武田信玄(大河ドラマ)のあらすじ第10話。私達の身の回りに溢れている様々な音の中にはいかにも日本的なものがいくつかある。ドラマにとって音楽はその時代をイメージするため重要な要素である。中でも中国の伝統的な楽器「秦琴(しんきん)」の音色は正に戦国時代のイメージそのものである。「このビブラートが何とも言えない!」この音色が戦国の情景を我々へ伝えてくれるのである。
※武田信玄のテーマソングは「秦琴」で奏でられていた。

武田信玄第10話上巻~いしいし~

晴信は里見殿と急ぎ馬を走らせ積翠寺へ向かっております。晴信の胸には何やら黒い予感がしてならなかったようでございます。

→武田信玄(大河ドラマ)の感想第10話「国造り」へ

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緊迫。積翠寺

晴信はようやく積翠寺へ到着。すぐに中へ入ろうとしますが、そこへ湖衣姫殿に付いていた勘助殿がやって来ます。



「勘助!湖衣姫はどうした!」



「お方様とお部屋にてご歓談なされておりまする」



「此処で何をしておる?何故見張らん!」



晴信はそういうと部屋の中へ入ろうとしますがこれを勘助殿は止めます。湖衣姫を見殺しにするのかと詰め寄る晴信。



「今お館様参れば湖衣姫様この先、生き長らえる事できません!」



勘助殿は湖衣姫殿は裏方で生きて行かなければならい、今、晴信が助け舟を出す事は返って仇になると言います。
それでも。



「湖衣姫に万が一の事があったらどうする!?」



「湖衣姫様は弱気お方ではございません!」



勘助殿は頑として、晴信を中へは入れません。

いしいし

部屋の中では三条殿が湖衣姫殿に「いしいし(お団子)」をお勧めしております。ただ、湖衣姫殿はそのいしいしの前で何やら固まってしまっております。三条殿が問いかけます。






「如何致した?」



「いえ(緊張)」



まず、三条殿はご自身の膳からおひとつお食べになります。



「よい風味のいしいしじゃ。其方も味わってみたら如何じゃ?」



「はい・・・」



それでも固まっている湖衣姫殿に、



「頂かされ。礼儀じゃ」



湖衣姫殿は御覚悟をお決めになられました。ひとつ、いしいしを取ると食べようとしますが。



「たき!?」



その時、湖衣姫殿乳母、たき殿がそのいしいしを奪うと自らの口へ頬ばります。



「姫様!」



まるで、今生の別れの如き一言でありましたが。



「モグモグ」



「・・・?」



「モグモグ。ごくん」



ただの「いしいし」にございました。たきは自分がしでかした事に動揺しております。三条殿が問いかけます。



「何をしておるのじゃ?」



「たきは、毒入りのいしいしとでも思ってのでございましょう。ホホホホ」



「毒入りのいしいし?毒を盛られたと言うのか?無礼な!」



「そうではございません!たきの卑しい育ちが手を出させたのでございます。どうかお許し下さいませ」



たき殿、おそらくは内心はめられたと思っておりまするが、兎に角謝罪をされます。



「そなたの育ちの悪さ。言わずともようわかっておる」



八重殿が勝ち誇るかのように言います。



「そんなにいしいしが欲しいのなら、そのいしいし全て召し上がれ。さ、早う召し上がれ」



「召し上がりになりませぬとお方様への非礼、お許しになりませぬぞ」



その時湖衣姫殿が申します。



「たき、食べずとも良い。この湖衣が残らず頂きまする」



その時襖が開き、晴信と里見殿が部屋へやって参ります。



「冬景色でも眺めに参ったか?」



何事もなかったかのように三条殿がお答えします。



「はい。詩でも詠もうかと思いまして」



「里見だけ部屋へ残すのは可哀想じゃ。よって連れて参った」



晴信はまあよいと機嫌よく言うと着座します。そして、黙々といしいしを食する湖衣姫殿の様子が気になります。



「やけに食べるが?」



「いえ、美味にございますので」



「そんなに美味か?では儂も相伴致そう。たき、儂にも」



たき殿が晴信の命令に従い「いしいし」を差し出そうとすると、三条殿が待ったを掛けます。晴信が三条殿に理由を尋ねます。



「湖衣はそのいしいし、毒入りと疑いましたので、残らず食べよと命じましてございます」



「いしいし等と申さず団子と申せ。それに、疑い生じるは疑わせる方にも理由があると思わぬか?」



三条殿は色を成して反論します。



「この三条、人に毒を盛った事などございません!!!」



八重殿も続きます。



「姫様にそのような邪な心些かもございません!疑しきは卑しき心にのみ生ずると申します」



これに、たき殿が反論!



