翔ぶが如くのあらすじと感想第44話「士族暴発」。新政府は近代化を急ぐ。旧支配層であった士族の経済的特権を「秩禄処分」で奪い、さらに「廃刀令」で武士の魂と言える「刀」を奪った。士族はついに各地で暴発するが・・・。西郷はまだ動かない。翔ぶが如くのあらすじと感想第44話

翔ぶが如くのあらすじ第44話「士族暴発」

明治9年2月鹿児島。西郷家には家族た二人増えていた。




小兵衛の嫁松子である。
松子は身重の身体ではあったがよく働いていた。この日も薪を集めていたが・・・。



「松さぁ!そんな事してはなりもはん!」



糸は身重の松子が重い物を運ぶなどもっての他と叱るが、
松子は不思議そうである。



「糸姉さぁはお産の時は身体を動かしておいた方が良いと言うておりもした・・・」



糸は松子の突込みに一瞬言葉に詰まる。その様子を見て亡き吉二郎の妻園が笑う。



「糸姉さぁは自分の子供の時より心配しておりもすな!」

「小兵衛どんには初の子供じゃ・・・何かあったらいかん・・・」

「はいはい!では、これをもう一人の子供さんに・・・」

「おお!そげんじゃったな・・・」



西郷と島の妻愛加那との間の子菊子が島から鹿児島に来ていた。菊子は緊張しているが、糸は初めて「娘」が出来たと喜ぶ。夫隆盛や同じく愛加那との間に産まれた兄菊次郎は、



「厳しく育てて欲しい」



と、言うが、糸はしばらくは「大事に」すると譲らない。隆盛はその様子を苦笑しながら見つめていた。

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翔ぶが如くのあらすじ第44話上巻「暴発前夜」

その頃、大久保にも初めての娘長女芳子が産まれていた。




大久保、そして兄たちもこの芳子を大変可愛がっていた。満寿は東京へ来て新ためて夫利通の子煩悩ぶりに微笑ましく思う。




そこへ、従道の妻清が艶やかな着物でやって来る。



「清さぁ!今日は一段と艶やかで・・・!」

「満寿さぁ・・・今日は大事は日なので気を遣えと内の人が煩く言うもんで・・・」



大久保は満寿が東京へと移住し、さらに家族も増えた事もあり家を新築していた。この日は新しい大久保邸のお披露目の日でもある。




夜になると太政官の錚々たる顔ぶれが大久保邸へとやって来る。木戸、伊藤、大隈、そして従道や川路である。



「大久保君、これは中々よい屋敷ですな・・・」



木戸はかねてから大久保には家を広く、そして新しくするべきだと話していた。大久保邸の新築を心から喜ぶ。事実上、日本の舵取りを行う内務卿の大久保は諸外国の要人を私邸へ招く事も多い。



「いや!流石は大久保卿!派手過ぎず気品のある設えでございますな!」



伊藤は相変わらず調子の良い感じではあるが、招かれた一同、今回は伊藤の意見に賛成のようだ。



「それでも大久保さぁは借金で大変なんですよ」

「ゴホン!清・・・!」

「あら、だって新築したは良いものの借金で大変だと仰っていたではありませんか?」



相変わらず空気を読まない清ではあるが、それに困っている夫従道の様子は何やら微笑ましくもある。




しかし、招かれているのが「政府要人」と言う事になればどうしても、昨今の政治情勢等の話になる。



「しかし、大久保君、鹿児島の事はなんとかしてもらわないと困る」



木戸の言葉で座が緊張する。今の新政府、太政官というのは日本全国から怨嗟と敵意の大海に浮かぶ孤島のようなもの。



「鹿児島県だけを何故治外法権の如く見逃しておられる?」



大久保は耳が痛い。
鹿児島県県令は西郷が参議の時に任命された大山綱良(格之助)である。現在所謂「地方官」の任命責任は全て内務省の管轄であるはずが、鹿児島県だけが西郷の息のかかった私学校の者で独占されていると指摘する。



