらう」






と宣言。




皆、戸惑うが篤太夫はなぜかワクワクしてしまう。






一方でまるで「切腹」するかのように髷を落とす者もいた。






ザンギリとなった篤太夫は銀行家のフェラールから、



「フランスでは軍人も商人も役人も同じである」



といった話を聞いてこれもまた深く感銘を受ける。




フェラールもまた、篤太夫の様子に目を細め、



「日本は素晴らしい国になる」



と請け合ってくれる。

青天を衝けのあらすじ第23話下巻「小御所会議」

御所


「父から其方のことはよく聞いていたぞ」



岩倉は復権を果たした。




先帝とはついに再会は出来なかったが、幼い帝(明治帝)も岩倉の名を知っている事に感涙にむせぶ。






そして、自身の役割は後醍醐帝以来五百年ぶりに「政」を朝廷の手に取り戻すことにあると奏上するのであった。






慶応3年(1868)12月。




突如、薩兵が御所を取り囲み、これまで御所を守護していた会津などの兵を追い払う。




世に名高い「小御所会議」が始まる。




薩摩、そして朝廷側としては、この会議で「大政奉還」という離れ業で窮地を脱したかに見える慶喜に「辞官納地」を迫り、いずれにしても「慶喜排除」の体制を固める腹積もりでいた。




政権を返上したとは言え、大名としての徳川宗家は全国に四百万石を持つ圧倒的有力大名である。そして、慶喜自身の英邁さは「敵」として政争を繰り広げた薩摩や討幕派の公卿が最も良く理解している。慶喜がいては主導権は握れない。




幸い、慶喜は英邁とは言え、諸大名からの人望は無い。




はずだったのだが。。




陰険じゃの!




これに真っ向から反論したのは土佐の山内容堂である。




大政奉還はまさに「英断」であり、また慶喜の英邁さは広く知られている通りで新政府には最も必要な人物であると言うのだ。




さらに、慶喜とは昵懇の松平春嶽、尾張徳川慶勝も同調する。




真っ向から「何を以て朝敵か」と問われれば薩摩や討幕派の公卿は歯切れが悪い。




議論は平行線のまま一旦休憩となる。



「大久保?これはどうした事じゃ??」



岩倉は大久保に「話が違う」と尋ねる。




慶喜は英邁とは言え人望薄く、小御所会議では慶喜排除で一致出来ると踏んでいたのだ。



「戦をするしかありもはん(ニヤリ)」



話に割り込んできたのは西郷吉之助である。




「しかし、西郷、戦をせぬと言っている相手とどう戦う」




「したくなるようにすっだけじゃ!」






西郷は江戸薩摩藩邸に指示を出し、江戸での狼藉、さらに江戸城への放火といった挑発行為を行い、ついに薩摩藩邸は幕府方により焼き討ちにされる。



大坂城


薩摩藩邸焼き討ち。




この報せは大坂城の慶喜の元への届く。



「挑発に乗ってはならぬ!」



激しい挑発は薩摩方の焦りである。




このまま戦を避ければ必ず復活の目があるのだ。




しかし。



「薩摩を討つべし!!」






もはや、動き出した「怒り」は慶喜の力ではもはや止めようが無かった。

青天を衝けの感想第23話「篤太夫と最後の将軍」

青天を衝けの感想第23話「篤太夫と最後の将軍」。ついにこの日が来てしまった。慶喜の決断を見届ける家康公もかける言葉が見つからない。そして、運命の小御所会議で錯綜する薩摩と土佐越前、そして朝廷の思惑。西郷の狂気が垣間見えましたね。博多大吉は「狂気」を上手く出していたと思います。

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青天を衝けの感想第23話「御守袋」

平九郎とてい。




二人の雰囲気が良い感じなのは随分前から何度も描かれておりました。
ていの田舎娘感がめっちゃ可愛いんですよね・・・。




もう、ネタバレになりますが平九郎の最期を知っているのでもう泣きそう。




この脚本は細部の演出の残酷さ際立つ。




かつて、攘夷熱に浮かれていた栄一が江戸へ短期遊学した時に握りしめていたのが千代が持たせた御守袋。




平九郎とていの様子を見守りながらかつての自身と栄一を思い出していたはず。その運命は明暗を分けますが。

青天を衝けの感想第23話「慶喜の孤独」

一人碁を打ち思索に耽る慶喜。




かつての相棒平岡円四郎は既にこの世なく、円四郎と共に慶喜を支えてきた原市之進もつい冒頭に暗殺されてしまう。



「何故、大事な者を奪う」



哀しいのは慶喜から大事な者を奪って行くのは
常に身内なんですよね。




慶喜は独り、日の本を戦に巻き込まず徳川の命脈を保つ道を探る。




その結果が起死回生の一手大政奉還。




苦渋の決断ではあるが、決して「ヤケ」を起こしたワケではない。慶喜の心中察するに余りあると・・・東照大権現神君家康公も声を発する事するら出来なかった。




家康公の表情から慶喜の「苦悩と孤独」がよくよく伝わって参りました。




この「大政奉還」いかに優れた一手であったかは、敵側である薩摩と討幕派の朝廷の様子からもよく分かります。




しかしこの「一手」が益々薩摩側に「慶喜、恐るべし」からの「絶対排除」に繋がっていくのはなんとも皮肉な話です。




ここで思い起こされるのは在りし日の平岡円四郎に慶喜が語った言葉。



どうやら私は輝きが過ぎるのだ



薩摩や長州、そして「政」を朝廷の手に取り戻したい朝廷。




かつて、井伊直弼が極度に慶喜を警戒したように薩摩もまた、慶喜を恐れる。




恐れる余りに何を仕出かすか?




井伊直弼が大獄の嵐を吹き荒らしたように、江戸で薩摩はテロに及ぶ。




それでも。




慶喜の言う通り「臥薪嘗胆」していれば復権の機会はあったと思います。




あったとは思いますが・・・




今回、江戸の薩摩藩邸焼き討ちの件を責めるのは酷かな。




慶喜の孤独は深まるばかりですね。

青天を衝けの感想第23話「陰険」

世に名高い小御所会議。




日本最大の大名である徳川宗家と弁舌爽やかな慶喜を新政府から排除するのは既定路線かと思いきや。






慶喜は孤独じゃなかった!




越前松平春嶽は元々慶喜推しではありましたが、ここにも強烈な慶喜推しがおられた!




陰険じゃの!!!



私は容堂公に惜しみない拍手を送りたいと思います。






20世紀末の名作大河翔ぶが如く以来久々に気分爽快でしたね。




しかし、この言葉が西郷を目覚めさせてしまったか・・・?




薩摩の陰険さは常軌を逸して行きます。




次回、いよいよ幕末が終わるんですね。
いったい何人退場することやら・・・(涙)。




以上、青天を衝けのあらすじと感想第23話「篤太夫と最後の将軍」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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