武田信玄第18話のあらすじです。時、まさに健康ブーム。日本人の平均寿命は女性80.93歳、男性75.23歳(1988年)。日本の平均寿命は世界最高である。健康という二つの文字に人類は、最大の関心を持ち続けてきた。古くから人間を苦しめて来た病に結核がある。昭和25年頃、全国に50万人以上の患者がいて日本人の死亡原因の上位を占めていた。

今では抗生物質の普及で結核患者の数は大幅に減少したが、時々集団感染がおこる程結核菌は強力なものである晴信の側室湖衣姫が冒されていた労咳も結核菌が引き起こしたものである。決定的な治療法もなく、衛生環境も悪かった戦国時代、結核で命を落とす可能性が高かった。労咳に蝕まれていた湖衣姫。今その若い命を閉じようとしている。

武田信玄第18話上巻~湖衣姫逝く~

いよいよ、湖衣姫殿が最期の時を迎えようとしております。朦朧とする意識の中で乳母のたき殿を晴信と思っているようでございます。

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待っていた

「晴信様・・・。四朗が甲斐と諏訪の橋渡しを致します・・・。」

「姫様・・・!私はたきにございます・・・。」

「母上!!!」

「四朗様いけません!」



しかし、幼い四朗は母を抱きかかえます。たき殿も今宵が今生の別れと思うと四朗を引き離す事ができませんでした。



晴信は長尾景虎殿との戦の決着がつかぬまま、田植えの時期という事もあり一度軍を退いたのでございます。直ぐに諏訪の湖衣姫殿の元へと向かいます。



「お帰りなさいませ。」



諏訪の屋敷で待っていたのは四朗でした。戦装束のまま四朗に導かれ部屋へと通されるとそこには湖衣姫殿が。



「母上は父上を待っていたぞ!!!」



四朗は叫ぶと部屋から出ていきます。湖衣姫殿は既にこの世の人ではありませんでした。晴信は部屋を出ていった四朗を探します。




幼い四朗は泣いておりました。晴信はただ四朗を抱きしめてあげることしか出来ませんでした。




この日を境に、晴信の青年期が終わったようにございます。過去の想い出にも自分なりの決着をつけたようにございます。

御機嫌

「おほほほほ!!これで信濃は武田のもの!都へ帰る日も遠くはないかも!」



晴信の信濃征服を最も喜んでいる女子はこの八重かもしれません。



「八重。そちは最近浮かれ過ぎではないか?何がそんなに嬉しいのじゃ。」



三条殿は北へ攻め上がっても都には近づけないと憮然とした表情で言いますが、八重は越後まで行けば海が手に入り、お舟で上洛した方が早いのだと得意気に言います。



「越後には長尾景虎がおるではないか?」

「聞けば長尾景虎戦が強くまた、肉食をせず女子も近づけぬとか。」

「色好みのお館様にと長尾景虎では神仏も長尾景虎にお味方致すであろう。」



三条殿はそう八重に反論します。



「姫様、そのような事決して申してはなりませぬ。」



八重が三条殿を嗜めていると・・・。



「申し合上げます。湖衣姫様、お亡くなりなられてたと使いが参りました。」

「・・・亡くなられた・・・?」



驚く三条殿と八重。



「それは・・・御いたわしい・・・(笑)」



八重は嬉しさが隠しきれません。



「戦には勝、湖衣姫は亡くなる。これでお館様も姫様の元へお戻りに!」



八重は良いことだらけであると喜ぶのでした。

武田信玄第18話中巻~裏方~

晴信結局長尾景虎殿との戦には決着を付けぬまま甲府へと戻ります。しかし、晴信は八重の言うように三条殿の元へは渡りにはならなかったのでございます。

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先陣争い

「八重!これはどういう事じゃ?お館様は三条の元へ戻ると申したではないか!」

「ええ、まあ・・・。」



流石の八重も少々気まずい空気にございます。その頃晴信は里見殿の部屋におりました。膝枕でうつらうつらとしております。



「其方の膝枕は落ち着く・・・」



里見は他の女子にも言っているのではと笑います。



「膝枕をしてもらっているのは里見だけじゃ。其方の膝枕は母を思い出す・・・」

「そうですか!ではしばし、私は北の方様の代わりを務めます!」



湖衣姫殿を失い失意の晴信に里見殿の明るい声は何よりの癒しとなったのでございます。そこへ、突如三条殿がやって来ます。



「何事じゃ?」

「どうか!どうか三条の元へお戻りくだされ!」



三条殿は戦から戻ってきた晴信がまず正室の三条殿ではなく里見殿の元へ渡ったとあれば裏方に示しがつかないと言います。今からでも三条殿の部屋へと来て欲しいと頭を下げます。さらに、里見殿にも晴信にそう言うように頼みます。晴信は正室たるものこのようなはしたない真似はするべきではないと叱ります。
そして。