「我が山口県では長州人以外から人材を登用している」

「即刻、鹿児島県も太政官の制度下におかれたい」



大隈は葉巻をくゆらせ黙って聞いている。そう、木戸の指摘は至極最もな事は大久保も分かっていた。




鹿児島の私学校でも大久保が新たな洋館を建てたという話が伝わっていた。無論、これは私利私欲のためではなく、外国との交渉に役立つという意味もあるが、政府憎し、大久保憎しの私学校生徒は怒り心頭である。



「こげな洋館を建てるとは大久保は薩摩の恥じゃ!」



大久保の事情が想像出来る村田新八は黙っている。
そして。



「おい達の仕事は開墾と鍛錬じゃ」



桐野は政府の役人が何処に家を建てようと関係ないといった風だ。そこに珍しく大山がやって来る。大山は明治9年の冬、未だ幕末の武士そのものの格好である。



「廃刀令が出た!」

「なんじゃと!?」



私学校の生徒たちは「武士の魂まで奪うか!?」といきり立つ。



「何を今さら・・・おいどん達はとっくに刀なんど差しちゃおりもはん」



桐野はいきり立つ大山や私学校生徒の様子が不思議だと言わんばかりである。



「桐野どんは自分の意志でそうしておりもすが、これは太政官の命令でごわす!」

「帯刀がダメなら手にぶら下げて歩けはよか。心配はなか」

「いや!太政官が命令で武士の魂を取り上げるのが問題でごわす!」



そこへ、



「桐野先生!鉄砲隊訓練の準備整いました!」

「よし」



桐野は「廃刀令」の文書を興味なさげにぞんざいに破り捨て訓練へ向かう。




大山はこのままでは「何か事が起きる」と苛立つ。経済的特権に続いて「武士の魂」と言える刀を取り上げる。村田新八もまた、この性急なやり方は危険だと考える。




西郷は山に籠る事が多い。




私学校の生徒の前に姿を現す事は稀である。



「吉之助さぁ士族は暴発寸前でございもす・・・」



村田新八は西郷に鹿児島、そして私学校の様子を伝える。西郷の意を受けた桐野は、以前とは異なり私学校の生徒の「暴発」を防ごうとよくやっている。



「あの男にしてはよく生徒達を抑えておりもす」

「今はあくまで抑えなければならん・・・」



西郷は今は兎に角力を蓄えて動いてはならんと力説する。遠からず、日本全国で「暴発」が起きる。そうすれば今の政府ではそれを抑える事は叶わない。また、その間隙を突いて異国が介入する可能性もある。その時まで力を磨き蓄える。




それが西郷の考えだった。



「頼むぞ新八どん!」



「分かりもした・・・」

「じゃっとん私学校は抑えられても各地の士族が吉之助さぁの助力を得ようと入り込んでおりもす」



村田はそれらの者には絶対会ってはならないと話す。



「政府転覆の首領に祭り上げれら真意は伝わらないと思いもす」

「わかったぁ。おいは山をいっぺこっぺさろって猟をして暮らすそうと思う」

「はい。それが一番の良作かと思いもす」

「ほんのこて・・・もつれた糸のように難儀じゃなぁ」



西郷は当分山籠もりで誰とも会わないようにすると笑う。



その年の秋。




大久保は鹿児島の県令を務める大山を東京へ呼ぶ。内務省へやってきた大山は当然「武士」のままである。すれ違う政府の役人は東京ではもはや見る事のない「武士」にやや面食らっていた。



