翔ぶが如くのあらすじと感想第32話「苦難の大変革」。西郷隆盛はついに上京を決意。西郷は木戸と並び新政府の参議となり「廃藩置県」の改革を進めようとする。政府内には「廃藩置県」には賛同していても、それがさらなる「政治改革」へ進む事を恐れる者も多くいるようだが・・・。翔ぶが如くのあらすじと感想第32話

翔ぶが如くのあらすじ第32話「苦難の大変革」

明治4年(1871年)6月鹿児島。東京の西郷からは手紙が送られてくる。難しい顔をしてまず読んでいるのは川口雪篷である。不吉な事が書いてあるのかと思い不安になる糸や園に・・・。



「難しい事など何も書いてなか!(笑)」



菊次郎も学校に通い英語を習い始めているという。早く見せて欲しいという糸をじらす雪篷。雪篷は「良い便り」も散々じらされて読むと、「もっと良い便り」に思えるといたずらっ子のように笑うのだった。



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翔ぶが如くのあらすじ第32話上巻「東京」

この頃、太政官では、



  • 右大臣:三条実美
  • 大納言:岩倉具視
  • 参議:西郷隆盛
  • 参議:木戸孝允
  • 大蔵卿:大久保利通
  • 大蔵大輔:大隈重信
  • 兵部少輔:山県有朋


と、いった人物がこの国の舵を取っていた。




また、「御親兵」として西郷と共に上洛した桐野利秋(中村半次郎)などは市ヶ谷にある元旗本の武家屋敷を宿舎にしていた。




あくる日、桐野たちが夕餉の準備をしていると品の良さそうな女子がこちらを覗いていた。



「ん?どないかしたんか??」



別府晋介が声をかけると女子は何も語らずに去っていく。その様子に顔色を変えたのが、この元旗本屋敷の下男で桐野達の世話もしている十蔵である。



「・・・おひい(姫)様・・・!」



十蔵は女をおいかける。女は先日「暴動の密議」を矢崎八郎太に教えた千絵だった。




千絵は元千石取り旗本の娘だったのだ。千絵は維新後親戚を頼り両親と共に静岡へ移住していたが、両親の他界、そして姉が出て行ったため、芦名家屋敷のあった東京まで出て来たのだ。十蔵は殿、つまり千絵の両親が他界していた事に驚く。また、屋敷を政府に貸している事を謝罪し、すぐに出て行ってもらうと言うが、千絵は離れに住むから問題はないという。




それよりも、行方が知れない姉について、こちらに来ていないかを尋ねるが十蔵はその行方は知らなかった。




桐野達は後に十蔵から千絵の事情や芦名家の幕末の話を聞く。何か力になりたいと申し出るが、千絵の兄、つまり芦名家の跡取り、が彰義隊として戦い戦死している事を知ると、重苦しい気持ちになるのであった。




しかし、数日後、ぼろくなっていて雨漏りも酷かった芦名家の離れを桐野達は修繕する。家主に風邪でもひかれたらと一丸となって修繕する。千絵は武士とは思えぬ手際の良さで働く薩摩人を楽しそうに眺めていた。十蔵は久々に千絵の笑顔を見たようでそっと涙を拭った。




その頃、西郷は村田新八、そして「ぽりす」となった川路利良と話をしていた。川路は「ぽりす」とは民を助けるのが仕事だと言われていたが、もう少し具体的に教えて欲しいと訪ねて来たのだ。



「例えば、道を聞かれたら教える・・・」

「はい、、しかしおいたちは東京の道をしりもはん・・・」

「!?はは!!確かにそうじゃ!(笑)」



西郷はそれならまず、東京の道を覚えるのが仕事じゃと笑うのであった。
そして、



「東京はおいが想像していたより酷か・・・」



村田新八も続く。



「官が権威を傘に花柳界で派手に遊び民を苦しめている」



西郷はこれでは「幕府の悪癖」が新政府に変わっただけだと指摘。
そして、川路には、



「官民問わず」



不正には厳しく取り締まるように助言するのであった。

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翔ぶが如くのあらすじ第32話中巻「思惑」

大久保の部屋に木戸孝允、伊藤博文、山県有朋の三人が集まっていた。民部少輔の伊藤が話を進める。



「目下、薩摩三千と長州、それに土佐など八千の御親兵が整っておりますが・・・」



目下、その「八千の御親兵」の費用が問題なのである。「廃藩置県」に関しては薩長の政府首脳の中でも認識は共有されていた。しかし、この場に西郷と岩倉具視がいない。




急激な改革を恐れる三条公にもし知られてしまえばこの話がつぶれると、西郷は岩倉の相手を勝って出ていた。岩倉は優秀だがお喋りであり、岩倉が知れば間違いなく三条公にも伝わる。



