武田信玄第33話のあらすじです。世に名高い武田二十四将。無敵の甲州軍団はこの勇猛果敢な勇将達に支えられてきた。しかし、甲斐が大国化していく中で信玄は多くの武将を戦場で、あるいは病で失った。板垣、甘利、飯富等信玄の父信虎の時代から武田家に仕えて来た者。信玄がその才能を見出し重臣の列に加えた山本勘助等甲斐の国にとって欠かせない武将たちばかりであった。

甲斐をさらに大国とし、京の都を目指す信玄にとって戦略知略に長けた武将達は重要であった。信玄は優秀な若者を次々と登用し重臣の列に加えた。一方その影で激戦を生き抜き「鬼美濃」と恐れられた原美濃守虎胤は今死に場所を求めているのである。

武田信玄第33話上巻~四朗勝頼~

東光寺幽閉中の義信。深夜、表で争う物音が聞こえます。そして、固く閉じられた入口を破ろうとする物音に怯える義信。

→大河ドラマ武田信玄の感想第33話「鬼美濃の死」

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東光寺にて

「誰じゃ!」

「若殿!今明けます!」

・・・八重!?」

「お静かに・・・!」

「・・・」



しかし、突然辺りは静かになると、一人の武将が完全武装で抜身の刀で部屋へ入ってきます。怯える義信。しかし、その武将へ膝を付き頭を下げます。



「飯富三郎兵衛にございます」



三郎兵衛殿は外に怪しげな輩がおり警戒していた旨を伝え、部屋を出ようとしますがその後ろ姿に義信は悪態をつきます。



「お前の告げ口の所為で兄は死んだぞ」



三郎兵衛殿は振り返ります。



「某は武田家の家臣でございます」

「お館様に歯向かう者は兄であっても容赦致しませぬ」



義信はその迫力に背筋が寒くなるのを感じます。三郎兵衛殿は早速晴信に東光寺での不審な動きに関して報告をします。



「東光寺の護衛の数を増やすのじゃ」

「は!それとお館様、賊の中に女子の姿があったようです」



三郎兵衛殿は兄、飯富兵部殿の妻、まさ殿から聞いた八重の件を話します。



「そうか、これ以上事を荒立ててはならぬ」



晴信はそう命じると翌朝三条殿の元へと渡ると義信の処分について伝えます。



「其の方等の望聞き入れ義信の命は取らぬ」

「!?有り難き幸せにございます!!」



三条殿と八重は晴信の寛大なる処分を喜びます。
しかし。



「処で、昨日東光寺に賊が侵入したようじゃ」

「その賊の中にどうやら女子が1紛れていたそうな」

「八重、昨日の夢は屋敷で見たか?東光寺の裏山で見てはおらぬか?」



八重は表情一つ変えずに答えます。



「昨晩は姫様殊の外お嘆きで、一晩中お蕎麦におりましてございます」

「この三条が証人でございます」



晴信はそれ以上問い詰める事はせず、今後東光寺へ向かうときは必ず晴信に知らせるように命じます。そこへ、諏訪より四朗勝頼がやって来たと知らせが入ります。三条殿の表情は曇ります。

信長の使者

「おお!待たせたな四朗!」



晴信は義信との一件もありつかれておりましたが、亡き湖衣姫の子、四朗勝頼と対面で心を洗われるようでございます。勝頼には阿部勝宝殿も同行しております。



「知らぬ事とは申せ、此度は父上の危機に駆け付けられず申し訳ございません」



勝頼は此度の謀反で晴信の力になれなかった事を詫びますが、晴信は大したことではなかったのだと笑います。



「諏訪湖のほとりで其方の母を見送った時を覚えているか?」



※関連記事:→武田信玄第18話「さらば湖衣姫」


晴信は勝頼が亡き湖衣姫殿の面影を残している事を喜びます。そこへ信長殿からの使者がやって来たと知らせが入ります。



「某の事は気にせず・・・」

「信長からは年に5~6度、使者が来るのじゃ」



晴信は信長殿が自分の機嫌を取り、晴信が西へと向かう事を警戒しているのだろうと言います。事実、信長殿からの献上物はいつも珍しく高価な物ばかりでございます。




此度織田殿の使者は一族の織田掃部殿でございます。



「織田殿のご高配にはには信玄感謝しているとお伝え下され」

「はは!有り難きお言葉でございます」



織田掃部殿は続けて、両国で縁を結びたい旨を伝えます。



「我がお館様の養女雪姫様と高遠城城主四朗勝頼様の縁組は如何でしょうや」



晴信は織田殿も申出に暫し試案顔でございます。

武田信玄第33話中巻~過去からの使者~

晴信は織田殿の養女雪姫殿と勝頼の縁組を進めます。ただ、それは盟約を結びし駿河には波紋を広げます。



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「織田と縁組など!」



庵原忠胤殿の知らせに怒り心頭の寿桂尼殿でございます。しかし、当主の氏真殿は妹のい於津禰(義信妻)の悲劇を嘆く一方、今の駿河にはとても甲斐へと攻め込む力はないと呟くのでした。名門今川家は今まさに斜陽の時を迎えております。