大河姫

しかし。大山は刀は差してないのだよね。この辺りが「バランス感覚に優れた」大山だと思う。俊斎なら絶対刀差して来たな。




「横暴を極める太政官の長がどげな勢いかと思いきや・・・」

「なんちゅう蒼白い顔をしてるんじゃ!それとも良心が痛むんか?」



「胃弱は昔からの持病でございましてな」



「全国の士族の恨みを買うような所業の所為でごわんそ!」



大山は来客用のソファーに輿を降ろすと大久保も正面に座る。大久保は早速要件を伝える。



「鹿児島県の人員は明らかに過剰。他の府県並にしてもらいたい」



大山は立ち上がり大久保に詰め寄る。



「一蔵!!!おまえは何を言うか!!!」

「鹿児島は久光公と私学校と吉之助さぁで持っておる!あんお人は県の役人じゃ!」



「県の役人の任命権は原則内務省にあります」



大久保はあくまで冷静である。



「おいは久光公のお声がかりで県令をやっちょる」

「他の県はいざ知らず、鹿児島は誰がなっても現状をどげんする事もできん!」



大河姫

これな。「久光公の命」で県令をやっている。「命懸けの宴」でそういう「体裁」にしたことが此処に来て響いているね・・・。




「それが政府の命令を無視しているとは思いませんか?」



「他人に為し難い事を押し付けるな!」

「それ程鹿児島を動かしたいならわいが県礼になれ!」

「内務卿は代わりにおいがやってやるわ!」



大山は大久保の執務机の資料を苛立たし気にめくると机に叩きつける。
しかし。



「わいが今、難しか事をしちょうとしている事はよう分かる・・・」

「じゃっとん、廃刀令とはなんじゃぁ・・・!」

「強引にあのような法律を出して・・・わいは今に命がなくなっど・・・!」



「わかっちょりもす」



大河姫

大山も辛い処。大山は大久保のやろうとしている事「理解」はしているんだよなぁ。この二人はもっと話し合うべきだったと思う。いや、話合ったら「お互いの事を認めつつも、分かり合えない」という結論が早めに出てしまったかな・・・。

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翔ぶが如くのあらすじ第44話中巻「腐れ縄と樽」

「あの様子ではどうにもならんじゃろ・・・」



大山が薩摩へと帰国すると、大久保は同じ薩摩出身の従道、そして川路と今後について協議をする。太政官の役人の間でも大山があくまで内務省の命令を無視した事は噂になっていた。このままでは太政官として示しがつかない。従道は太政官内での大久保の立場も心配する。