「で、本当にやるのだな?西郷君もそのつもりか?」



「はい、西郷も当然了承済みでございます」

「私はむしろ長州は大丈夫かと?」



「長州はこの山県有朋が抑える」



「分かりました」

「ならば、西郷が日本中の士族を抑えましょう」



しかし、ここから先に関しては意見が割れる。西郷と大久保は廃藩の後には政治改革の必要性を訴えているのだ。しかし、これには木戸は二の足を踏む。



「急激な改革は如何なものか」

「しかし、目に余る役人の遊興は自粛せねばなりますまい」



伊藤が二人の話に割り込む。



「これからは何事も清濁併せ呑んで頂かないと(笑)」

「まあ、(西郷は)御年でもありますし」



大久保は伊藤に冷たい眼差しを送る。



「まずは、秘密裏に進めるように・・・よいな?伊藤君」



その頃、西郷は岩倉の相手をしていたが、そこに江藤新平が提案書をもってやって来る事になっていた。



「これをご披見願わしく・・・」

「なんじゃこれはいったい?」



西郷は江藤と岩倉のやり取りを黙って聞いている。



「日本国を数字で・・・つまり日本は年間五千五百万両の国であるという事です」

「我が国の歳入は一千百万石」

「一石五両とすると五千五百万両、たったこれだけの歳入で列強を向こうに回し」

「一個の強国を創るは夢の如きものではありますまいか」



「そりゃ・・・ホンマに夢や・・・」



「即ち、立国の基礎を米に置いてきたからでございます」



岩倉は西郷にこの事を知っていたか尋ねる。西郷は郡方に勤めており知っていたと応える。江藤新平は続ける。



「それゆえ率直に申し上げる覚悟で参りました」

「人民と土地は帝に返還されたものの大名士族は旧来の家禄を既得権益としている」

「その額、2731万6千4百5両!」

「天引きで国家収入より出て行けば残りは??」



「いくらや」



「たったの!二千八百万両!」

「いったいこれで国が成り立つか?笑うべき現状でございます」

「それ故、日夜考えた結論は藩というものを無くす!」



「待て藩が・・・」



「藩も大名も消滅すれば国家から家禄を渡す根拠も消滅致します」



「待て!」



岩倉は機関銃のように話す江藤を止めて西郷の顔色を見ている。西郷は驚いた表情であったが、その意味は岩倉の予想とは異なるものだった。




西郷は江藤の意見を良しとするが、少々時間をくれと応じる。江藤もこれに頷くのであった。



「何卒、早急にお考え願わしゅう」



江藤は自室に戻ると自身の書生をしている矢崎八郎太に痛快な意見書を岩倉と西郷に叩きつけて来たと話す。



「そ、それでは三百諸侯を廃止するのですか!?」

「おう!意見書を突きつけたら岩倉も西郷どんもみっともない程慌てておった(笑)」



江藤は能力もないにも関わらず、ただ維新の勝ち馬に乗っただけで、我が物顔で政府の枢要にいるボンクラ薩長が度し難いと考えていた。



「長州は狡猾であり、薩摩は愚鈍である」

「大久保は兎も角、西郷は既に老いたり」

「何の足しにもならぬ人の道のみ説いておる」



これからは本当に能力のある、つまり自分肥前佐賀人が、新しい国を創る!この言葉に矢崎が少々複雑な表情を浮かべる。



「・・・君は肥後熊本の出だったな?」



江藤は苦笑いだ。



「お互い維新には乗り遅れた仲間だ!」

「人一倍努力せんと浮かびあがれんぞ!」



「はい!」



矢崎は元気よく答えるのであった。




大久保家には従道夫妻、そして大久保の二人の息子と菊次郎が泊まっていた。洋行かえりの従道から洋食のテーブルマナーを教えらていたのだ。初めての割には戸惑いながらも手際よく従道の指導で洋食を食する一同。
その時。



「お食事中失礼致します。岩倉様火急の要件との事です」

「わかった、すぐに行く」



大久保はすぐに岩倉邸へと向かうが岩倉は留守。そう。岩倉は芸者遊びの際中だったのだ。



「よいのぉ・・・新しいべべも作ってやるぞ・・・」

「まあ。ありがとうござます!」

「お連れ方がお見えです」



やって来たのは大久保である。呼び出されたら家は留守、居場所も分からない。不機嫌そのものといった感じである。お気に入り小雪という芸妓を部屋から出すと大久保と向かい合う。