「あまりにございます!我が姫様は諏訪大社大祝(おおほうり)のご息女!卑しき心などございません!」



里見殿が堪りかねてたき殿に申します。



「もうおやめなさい・・・」



さらにここぞとばかりに自らの主張も。



「この里美に裏方は合いません!どうぞ戦場にお連れ下さいませ!」



晴信は自らが招いた事とは申せ、女の争いと自己主張に大きなため息をつくのでございます。

武田信玄第10話中巻~国造り~

原美濃守殿は平三、平五、源助などの多くの足軽達を屋敷へ呼ぶと「風林火山」の旗の下に集めています。甲斐の軍勢の新しい旗印「風林火山」の意味を理解させてるためにございます。



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「儂に続け!疾(はや)きこと風の如く!」



「疾(はや)きこと風の如く!」



「徐(しず)かなること林の如く!!」



「徐(しず)かなること林の如く!!!」

金山衆

「真田幸隆から使者が参り、小県の国衆達がまた村上義清と手を組んだよしにございます」



「さらに、板垣殿からの知らせでは、伊那の高遠頼継にもまた動きがあるようです」



晴信は板垣殿へ北信濃の状況を探るように指示をするように命じると、特に、新たに加わった真田幸隆殿の腹の内を探るように命じます。



「あの男、腹の内読めん」



甘利殿が頷くと、2年前に旅に出た今井兵部殿が戻ってきたと知らせが来ます。



※参考記事:→第2話で謀反を勧める元奉行、今井兵部と鎌田十郎左衛門

※参考記事:→第5話で諸国漫遊の旅に出る今井兵部と鎌田十郎左衛門



「今井が戻ったか!」



晴信は喜びの声をあげます。もう2年の月日が流れておりました。



「お館様、只今戻りましてございます!」



甘利殿は逞しくなって戻って来た今井殿の様子に目を細めます。



「多少は男振りも良くなったようじゃの!」



そう言いながら、部屋を後にします。



「苦労したようじゃの。して、この甲斐に役立つもの見つけたか?」



「はは!ただし!モノではなく人でございます!」



「うむ!目通りを許す!連れて参れ!」



今井兵部殿は3人の男達を紹介します。この者たちは「金」を掘る事を得意としていると言います。しかし、晴信は残念ながらこの甲斐に金山はもうないのではと言います。今井殿はまずはお話しをお聞き下さいと、一人目の百川数右衛門に発言を促します。



「某は金の道を掘る、思った所へ掘る事が出来まする」



二人目は丹波弥十郎。



「某、諸国を歩き金槌で岩を叩き、金山銀山を見つけるのが仕事にございます」



晴信は尋ねます。



「我が、甲斐の山はまだであろう?」



丹波弥十郎が答えます。



「いえ、もう歩きました」



今井兵部はこの謁見前に3ヵ月、この甲斐の山々を歩いたと言います。



「して、甲斐に金の出る山見つけたか?」



「はい!黒川山はもとより、小金澤、御座石山、金山連、その他にもまだございます」



「そのように多くの山から金が出るとは信じかねる」



晴信は率直に疑問を呈します。しかし、丹波弥十郎殿は自信に満ちた表情で懐から石を出して晴信に見せます。晴信は手に取るとまじまじと見ます。



「この石に金の光はない」



しかし、丹波弥十郎が言うには、その「石」の青みがかった部分は金であり、そのような石があちらこちらにあると言います。晴信は仮に、この石にある「青い帯」が金だとして、どのように金を取り出すのかを尋ねます。今井殿は最後の三人目、大蔵宗右衛門殿を紹介します。大蔵宗右衛門は元々は能役者だったが、金に惹かれて、金を純度高く取り出す技術を学んでいるとのこと。