「大久保さぁはまた木戸さぁの攻撃を受ける事になりもす・・・」

「木戸さんの言っている事は間違っちゃおらんでな・・・」

「・・・この川路に一案がございもす」



川路は西郷の名声を利用して政府転覆を画策する私学校と西郷の分断を図る必要があると説く。そのために、警視庁から薩摩出身者を選別し私学校へ潜入させることを提案する。



「密偵・・・か」



大久保は考えこむ。



「川路どん!それは一つの案じゃっとん上手くいかねば大変な事になりもんすぞ!」

「じゃっとん、他にどけな方法があるでしょうか!?」



三人は押し黙り考えこんでいる。満寿は三人に茶を運びながら、いったい夫達は何と戦っているのかがよく分からないでいた。



「大久保さぁはいったい何と戦っておるのか?」

「私も同じ気持ちになりもす。・・・内の人もいったい何と戦っておるんじゃろか」



満寿は糸にその想いを手紙で吐露していた。糸もまた、夫隆盛が「何と戦っているのか」分からなくなると雪篷に話す。



「そいは・・・多分時の流れでごわんそ・・・」

「時の流れ・・・?」



古いモノが滅び、新しいモノが育つ。
人間も同じ。



「吉之助さぁ一蔵どんも同じ苦しみを味わっておる・・・」



普段は明るい雪篷が哀し気に語る。




西郷は相変わらず山籠もりを続け、村田新八など一部の者としか接触はしていない。だが、、ついに熊本で士族の爆発が起きてしまう。




明治9年10月神風連の乱




乱の引き金は「廃刀令」だった。神風連の士族が熊本鎮台を襲撃。この乱はさらに、萩の乱、秋月の乱へと反乱の炎を広げる。太政官は待ったなしの対策を求められる事になる。




東京は重苦しい雰囲気であった。



「長州の乱はなんとか抑えたが、これが全国に広がっては手が打てん」



木戸は沈鬱な表情で現状の認識を披瀝する。そして、鹿児島が特に危険であり、まず鹿児島に備蓄されている「火薬類」は直ちに県外へと運ぶ事を提案する。




大久保は、現状鹿児島には乱は起きておらず、また、私学校は西郷が抑えている以上、余計な動きはするべきでないと反論する。




大久保、いや木戸や山県有朋伊藤など太政官政府の考えている以上に事態は緊迫していた。東京でも反乱の火の手が上がろうとしていたのだ。



「では今夜!?」

「はい、集思社の皆さんにも迷惑がかかるかもしれませんので、身を隠して頂きたい」



集思社で行動を共にしていた永岡久茂は同じ会津出身の者達と萩の乱に呼応して立つという。海老原も矢崎も後の事は心配せず働いて欲しいと話す。



「ご武運を!!」

「ああ!行って来る!!」



海老原達は早速、市ヶ谷の屋敷からしばらく身を隠そうとするが・・・。



「此処は私の屋敷。不浄の政府の者に集思社も屋敷も好きにはさせません!」

「千絵さん!?」



大河姫

メロドラマが始まる悪寒・・・!




千絵は矢崎や海老原が身を隠している間も自分が屋敷を守ると話すと自室に籠ってしまう。矢崎は説得するが千絵は首を縦に振らない。




矢崎はそれならばと、もし政府の役人の手入れがあったら、



「集思社の人間に脅され仕方なく部屋を貸した」



と、言うように知恵を授ける。



「捕まった時は千絵さんの事を悪く言うが気にする事はない」



「八郎太様が捕まるなど・・・!私は嫌です」



「僕だって警視庁の取り調べ等受けたくはない」



「では・・・?」



「僕は君の無事を見届けるまで気味の側を離れない」



「・・・八郎太様・・・」



「そして、もし無事切り抜けられたら九州へ向かうつもりだ」



「九州へ?私もお連れ頂けるんのですか?💛」



大河姫

「私もお連れ頂けるのですか?」がめっちゃ「オンナの表情」だな・・・。💛が隠せていない・・・!




「九州は争乱の地、君を連れていける訳がない・・・」



「私に危険なら八郎太様にも危険ではないですか!?」



「僕は九州へ入ったら鹿児島で西郷先生を訪ねるつもりだ」



「・・・貴方は・・・私をまた独りにするのですね!行かないで下さい!」



大河姫

「東京恋愛物語(東京ラブストーリー) at 明治」流石、千絵(有森也実(23))の来世は関口だからな・・・!