「江戸の芸者はよいな・・・まあ、貧乏公家で京で茶屋遊びなどせえへんかったが」



「岩倉様、お呼びだて頂いたのは東西の芸妓について講釈をお聞かせ頂くためでしたか?」



「あほか!廃藩の事や」

「今日、江藤が来よってそれをせねば日本が滅びるという話を聞かされたんや」

「江藤にこの件を進めさせて大事ないか?」



「断じてそれはなりません」



大久保は江藤の言う事にも一理ありだが、これは江藤が敢えて新政府に混乱をもたらすためにやっているという。そして、このような大事な話は一人では受けないようにと釘を刺すが、岩倉は西郷もおったぞと応える。



「西郷は時間をくれといっておったが」

「はい、それでよろしいと思います」



大久保と岩倉が料亭で密議をしている外では川路が、この花柳界に出入りする政府高官と商人たちの動向を内偵していた。そこに、同じ薩摩藩士で御親兵の篠原達がやって来る。



「おお!ぽりすがおるな?(失笑)」



川路は薩摩藩士と言っても城下士より下の「郷士」の出身である。薩摩では城下士と上士よりも、城下士と「郷士」の差の方が大きい。



※関連記事:→西郷大久保の身分は低くない?薩摩の身分制度


彼らは「ぽりす」の川路を馬鹿にする。



「こげんとこで何してる?この辺りには盗人も追いはぎもおらんぞ?」

「盗人だけがぽりすの相手ではない」

「成程・・・政府高官や商人の見張りか?」

「・・・任務がありますのでこれで」

「しかし、ぽりすとは猫のようじゃの?www」



川路は篠原たちを睨む。



「なんじゃ?その目は?やるか?」

「今は任務中にていずれ・・・」

「ふん!精々爪を研いておけ!はっはっは!」



翌日。




川路は昨夜花柳界を内偵し探った政府高官と商人の関係を西郷に報告する。



「山県有朋と山城屋・・・井上馨と・・・」



西郷は隊長である川路自ら出張る必要はないと言うが、その成果はよくやったと褒める。そこに大久保がやって来る。




西郷は江藤がこちらも考えていた「廃藩」の意見具申について話す。



「まっこて鋭か意見じゃった」

「吉之助さぁ、江藤の話に乗ってはなりもはん」

「わかっちよりもす、釘は刺しときました」

「明日の夜例の顔ぶれで木戸邸に集まる事にしました」



大久保はポリス隊の川路に明日の夜は徹底的に木戸邸を警戒する事、そして中で何が起こっているのかは誰にも口外しないようにと指示する。




同席していた村田新八は久光の件を心配する。西郷はこれは自分が命をもって抑えるという。



「それが、維新を成し遂げた者の責務じゃ」

翔ぶが如くのあらすじ第32話下巻「廃藩置県」

木戸邸に薩長の重鎮が集まる。




薩摩からは西郷、大久保、そして従道、長州からは木戸と山県。



「もはや有余はありもはん」



大久保はこの顔ぶれで今夜中に意見の一致させ、在京40藩の藩主を集め帝に廃藩の詔を出させる事を提案。山県は、いきなり「廃藩」ではなく徐々に行う事も考えられるのではと言う。