「畏れながら申し上げます。これまで多くの鉱石より金を取り出していますが、金を半分ほど捨ててしまっています」



大蔵宗右衛門殿が申すには新しい技術を使えば金山からの収入は倍が見込めると言います。晴信は金脈があるという「小金澤」等からどれくらいの金が見込めるか尋ねます。



「おおよそ、50万両」



※参考記事:武田家の財政。
→武田信玄第5話「湖水伝説」



「50万」



また、1000人も人員を投下すれば、1年で1万両の収入が見込めると言います。



「今井!この1年、思う存分試してみよ!」

信虎殿

晴信は丹波弥十郎から渡された石を見つめ独り言ちます。



「ありがたい」


「兄上!信繁にございます!」


「ううむ、入れ!」


信繁は父、信虎殿の事で相談があると申します。実は信虎殿は京都におり、その費用に50両ほど都合するように信繁に頼んできたのです。晴信は父上は信繁が頼り。50両と言わず、100両届けさせるように言います。そして。



「信繁。儂は父上を我が甲斐へ二度と戻さないつもりじゃ」



と、言います。
晴信は年老いていく信虎殿を他国に置くのは忍びないが、もし戻る事があれば、必ず甲斐が乱れると。



「信繁、そちの暖かい心だけが、父上の安息じゃ。頼むぞ」



晴信は自分では出来ない親孝行を信繁に託しているようでございます。その頃、信虎殿はらん殿を伴い京都におりました。



「都は都じゃ。荒れているとは申せ、この典雅な香漂う庭が我が甲斐にあろうか?」



「今川が公家かぶれしたところでこの心は買えぬ」



しかし、同伴のらん殿はご不満のようでございます。



「あーあ。甲斐へ戻りたい」



らん殿は「京の都」と言えば目が飛び出るような珍しいものを期待していたようですが、古寺と焼け野原ばかりの様子にご不満のご様子でございます。

母と息子達

「私(大井夫人)からあのお方(信虎殿)にお伝え出来るのは、くれぐれもご自愛くださいという事だけじゃ」



「その他に何を申し上げても、あの方にお供仕らなかったこの私が、あの方をお慰めする事はできませぬ」



私(大井夫人)の元へ、晴信、そして信繁、信廉の3人が顔を揃えております。優しい信繁が申します。



「ご安心下さいませ!父上は殊の外京の都を楽しまれております」



「あの方は、いつも京の都を夢見ておられた」



そう、戦などない世の中であれば、きっと歌など詠んでおられたはずです。この世があのお方に「戦」を与えたのじゃ。あのお方は歌の代わりに剣を持って「武田信虎ここにあり!」と、戦の歌を歌ったのです。



「あのお方は不幸せ」



「じゃが、あのお方は其方達を残された。あのお方の血筋を受けて」



「晴信は学問好き」



「信繁は詩歌の心」



「そして信廉は画を描く心」



皆私の自慢の息子たちでございます。

これからの甲斐

「家督を継いで2年、この甲斐のために何が出来るか考えて参った」



晴信は評定を開くと主だった家臣達にこれからの国造りについて話します。敵を一兵たりともこの甲斐へは入れない事、家臣の心を一つとして争いを起さいこと。まず、今迄の政策について振り返ります。