「貴方の側にいられるなら千絵はどのような騒動も厭いません!」



千絵は両の瞳から大粒の涙を流す。
そして。



「横浜で助けて頂いたあの日から貴方は私にとってかけがえのない人なのです」



「千絵さん・・・」



矢崎は思わず千絵を抱きしめていた。




永岡久茂など元会津藩士達の起こした乱は「思案橋の変」と呼ばれる。しかし、警官隊との斬り合いとなり永岡は命を落とし反乱は失敗に終わる。




神風連、萩の乱、秋月の乱、さらに思案橋の変と士族の反乱が続く最中、村田新八から火急の手紙が届き、従道と大山は大久保邸を訪ねる。




村田新八の手紙には、



「腐れ縄で水樽を縛っているようなもの」



であると書かれていた。西郷、そして桐野篠原、私学校の生徒の暴発を必死に抑えているがいつ暴発してもおかしくはない。



「腐れ縄とは自分達の事であり、やがては切れもんそ」



新八の手紙には絶望感が溢れていた。



「これは村田さぁからの覚悟の手紙でごわす!」



大山は情の濃い西郷の性格上、私学校の二才達に囲まれて決起をせがまれればどうなるか分からない。手をこまねいていては手遅れになる。



「県令を交代させる・・・!私学校を潰そう・・・」



大久保はついに決断する。



「信吾どん!陸軍卿に連絡して火薬を移動させる!」

「あれがあったら薩摩は文字通り日本の火薬庫になってしまう!」



「はい!!」

翔ぶが如くのあらすじ第44話下巻「私学校暴発」

警視庁では川路によって選抜された薩摩出身のポリス隊が薩摩への帰国を命じられていた。



「中原尚雄以下24名休暇を取り薩摩へ異国する事を命じる!」



川路は今回の任務は西郷を祭り上げようとする私学校と西郷を分断する事にあると伝える。勿論、これは私学校側からすれば「挑発」であると。




しかし、ポリス隊にとって大恩のある西郷の為でもあること、さらに、もし分断が難しい場合には・・・。



「国家の為に西郷さぁの存在が悪になる!!」

「その時は西郷さぁを刺し違える覚悟も必要である!!」



西郷個人が「悪」なのではない。しかし、西郷の教えの本質を見極めず、ただ西郷を熱狂的に崇拝するだけの私学校が「国家の存続」を脅かすのであれば、それは「悪」であり倒さなけれならない。



「・・・西郷さぁを・・・それは大久保卿のご命令ですか・・・?」



中原尚雄はたまらずに尋ねる。此処にいる警察官全員、川路も含め、西郷を尊敬してやまないのは同じである。



「万が一の事を考えて一歩先を行くのが我々警察の勤めである!」



大久保の指示については直接は答えない。



「我々は全員郷士である!国元にあった城下士にどのような侮辱にあったか思い出せ!」

「そんことを絶対に忘れてはならん!」



川路達は西郷や大久保といった「城下士」よりもさらに身分が下の「郷士」だった。西郷や大久保は「身分が低い」と言われるが、城下士には能力と運があれば藩重役への累進を望む事が出来る。因みに、西郷や大久保の若い頃に「お由羅一派」と怨嗟を集めた調所広郷も「城下士」である。



※関連記事:→西郷大久保の身分は低くはない?薩摩藩の身分制度


大河姫

川路からすると自分達も尊敬して止まない西郷を担ぐ「私学校(元城下士以上)の者達」には「同情」がないどころか、恨み心があるんだろうね。この辺りは同じ士族でも複雑だね




中原尚雄などが「帰京」するのとほぼ時を同じくして、矢崎八郎太は鹿児島へ入り、なんと西郷の元へと辿り着く。



「矢崎どん、腹が減っておるでしょう?まずはこちらにきて食もりやんせ」



矢崎は自分は江藤新平の書生であること、そして「佐賀の乱」には参加出来なかったが、この目で江藤の最期を見届け、その意思を継ぐつもりであり、薩摩が立つときは自分も共に立ちたいと話す。西郷は黙って矢崎の話を聞いている。