「八重!隠れておらず出てこい。三条を部屋へと連れ帰れ。」



八重は障子の影から現れます。



「畏れながら申し上げます。三条の方様がお願いに上がった以上引下がれません。」

「その方と議論をしていたら夜が明ける。」



結局晴信は誰の部屋へも渡らねば問題あるまいと、表で休むと言います。そして三条殿へ言います。



「湖衣が亡くなったのじゃ。人の死は軽くはないのだぞ?」

「里見殿であれば宜しいのですか!?」

「里見は膝を貸しただけじゃ。」

「男女が一晩一緒で膝枕だけで契りを交わさぬ等・・・」

「何を申すか!その方は三条家出身であろう?そのような下世話な発言はやめよ。」

武田信玄第18話下巻~兄弟~

諏訪では乳母のたき殿が母を失った四朗を寝かしつけておりました。たき殿は怪しい物音を聞きます・・・。

暗殺者

「ぐわ!」



誰かが争う物音が聴こえます。



「四朗様!起きてください!!」



たき殿は四朗を起こすとすぐに庭に出て草陰に隠れているように指示します。そして、たきが声をかけるまで決して出てきてはならぬと。



「誰もいないぞ!」

「う!!!」



部屋に突然数人の男が入って来ます。そして、部屋の中に四朗を探しているとたき殿は槍で1人を刺し殺します。



「おんな!四朗は何処だ!?湖衣姫は諏訪を裏切ったから死んだ!あとは四朗!」

「四朗様は此処にはおらぬ!晴信様が連れ帰った・・・!う!!!」



あわれたき殿は斬り殺されてしまいます。男たちは草むらに刀を突きさし、逃げた四朗を探し求めます。



「おらんな・・・。」

「よし、他を探すぞ!!」



草陰の四朗はかすり傷でなんとか難を逃れます。しかし、夜明けまで見つからない保証はありません。



「父上・・・。」

兄弟

岐秀和尚の元で修行をはじめていた次郎改め次念は諏訪で四朗が助けを呼ぶ声を聴きます。飛び起きると岐秀和尚の部屋へと急ぎます。



「おお、次念か。このような夜更けに如何した?]

「和尚!お館様の元へ行きとうございます。四朗が助けを求めています。」



岐秀和尚は次念が夢を見ていたのだろうと言いますが、次念の押しに根負けして晴信の元へ行きます。



「お館様。岐秀和尚と次念様がいらしております・・・」

「直ぐ通せ!」



晴信に面会すると次念は言います。


「父上!四朗が助けを求めています!」

「分かった!よう知らせてくれた!!」

「お館様・・・次念は夢を見ているのですが・・・」

「和尚、そうではない。其の方が知らぬこと、まだこの世にはある。」



晴信は屋敷の手勢を集めるとすぐに諏方へ立とうとします。そこへ太郎がやって来ます。



「私もお供致します!」

「四朗を助けにいく。それでもよいか?」

「幼き者助けるは正義!!」



太郎ははっきと言います。晴信はついて来いと言うと僅かな手勢で諏訪へと立ちます。



「四朗!無事か・・・。」

「申し訳ございません!この老体役に立たず・・・。」



諏訪満隆殿は詫びます。そして、たきが命を落としたことも知らせれます。犯人は甲斐に征服された事を快く思わない諏訪衆の仕業と思われます。



「自分に向けられた恨みには気付かぬものだな・・・。」



晴信は改めて己の鈍感さを痛感します。



「其の方たちは母は違えど兄弟じゃ。太郎幼き四朗を護れ。」

「はい!」

「四朗。太郎を頼るのじゃ・・・。」



その後、晴信と太郎、四朗は諏訪湖畔へ馬をはしらせます。



「太郎。男にはどうしても女子が恋しい時がある。湖衣はわしのその想いに従ったのじゃ。」



晴信は太郎に色々な想いがあるとは想うが四朗にはその罪はないと言います。太郎はしっかりと幼い四朗の手を握っているのでした。



「荀子は人の性は悪なりと言ったが・・・。己の中その悪を征したいものじゃな・・・。」



その時諏訪湖を見ていた四朗が叫びます。



「母上!!あそこに母上が!!!母上!!」



四朗の目には確かに湖衣姫殿の姿が見えていたのでございます。
晴信はこの時、湖衣姫殿がお別れのご挨拶を送るために晴信を諏訪に迎えたのだと思いました。

相駿緊迫

その頃、今川殿と北条殿との間に戦が始まっておりました。



「氏康の奴め、性懲りもなく攻め入って来るとは!此度は決して許さん!」

「岡部!早急に甲斐へ使者を送り、晴信に出陣を促せ!!」

「承知仕りました!」



義元殿は部屋を右へ左へ歩いております。
寿桂尼殿が一言。



「落ち着きないませ。歩いていても戦には勝てませぬ。」



しかし、イライラの頂点の義元殿には届いていないようです。



「岡部!もし出陣なくば、信虎殿を甲斐へ送り返すと申せ!」

「岡部!そのような荒い事を申してはならぬ。晴信殿は黙っていても兵を出します。」

「氏康め!海に追い落としてやる・・・!」



その頃氏康殿は駿河国境を越えようとしておりました。



「家柄の上に胡坐をかく慢心の義元等我が軍勢の足元にも及ばぬわ!進め!」



今川殿からの頼みで晴信も出陣いたす事になりますが、この戦は意外な方向へ向かい、思わぬ結果を得る事になりました。




では、今宵は此処までに致しとうございます。

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