母と子

「お願いにございます!東光寺へと参る事お許し下さい!」



三条殿と義信の妻である於津禰殿は東光寺へと赴き義信との面会を求めます。



「東光寺へと行ってやってくれ」



晴信は二人が東光寺へと赴く事を許します。二人の訪問が義信の心を癒し、改心する事を期待していると言います。



「必ずや、改心をさせて参ります」



二人は早速東光寺へ向かい、義信と面談します。



「義信、お館様に許しを請うのじゃ」

「お断り致します」



三条殿はこのままでは武田家の家督は湖衣姫の息子四朗勝頼が継承する。それでも良いのかと言います。



「偽りの謝罪でも構わぬ!まずは此処を出るのじゃ!」



しかし。



「私は父上の不正義と戦っておるです!」

「父の不正義憎めと教えたのは母上ではなかったか!?」

「偽りの謝罪など恥を知れ!!」



三条殿は我が子義信の頑ななる心に二の句が継げぬのでございます。妻、於津禰殿はただ夫義信の様子に涙するのでした。

最期の戦

「飯富殿は、命を張って若殿を守ったのじゃ」



原美濃殿が飯富殿の屋敷でまさ殿と三郎兵衛殿と会っています。若殿の謀反を三郎兵衛殿に話したのは裏切りではなく、いずれにしても、飯富の家名が存続するように謀った上で若殿には累が及ばないように1人でその責任を負ったのだと。そして、まさ殿には飯富殿の分まで生きるように諭します。




月夜の晩でございます。




三郎兵衛殿と二人で酒を呑む原美濃殿。飯富殿との想い出を話すと自然に涙が溢れます。



「歳をとると、鼻水が出てこまるわ!」



原美濃殿は1人、飯富殿の屋敷を後にすると、家路につきます。



「雲が隠れの月か・・・」

「いつまで隠れているつもりじゃ?姿を見せよ」



原美濃殿はしばらく前から何者かが尾行をしているのに気が付いていました。木の影から3人の男が姿を現します。



「夜盗か?金ならないぞ?」

「夜盗ではない!我らは武士じゃ!原美濃殿!その首申し受ける!」

「たいした首ではないぞ?」

「我らは志賀城の生き残り」



三人は天文16年(1547年)に晴信が非道の限りを尽くしてようやく落した志賀城の生き残りだと言います。



※関連記事:→武田信玄第10話より


彼らの妻子は武田勢の捕らえられ売られるか、金山へと送られて亡くなっている。



「この恨み晴らさず死ねぬ!鬼美濃覚悟!!」

「フッ!望むところじゃ!」



原美濃殿は年老いて床の上で死ぬのは恥であり、三人は自分のために天から遣わされたのであろうと喜びます。



「礼を申す・・・!」


鬼美濃殿は嬉しそうに太刀を抜きます。置いたりといえども幾度も死線をくぐり抜けてきた猛将です。
志賀城の三人は警戒します。



「どうした?志賀城は其の方らのように腰抜けばかりだから落ちたのだ!」

「そのような事で妻子の敵は討てぬぞ?」



三人は挑発に乗り一斉に斬りかかりますが一撃目は三対一でも圧倒されてしまいます。



「そろそろいくぞ!」



1人が落した太刀を拾い上げ持ち主へ渡すと不敵に笑います。また、一斉に斬りかかるニ撃目!!鬼美濃殿の額に一撃を入れます。



「・・・ここからが斬り合いじゃ!遠慮はせぬぞ!」



まるで、水を得た魚のように嬉々とした表情で斬り合いを演じます。
そして。




ついに、1人が鬼美濃殿の脇腹を突き刺します。



「礼を、礼を申す・・・」



同じ頃まさ殿もまた飯富殿の後を追っていたのでございます。これが、我が武田家の良き重臣兵部少輔虎昌、原美濃守虎胤の最期でございます。

武田信玄第33話下巻~父と子~

東光寺へ三条殿と於津禰(おつね)が義信に面会をした日の夜。晴信もまた義信と会っておりました。

恨み心

「今宵はお主と二人でゆっくり話そうと思う」



義信に語りますが義信は無言です。晴信は25年前、義信と同じように父信虎殿に対して謀反を起こし、信虎殿を駿河へ追っております。例え親子であっても憎しみが生まれて不思議はない。



「儂は甲斐の、国の為に謀反を起こした」



しかし。
そう、憎しみがなかったのかと言えばそうではなかった。



「まず、憎しみ有りて、謀反の理屈を考えたのやもしれぬ」



晴信はかつて、父信虎殿が自分怖れ事あるごとに小心者と嘲笑い、家督は継がせぬと言い、愛おしんだ女子を殺す事までしたと話します。
そして、父信虎殿を殺したいと憎んだと。



「親子で何故このように憎しみ生まれるか分からなかった」

「其の方は儂の若い頃に瓜二つ」



義信の心を知る事は、即ち晴信自身の心を知る事でもある。



「憎しみの源は何か?未だに儂を憎むか?答えよ」

「憎みます」

「何処を憎むか?」

「何もかも、父上がそこにおること憎みまする!」

「そちの憎しみ如何にしたら消す事出来る?我が命奪えば消せるか!?」

「消せまぬ!」

「儂は其の方の父じゃ!そちを憎しみの沼から救ってつかわす!」



晴信は太刀を義信の前に置きます。



「ウワァー!」



義信は太刀を抜き、構えます。
しかし、義信は晴信を、父親を斬る事は出来ませんでした。太刀を落すと、静かに泣くのでした。




それから二月ばかりして、四朗勝頼と織田信長殿の養女雪姫殿との祝言が高遠城にて行われたのでございます。
今にして思えばこの縁組こそ、我が武田家の行末を大きく変えたのかもしれませぬ。




この次は上州攻めと義信の死について物語とうございます。
では、今宵は此処までに致しとうございます。

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