そして。



「おいは反乱をするつもりはなかでございもす」

「反乱となれば民が苦しむ。反乱は国家最大の不祥事ごわす」



矢崎は面食らう。



「私はもはや武力に訴える以外に道はないと!」

「道が無ければ創ればよか」

「創るとは・・・?」

「じっと動かず力を蓄える事でございもす」



大河姫

西郷の考えていたのはトルコみたいな感じをイメージすると良いかも。




それが、政府に対する無言の圧力になる。



「江藤新平どんは確かに立派な人物じゃった・・・」

「しかし、あんお人は乱に引きずられてはならんかった」



「それではお教えて頂きたい!先生の私学校は政府を打倒するものではないのですか!?」

「鹿児島城下は政府討つべしの気概で燃え上がっておりました」



「武士の気概はいつでんそうでなければなりもはん」

「じゃっとんおい達の真の敵は世界の列強でごわす」



西郷はこれから政府は行き詰まるかもしれないし、また、間隙を縫って異国の侵略を受けるかもしれない。その時こそ、自分達は出ていく。
その為に



「士族精神」



を、養っていると。



「・・・それは真意でございましょうか・・・?」



「矢崎さぁ、こん国はまだ産まれたばかりでごわす」

「もうちっと、大久保利通のやる事を見ていてくいやんせ」



「では!先生が立つ時は御一緒させて下さい!西郷先生のお考えが此処まで大きいとは・・・恥じ入ります」



「いいやぁ!おいの考えを理解してくれるお人が一人でん分かってくれるのは頼もしか!」



しかし、西郷のいない間に事は風雲急を告げる。桐野や篠原の元へ私学校の生徒たちが押し寄せる。



「桐野先生!!東京政府が西郷先生暗殺団を送り込んだのは誠ですか!?」

「お前はそれをどこから聞いた?」

「おいが話した!ポリスが帰国しているのは本当じゃからな!」



桐野と篠原は顔を見合わせる。



「確かにそうだが、それは墓参りじゃと・・・」

「師走も近いのに20人以上で帰国とは言い訳にもならりもはん!」

「おい達は西郷先生を守り断固同郷政府を踏み潰す!!」

「チェストー!!!」



桐野、そして騒ぎを聞いてやって来た村田新八はいよいよかと感じる。




そして、その夜。




挑発とも思える政府の強引な動きに私学校生徒は暴発。
火薬庫を襲う。




大山は村田新八からその知らせを受ける。



「お前達がついていながら騒動を起こさせどうするつもりじゃ!!」

「政府がこそこそと火薬を運び出した!大山さぁこそ県令としてどういうつもりだったんじゃ!」

「おいは何も知らせれんかったんじゃ!」

「大山さぁ・・・」

「これは政府に介入させる絶好の口実じゃ!」



そこへ。



「大山さぁ!加治木町の私学校生徒も火薬を襲っとります!」

「あん二才どもがぁ・・・!」

「・・・とうとう腐れ縄が切れもした・・・!」



村田新八はとうとう「腐れ縄が切れ水が溢れた」と臍を嚙む。




西郷の元には小兵衛が走っていた。



「生徒達が火薬庫を!?」

「はい!昨日は酔った二才どもが数人の動きじゃったもん、今朝千人の動きとなり集成館の火薬を!」

「しもた・・・!」

「もはや桐野どん達でも止められもはん!」

「一気に山を降りるど!!」



東京政府にも電信により知らせが入る。信吾は直ちに大久保に現状を知らせる。



「ポリス隊は全員拘束!火薬庫が私学校に次々襲われておりもす!」

「信吾どん・・・他には・・・?」


大久保の眼は虚ろだ。西郷の動き。西郷が動いていたら政府は、いや、日本が終る。



「目下暴れているのは生徒たちのみ!兄の動きはなにも聞こえてきもはん」

「火は広がらんうちに狙いを定めて消さねばならん。信吾どん・・・軍の出動準備を」

「はい!」



まだ、西郷はかつがれていない。まだ、間に合う。




以上、翔ぶが如くのあらすじ第44話「士族暴発」でございます。

翔ぶが如くの感想44話「士族暴発」

翔ぶが如くの感想第44話「士族暴発」です。



「時の流れと戦っている」



糸が雪篷先生に夫や大久保はいったい何と戦っているのか?という問いかけにそう答えていました。いや、西郷や大久保だけではない。




大山綱良もも村田新八も、事此処に至りては桐野や篠原、そして川路も。ある意味で「新政府」という明確な敵がいる私学校生徒や反乱士族の方が気持ちの上では清々しいのかもしれません。

翔ぶが如くの感想44話「大山格之助綱良」

「わいが今、難しか事をしちょうとしている事はよう分かる・・・」



大山は大久保の立場も理解はしているんですよね。大山は幕末以来大久保には何時も一目置いていました。その辺りの積み重ねて来た演出が今回の悲劇をより際立ったものにしているように感じます。大山もまた、