「諸藩が従わない場合の方策も考えねば・・・」



それには西郷が応える。



「そのための御親兵にございもす」



もし、従わない藩があれば自ら御親兵を率いてそれを叩き潰すと。



「では、7月14日に帝をお招きして一気に事を進めます」



こうして、日本の三百諸侯は一夜にして消滅する。これを許せない者二人。江藤新平である。



「おのれ!薩長め!!!」



江藤は自らが提案した「廃藩置県」にもかかわらず、その提案者である自分を外し薩長でことを進めた事に怒りを爆発させる。



「先生!分かりました!岩倉は私が斬ります!」

「馬鹿者!!!誰が暗殺なぞしろと言った!」



江藤は欧米列強に負けない法治国家を作りたいと願っていた。薩長のやり方は許せないが、暗殺などは決して行ってはならぬとその書生を叱りつける。



「私の力と頭脳で薩長を一掃する!」



矢崎八郎太は江藤の言葉に大きく頷く。




その頃、薩摩では鶴丸城から花火が上がっていた。国父久光は西郷と大久保の裏切りに怒り心頭に発していた。



「俊斎!花火をもっと上げよ!!」



久光は藩を廃止など歴代の薩摩藩主に腹切っても詫びきれるという。



「国父様!この大山追腹を切ります・・・!」

「ならぬ!!!」



久光は藩が廃止されてもこの薩摩を西郷大久保には渡すつもりはないこと、そして、その為に大山には働くように話す。



「花火をもっとあげよ!!」



城の外にいる糸たちは見た事ない数の花火が上がる事にただ喜んでいたが、まさか日本が大きな大変革を迎えているとは夢にも思っていなかった。




以上、翔ぶが如くのあらすじ第32話「苦難の大変革」でございます。

翔ぶが如くの感想32話「苦難の大変革」

大河ドラマ翔ぶが如くの感想32話「苦難の大変革」です。廃藩置県が断行されます。結果的には西郷・大久保の懸念は杞憂に終りますが、それは結果論です。二人は戦いを覚悟していたはずです。だからこそ。そう、だからこそなんですよ・・・!江藤君!

翔ぶが如くの感想32話「信頼関係」

廃藩は「命懸」の最期の奉公。




西郷と大久保はその覚悟で挑んでいます。




そして、その事を共有出来るのは‥‥。やはり「武士」として倒幕に関わった者だけなんですよね。




薩摩と長州は決して「蜜月」とは言えない部分もありますがそれでも「共に戦った」同志なんですよね。悲しいかな、大久保とは恋人・・・じゃなくて盟友となった岩倉でさえ、この「廃藩」の衝撃を同じレベルでは認識出来ないと思います。




これ、後で知った岩倉はさてどのような御気分に・・・?




まあ、岩倉なら「察する」でしょうね。




武家と公家では理解し合えぬものもあるのじゃなと。




一方で佐賀の江藤新平。




皮肉な話ですが江藤新平の「提言」が廃藩を早めたとも言えます。しかし、それは江藤が考えていた「自分の考えを横取りされた」というのは見当違い。

翔ぶが如くの感想32話「人は、国は数字ではない」

江藤新平は鋭すぎる刃物なんですね。廃藩の必要性は西郷大久保、木戸も認識していますが江藤はそれを「数字」で語る事が出来る。




しかし、人間は、



「数字」



ではない。




江藤には「数字」は見えてもその裏にある「人間の気持ち」が見えていない。



「人は感情で決断し、論理で正当化する」



西郷や大久保は江藤の鋭い提案に感嘆しつつも危うさを感じたのだと思います。もし、そこに「人間の気持ち」を察する部分があれば、あのボードに参加が出来たのかも。




現代社会でも鋭い人間、数字に強い人間にありがちな落とし穴ではあります。




その象徴が、



「西郷は老いたり」



という江藤の言葉。これは共に維新を戦った者にしか分からないのかもしれません。




因みに、伊藤博文も同じですね。




西郷の偉大さ、いや、ある意味では、



「恐ろしさ」



を、全く理解していない。そこが江藤新平と伊藤博文二人の限界、現時点での、なのかなと思いました。

翔ぶが如くの感想32話「桐野利秋」

前回から登場している桐野利秋(元、中村半次郎)。演じているのは杉本哲太。




若い・・・。




でも、声は今とまったく変わらないですね。




今回新たな事実が明らかになりました。




桐野は上野戦争の直前に彰義隊隊士だった千絵の兄と斬っていた事。そして、斬った千絵の兄を医師の処まで運んでいたということ。




桐野は幕末以来その事がずっと気になって、調べに調べて、千絵の兄という事まで辿り着いている。



「口下手な人に悪い人はいない」



桐野はきっと良い奴なんでしょうね。
だから十蔵も、



「憎くて斬った訳ではない」



と、桐野を庇っています。勿論、知恵も分かっているんだと思います。




でもね。




だからと言って割り切れるものでもないことも。




ああ、人間って複雑。




兄は戊辰戦争で戦死したと思っていれば、兄を殺したのは実態はない「戦争」ですが、今は「桐野利秋」という実態が現れてしまった。


「十蔵!つまらない話を聞かせてくれましたね!」



難しい。




やはり人間には「知らなくてもいいこと」があるかな・・・。




そして、桐野と千絵を演じる若かりし名優の演技が切なさを増幅させますね。




以上、翔ぶが如くのあらすじと感想第32話「苦難の大変革」でございます。

大河姫

今宵は此処までに致します。

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