「じゃが、これだけでは甲斐を守る事は出来ない」



晴信は筆と紙に二つの円を描きます。
小さな円は今迄の甲斐、







そして、そとの大きな円はこれからの甲斐。国土を広げ、田畑を開き、商業を推奨する。



「これからは、守りの戦ではない。攻めの戦じゃ」



「それはその先に天下を見据えておるのでしょうか?」



晴信は天下を目指して国造りは出来ないと言います。まずは、強き国を目指すこと。天下はその先に見えるものであると。



「これからの一戦、一戦が国造りじゃ。負ける事は許されない!」

武田信玄第10話下巻~攻めの戦~

晴信はその夜里見殿の部屋におりました。そして、戦場に出たいという里見殿の願いを聞き入れると言いました。



「ただし、そちを利用するぞ?」



晴信は戦場で女武者として戦い、敵を惑わせる仕事を任せると言います。里見殿は喜んで「まずはご覧あれ」と言うのでした。

※巴御前



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連戦連勝

晴信は小県を手始めに「攻め」の戦を始めます。まず、小県の長窪城、伊奈に回って高遠城、福与城、竜ヶ崎城、などまさに電光石火の勢いにございます。





そればかりではございません。戦の合間には必ず御勅使川(みだいがわ)の工事、金山衆の仕事、城下町の整備など、精力的に内政にも関与し続けます。




そして、3年の月日が流れ1546(天文15)年。その間に晴信は初めて女子の赤子を授かったのでございます。

鉄砲

鎌田十郎左衛門が戻ると「鉄砲」の実演をはじめています。





「3年前に種子島へ届いたものにございます」



「これで、火薬を仕込み、玉を込めて、あの陶器を狙います」



「パーン!」



鉄砲は凄まじい威力でございます。晴信は早速山本勘助殿を呼ぶと鉄砲を集めるように指示します。火薬等は明国や南蛮から得なければなりませんが、甲斐は山国。港がありません。陸路で鉄砲を入手する道を創るように勘助殿に指示します。



「承知致しました!」



「勘助。そちの働き、忘れておらぬ」



晴信は家臣領民が守るべき法度を整備しなければならないと、長年頭を悩ませておりましたが、この度26箇条からなる、甲州法度を定めたのでございます。

下総と駿河

勘助殿は珍しく原美濃守虎胤殿と城下町で呑んでおります。原殿も実はこの甲斐の生まれではございません。既に勘助殿もこの甲斐へ仕えて5年近くなります。同じく、甲斐ではなく駿河生まれの勘助殿に親近感を抱いていたようでございます。



「甲斐は山国、刺身が食えぬのがな!」



「駿河の鯛は格別にございます」



「なあに!下総の鯛も負けてはおらんぞ!」



お二人はご当地自慢に盛り上がります。その時、別の御客人が。



「甲斐の連中は我々兵(つわもの)を見ても何も申さん!」



「ま、甲斐は当て字なんじゃ。山の峡と言うての。つまり谷じゃ。谷におったら世間は見えん!」



「おるのは山と世間知らずの山猿だけじゃ(笑)」



黙って聞いていた勘助殿と原殿ですが。



「たまにはどうじゃ?」



「腕が鳴っております」



「では」



原殿は後ろの客人に言います。



「儂らが甲斐の山猿じゃ?貴様らどこの猿じゃ?」



「なんじゃと!?」



かくして、5人の酔客はあっという間に叩き潰されてしまいました。

人の性は悪なり

天文15年(1546)年の暮れ、湖衣姫殿に男子が産まれました。後の勝頼にございます。




年が明けて天文16年(1547年)晴信は再び佐久へと侵攻します。まず、内山城を落し、小田井原では上野(こうづけ)より駆けつけた関東管領上杉憲政殿の軍勢と激闘の末に勝利。次いで、難攻不落と言われる志賀城を攻め始めたのでございます。





「ここに何日座っておるのじゃ?このままでは志賀城は落ちぬ!」



晴信は家臣を叱責します。志賀城の城兵は悉く死を覚悟しておりますが、このまま城を枕に自刃でもされれは城を守る「笠原殿」の名声が死後も高まります。武田の軍勢を畏れさせ開城の上勝利しなければなりません。




この夜、我が子晴信は小田井原の戦いで集めし敵の首3000を集めさせて、城に向けて並べたのでございます。晴信は一人自分に言い聞かせるように叫びます。



「荀子曰く、人の性は悪なり、人の性は悪なり!!」



流石の笠原殿もそれを見てついにお城を明け渡しましたが、晴信は笠原殿以下、城兵悉く首を刎ねたのでございます。




この世に命授けし我が子なれど、人の心に鬼宿る事、思い知らされたのでございます。




晴信はこれより二十有余年に渡り、戦と国造りに生きたのでございますが、今宵は此処迄に致しとうございます。

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