「時の流れと戦っている」



者の1人なんです。そして、大久保もまたその事を理解はしている気がします。



「内務卿は代わりにおいがやってやるわ!」



大山は自分が大久保の代わりを務める事が出来ない事なんかは分かっている。
一方で、



「鹿児島県令」


は自分以外では不可能だと確信している。




大山が鹿児島県令を引き受けたのは「命懸けの宴(翔ぶが如く第33話)」で、西郷たっての願い、そして久光がそれを認めるならという条件での事です。




西郷が大山に白羽の矢を立てたのは、



「武士の魂を持ち、新政府の方向性も「理解」出来る」



という部分があったのだと思います。大山が言えば、新政府に不満(例えばアホの有村俊斎・・・)も渋々でも従う。その胆力を持っている。




ただ、事此処に至ると、



「大山という得難い有為な人材がいたから」



この不幸を招いているような気もするんですよね。




大山がいなければ、もっと早くに薩摩は混乱に陥ったような気がします。しかし、それはある意味で「歴史の速度を早める」事になったかと。




そして、大久保は大山の能力や人徳をよく理解していつつも、



「切り捨てる」



方向に舵を切ったのだと思います。




モノゴトは「壊す」事が必要な時、壊さなければならない時ってあるのですよね。
そして、それを、



「壊すまい、壊させない!」



と、踏ん張る人間は優秀であれば優秀である程、周りは長い災厄をに忍従する事になる。




大山綱良という人物はまさにそういった「悲劇的」な背景を持っているように感じました。

翔ぶが如くの感想44話「腐れ縄」

鹿児島へ戻ってからは桐野や篠原は、



「過激生徒を抑える」



側に回っていたんですね。特に、桐野の雰囲気が良かった。



「廃刀令」



については、



「自分達はとっくに刀なんか差しておらんぞ?」



そして、



「大久保憎し!新政府打倒!」



には、



「おい達の仕事は開墾と鍛錬」



と、決して生徒たちの炎を燃え上がらせないように立ち回る。




桐野を演じているのは杉本哲太ですが、少ない台詞と表情でその苦悩を見事に演じていたと思います。
流石。




今回の最後、



「西郷を暗殺するためポリス隊が潜入した!」

「火薬庫が襲われた!!」



と、いう知らせを聞いた時の表情に、西郷の期待に応えられなかった苦悩が凝縮されていました。




歴史は役者を代えて繰り返す。




かつて、従道や大山弥助は「過激」でありそれを大久保や西郷が抑えました。維新後、近衛兵の「過激青年将校」である桐野や篠原を西郷や従道、大久保は必死に抑えた。




そして、今。




新政府憎しの怒りで暴れる私学校の生徒たちを、桐野や篠原が必死で抑える。




しかし、今回は抑えきる事は出来なかった。

翔ぶが如くの感想44話「メロドラマ」

さて、最後に、



「東京恋愛物語」
(東京ラブストーリー)



について。




千絵さんを演じているのは有森也実(23歳)




ちなみに、日本中のリカとカンチを応援する主に女性から恨みを買うのは翌年の事。



「行かないで・・・」



ああ、もうね。



「いないんだ・・・リカはもういないんだ」



って、デジャヴ!!!
まあ、前述の通り翔ぶが如くの方が前なんですけどね。




でも、やっぱり名優ですよね。



「僕は九州へ行く」



「九州へ?私もお連れ頂けるんのですか?!」
(やだ!八郎太様ったら大胆・・・!ご両親に千絵を紹介してくれるのね💛)




って、心理描写を瞳の色だけでキッチリ演じきる。




もうね。




千絵さん女の「浅はかさ」をこれでもかこれでもかと全身から放つ訳ですよ。




もう圧巻。




それと、八郎太様。




なんか、千絵に言い寄られて、泣かれてちょっと「困った」感じを出していましたね?




ああ、言い方を変えますね。



「モテ男の雰囲気」
(やれやれ、千絵さんにも困ったものだ・・・)



が、めっちゃ鼻に付く!・・・前世は孫だけど・・・。




申し訳ないのだけど、今回の九州行きも五郎八さんか海老原さんに「無心」したのではと勘ぐってしまいます。書生臭さ、青臭さ、甘えた感じが拭えてないんだよなぁ・・・。




以上、翔ぶが如くのあらすじと感想第44話「士族暴発」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

→翔ぶが如くのあらすじと感想第45話「西郷軍挙兵」

→【公式配信】翔ぶが如くの西郷と大久保を確認してみる

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